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伊藤さんと山田君〜伊藤さんは超巨大ヒロイン〜






伊藤さんには一風変わった趣味がある。

本人いわく「正義のヒロイン活動」とのことだけど…

実際にはちっとも「正義」じゃない。

「正義のヒロイン活動」がどんなものかと言うと、

これよ本人いわく「ヒロインに変身して正義を執行する」とのこと。

誤解している人がいると思うから最初の方に言っておくけど…




これが変身後の彼女の体。

全裸です。

ヒロインらしいコスチュームとかは、

無いです。

元々筋肉質な伊藤さん、

さらに全体的に筋肉がぶっとくなってます。

全てをむき出しにした全裸の大巨人と化す。

呼吸するだけで、

ゴオオオオオオォォォ…

ゴオオオオオオォォォ…


と、轟音がビルを揺らす。

呼吸に合わせて肉厚の胸部が、

雄大にスローモーションのように膨らむ。

ただ立ち、呼吸している伊藤さん。

わざと無表情で立つ。

地上の人々に逃げる時間を与える

ということではない。

巨大な肉体、宇宙最強の肉体を地上の人間たちに見せつける時間。

超巨大生物の呼吸に合わせて人間の創造物、いや自然物でさえも悲鳴を上げる。

世界一巨大な暴力に屈服する音。

アスファルトのひび割れは、

伊藤さんの呼吸に合わせて開いたり閉じたりを繰り返す。

都市のあちこちで何万もの人々がそのひび割れに呑まれ咀嚼される。

悲鳴を上げ右往左往する人々、

超巨神伊藤さんを崇め土下座する人々、

腰を抜かし失禁する人々、

その他色々有象無象の虫たちを等しく

無情に挟み潰す地割れ。

伊藤さんは眼球だけ下に向けその惨状を、見下ろす。



ぬっぢゃあああ…

巨人女の股間が濡れる。

ズゥウウウン…

巨人ま◯こから零れ落ちた巨大質量の粘液塊が、

地上の人々を押し潰す。

ただの呼吸だけで、大袈裟に圧死する虫を

見下し、興奮する変態巨人の伊藤さん。

無表情のままだけど、伊藤さんは明らかに興奮している。

空気が変わる。

大気が伊藤さんのフェロモンで黄ばんでます。

伊藤さんが襲来した後もしばらく「巨人雲」が残ります。


過去の話になるけど、


人間サイズに戻ったあと(それでも3メートル以上だから人間じゃないけど…)

目に見えるむんむんの体臭を見上げながらウットリとした表情をしていることがよくある。

「恥ずかしくないの?」

と僕はきく。

「え?なにが?」

伊藤さんはすっとぼける。

「いや、みんなに全裸見上げられながら、お尻の穴とかアソコとかさ…

クッサい雲まで残して…」



しまった…


口が滑った。

別に伊藤さんは体臭が臭いわけじゃない、

とにかく「濃い」「強い」んだ。

むしろ人によっては良い匂いとさえ思うかも。

そんな言い訳を吐く前に、僕は伊藤さんのローアングルの笑顔を見てしまい恐怖で固まる。


「山田くん?」


伊藤さんのイタズラっぽい笑み。

いつもの、

大量の人間を処理するときの笑み。

僕の脳は、あの惨状と伊藤さんの笑顔を2つセットに記録している。

「そりゃ、恥ずかしいよ。」

と彼女は答える。

良かった。体臭のことはスルーか。 


「でも正義のためならそんな恥ずかしさなんて、

大した犠牲じゃないよ」

犠牲。

僕は恐怖や怒りがミックスした感情で、

頭が停止する。

僕達の目の前に広がっているのは、

ボコボコと穴の空いた地面。

穴と言っても広さも深さも尋常じゃない。

伊藤さんの足の形と足の匂いのそれの下にはビルや車や電車や何万もの人間だったものが、

足裏の指紋の形の層に圧縮されている。


この人からまさか「犠牲」なんて言葉が出るとは…。

理不尽に潰され、喰われた人々、

それらの真の犠牲者の亡霊の前で、

その言葉を口にできる神経を疑う。

これらの人々は、

頭の壊れた変態巨人女の羞恥心なんて、

比べられない程に尊い犠牲者だ。

まだ「虫に見られて恥ずかしいと思う?」とかいう返答の方が許せる。


話を現在に戻す。

そう。

彼女の正義のヒロイン活動とやらは、

膨大な犠牲を伴う。


仮に、

「悪」、つまり彼女の「敵」が強大すぎて、

伊藤さんほどの強さじゃないと勝てない相手なら、

まだ良かった。

でも、基本的に違う。


今回の相手は…

人間。

ひとりのか弱い人間。

僕よりは強いのかもしれない。

でも、彼はスーパーパワーをもった超人とかではない。

ただの万引き犯。

軽犯罪者だ。

そんなちっぽけなひとりの人間を、

超巨大生物の伊藤さんが成敗するというのだ。

ミジンコを潰すために、銀河をぶつけるような、圧倒的格差がある。

伊藤さんはこの男をただつまみ上げるだけでうっかり髪の毛一本、分子一つ残さず潰してしまえる。

いや、伊藤さんの鼻糞一つで彼を圧殺できる。

いずれにしても、周りの広範囲群衆を巻き込むことになるだろう。

しかし、伊藤さんは指で摘み潰すのも鼻糞で潰す作戦も採用しない。

敵に対して失礼。

ということらしい。

だから伊藤さんは相手が怪獣だろうが、人間だろうが、虫だろうが、

分け隔てなく容赦はしない。

伊藤さんにとって怪獣も人間も虫も等しく、無力で軽い(重さを感じない)存在だが、できるだけヒロインらしく闘いたいらしい。

多少は苦戦してるような演出を自分ですることもある。

「必殺技」なるものもある。

例えば…

「超必殺スーパーギガトンジャイアントビッグヒッププレス〜

つぶれろおおおおお💗」

これが「正義」のヒロインの必殺技らしい。

巨大質量の尻肉で容赦なく都市を押し潰す技。


他にも、

例えば時間がなくて早めに片付けたいときは…





「超必殺スーパーギガトン踏み潰し

さっさと潰れなさ〜い💗」

ズッシイイイイインンンンンン…

伊藤さんの重すぎる体重が犠牲者たちにのしかかる。

女子としては恥ずかしいレベル激重体重を直接相手にかけるという、

極めて暴力的な技。

技というかただ足を置くだけなんだけどね…。


もっと暴力的な破壊技があって…



「超必殺スーパーギガトンパンチ100連発

ミンチにな〜れ💗

百発くらい全力パンチぶちかますけどぉ

生存できそうですか〜💗?」

勿論、あらゆる生物が生存できない。

一発で充分オーバーキルの威力なのに、

それを百発も打ち込む。

暴力の化身の伊藤さんらしい乱暴すぎる破壊技。

惑星破壊級の技だから兇悪だけど、頻度は一番高いのかも。

故郷の地球では使わないから僕達の星はまだ生かされてる状態です。

こんな破壊をしても汗一つかかず息も切れないのは、本当にバケモノみたいなパワーだと思う。

いや実際に伊藤さんはバケモノ以上か。

今回の万引き犯はどうやって懲らしめる、

いや抹殺するつもりなんだろう。

なんかさっき教室で話してたときに、彼女が言ってたのは、

「ヒッププレスを改良したのぉ〜」

とか。

「犠牲者数を考慮してみましたぁ~💗」

とか鼻息荒く興奮してたけど、


嫌な予感しかしないな…。




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