連合艦隊と連絡が通じたのは、3日も過ぎた4月10日のことだった。
第一報──艦隊は全滅。戦力の半数以上を喪失し、残存部隊を集結し帰投しつつあり。
予想していたとはいえ、あらためて人類の大敗を認識した海軍首脳部の連中は青褪めていた。
連中はきっと、この敗北の責任からどうやって回避しようかなどと逡巡しているに違いない。
人類存亡をかけた戦いだというのに、自身の出世や保身の事ばかり考える連中の脳内は、本当にめでたい。
第二報──損害・艦艇の4割、艦娘の7割を喪失。7人の提督のうち、3人が戦死。1人が行方不明。
人が乗る艦艇の損耗に比して、艦娘の損害が激しい。
きっと、艦娘達は人間を守るため、自ら盾となって沈んだのだろう。
それなのに、首脳部の連中ときたら
「艦娘などいくら沈んでもすぐ建造”サルベージ”できるからよい。問題は、提督の喪失だ。なかなか替えが効かないからな」
「生き残って返ってくる艦娘は腑抜けだ。どうせなら玉砕して、少しでも敵に損害を与えてくればよいのだ」
とばかり、艦娘を使い捨ての兵器扱いだ。
別に艦娘のことを擁護するつもりではないが、この前代未聞の大敗を受けてヤケになるのはやめてもらいたいものだ。
皆死んだ魚のような目をしながら、逐次読み上げられる電文を聞いている。
だが、そんな彼らの表情は、第三報で一変する。
第三報──敵艦隊、撃滅。ミッドウェー諸島を奪還せり。
なんだ?敵を撃滅?MI諸島を奪還?一体どういうことだ?
指揮室内がどよめく。
先程まで、全滅し敗走する艦隊の報告を受けていた。
それが何故、一転して勝利の報告なのだ?
その説明は第四報でされるのだが、そこで再び「奴」の名前を再び聞くこととなる。
つづく('ω')