('ω')少将は、横須賀の軍港に停泊している護衛艦にいるとのことだ。
少将昇任と同時に、新たな旗艦を受領したらしい。
通常、艦娘を指揮する”提督”は護衛艦で艦娘を前線まで運び、そこから艦娘を出撃させる。
今までは漁船のようなボートの上で艦娘を指揮していたと聞くが、これは立派な護衛艦だ。
全長は200m以上あり、最新装備も充実している。
しかし、あらかじめ私が('ω')少将の旗艦に訪問するとアポを入れて置いたにもかかわらず、誰も出迎えに来ていない。
これは勝手に入れということなのか?案内役の一人でも置いてほしいところだ・・・
「おや、客人か。何方かな?」
船に乗り込もうとしたところで、少女の声が聞こえた。
前方デッキのほうだ。
艶やかな長い黒髪の、白い肌に赤い瞳、端正な顔立ちの少女だ。
艦娘だろうか?こちらに近づいてくる。
私は身分証を呈示し、憲兵であることを告げた。
少女はふうん、と鼻を鳴らし踵を返した。
「案内しよう、憲兵殿。ついてくるといい。」
やけに堂々とした、肝の座った少女だな。
普通、憲兵を前にすると、大の男でも震え上がり背筋を正すものだが。
前をスタスタと歩く少女に置いてかれまいと、私は小走りで船内へ入った。
つづく('ω')