※残酷描写注意
泣き腫らした眼でそう言う彼女は今もなお巨大化を続けている。
自身の肉体で意図せずあらゆる物を破壊し、無数の人々が押し潰されたという事実にに耐えられない。
何気なく握った手でクラスメイトだったモノが弾ける。
自身の肉体を、無数の眼で観られていることが恥ず化して仕方がない。
それでも、他者を潰したときに背骨を駆け巡る快感が何よりも恐ろしい。
数分前までは平和な街が、一瞬で阿鼻叫喚地獄と化した。
当の本人もこんな大惨事が起きるなんて、
いや大惨事を起こしてしまうなんて、
思いもよらなかった。
――――――数分前――――――
「つまんないなぁ~…
何か面白いこと起こらないかなぁ…」
彼女の名前はマリ。
退屈な数学の授業中、彼女は暇を持て余していた。
先生の話は全く耳に入ってこない。
昨夜見た奇妙で刺激的な夢をむさぼるように思い出す。
怪獣になった夢。
夢の中のマリは巨大な怪獣になっていた。
巨大な足の裏で群衆を踏み潰す。
手のひらで虫を叩き潰し、四つん這いになり、ひたすらに喰らう。
仁王立ちして咆哮を上げる。
最高に気持ちよかった。
怪獣の足で無力な存在を暴力で潰すのが何故気持ちいいと思えるのかが分からなかった。
きっと夢だから、快感自体も夢であり現実なわけがない。
しかし、
起きたときは股間がぐっちょりと濡れていた。
そして、今も気付いたら彼女の指は自らを慰めていた。
授業中だと言うのに…。
くちゅくちゅという淫音が隣の男子に聞こえてるかもしれないのに、止まらない。
巨大怪獣マリから逃げ惑う群衆の悲鳴が何度も脳内再生される。
「はぁ. . . 💗」
つい息が漏れる。
ノートの文字がこぼれ落ちた液体でにじむ。
彼女の唇から涎がこぼれ落ちている。
味を思い出してしまったからだ。
夢で喰べた『肉』の味を…
巨大怪獣マリの口内で弾けたあの粒の味を…
ぐるるるる…
彼女のお腹が鳴る。
胃袋が飢えている音だ。
(さすがに隣の男子に聞かれたかも。
あんなに朝ご飯を食べたのに…
まだ1限目で…?)
マリは、昨夜見た夢以来、食欲も性欲も尋常じゃなく倍増している。
ぎゅるる…
もう一度鳴った。
ただ今回のは腸から出た音だった。
(やば…
トイレ行きたい…
しかもデカいやつだコレ…
でもぉ、山下先生だから行きづらいなぁ…
無断で席を立てばグチグチ説教始まっちゃうし、
体調悪いから保健室行きますって嘘つくしかないかなぁ…)
ドックン…
(. . . ?)
心臓が熱くなり鼓動が高鳴る。
ドックン…
(え…?何…?何これ?ヤバいヤバい…。)
突然、マリの体を途轍もない快感が駆け巡る。
肌が張り裂けそうな感覚。
ムクムクと肉がうずき出す。
(わたし病気かな?体が熱くて…おかしくなっちゃいそう…)
圧倒的な万能感に包まれる。
「世界最強の生物はわたし」という根拠のない実感。
何でもできそう。
ド ッ ク ン . . .
爆発の予感。
本能的に彼女は
「コレは絶対に抑えないといけない」
と理解できた。
マリの精神で必死に抑え込もうとしても、
マリの肉体は余裕ではねのける。
(もう…
無理…
誰か…止めて…
わたしを…)
爆発の前の静寂。
そして…
(…!!!????)
肉の爆発。
マリの体は巨大化を始めた。
ブチブチ…
右隣の席の男子は膨張するマリの右肘で弾き潰された。
ブッチャ…
尻の巨重に耐えきれずに椅子が潰れ、マリがバランスを取ろうと左手を床についたときに、
左隣の男子が真上から叩き潰された。
バキバキプチュ…
前方の男子は巨大な二つの爆乳に挟み込まれ圧死。
真後ろの男子は、運よくマリの爆尻の肉の間で奇跡的に潰されずに済んだ。
「ひ!?ひぃ助かった!?
良かっ…ぎぃ!?…やだ助け…あっぷ…え!!!?」
そのすぐ後に肛門にすっぽりはまってしまい、そのまま呑み込まれた。
巨人マリの悲鳴。
巨大化した声帯が轟音を発する。
音圧で窓ガラスが割れ、必死に逃げ惑う生徒たちも鼓膜を破られる。
正面に立っていた山下先生は巨人マリの巨声を正面から食らってしまい、血煙が黒板を赤に変えた。
謝って済む範疇をゆうに越える虐殺だった。
それは加害者側が言っていいセリフではない。
そして、
マリの肉体の巨大化が止まった。
体積は教室の半分を埋め尽くすほどの巨体。
一階だから良かったが床は完全に沈み込んでいる。
大きさから考えても、異常なほどの重さだ。
相当な筋密度なのだろう。
地球最大の生物シロナガスクジラでさえ
指先で弾き飛ばせる筋力。
何が起きたのか?
皆が思考をまとめるための時間。
静寂が教室を支配した。
彼女本人を含め、状況を整理するために時間を要した。
今の状況をまとめると…
爆発が起きた。
爆発は炎による爆発ではなく肉体の膨張による爆発。
鉄筋コンクリートで出来た床、壁、天井の破片と、
クラスメイトだったものの成れ果てが散乱している。
ヤマダ マリさんが巨大化した。
そういう状況だ。
巨人ヤマダマリ自身も状況を整理しきれていないようで、動揺し泣きそうな顔をしている。
巨人は尻もちをついた状態だ。
肉付きが良い肉体が、クラスメイト達の視界を覆う。
デカ過ぎる尻と
極太の太もも。
一柱の太ももの肉と脂肪でヒグマ何頭分の質量があるのだろうか?
マリはこの極太の太ももがコンプレックスの一つだった。
それを剥き出しのまま男子達に観られている。
尻も太ももに負けず巨大だった。
彼女の恵まれた上半身を支えるために下半身も巨大である必要がある。
そして、尻もちを着いたまま股を開いている。
股間があらわに男子達に公開される。
膣と肛門は汗なのか、その他の体液なのかヌメヌメと妖しく光る。
ピンク色の下着は太い脚に比べてあまりにも細い。
陰毛が濃いのも彼女のコンプレックスの一つ。
その縮れた毛が下着の横から極太のワイヤーのように突き出している。
巨大化してクラスメイトに股間をお披露目することがわかっていれば、体毛の手入れを入念にしていただろうか?
ドロドロとしたスライムのような体液が下着をねっとりと濡らしている。
膣液(まん汁)だ。
この状況で興奮しているのだろうか?
滝のようなまん汁は膣の直下の肉穴を濡らす。
不気味にひくひくと収斂を繰り返す括約筋。
単にマリが動揺しているから収縮しているに過ぎないが、
人間目線で見ればグロテスクな筋肉の穴がムキムキと轟音を立て、彼らチビ虫たちを威嚇するように膨らんだり縮んだりを繰り返し、
『この巨大筋肉に挟み込まれたら一瞬でミンチになるまで締め潰される』という妄想を引き起こされる。
剥き出しの肛門からは独特な臭気が放たれており、
教室のどこにいても巨人の肛門臭からは逃れられない。
膣・会陰・肛門の三つから超特濃のフェロモンが放出されている。
男子達は脳がとろけそうになり、持ち込み禁止のはずのスマホで撮影をし始める。
クラスメイトの女子の股間部をこんな至近距離で眺めることは普段ならできない。
またとないチャンスとばかりに鼻息荒くレンズをマリの股間に向ける。
フェロモンで脳の一部が溶けたのだろうか?
彼女と彼らでは圧倒的な力量差があるのは明らかであり、
万が一でも巨人女の逆鱗に触れれば、虫のように捻り潰される可能性は脳裏に浮かばなかったのだろうか?
もちろん、日常を遥かに超越した巨人に対する強烈な恐怖心を彼らは持ち合わせていた。
フェロモンにやられる前まではその恐怖心で腰を抜かしていたが、性欲がそれを凌駕してしまい、正常な思考ができなくなっていた。
男子達は好き勝手に喋りながら、撮影を続ける。
「やべぇ」
「万バズいただきます」
「濡れてやがる…こんなに殺しといて、興奮してんのか?変態巨人め…」
「肛門グロすぎ!ウンカス一つで象の糞よりデカそう…てか、一本糞が電車くらいありそうじゃね?」
「くっさいけどエロい匂いしてやがる」
「マン毛生えすぎジャングルかよwマン毛一本一本が臭そうw」
「でもこのデカさだったらクジラぐらいとしかセックスできないじゃんwカワイソーw」
ブオオンンと巨人マリが拳一つ振り下ろし彼らは原型を留めず蒸発してしまう
という可能性を考慮できなかったのか?
実際はそんなことは起きなかった。
何故なら、彼らは爆乳に遮られマリの視界に入っていないし、彼らの好き勝手な言葉も彼女には聞こえない。
他にも教室では悲鳴と怒号が飛び交うが、マリにはクラスメイトの声が小さすぎて小鳥のさえずりよりもか弱く聞こえた。
弱々しく吐いたつもりのマリの嘆声も咆哮のように校舎を揺さぶりヒビを増やした。
マリも自分と自分以外の世界全てを比べたときの、力の差を理解した。
全てが、あまりにも、弱すぎる。
いや、彼女が強すぎるのだ。
「…セヨ!」
(…?)
「コノ…ケモ…!!」
ふと、さえずりの中で微かに聞こえる声、
股間の方から聞こえる。
巨大化が止まってから、巨大な乳房で遮られていた床の方をずっと見ていなかった。
覗き込めば見れるが、あえて見なかった。
怖かったからだ。
だが、勇気を振り絞り爆乳の上から股間の方を覗き込む。
股間部の方を向くと男子生徒が一人怒号を上げて両手を交互に振っている。
よく見ると手が赤くなっている。
拳が砕けるまでマリの肛門を殴りつけていた。
(は…?
何やってんの…キムラくん??
殴ってる…?
わたしを…?)
マリは耳を澄ませて、キムラの言葉を聴き取る。
消え入りそうな蚊の鳴き声よりもか細い男子にとっての全力の叫び声。
意識を集中することで内容がはっきりと理解できた。
「返せよ!!このバケモン!!!」
「ヒィッ…」
(え?何?ビビっちゃったの?)
ドスの効いたマリの巨声に完全に腰を抜かす男子。
彼女からしたらそんなつもりはなく、むしろ出来るだけ優しいトーンで「バケモンとは誰のことか」を問いただそうとしただけだ。
(うわ…おもらししてる?)
惨めにも失禁した男子はそれでも勇気を振り絞り虚勢を立て直し、叫ぶ。
「か、返してくれ!!サトウとスズキを!」
「どこ!?おめえがやったんだろ!!
アイツらははおめえのクセェ肛門の中だろぉが!!
おめえのデカ尻が喰ったんだろ!!」
言ってることの意味がわからなかった。
『クセェ』とか『デカ尻』という無礼な言葉に、
今すぐぶん殴って潰したい衝動に駆られたが、
肛門の中とはどう意味なのかが理解できなかった。
(何言って…
…
は!)
もしかして…と自分の股間を見ようとする。
鏡でも使わないと見えないが、涼しさを感じる。
そこでマリは初めて自分の汚らわしい肛門があらわに剥き出していることに気付いた。
(!!!!!???)
マリの顔から炎が吹き出しそうなほど紅潮する。
もし、今慌てて太ももを閉じれば途轍もない衝撃波と共に前方のクラスメイトは全滅する。
そう思ったマリは必死で閉じたい衝動を抑える。
下着からは陰毛がはみ出ており、膣液で下着も透けている。
更に最悪なことにそれを男子達に観られている。
スマホを向けている。
(………)
羞恥の炎はやがてドス黒い感情に変化しだす。
巨体全体の血流が巡るだけで轟音に校舎がきしみ地鳴りがする。
「殺気を感じる」というセリフはフィクションだけのものだと思った。
しかしクラスメイト全員が、現実にもそういう感覚があることを知った。
巨大化以来ずっと泣きそうな戸惑ったような顔をしていた巨人マリの顔が、不自然な程の無表情になっている。
巨大な両手の拳が硬く握られる。
(何なの…?
コイツら…
何…撮ってんの?
わたしの、股間…肛門…を?
マジでありえない……)
吹けば飛んでしまう程の矮小な下位存在が生意気にも乙女の秘所を盗撮するなんて。
怒らない訳がない。
しかし、彼女は努めて冷静になる。
このままマグマのように湧き上がるドロドロとした感情を増幅させていけばどうなるのか、マリは直感的に理解した。
『もう絶対に戻れないポイント』を超えてしまうと思ったのだ。
もう普通の女の子に戻れなくなる、と。
それに関しては、現時点で戻れる可能性は低いのだが…。
だが、確かにこれ以上怒りを増幅させるのは得策ではない。
彼女にとって、
というより、全宇宙にとって…。
いずれにせよ、彼女は友好的な巨人であろうとした。
怒りを収めようと。
(深呼吸、深呼吸しなきゃ)
吸う。
クラスメイトの髪がフワッと逆立ち、体が浮き上がりそうになる。
「ヤバい!巨人に吸い込まれるぞ!」
「なんてパワー!バケモンかよ!」
(ダメ…怒っちゃちゃダメ…わたし)
まだ吸う。
ただでさえ巨大な胸部が膨らむ。
「見ろ!ただでさえバカでかいおっぱいがデカくなってるぞ!」
「こえええ…」
「呼吸が苦しい…酸素が…」
(何か言ってるけど聞こえない聞こえない
深呼吸を続けよっと…
あ、息を吐くときは口をすぼめると多分色々吹き飛ばしそうだから口を大きく開けてから吐き出さないと…)
巨人マリの口腔が涎の糸を無数に引きながら開かれる。
のどちんこがハッキリと見えるほどの大口。
巨大化以来、食欲が爆増しているから唾液の分泌量が凄まじく、滝のように溢れ出している。
見上げる男子達には捕食者にしか見えない。
映画でしか観ないティラノサウルスを想起させる。
「いやだああ喰われるーー!!」
「食べないでくださいお願いします!」
(はいはい無視無視無視)
吐く。
教室の空気が一瞬でマリの口臭に置き換わる。
「うっわ、すっげえええ匂い」
「くさっ…でもエロい匂いだ」
「涎とか歯垢とか人間よりも臭いのかもなぁ」
(ダメダメ抑えて抑えて…
笑顔笑顔笑顔…!)
巨人マリは急いで口を閉じる。
一つ一つが巨大な鉄塊のような歯が閉じ、轟音が大気を揺らす。
口角をゆっくり上げる。
凶器のような歯列が剥き出しになる。
矮小な男子達にはその歯列が捕食するための道具にしか見えず、腰を抜かす。
ゆっくりと笑顔を作る。
目は笑っていない。
もちろんそれを見上げる者にとっては恐怖でしかない。
怒りを抑えるためにゆっくりと低い落ち着いたトーンでゆっくりと喋る。
ゆっくり低く喋ったことでかえって彼らの恐怖心を倍増させてしまう。
スローモーションのように間延びした巨声の一音一音が地鳴りのように轟き、
人間、いや地上のいかなる生物よりも遥かに強い生物であることを理解させられる。
『て』の音の時に彼女の口から唾の飛沫が出る。
びちゃっと濃厚な唾が一人の男子の顔にかかる。
その男子の首がおかしな方向に折れ崩れ落ちる。
「ヒィッ…」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
「食べないでくださいお願いします!」
「さっき…臭いとか言ってごめんなさい…歯糞きたねえとか言ってごめんなさい…マン毛濃すぎとか言ってごめんなさい…」
「SNSに投稿した動画は削除しますので、あ、でも拡散されてる分はどうしよーもないですごめんなさいホントに…」
「自分は動画撮ってますが、絶対にSNSには流しません。飽くまで『個人用』で使わせてもらうから大丈夫ですよね?」
「くせえ!唾が顔に!ひっ…ごめんなさい…臭くないです!」
(………いや無理…
爆発しそう…)
彼女の怒りのボルテージが限界を超えそうになる。
冷静になるために目を閉じる。
ふと、彼女の脳内でずっと引っかかっていた事を思い出す。
(そういえば…)
股間部にいるキムラは相変わらずマリを殴り続けている。
蟻でさえ噛まれたら痛みを感じる。蚊でさえ痒みを感じる。
この男子は全力で殴り続けても痛みも痒みも感じさせられない。
(弱すぎ…
虫以下…)
マリは口にはしなくても無意識で実感する圧倒的な力量差。
(そういえば、
さっき、この人『わたしが肛門で二人を喰った』みたいなこと言ってたけど、どういうことだろ…?)
鏡でもなければ、自身の肛門を見ることは出来ない。
(もしかして…マジで二人が肛門の中に?
おっきくなったときはパニックになってて、気付かなかったのかなぁ…)
マリは括約筋を緩め、肛門を大きく開く。
「ひぃ!巨人が…!」
「アナルが開いたぞ!!」
「おならか!?大便か!?とにかく逃げろ!」
彼らは全員腰を抜かし逃げようにも逃げられない。
巨人マリの呼吸に合わせて、肛門も呼吸をするかのように…
と不気味な重低音を轟かせる。
男子達にとっては巨大モンスターがグロテスクな口を開けてこちらを捕食しようとしているようにしか見えない。
肛門内の粘液が汚らしく糸を引き、大気が出入りするたびにその糸が振動する。
男子達は泣き喚き命乞いするが、マリは平静を保つため聞かないように努めた。
返事はない。
代わりに…
何か巨大なものが蠢くような轟音。
(やば…)
マリの腸が動いた音だ。
男子達には腹の虫が轟いたようにしか聞こえなかった。
(トイレ行きたいこと忘れてた…
最悪…
てか、二人は何の反応もないし…
二人とも…死んじゃった…?
いや…ありえない…さすがに
いくら何でもそんな弱いわけないよ
男子二人が女の子の肛門に負けるわけないよ…
どうしよう…
そこの男子たちに肛門の中に入ってもらって2人を救出してもらおうかな…?
いや、恥ずかしいし、自分でほじくり出すしかないかな…)
マリは男子達に笑顔を作り話しかける
喰われたくなかったら…
という言葉が彼女の口から出て来そうで恐ろしくなり、急いで後ろを振り返る男子達。
サトウとスズキの親友であるキムラも、マリの肛門を殴り続けている。
(この虫、わたしに勝てるとでも思ってんのかな…?)
無意識でキムラを虫扱いしてしまう。
「 「 「キムラくんも…
後ろ向いて…」 」 」
口は歯を剥き出しにした笑顔だが、目は虫を見下すような目をしている。
流石のキムラも後ろを向く。
(はぁ…
気乗りしないけど指入れるしかないよね…)
肛門に指を入れた快感に、つい声が漏れる。
(何これ…?初めての…感じ…)
人生で初めて肛門に指を突っ込んだ。
穴をほじくるほどに快感が爆増していく。
巨大な肉をこねくり回す重く低い淫音が男子達の背中を揺さぶる。
マリのフェロモンに脳を犯されている男子達の脳内の天秤が振れる。
全員恐る恐るゆっくり振り向く。
彼らの恐怖心と性的好奇心の天秤では、わずかに性的好奇心が重いようだ。
そして彼らは『見るなの禁』をおかし、目撃してしまう。
彼らの目に飛び込むのは、巨人マリが快感に悶えながら肛門を指でいじくり回している光景。
彼女にバレないよう、小声でブツブツささやく男子達。
「ヤベエエエ…アナニーかよ…」
「迫力がすげえ…」
「エロい肛門臭でイキそう…あっ…」
「巨人の生アナニー、生配信するしかないっしょ…」
マリは快感にひたり目を瞑っており、男子達が観ていることに気づいていない。
「…!」
キムラは咄嗟にマリの肛門を振り向く。
マリの丸太のような人差し指が肛門から出てくる。
その瞬間、男子達は凍りつく。
恐怖が性欲を遥かに上回る。
彼らの恐怖の原因は巨人の人差し指にこびりつく粘液塊にあった。
(サトウくんとスズキくん生きてるかな?)
マリは恐る恐る人差し指を顔の前に持ってくる。
(……!!!???)
塊。
その圧縮された塊が正にサトウとスズキだ。
いやサトウとスズキ『だったもの』だ。
二人は一つになっていた。
原型を留めていなかった。
ほぼミンチなのに血生臭さは無い。
いや、あるのだがその血生臭さをマリの肛門臭が上書きしている。
骨、制服、肉、靴、髪、歯、目。
「オ゛エ゛エエエーーー…」
キムラが嘔吐する。
「 「 「違うの…わたし…
わたし…」 」 」
(わたしが…やったの?
二人を…こんな臭い塊に変えちゃったの…?
こんな死に方…ひどすぎるよね
わたしが…肛門で潰して…
わたしは…)
「バケモノ!!」
キムラが叫ぶ。
(わ た し は バ ケ モ ノ ?)
(ううん違う違う違うわたしは人間わたしは人間)
「ひっ人殺し!」
「アナルで二人とも潰したのかよ!?」
「括約筋締まりすぎだろ!」
(大丈夫大丈夫まだ大丈夫
普通の生活に戻れる
明日には元の大きさに戻ってるんだ…
普通の女の子に戻って…
あ、でも人殺しの目撃者がいるじゃん…
この男子達全員見てたんだから…
早めに全部『処理』しなきゃ…)
「すげえ!おかげさまで配信めっちゃ盛り上がってるわ…」
(は…?
え…配信…?
何…言って…)
「どのSNSでも世界中でバズりまくって、有名人だな!」
(………)
全てがめんどくさくなったマリは必死に抑えていた黒い感情を一気に解放する。
※※※※※※※※※※※※※※※
この教室の2つ上、3階のある教室『3−B』。
「地震か!?」
「怪獣の声みたいなの聞こえたぞ!?」
「女子が巨大化したらしい!」
「イヤ…んなわけねえだろ…」
「うおおおっ!!」
「すげえ揺れだ!!!」
「崩れる!!!」
「ひいいいっっ!!!」
「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!」
「な…下から…何か…来…」
「え…?顔!?」
「巨人…!?」
(コレ『3-B』かな…?
先輩たちが…
ヤバい…止まらない…
さすがにデカくなりすぎ…わたし…
止まらない…
止まらない…💗)
(何これ…気持ち良すぎる…💗
校舎がわたしの肉でぶっ壊されてる…💗
ヤバい…💗
あ、口の中に先輩たちが…?)
3階にある教室『3-B』が巨人マリの口内に丸ごと収まる。
(あっ…『あの人』も…もしかして…?)
『あの人』とは、彼女が密かに思いを寄せる『タナカ先輩』のことだ。
(や…やだ…
『タナカ先輩』がわたしの口に…!?
昨日は歯磨きせずに寝落ちして、朝も寝坊では磨けてないのに…!!
あっ…わたしのくっさい口で先輩のキレイな顔が汚されちゃう…
わたしの唾が先輩を汚して…
あっ…
待って…
これって実質キスじゃん…
ディープじゃん…)
(ずっと…
夢だった…
でも…先輩からしたら怖くて仕方ないよね…?
自分より何倍も大きくて、何兆倍も強い巨人女の口内で犯されて…
いつ捕食されるかもわからないのに…
ごめんなさい…
でも…すごく…
すっごく…)
巨獣の咆哮が轟く。
(わたし怪獣になっちゃった…
これも小さい頃からの夢だった…
でも…さすがにデカくなりすぎちゃった…止まらなきゃ…
止まって…)
マリの肉体の巨大化が止まる。
必死に冷静になろうとする。
冷静になって…
ようやく自分が犯した罪を知る。
殺人犯というレベルを遥かに超えた所業。
巨大災害レベル。
存在自体が巨大災害。
荒い鼻息は人や車を吹き飛ばす。
空腹や快感によって過剰に分泌させた唾液が人を呑み込む。
無造作に握り込んだ両手で、生徒たちが何人も握り潰された。
巨大な爆乳の谷間の巨大粉砕機が何人もの生徒たちを呑み潰す。
二柱の巨大な極太の太ももが校舎を爆砕する。
感情の濁流が胸に押し寄せ、涙が止まらない。
自身の日常が…無数の罪の無い人々の日常が崩れ去った。
こんな状態でも彼女の気がかりなのは『3−B』のタナカ先輩であった。
(ヤバ…口の中でタナカ先輩潰してないかな…!?)
マリはあわてて大口を開け舌を出す。
地上の阿鼻叫喚の渦中にいた人々の目から見たら、
突然大口を開け淫らに舌を垂らす巨人女をどう思うだろう?
勿論恐怖でしかない。
巨人は泣いてはいるものの快感に喘いでいるようにも見えた。
憧れの先輩とディープキスをする妄想をしているからだろうか。
マリの口腔内で絶望していた『3−B』の生存者達に突然光が差し込む。
残念ながら希望の光などではない。
巨大生物がその顎を大きく開いたに過ぎない。
彼女の肉体を構成する筋肉は、最小のものでさえ重さ数メガトンという単位である。
それが動く。
巨人の外側翼突筋と舌骨上筋群が轟く。
当然、10トントラックが横切る轟音よりも遥かに強く重々しい轟音が発生する。トラックなどは重さの単位からして違う。
それだけで巨人と彼らの力の差を思い知らされる。
巨人マリという非現実的な存在は、科学でも魔法でもない。
生物として単純に『巨きくて重くて強い女』。
蠢く動脈や、溢れる体液、毛穴から噴射される体臭は極めて生物的とも言える。
生物の範疇には到底収まらない超巨大生物だ。
舌上の生存者達の眼前に広がる青空。
「落ちる…!」
そう思った彼らの何人かは、
むしろ落ちることを望んだ。
落ちて砕けた方が、この先予想される地獄よりマシだ。
巨人の後輩女子に生きたまま丸のみにされ溶かされるよりは幾分マシな散り方、と…。
しかし、その望みはいとも簡単についえた。
「落ち…ない…」
彼らはマリの舌に惨めに貼り付けられている。
ちっぽけな粉砂糖のように舌についている。
ねっとりと粘度の高い濃厚な唾液が彼らを捕らえているのだ。
昨夜も今朝も歯磨きを怠ってしまったマリの口内環境は劣悪だ。
不運にも潰れた生徒たちの血肉が巨人の味蕾に味覚信号を発生させてしまう。
『旨味』信号が脳に発信され、受信した脳が逆に口内の唾液腺に『捕食準備』の信号を送る。
(間違えて食べないようにしないと…)
という表層の心の声とは裏腹に、
本能は正直に『旨ソウ』と涎を垂れ流す。
巨獣の本能を彼女自身も抑えきれない。
(タナカ先輩を食べたら絶対ダメ…)
反面、本能では一人残さずぐちゃぐちゃに噛み潰し咀嚼しようか、それとも生きたまま丸呑みしようかの二択しかなかった。
ふと、マリが舌先を見ようと視線を動かすと、
ゴミのような物が視界に入る。
点のようなゴミ。
(え…!?
何…鼻先に…虫…!?)
咄嗟に右手で潰そうとする。
(あれ…?
これ…ゴミじゃない…)
そう。
ゴミだと思っていたものこそが、
件のタナカ先輩だったのだ。
「ひぃいいい…
きょ、巨人の眼が…」
マリの憧れの『センパイ』は、無様に泣いて失禁していた。
無理もない。誰も彼を嘲笑できない状況だ。
上空数十メートル。
巨大化した後輩女子の鼻の頭にへばり付けられている。
鼻の頭のねっとりとした皮脂が彼を粘着している。
独特な皮脂のニオイ。
しかも、彼の足の数メートル下には、巨大な肉の洞窟が二つ、左右に並ぶ。
巨人マリの鼻孔だ。
洞窟内は毛がジャングルのように生い茂り、鼻糞が独特なフェロモンを放つ。
定期的に膨大な大気が出入りする不気味な轟音は、
タナカの心臓を石臼にかけるように揉み潰さんばかりだ。
鼻の近くを通る鳥の群れが一匹残らず鼻孔に吸い込まれた。
バードストライクで故障するようなジェットエンジンよりも遥かに強大な鼻孔は痒みすら感じない。
しかし万が一むず痒さを発生させ、彼女がくしゃみでもしようものなら、航空機の墜落とは比較にならない程の巨大災害をもたらす。
もしそうなれば、タナカも粉々に砕けてしまうだろう。
しかも鼻息嵐は段々と強くなる。
鼻のねっとりとした皮脂で貼り付けられているおかげで、
吸い込まれたり、吹き飛ばされずに済んでいる。
「大好きな先輩が鼻の上に居る」という事実が巨人少女を興奮させ、鼻息を荒くさせる。
そしてその鼻孔の下には分厚い上唇があり、
その下に、巨大なピンクのモンスター、舌がある。
大口を開いている。
という重低音の巨大な声が鼓膜を犯す。
本能で、雌が性的興奮を高める声なのだと聴き分けた。
巨人女は、舌にタナカのクラスメイトを貼り付けている。
その更に下、
更に更に下は、
学校の跡地…
ではなく…
「セーラー服…?」
うちの学校の女子が着る制服が、二つの巨大な肉の球体を押し広げて、巨大な肉の谷間を成している。
わずかなほくろやシミの位置で…
(マリ…?)
彼は普段密かにマリの胸元をチラチラ見ていたからわかる。同世代の女子の平均からも突出しすぎた超爆乳を『見るな』というのは思春期男子には無理な話だ。
その爆乳大渓谷は血と肉片にまみれていた。
(ひ…あれ…人間…か?)
同じ学校の生徒達が同じ学校の制服に包まれた爆乳で圧殺されている。
マリが意図的に押さえつけているわけではなく、呼吸のたびにわずかに開閉する谷間に粉砕機のように生徒達が飲み潰されている。
彼のいる所まで独特な臭気がむわむわと昇ってくる。
そして彼は上を見上げ…
眼が合う…後輩の『マリ』と…
(タナカ先輩…!?)
鼻先の『粒』がタナカ先輩だと知り、
一気に顔を紅潮させる。
憧れの人が文字通り『目と鼻の先』にいる。
(やだ…
歯磨きしてないから口臭ヤバいかな…?
先輩が見てる…?
その角度って可愛く見える角度なのかな…?
怪獣みたいに見えてる…?
可愛く見えてますか…?
先輩…?)
もちろんタナカ視点では、マリは怪獣のように見えている。
「ひ…
怖すぎる…
それに…なんて匂いだ…」
(あ…
先輩に口臭嗅がれたらマズい…
口閉じないと…)
プチプチバキパキプチプチ…
「いやだー!」
「助けて!!」
「喰わないでくださ…」
プチプチプチプチバキバキプ…
「ぎゃっ!?」
「潰され…」
巨人マリが彼らを嚥下した直後、
一瞬で悲鳴が止む。
マリは自身が犯した虐殺に気づいてすらいない。
憧れの先輩を前にして臭い舌を垂らし大口を開けた顔でいられるわけがない。
無意識で口内を唾で洗い流す。
好きな人の前で『いい顔』をするのは当然のことだ。
先刻まで出来るだけ潰さないように細心の注意を払い口を開けていたはずなのに、
そんなことは忘れてしまったようだ。
『恋は盲目』とも言うが、
このスケールの女子が周りを見なくなれば厄災でしかない。
(タナカ先輩の目には、ちゃんと可愛く見えてるかな?)
口を閉じたときに唇で男子を粉砕し、
直後に舌で男子を嬲り潰し、残りの男子全員を丸呑みにしてしまった。
タナカは壮大な捕食シーンを目撃してしまった。
「ひっ…
マリのやつ…『3−B』の皆を…
喰いやがった…
ひ、ひ、ひとくちで…」
「...っ!!???ひいいいっ…!?」
タナカは心臓を吐き出しそうなほどに驚く。
(この巨人…マリが…
俺の…名前を…!?)
この巨大生物の双眼が自身の矮小な存在を認知しているという事実に耐えられない。
たった今、捕食者としての圧倒的力を見せつけられたばかりだ。
その圧倒的超上位存在が彼を認識している。
そのマリがゆっくりと口を動かし発声する。
「は…?」
※※※パート2に続く※※※
武蔵坊pencase
2026-02-08 08:28:19 +0000 UTCtake
2026-02-08 07:34:41 +0000 UTC