SakeTami
ぬか@nukka('ω')
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「けんぺいさんのおしごと その10」

「・・・迷った?」

「いっ、いっ、いえっ!確かこの辺り・・・」

廊下を突き当たると、どう見ても提督執務室とは程遠い、女子トイレだ。


提督執務室に案内する、と意気込む朝潮についていくこと30分。

ギクシャクと振り返る朝潮は、汗だくだった。

「えと・・・その・・・」

ぶるぶると肩を震わせながら、涙目になった円らな瞳を逸らしている。

何だか、こちらが申し訳ない気持ちになってきた。


その時、トイレの奥から水の流れる音、そして('ω')提督がハンカチで手を拭きながらやってきた。

「おや、朝潮ちゃん。こんなところで、どうしたのかな?」

「しっ、司令官~」

緊張が一気に解けたのか、提督に泣きつく朝潮。

探していた提督に会えたはいいが・・・

「・・・貴様、こんな所で何をしている?」

('ω')提督は、朝潮を撫でながらこちらに向き直った。

「おや、けんぺいさん。言ってなかったっけ?今日から呉チンの司令官になったんだ。だから、今日からここは、僕のおうち。」

いや、そういう意味で言ったのではないのだが・・・

「まあ、立ち話も何だから、新しい執務室においでよ。極上のオレンジジュースが手に入ったから、一緒に飲もう。」


朝潮と手をつなぎながら歩く提督に追従し、執務室へとやってきた。

新たな提督執務室は、とにかく広かった。

赤いカーペットが敷かれ、奥には提督用の小さな机が鎮座していた。

いや、決して机が小さいわけではない。この部屋が広すぎて、相対的に小さく見えるのだ。

執務室の応接用ソファに腰掛けると、朝潮がオレンジジュースを出してくれた。

口を付ける前に、本題を切り出す。

「先週の件──内通者の話だ。私なりに捜査し、3人まで容疑者を絞ってきた。」

提督はオレンジジュースに挿されたストローを咥え、頬を窄ませながら一気に飲み干す。

ふう、とため息をつく也、ソファにもたれ掛かって言い放つ。

「ぶっぶー、不正解」

「・・・なんだと?まだ、3人のうち、誰が内通者かは言っていないぞ。」

チッチッチ、と指を振りながら提督は首を振る。

「3人、てのが既に間違いだよ。何故なら、内通者はその10倍以上はいるんだから。」


頭が真っ白になった。

この組織に、敵がそんなに───

いや、冷静になれ、私。

「俄かに信じ難いな。そもそも、何故貴官が内通者の数を知っている?」

「──知りたい?」

提督が僅かに腰を上げ、懐に手を入れた。

刹那、背筋が凍りつく感覚に襲われ、私は無意識のうちに帯刀していたサーベルに手を掛けた。


             つづく('ω')

「けんぺいさんのおしごと その10」

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