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暴虐王女の国2-⑥

⑥皇女マリリア  ミシェルには、30分という時間が永遠に訪れないのじゃないかと思えるくらいに長く感じられた。  ただ足裏を羽根でコチョコチョとくすぐられているだけ……傍から見ればその程度にしか思われないだろうが、逃げられないようガッチリと完全拘束された足裏を無慈悲に羽根が這い回るくすぐったさは見た目以上に笑わせの強制力が働き、ミシェルを休ませる事なく笑わせ続ける事が可能となっている。誰だって30分という時間を延々と笑わされれば疲労困憊になる事は勿論、笑うために使った筋肉や意図せず働かされた内臓への負担も相当なものとなり身体全体が疲弊するのは避けられない。ミシェルも例に漏れず……笑った時の脇腹の刺すような痛みや酷使させられた腹筋の痙攣、横隔膜の異常な収縮による疲弊感を感じており、明らかに心身ともに衰弱してしまっている事を自覚出来ている。 「ハァハァ、ゼェゼェ……ゲホゲホ! っは、ハァハァハァ……」  30分が経ち羽根の動きが収まった時には彼女は滝のような汗をかき目を虚ろにさせて、ようやく許された呼吸の自由を謳歌するように肩を大きく揺らして肺に酸素を満たそうとしている。  女王はその死にかけの様になったミシェルを満足そうに眺めながら、もう何度目になるかも数えていない絶頂を再び味わい、彼女とは別の熱く荒い呼吸を玉座の上で繰り返している。 「ハァハァ……♥ フフ……フ、貴女の苦しむ顔……中々良かったわよ♥」  その様に甘い息を切らせながら呟いた女王は股間から自身の指を抜き取り、その指に纏わりついた糸引く粘液を見せつけながら笑みを浮かべる。  一方のミシェルは、見せつけられた指を見ようともせず首を項垂れさせてぐったりとした体勢のまま与えられた呼吸の時間を貪るように短い口呼吸を続けている。 「でも……こんなんじゃまだまだ満足できないわね。やっぱり……くすぐりと言えば“直接ヒトに触られて笑う姿”を見てる方がより興奮を得られるというモノ……」  ミシェルは女王のその言葉にギクリと肩を震わせ、恐る恐る顔を上げて女王の顔を覗き見る。  女王は惚けきった顔で涎を口から垂らしているが目だけはギラリと光を宿らせる様に鋭くミシェルを見ており、その言葉が示す通りに“次の責め”への期待感を膨らませている様子が伺える。 「ハァハァハァ……。まだ……私に……何か……する気? 私は……疲労……困憊で……笑う気力……なんて……もう……底をついている状態……よ……」  ミシェルが自分の疲弊具合を鑑みてその様に訴えかけると、女王は口元から垂れていた涎を腕で拭ってそこに嫌らしい笑みを浮かべ直し、さも当たり前のように持論を彼女に押し付ける。 「笑う気力がなくなってからも無理やり笑わせて苦しめるのが、真の“くすぐり責め”というものなのよ?」  その言葉を聞いたミシェルは酸欠で青み掛かっていた顔を蒼白に染め直し、目尻に涙を浮かべながらフルフルと顔を横に振ってその言葉に拒否を示す。 「む、む、無理よ! もう笑えない! 呼吸さえままならないのに……これ以上笑うなんて……絶対無理!」 「無理でも嫌でも“くすぐり”は貴女を強制的に笑わせるわ♥ 拒否なんて出来ない……そういう刺激だって事は今の責めで十分に理解出来たでしょうに?」 「そうだけど……でも、無理なものは無理なの! 横腹は裂けるように痛いし、呼吸する度に喉が痙攣して咽るし……それに何より……笑えるだけの体力がもう残ってない……」  ミシェルは必死に声を張ってその様に訴えかけるが、女王はそんな彼女を見ても不敵な笑顔を浮かべるばかりで話を聞こうとする気配を見せない。まるで“そんな事分かり切っているわよ”と言いたげにウンウンと適当に頭を頷かせてまともに取り合おうともしない。 「さてさて、その言葉が本当かどうか……ウチの小さくて可愛い“最高の”拷問官ちゃんに責め手を交代して確認してみましょうか?」  “拷問官”という言葉にミシェルの顔が凍り付く。先程の羽根くすぐりも十分に拷問めいた責めに感じられていたというのに、ここにきて“最高”と称される拷問官なるものが登場すると言っているのだ……。  女王にそう言わしめる拷問官という事であれば、その人間は尋常ならざる責め苦を自分に与えられる人物なのだろう……    下手したら殺されかねない……  ミシェルはそんな危機感に襲われ、ついつい弱音を零してしまう。 「ま、ま、待って! せめて……休憩させて!! こんな疲れ切った状態で拷問官なんて呼ばれたら……ホントに死にかねない!!」  しかしミシェルがどんなに弱音を吐こうとも女王の惚けた顔は一切真面目さを取り戻さない。それどころか、言葉で追い詰めることにも快感を得ているように体を小刻みに震えさせている。 「もう……だから言っているでしょ? 死ぬほど疲れている今の状態の貴女を無理やり笑わせてもっと苦しめるのが“くすぐり責め”の本質なんだって……」 「駄目……無理! 無理よ! これ以上は……限界! 許容量を超えてる……」 「貴女の限界を決めるのは拘束“されて”いる側の貴女じゃないわ、拘束“した”側の私達が決める事よ?」 「お願い……知ってる事は……何でも喋る……から……。だから、もう……許して……」 「あら? 案外、根性無いわね? さっきのユナちゃんといい貴女といい……聞けば簡単に口を割ろうとするじゃない? もしかして“喋ればやめて貰える”とか甘い事考えているんじゃないでしょうね?」 「うっ! あ、貴女が欲しいのは……組織の情報なんでしょ? だったら……そんなもの幾らだって……」 「刺激とかに素直に反応するのは素敵だと思うけれど……同じ素直でも大事な情報を簡単に漏らしてしまうというのは如何なモノかしら?」 「………………くっ!」 「組織のリーダーさんもこんな情けない部下を持って……嘆かわしいって思うんじゃない?」 「う、うるさい! 今の組織の上層部は……誰も彼も腑抜けばかりで……慕う人間なんていやしないわ!」 「あらあら……部下にそんな評価されているの? リーダーさんったら可愛そうに……。でも、それでも簡単に情報を漏らすというのは貴女のためにはならないから……やめておいた方がいいと思うのだけど?」 「……っ!? な、なんで貴女がそんな忠告を私にするのよ!」 「だって……利用価値がなくなったら……処刑する以外に道が無くなってしまうのだもの♥」 「ッっ!?!?」  処刑という物騒な言葉が女王の口から出て思わずギクリと肩を震わせてしまうミシェル……。女王はその強張った彼女の表情を見て意地悪そうに目を細めて言葉を続ける。 「私達の知らない秘密を握っているのなら……それを聞き出すために時間をかけて拷問にでもかけるけどぉ……全部話しちゃったらもうそれも不要になっちゃうじゃない?」   「うっ……うぅっ……」 「もしも貴女が……どうしても“生きていたい”だとか、どうしても“時間を稼ぎたい”とか思うのであれば……間違っても“情報を全部喋る”とか“知ってる情報はもうない”……とかは言わない方が賢明だと思うのよねぇ♥」 「……(この女王、一体何を企んでいるの? 何で私にそんな事を?)」 「私だって……いちおは良心の欠片くらい持っているヒトの子よ? 貴女みたいに可愛い女の子を処刑して命を奪う様な可哀そうな事をしたいなんて思ってはいないわ♪」 「……何が“思っていない”よ! これまで何人もの同志を殺してきた癖に!」 「……フフ、確かに殺しはしたわね……。社会的に……だけど……」 「社会的に?」 「貴女だって見たから知っているでしょ? 処刑されたと聞かされていたエリィちゃんが生きていた事を……」 「エリィ……あの裏切り者っ!」 「彼女もそうだし、最近捕縛した組織の子達は全員まだ生きているわよ? 私やマリリアの玩具として……」 「女王や……皇女の……玩具っ!?」 「彼女達は死にたくない一心でまだ私達に“隠し事”をしてくれているの♥ だから、私とマリリアは毎夜交代で彼女達への“尋問”をしてあげているわ……」 「毎夜……交代で……尋問?」 「彼女達が何を隠しているのか分からないけど……でもそれを全部吐かせるために生かさず殺さずを続けてる♥ だから、貴女も……少しでも命を長らえたいなら、秘密の一つや二つは作って隠し持っておきなさい?」 「……っ!? その言い草……まるで、嘘でもいいから秘密を持っていろって言ってるみたいに……聞こえるけど?」 「そう言ったつもりよ? 別に秘密を実際に知らなくても“知ってる風を装う”だけでも良くってよ? そういう態度を取ってくれれば……拷問のし甲斐もあるってものだしね♥」 「な、何よそれ……」 「あぁ、でもね? 喋った内容が嘘だった場合は尋問よりも苦しいお仕置きを用意しているから……そっちの方が良いっていうなら嘘の情報でも吐いてくれて結構よ?」 「ふ、ふざけてる! それじゃあ……情報はどうでも良くて、貴女達が尋問を楽しんでるって言っている様なものじゃない!」 「えぇ♥ ぶっちゃけ、楽しんでるわ♪ 目の前で秘密を漏らさないように耐えて苦しんでいる女の子を見るのが私は大好物なのだもの♥ それを見る為だったら……組織なんて潰れないで存続していて欲しいとさえ思えているくらいよ?」 「なっ!? くっ……。組織の人間を……性欲を満たす道具みたいに考えているなんて……」 「ウフフ♥ 貴女のように正義感の強そうな娘をジワジワいたぶって弱らせていく過程を見るのは……特に興奮するわ♥ せいぜい虚勢でも張って正気を保つ努力でもしてなさいね? 壊れずにひと月くらい耐え切ったら……マリリアの玩具になるか私の忠実な下僕になるかの選択くらいはさせてあげる。あの、エリィちゃんのように……ね♥」 「…………エリィの……ように?」  女王はその様に告げると両手を顔の前まで挙げて手のひらをパンパンと音が響くほどの勢いで叩いて見せる。すると、その音を聞きつけたのか奥の扉からコンコンというノックの音が転がり込み、メイドがその扉を開いてあげると奥からはドレスを着た10歳くらいの女の子が嬉しそうな笑顔を浮かべてトコトコと部屋の中へと入ってきた。  女王のバスローブ姿とは違い王族らしい子供用のドレスにて着飾ったその可愛らしい女の子は、部屋に入るとその小さな足で玉座に座っている女王の横まで駆け寄り差し出された手に飛びつくと子供らしい笑顔を作って女王に言葉を零す。 「母様っ! お呼びですか?」  母親譲りの美しいブロンドの髪をストレートに降ろしたその可憐そうな見た目をした少女は、女王の事を“母様”と呼びキラキラした尊敬の眼差しで自身の母親の紅潮しきった顔を見上げている。  女王はその小柄な少女を慈しむように見降ろしながらも、手に感じた違和感に一瞬眉根を寄せて首を横に傾けて見せる。 「その手……どうしたの? 濡れててビショビショじゃない」  女王に指摘されハッと我に返るそぶりを見せたその少女は、手を放すとその濡れた両手を自慢げに母親に掲げて見せ嬉しそうに言葉を返す。 「母様っ! 見て、コレ♪ あのお姉ちゃんの事……あたしが“お漏らし”させたんだよ! お股をコチョコチョしてあげたら、すっごい勢いでお漏らしちゃって……それでこんなに手が濡れちゃったの♥」  女王は娘の手のひらにごびり付いた液体を軽く凝視しその正体を知りニンマリと笑みを浮かべ返す。そして、ペロリと舌舐めずりをして、褒めて欲しそうに頭を差し出す自身の娘の頭を優しく手で撫でてあげる。 「あら……マリリア、もしかしてユナちゃんの事もうイかせちゃったの? 凄いじゃない♥ お股へのコチョコチョもちゃんと勉強出来たみたいね? 偉い偉い♪」  頭を撫でられた皇女マリリアは母に褒められたのだと感じて嬉しそうに目を閉じてその頭撫でを享受する。  女王は娘を甘やかすようにその頭をふんだんに撫で、彼女の行いを否定する事無く褒め千切る。 「うん♥ お股の触り方とか悪戯の仕方とかは“メル”お姉ちゃんから習ったよ? でも……その通りにしてたら突然プシャーってお漏らししちゃって、ユナお姉ちゃんが急にぐったりしちゃったの。あたしはまだ……も~っとコチョコチョ~ってしたかったのに……」 「そう? じゃあ……コチョコチョの続きはユナが元気になったら再開しましょうね? その時は私からも言っておくわ……“勝手にお漏らしして中断させたら……次は死ぬまでくすぐるわよ”って♥」 「うんうん♥ 楽しみにしてる!」 「ところで……メルはちゃんと貴女に責め方を教えていたかしら? 手を抜いたりサボったりしていなかった?」 「責め方……って言うのは分からないけどぉ……でもメルお姉ちゃんはちゃんと教えてくれたよ! お股だけじゃなくお胸のマッサージの仕方とか固くなったお豆さんの弄り方とかもいっぱい教えてくれてね♪ あたし……ユナお姉ちゃんの事、いっぱいいっぱいお漏らしさせてあげたんだぁ♥」 「そう……それは良かったわね♥ (メルったら……自分がヤられたくないからって必死にマリリアに責め方を教え込んでくれたみたいね? 彼女が言う事を聞けば姉のエリィも言う事を聞かざるを得ないから一石二鳥だわ♥)」  「……? 母様ぁ? また悪い顔してる……?」 「……あら御免なさいね? つい……」  皇女と女王の会話を項垂れながらも聞いていたミシェルは歯をギリリと鳴らす勢いで怒りを噛み殺した。  皇女がこの部屋へ入って来た時……扉が開いた事で奥の部屋の光景がほんの少し垣間見えたのだが、その光景の中には、ミシェルよりも先にこの部屋へと連れ出されたユナの姿があり……彼女がぐったりと精魂尽き果てたような虚ろな表情で拘束されているのが目に入っていた。  衣服は全て剥ぎ取られ、恥ずかしい性器を見せつけるように股を開いて座椅子に座らされ足を拘束されていたその格好は、とても清純なイメージであったユナに取らせていい格好だとは思えなかった。  ユナの隣には話題に上がっていた“メル”という小柄な女性の姿もあり、彼女が皇女に“責め方”を教えたという証拠がその手にも付着しているのが遠目にも伺えた。  メルは扉から出て行ったマリリア皇女を目で追っていたが、彼女が外へ飛び出すとその表情は申し訳ない気持ち半分・安堵した気持ち半分が反映された微妙な顔になって俯く姿が見て取れた。  ミシェルはそのメルという娘の事をよく知っている。  彼女がエリィの溺愛していた妹であったと聞かされていた。  何度か直接顔を合わせて話しをした事もあったが……男勝りなエリィとは真逆で大人しくて儚げで、つい守ってあげたくなるような可憐そうな見た目であると第一印象では思ったものだ。  そんなメルがエリィと共に女王に捕まったというのはミシェルも知っていた。城の地下で秘密裏に処刑が行われたという噂も耳にしていた……  だけど……蓋を返してみればエリィもメルも生きていた。  しかも、生きていただけでなく……組織を裏切って女王の側に付いてしまっていた……  今の会話を聞いただけでも……大体の察しがついてしまう。  メルもエリィも死を選ばずに女王に従う決断をし、命を長らえたのだろう……という事を。  エリィは実際に自分を裏切って捕縛に協力してたのだから裏切ったのは確定的だし、メルもマリリア皇女にいかがわしい事を教える教師役として留めて貰っている様子だ。遠目に見えるメルの衣服は女王に仕えるメイド達の衣装と一緒であるから間違いないだろう。  二人が裏切って組織を売った……否、自分を裏切った!  思考がそう固まった時、ミシェルの怒りは頂点に達した。  もはや女王よりも裏切った二人の方が憎くて堪らない。 『あいつら……よくも抜け抜けと私に言ったものね? “必ず女王の腐敗を暴いて見せるから協力して”とか“私は絶対に組織を裏切らない! だから、貴女も私の為に情報を出来るだけ集めて!”だとか……私を騙してよくもあんな戯言を……』  沸々と煮えたぎるマグマのように怒りが噴出し、拘束が無ければメルの所へ駆け寄ってビンタの一つでも食らわせてやりたい衝動に駆られる。  しかし、その黒い衝動は女王のにんまりと浮かべられた怪しい笑みを見る事で急激に冷やされ逆に寒気を覚えさせられる事となる。 「マリリア……そこにさっきのお姉さんとは違うお姉さんが拘束されているのが見えるわよね?」 「うん! 美人なお姉さんだね♥ お母様の事睨んでるみたいでちょっと怖いけど……」 「彼女もね……さっきのお姉さんと同じで、悪い事をした犯罪者なの♥ だから……これからお仕置きしなくちゃいけないわ」 「……犯罪者? このお姉さん……何か悪い事したの?」 「そっ♥ 国家反逆罪って言葉……覚えてる?」 「こっか……はんぎゃく……? えっと……それってあれだよね? エリィお姉ちゃんがお仕置きされた時に母様が言ってた……」 「そう。よく覚えていたわね、お利口さんよ♥」 「エヘヘ……あたし……賢い♪」  引き続き娘の頭を撫でながら女王はギラリと視線を鋭くさせて拘束されたミシェルを見る。その怪しくギラついた視線にミシェルは不穏な雰囲気を悟り、思わず顎を引かせてしまう。 「じゃあさ……あの時、エリィお姉ちゃんがどんなお仕置きを与えられたか……覚えてる?」 「……うん♥ 覚えてる♪ だって……あたしがお仕置きしたもん♪」 「そうよね……覚えているわよね♥ だったら、あのお姉さんにも同じ事をしてあげられるかしら?」 「同じ事? 良いけど……今日は道具とか何も用意してないよ?」 「ウフフ……今日は道具は使わなくていいわ♥ 貴女のその手で直接お仕置きしてあげなさい?」 「お手てで……直接?」 「そう……。毎日教えてあげているでしょ? 悪い事をしたお姉さんに……どんな風にお仕置きをするのが効果的なのか……そのやり方を……♥」 「うん♥ 毎日寝る前にメルお姉ちゃんや他のお姉ちゃんたちを“裸ん坊”にしてメイドさんやお母様に教えて貰ってるぅ♪」 「だったら……分かるわよね? あのお姉さんの責め方も……」 「勿論っ♪」  マリリア皇女は母親からミシェルの方に視線を向けなおして子供らしく口をニッと笑顔にして見せる。その顔はいかにも年相応に無邪気な笑顔だと素直に思えるのだが、その直後に顔の前に構えた両手が怪しく動き始めたのを見てミシェルはドキリと心臓を高鳴らせてしまう。  その手の動きは……明らかにミシェルの身体に向けて構えられ、指をコチョコチョと動かして見せていた。  その動きはまるで……これから“そういう事”をしてやるゾと言わんとする様に……  子供の手とは思えない程に妖艶にくねって……ミシェルに一抹の不安を植え付ける挑発を行うのであった。


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