「あ、うちの子がついたみたいですね…?」
「ど、どうにかして帰らしてくれ!」
受話器のスピーカーが男の悲鳴に音割れする。
「残念ですが、弊社に彼女の行動を縛る力はありません」
「じゃあ耐えろというのか!?」
『耐える』こともできないのですが…
とは流石に言えない。
電話先の国は地震の無い国のはずだが、振動で建物が揺れて軋む音がする。人々の悲鳴も聞こえる。
正直同情する。
でも、私というちっぽけな人間が「愛ちゃん」という最強無敵のアイドルをコントロールすることなどできない。
人間が何億何兆と群れようと、愛ちゃんを抑えつけることは不可能だ。
※※※※※※
今回の愛ちゃんの撮影会は「ギガサイズ」らしい。
アイドルの撮影アポイントを取るのは私たちマネージャーの仕事だ。
普通の撮影のアポイントなら、その場所の責任者にお願いするだけのことたが…
愛ちゃんの場合はかなり特殊だ。
基本的に愛ちゃんの撮影のアポイントは、国家元首級の人物に対して行う。
しかも「お願いする」という形よりも、「宣告する」という形に近い。
「うちの事務所の茅ヶ崎愛が貴国で撮影会を行います。」と伝える。
他にも、彼女が通過する都市名も列挙する。
普通のアイドルの場合なら、元首側は、
「あ、そう…。どうぞご勝手に。
いや、許可とる相手間違えてますよ。
たかがアイドルの撮影許可だなんて…」
となるはずだ。
普通のアイドルならば。
愛ちゃんは普通じゃない。
普通じゃない点は3つほど。
第一に可愛い。
第二に胸と尻がデカい。あと太腿もデカい。
第三に、
これが一番普通じゃない点、
愛ちゃんは巨人だ。
普段は人間サイズまでているけど、
自由に巨大化できる。(正確には縮小解除)
ビルレベルから大陸サイズ、並行世界ならばサイズの上限なく惑星サイズ、銀河サイズ、宇宙サイズ、人智理解不能サイズ、更なる無限サイズまで巨大化できる。
まさに神のような、というより神以上の「超」が何万個もつくような巨神だ。
童顔なのに、
超巨大なおっぱいとおしりとぶっとももと、
超巨大なカラダを持つ最強無敵(物理)のアイドル。
(補足で第四、愛ちゃんはふたなりだ。
その極太のメスち◯ぽで群衆を叩き潰したり、都市ごと尿道から呑み込んだり、国ごと精子で埋葬したりするのが大好きらしい。)
もちろん、基本的にアポイント交渉はスムーズに進まない。
いや、許可取りや交渉という次元ではなく、単なる宣告でしかない。
「うちのアイドルが、あなたの国の都市を何個か地図上から消し去るんですが、よろしいですか?」 と言ってるようなもの。
事実上の宣戦布告だ。
一方的なテロ宣言だ。
いや、少なくとも彼女自信は宣戦布告とは思っていない。
下位存在に対する圧倒的な蹂躙宣言。
撫でるだけで弾け飛ぶような肉の粒子が、愛ちゃんと対等なわけが無い。
「駄目です。そんなの困ります。」 と言われようが、どうしようもない。 我々マネージャーも人間だ。非人道的な虐殺行為を幇助したいわけが無い。 ただ、事務所側も愛ちゃんを抑制する力は皆無だ。 誰も彼女を止められない。 彼女が「ムラムラ」してきたら次の瞬間には、
巨大化しながら地を割り海を越えてズシンズシンと闊歩し出す。
我々マネージャー陣は、
必死に超巨大怪獣と化したアイドルと意志の疎通を試みる。
人類がどう足掻こうと数kmもある鼓膜を微かにも振動させるエネルギーは生み出せない。
最先端脳科学により、巨人アイドルの脳に直接信号を送ることで言葉を伝えることが可能になった。
『愛ちゃん?聞こえますか?』
巨人アイドルの横隔膜から轟音が放射される。
童顔には似つかない重低音は、
人間が、いや生物が発していい音じゃない。
雷鳴さえも、か細い蚤の寝息でしかない。
『突然縮小化解除してどうされたのですか?』
『りょ、了解しました。急いでアポイントを取ります。』
正直、電話でのアポは全く意味が無い、ただの儀式のようなもの。
こちらが電話で伝えるより先に情報が被災国に届くことも多い。
巨人爆乳アイドルの進行ルートが確定し次第、
世界中に情報が発信される。
「緊急『巨災』警報」が発令される。
『巨災』とは『巨人女性災害』の略だ。
愛ちゃんレベルの巨人になると、地球の半分以上が「イエローゾーン」に含まれる。
「イエローゾーン」とは、政府発行の『巨災生存マニュアル』から引用すれば、
「このエリアは、巨人女性による、振動・轟音・衝撃波により、建物の倒壊の恐れ有り。
巨災シェルターへ避難してください。(死亡確率が0になるものではありません。)」
そして、愛ちゃんの撮影現場と、そこに向かうまでの進行ルートが「レッドゾーン」に含まれる。
「レッドゾーン」は、残酷な言い方だが、『巨災生存マニュアル』から引用すれば、「生存を諦めてください。」
※※※
高層ビルが左右上下に揺れる。
撮影現場に向かう道中も、既にドローンカメラによる撮影が始まっている。
数km先の地平線に、超巨大爆乳グラドルが闊歩している。
スローモーションに雄大に
と揺れる乳房。
勃起し屹立した肉棒が、
と上下左右に揺れる。
愛ちゃんの肉棒はそこら辺の島よりも巨大で、質量は島の何万倍、何億倍あるか分からない。
しかも、爆乳片方でも肉棒の何杯も重たい。
そんなテラトン級の重量兵器を3つも平然と前方に突き出しながら歩行する筋力は凄まじい。
一歩だけで、人類が今まで生み出してきたエネルギーを遥かに凌駕する筋力が発揮される。
巨人専用に特注されたスクール水着が彼女の弾けるような肉体に悲鳴をあげている。
この都市の住民にとって幸いなことに、巨人愛ちゃんはこの都市には目もくれず、ズシィンン…ズシィンン…と歩いている。
地上の人々は怯えた眼差しで巨人少女が通過するのを待つ。
とはいえ、振動はとてつもない。
巨人の体温で気温は上昇する。
愛ちゃんの濃厚なフェロモンで人々の脳が犯される。
フェロモンの出所は、唾液腺、脇、乳首、谷間、臍、肛門、ふたなりち◯ぽだ。
むわああ…とフェロモンの雲が形成され、数km離れていようが窓ガラスが曇るほどだ。
とは言え、窓ガラスはほとんど愛ちゃんの歩行の振動で砕け散ってる。
この都市は、今回の巨災アラートではイエローゾーンに含まれる。
イエローゾーンとレッドゾーンの差は結構曖昧かもしれない。
巨人女性の歩行だけでかなり広範囲が被災する。
この都市も例外ではなく、阿鼻叫喚だ。
もちろんメインは天上に聳える愛ちゃんだが、地上の地獄絵図もフィルムに収める。
目を背けたくなるが、愛ちゃんの命令だからドローンを壊されないように崩れ落ちる瓦礫を縫うように空撮する。
(こういうのに興奮する特殊性癖の界隈には高く売れるし、愛ちゃん自身も凄く興奮するらしい。)
歩行の度に乱暴に数メートル上下する大地に崩壊するビル。
車も電車も巨大な土木重機さえも、愛ちゃんの健康過ぎる肉体が大地を揺らすたびに、跳ね上げられ、スクラップと化す。
もっと軽い人間は言うに及ばず、骨を折られ、肉を潰され、血反吐を吐き這いつくばる。
「ひ、ひいいいい!」
「誰か助けてええええ!」
「あのバケモノを止めてくれえええ!!」
最強無敵の超巨大アイドル愛ちゃんは誰にも止められない。
しかし、リズミカルな縦揺れが止まる。
という重低音の地鳴りだけがこだまする。
それに合わせて巨大な爆乳が上下する。
これは愛ちゃんが呼吸する轟音。
『止めてくれ』という願いが叶ったのか?
何故か歩みを止める愛ちゃん。
住民にとって、愛ちゃんの整った横顔が恐ろしく見えるだろう。
縦揺れが止まり被害が食い止められ、安堵する者もいる。
鼻の穴が広がる。
クンクン…と鼻を鳴らす。
何かの匂いを嗅ぎ取ったようだ。
巨大化すると野生の獣のように嗅覚が鋭くなるらしい。
愛ちゃんが周囲を見渡す。
発見。
無表情に地上のゴミ溜めを見下ろす愛ちゃん。
横顔は綺麗で、正面顔は更に童顔でかわいい。
「ひっ…」
「え…?」
「巨人女、こっち見てないか…?」
突然…
という轟音と共に大気が2つの鼻腔に収束される。
見向きもされない小規模な都市がいくつも一瞬で、ビルも人間も区別なく愛ちゃんの鼻の穴に吸い尽くされ肺に送られる。
「あ…一瞬で、吸い込んだ…」
「ば、バケモノめ…」
「何人も…」
「肉粒」達の匂いの微粒子が愛ちゃんの鼻腔を刺激する。
愛ちゃんにとって取るに足らないミクロン単位よりも極小の匂いが何兆も収束し、巨人の嗅覚にわずかな変化を起こす。
口中の唾液腺から濃厚な唾汁が洪水のように溢れ出す。
腹の虫が鳴る。
愛ちゃんの胃腸が蠕動した轟音。
テラトン級の内臓が活発に動き出した音。
人間の血と肉を、巨人の巨大筋肉に変換する工場だ。
取るに足らないちっぽけな人間達を、愛ちゃんの宇宙最強のボディーを構成する筋肉へと昇華させる。
じわじわと消化されてきた何億もの人々だったが、
旨そうな肉の匂いに巨獣の胃袋が次の獲物のために胃液に生きながら溶かされた人々を一瞬で溶かし胃壁で粉々にすり潰す。
消化イジメが飽きたからオモチャは用済みとでも言うように無慈悲に圧殺し蒸発させる。
無意識に内臓で被食者達を殺戮。
胃腸が少し動いただけで、
この都市にも揺れと衝撃波が襲う。
「ひいいいい!!」
「な、何だ今の轟音は!?」
「きょ、巨人の腹の虫か…?」
愛ちゃんの口角が上がる。 ファンに見せるようなアイドルスマイル。 人間サイズならただかわいいだけだけど、 ニッヂャアアアという音が聞こえて、 厚さ数キロメートル級の前歯が露わになる。 子供のときは博物館に展示されるティラノサウルスの巨大な牙に興奮した。 愛ちゃんに出会った今では何の興奮も覚えない。 最強の生物だと思っていたティラノサウルスの牙、 いや全身でさえ、愛ちゃんの前歯の歯垢に生き埋めにされる。 臼歯を使うまでもなく、尖った犬歯の先端ですり潰せる。
実際は気付かれもせず、ドロドロの唾液に溺れ、胃に流れ落ち(嚥下すら必要無い)、一瞬で消化され、栄養を絞り尽くされ、排泄山脈の一部になる。かつて最強無敵の捕食者だった王者は、真の最強無敵のアイドルのうんこに成り下がってしまう。
愛ちゃんの巨大な声に揺さぶられ、変な妄想から現実に引き戻される。
核の爆風に耐えるという特殊強化ヘリがメシメシと軋んだ。
超巨大アイドル愛ちゃんのパワーを思い知らされる。
ギリギリの安全圏で愛ちゃんを尾行している。 『あ、はい。何でしょうか?』
『今朝、並行世界をいくつかお召し上がりになったものと…?』
オフのときの愛ちゃんは、アイドルのときの「猫をかぶったような口調」とは違いガサツで荒々しい。
『これ』とは例のドローンカメラのあるイエローゾーンの都市のことだ。
愛ちゃんにとって何km先の距離さえも『あれ』ではなく『これ』になる。
『か、かしこまりました…!』
と舌舐めずりをする巨人少女。
それだけで愛ちゃんの口内を唾液の津波がいくつも発生する。
我が事務所は超巨人の極厚の横隔膜の爆震を人間の可聴域にまで変換する科学技術を有するが、
件の都市の住民には、ただ鼓膜をすり潰すような…
いや、全身の骨と肉を潰し臓器を絞り出されるほどの、巨大質量を持った轟音塊でしかない。
巨人の方角から特濃フェロモンに加えて、「涎臭さ」が吹き付けてくる。
人間のクシャミの飛沫の臭さを何兆倍にも濃くしたようなクラクラするような巨人アイドルの唾液の臭気が、被食者達の恐怖を倍増させる。
巨声を音として認識できないとはいえ、
無意識で頂点捕食者に「肉」と認識されたことを理解した者は少なくない。
「アポ取れ」と言われても、何の意味があるのか…。
「もしもし。今から、うちのアイドルがあなたの都市を食べます。」
と伝えることに意味はあるのか。
「うちの愛ちゃんは巨人です。都市を基礎の岩盤ごと引き剥がして人々を都市もろとも丸呑みします。」
と伝えるのか?
そんなこと言われた側からしたらたまったものじゃない。
そう逡巡している間に、数兆テラトンの巨大の肉体が動き出した。
「うわあああああ!!」
「と、都市ごと…!?」
「ひいいいいいい!!!」
気づけば都市は遥か上空にさらわれていた。
まるで床に落ちた消しゴムを拾う女子高生のような、そんな何気なさで岩盤をぶっこ抜く。
世界中の重機を集めても無理な作業をいとも簡単に成し遂げる筋力。
愛ちゃん本人は筋力を発揮したつもりもない。
皿から肉粒がこぼれ落ちないように、水平を保っている。
これも経験の浅い巨人少女は、全てこぼしたり、力加減を誤り握りつぶしてしまうことも多いが、
流石プロの巨人アイドルは違う。
視線は巨人用スマホ『G-PHONE』に集中しながら、千人程度しかこぼしていない。
(我々人間視点では甚大な被害だが、愛ちゃんと長くいると感覚が狂う。)
世界規模のSNSサイト『Y(旧:twitta)』で世界の反応を楽しんでいるようだ。
自らの肉体とパワーがもたらす混乱と恐怖を確認したいという性癖がある。
犠牲者達がSNSにアップロードする画像・動画を観てメスち◯ぽを勃起させている。
変態巨人アイドルの喘ぎ声が地球を何周もする。
ゴミカスとは、まさに今掌中にある都市のこと。
その住民が動画を上げているのだろうということだ。
超ローアングルであるから、おそらく掌中の人間が撮ったものだろう。
愛ちゃんは、アイドルとして当然写真写りは気にしているつもりではある。
とは言えその実、こういう類いのローアングルで撮られるのが興奮するらしい。
巨人らしさ、怪獣らしさが強調されるかららしい。
わざとらしく口を押さえる愛ちゃん。
今更ながらアイドルらしい猫なで声を装う。
装うだけで、数億テラトンの剛鉄筋肉で構成された声帯器官から発する猫撫で声では、アイドルらしさの欠片もない。
声帯一つと比べても、人類の大量破壊兵器などは蚤の屁以下だろう。
生身の人間は、巨人アイドルの『ただの挨拶』で細胞の一つ残さず音圧に潰され、都市も岩盤ごと分子レベルで圧砕される。
本来ならそのはずだ。
しかし、死なない。
そもそも愛ちゃんの顔の前まで一瞬で上昇させられたら、気圧の変化で爆散するはずだ。
だが、彼らは苦しくても痛くても死ねない。
掌中の人々のちっぽけな身体はもみくちゃに潰されようと奇跡的に生きている。
実は、これも最先端の科学技術によるバリアのようなものが働いているからだ。
愛ちゃんの命令で人々は保護されている。
もちろん、人道的な理由などではない。
単に「食品の鮮度を保つため」と言うことらしい。
活きの良い状態で噛み潰したり、生きたまま胃腸に届けたいという巨人女性たちの願いが形になった、悪夢のような発明だ。
「ひ、ひいいい!食べないでください!」
「何でもしますから…!」
「そ、そんなことなら…」
「よし、撮ったぞ…!」
「そ、そんな…」
「無理だ…」
人々はかなり失礼な言葉を漏らした。
たしかに可愛く撮るなんて不可能だ。
何故ならどの角度から撮ろうと超ローアングルになってしまう。
※※※※※※※※
(反応があれば続き書きます)
take
2025-07-16 08:25:45 +0000 UTC武蔵坊pencase
2025-07-15 22:32:19 +0000 UTCtake
2025-07-15 15:10:43 +0000 UTC