SakeTami
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④ しばりしばられ 12

「…ってわけで私たちはこうして縛られちゃってるんだよ」


「うぅ…そんな……」


沙希から状況を説明され、咲椋は青ざめてしまった。このまま自分はどうなってしまうのだろう、言いようのない不安が咲椋を支配した。


「大丈夫だよ!」


沙希は咲椋を励ますように続けた。


「泥棒さんの目的はお金だけみたいだし、私たちに危害を加えることはないと思うよ」


「センパイ…」


咲椋は沙希を頼もしく思った。麻縄でギチギチに縛られていて状況は変わらないものの咲椋は心の平静を取り戻した。


「えっと…ここはセンパイの部屋であってますか?」


咲椋たちは脱出に向けて現状の確認を始めた。


「そうだよー。玄関で泥棒さんに縛られてここまで連行されちゃったんだ。」


「連行…ちょっと羨ましいです……」


「あはは、そっか咲椋ちゃんは眠ってる間に縛られもんね」


沙希は咲椋に視線を向け、微笑んだ。


「でも…知らない人に縛られるのはやっぱり怖いです…」


「じゃあ縄抜けして逃げないとね!」


「はい!」


そうして咲椋と沙希は背中合わせになって縄抜けを試みた。


「ん……」


「硬いですね…」


お互いの背中で雁字搦めになっている縄を触ってみると、その縛りの頑丈さに驚愕した。


「あの泥棒さん、『縛るのが好き』って言ってたし縄抜けは一筋縄ではないかも」


「確かに…。この縛りは“緊縛”に近いかもしれませんね」


咲椋は振り返り、改めて沙希の背中の縄を確認した。

縦横無尽に縄をかけられているが、縄尻は綺麗に処理されており“緊縛美”を感じる縛りだった。ここまで綺麗に縄尻を処理されてしまっては縄抜けをするのは難しい。


「スマホで警察に通報することはできませんか?」


咲椋は辺りを見回してスマホを探すものの持ってきたバッグすら見つけることはできなかった。


「泥棒さんの目的はお金だから、換金できそうなスマホとかは盗られちゃったんだ…」


「そんな…」


「つまり私たちが助かるにはここから逃げるしかないってわけだね…」


沙希は徐に立ち上がった。


「泥棒さんはリビングの方を探してるみたい。縛られてるけど…2人で協力すればなんとかなるよ」


「わ、分かりました!」


咲椋も器用に立ち上がり、部屋のドアノブに手をかけた。


「よいしょ…」


ガチャ…


後ろ手でドアを開けることに成功した。


「逃げましょう、センパイ!」


「ぁ……あぁ……」


「センパイ…?」


沙希は咲椋の後方…ドアの先を見つめて固まっていた。咲椋はおそるおそる振りかえる。


「“逃げよう”だなんて悪い娘たちだな。オシオキをしてやろう。」


そこには赤い麻縄の束を持った男が立っていた。

男は抵抗できない沙希たちに容赦なく新たなる縄をかけていった。


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