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ぬか@nukka('ω')
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けんぺいさんのおしごと その9

 寿司屋での密会から1週間が経った。


 ('ω')提督は、先日の戦勝武功者として勲章が贈られ、「中将」への昇進が決まった。

 提督を煙たがっている上層部にとっては面白くないだろうが、大敗から逆転勝利を成し遂げた立役者である('ω')提督を昇進させないのでは、軍隊の拠って立つところである”信賞必罰”と矛盾する。

 また、中将になった提督は、同時に呉鎮守府司令長官の辞令を拝命した。

 少し前まで地方警備隊の、いち司令官に過ぎなかったのが、異例の出世スピードだ。


 同時に、私も呉へと異動となった。

 何故なら、私は('ω')提督の調査担当だからだ。

 異動先の憲兵隊への挨拶を手短に済ませ、呉鎮守府へと向かう。



『──そ。お察しの通り、味方に内通者がいる、てこと。』

 先週から、ずっと考えていた。

 あの時の('ω')提督の言葉。

 ──”内通者”の正体。

 私は「誰だ」と迫るも、('ω')提督は「宿題だ」とばかり、答えなかった。

 今日は、その時の答え合わせをしに行く。

 私なりに調査し、ある程度の姿形が見えてきたからだ。


 呉鎮守府は、業者のトラックが慌ただしく往来していた。

 引っ越し作業真っ只中、といったところだ。

 そんな中、長い黒髪の少女の後姿を見つけた。

 磯風だろうか?

 おい、磯風と呼んでみる。

 すると少女は素早く回れ右をし、踵を揃えてビシッと敬礼した。

 その瞬間、彼女は磯風ではないことがすぐにわかった。

 何故なら、磯風はこんなにキビキビと敬礼しないだろうから。

 「はっ!私をお呼びでしょうか?であれば私は朝潮型駆逐艦一番艦・朝潮です!」

 その幼さが残る小さな顔から放たれる眼光は、まさに「ド真面目な軍人」のそれだった。

 「そうか、間違えてしまったか。」

 「はい!朝潮です!申し訳ありません!」

 何故か謝罪された。普通、謝るのはこちらなのだが。

 気を取り直して、提督の執務室を尋ねる。

 「了解しました!この朝潮が、提督執務室までご案内します!」

 再度、軍人のお手本とも言うべき節度ある敬礼を見せた後、くるりと回れ右をして、少女は歩き出す。

 そのあどけない容姿と、士官学校の生徒のようにキビキビ歩く行動のギャップに、ふと笑いそうになるのを堪え、後をついていくことにした。


                 つづく ('ω')

けんぺいさんのおしごと その9

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