初霜からの情報で、由良に関する背景が見えてきた。
由良は責任を取ってこの鎮守府から去ったわけだが、その後もこの鎮守府にやってきては、憲兵と協力して('ω')提督に何かを仕掛けようとしている。
('ω')提督を守るために、あえて自らスケープゴートとなった由良だが、実のところ自ら進んで罪を被ったわけではなく、罪を被ることを強制されたのだろうか?
それを恨み、憲兵と協力して('ω')提督に復讐しようと企てている、といったところが、私の勝手な推察だ。
まずはこの線から当たってみるとしよう。
そこで私は、初霜に尋ねた。
「由良さんと一番仲の良かった艦娘、ですか・・・?」
「そうですね・・・由良さんは人当たりも良くって、誰とでも親しく接している様子でしたが──強いて言えば、夕張さんですね。」
「由良さんと夕張さんは同部屋でしたし、休暇日は二人揃ってよく街へ出かけていましたよ」
「でも夕張さん、由良さんが異動になってから、元気がないんですよね・・・異動になったことが、相当ショックだったみたいで。」
なるほどな。これは有力な情報が得られそうだ。
是非とも夕張と接触したい。──ここで私は、また得意の虚言を行使した。
自分は人事部に太いパイプを持っていて、由良が左遷となったことについて人事部でも話題になっている。
本当に由良に責任があったのか、左遷は妥当だったのか、再検討されているところだ。
もし私に本件について色々話してくれるなら、人事部に口添えしてやっても良い、と。
「本当ですか!?是非お願いします!早速、夕張さんを呼んできますね!」
いや、いいよ。案内してくれれば、こちらから伺おう。と、申し向ける。
「了解しました!では、ご案内しますね」
由良がこの鎮守府に戻ってくるかもしれない──まるで自分のことのように喜んでくれる この天使を欺くのは心苦しいが、これも仕事なんでね。
初霜に軽巡寮・夕張の部屋の前まで案内され、初霜とはそこで別れた。
耳を澄ますと部屋の中から物音がするので、夕張は在室しているのだろう。
ノックしようと、ドアに近づいたその時だった。
つづく ('ω')