SakeTami
ぬか@nukka('ω')
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けんぺいさんのおしごと その8

「さあ、話してもらおうか」

人生初の大トロを、震えながら手を付けようとする秋月を尻目に、('ω')提督の方へと向き直った。

「7つの艦隊から成る連合艦隊は、それぞれが幅広く単横陣を展開し、敵艦隊を発見し次第、集結して取り囲んで殲滅、更に進軍する──当初の作戦は、そうだったな?」

提督の肩越しに、赤城が物凄い勢いで皿を積み上げていく様子を、見なかったことにしつつ、私は続ける。

「それが、突如現れた敵艦隊に中央を食い破られて突破され、分断された連合艦隊は逆に包囲殲滅・各個撃破された──そこまでは、電文で聞いた。その時、貴官はどこで何をしていた?」

('ω')提督は、タレのたっぷりかかった穴子の一本握りを、うまそうに頬張りながら答える。

「最左翼で敵に包囲されてボコられてたよ。私だけ。」

「・・・?私だけ、というのは、貴官一人、ということか?艦娘はどうした?」

提督は穴子のタレがついた指をチロチロと舐めながら、ふーっ、と一服付く。

もう腹いっぱいなのか?意外に小食だな。

と思いながら座敷側に目を遣ると、艦娘達の姿は積み上げられた皿で見えなくなっていた。

「艦娘は、本隊が出撃する前夜に、全員先発させたよ。もちろん、大本営にも内緒でね。」

──なるほど。別動隊を先発・迂回させ、進軍する本隊を囮に、敵中枢に奇襲を仕掛けたわけか。

敵の大部分は本隊に強襲中で、敵の中枢部は手薄。一個艦隊の奇襲でも、勝算は高い。

「勝因は解った。・・・だが、何故だ?敵を欺くだけなら、味方にまで嘘をつくこともあるまい」

「大将~、えんがわ10貫追加ね~」

「アイヨッ!!」

やっぱりまだ食うのか。

どれだけえんがわ好きなんだ。


「理由は2つあるね」

秒で出されたえんがわ10貫を、一口で亡き者にした。

しまった。こいつも大食いか。

「ひとつは、いち提督に過ぎない私が奇襲作戦を提案したところで、採用される確率は低かったこと。なにせ本隊が囮になるわけだからね。みんな嫌がるだろう?」

確かにそれはある。軍令部もそうだったが、参謀連中は皆頭が固い。

正面から敵に戦いを挑み、勝つことだけが戦争だと思っているような連中ばかりだ。

先発させた別動隊による奇襲作戦など、やつらに言わせれば「小賢しい」と一蹴するだろう。

「ふたつめは、味方に作戦がバレたなら、それは敵に作戦がバレるのと同義だから。」

「・・・なんだって?それは、つまり──」

「そ。お察しの通り、味方に内通者がいる、てこと。」


                       つづく ('ω')

けんぺいさんのおしごと その8

Comments

面白くなってまいりましたw こういう話大好きw


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