SakeTami
ぬか@nukka('ω')
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けんぺいさんのおしごと その3

船内は人の気配が全くない。これだけの大型艦、通常であれば乗員は300人は下らないだろう。

磯風に連れられ、とある部屋の扉の前に到着した。

「ここだ。この艦の、提督執務室だ。」

先程までのひとけの無さとは、まったく逆だった。

この扉の向こうからは、物凄いプレッシャーを感じる。

今まで数々の修羅場を潜り抜けてきた私が、まだ見ぬ人物に恐れている・・・?

('ω')少将とは、それほどの人物なのだろうか。

私は意を決し、扉を開けた。


そこにいたのは、長い黒髪の少女と、軍服を着た、謎の・・・

「おやおや、どなたかな。客人が来る予定は、無かったはずだが・・・?」


なんだこの変な生き物は。

人間・・・なのか?

確かに四肢はある。ただ、顔が・・・半角記号だけで作れるような、とても簡単な作りだ。

その得も言われぬ無表情。何だか恐ろしさすら覚える。

私はふと我に返ると、すぐにピシッと背筋を正す。

そう、私は憲兵。弱みを見せてはいけない。

「私は憲兵だ。('ω')少将、貴官の司令部を担当することになった。今後は憲兵隊が、貴官並びに貴官の司令部を監査することになる。」

('ω')少将は、表情を全く変えない。

「へぇ、けんぺいさん。どうぞよろしく。」

差し出された手に、一瞬躊躇いながらも握手を交わす。

──なんだか、ヌメヌメしている。

「せっかくだし、紅茶でも飲んでいく?イギリスから良い茶葉を取り寄せたんだ」

ティーポットから、良い香りの紅茶が注がれる。

「いや、結構。本日は挨拶に来ただけだ。これにて失礼させてもらう」

('ω')少将は、相変わらずの表情で淹れた紅茶を啜った。

「そう、残念。秋月、けんぺいさんを外まで送って差し上げてくれ」

「はい、司令!了解しました!」

秋月と呼ばれた長い黒髪の少女に案内され、船を後にした。


これが、私と('ω')提督の、最初の出会いだった。

ただの艦隊司令と、憲兵。

だが、「あの事件」から、私達の関係は一変することになった。

──忘れもしない、ある年の4月7日のことだ。


                     つづく('ω')

けんぺいさんのおしごと その3

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