こちょクエ!? ⑨『敗北イベント:コチョコチョ消化液ダイビングの刑』
Added 2025-08-26 14:19:37 +0000 UTC9:『敗北イベント:コチョコチョ消化液ダイビングの刑』 花弁が閉じ切ると花全体が大きな筒のような形状となり、私の身体はその筒の中に閉じ込まれる形になってしまった。 筒状と言っても滅茶苦茶狭いわけではなく……ラフ・ラフレシア自体の図体がデカかったせいか、畳を二枚横に重ねたくらいの広さは空間として確保されていて窮屈さはあまり感じられない。 しかし、見た目がラフレシアの葉の表面に囲まれているのと、花托(雌しべや雄しべの生え際にある膨らみ)の異常な赤さが際立っていて不気味さを覚えない訳にはいかない。その花托から生え揃っている雌しべを代用しているであろう棘のような突起も、私が餌として取り込まれた事を歓喜するかのように意志ある様に左右に蠢いていて見せ気色悪さを助長している。 雌しべの尖った先端には斜めに切れ込みが入っていて、その切れ込みから白濁色の液体がビュッビュッと絶え間なく吹き出しており……その液体は花托の膨らみに満遍なく広がって周囲の壁や床もそれで濡らしている様子が見て取れる。 その液体が何であるか……知らない私ではなかったから、それを見た瞬間顔色を真っ青に染めてしまった。 『うぅっ! あの白濁色の液体は確か……獲物を溶かす為の強力な消化液だった筈……』 前に見た処刑シーンでは、勇者はこの白濁液の中に入れられ溶かされて絶命を強いられていた。もしもそれが同じであるというのであれば、あの液体は間違いなく消化液であり……私がアレに触れでもしたら、皮膚は爛れ肉や骨までも溶かされて栄養として花に吸収される事になってしまう。 「い、い、嫌だっっ! そんな死に方は絶対嫌だぁぁぁっっ!!」 私はこの処刑シーンの結末を思い出し、恐怖に思わず声を荒げてしまった。すると、私の悲鳴を聞いて興奮したのか……ラフレシアの雌しべからは大量の白濁液が溢れ出し底面に注がれていってしまう。 『そ、そうだった! この花……人間の声を聞いたら興奮して雌しべから消化液を生成するっていう性質があったんだった! 迂闊に私が声を出せばこいつの興奮を誘ってしまう……だから口は閉じていないと……』 今しがたの悲鳴で花の床面から数センチの高さまで消化液が溜まってしまった。まだまだ宙に浮いた私の足の高さまでは届く様な距離ではないが、しかし……これが続けばいずれは私の身体を包む程の高さまで溜まっていってしまう事になるだろう……。そうなる前にどうにかしてこの閉鎖された空間から脱出できれば良いのだが…… 『くっ! 出口はやっぱりあそこしかないわよね……』 キッチリと合わさる様に閉じ切った肉厚な花弁に隙間など見当たらない。唯一隙間を開けている部位があるとするなら、それは蔓が差し込まれているあの上の入り口以外ない…… 私を宙に吊るす為にその場に留まってくれている蔓……それが通っている上の隙間こそが唯一この密閉空間の出口であり、私に与えられた最後の希望であると断言できる。 『どうにかこの蔓を伝って上によじ登りたいけど……手首に巻きついたままじゃどうする事も出来ない……』 せめて拘束だけでも解かれていれば、脱出のチャンスもあっただろうが……こうもガチガチに巻き付いていてはチャンスどころか希望すら持つなと言われているに等しい。 私は必死にこの拘束が緩まないかと無駄に手を動かしてみるのだが…… 『っ! そうだ……確か処刑シーンのラストでこの拘束が解かれたはず!』 手を動かしてみてその様に思い出した私は、そのシーンを浮かべて希望を持つとともに寒気を覚えてしまう。 拘束は確かに解かれるが……それが解けるのは終盤であり、しかもその終盤になる頃には消化液がたっぷり溜まった状態になっていて、そのまま放されると消化液のプールに身体を沈ませる事になってそのままジ・エンド……となった筈だ。 そこまで思い出した私は、じゃあそれまでの間は何をしていたか? という終盤までの流れを思い出し、再び顔から血の気を引かせてしまう事になる。 『あっ……そ、そうだ! この花、私から声を出させるために……これから……』 そのイメージが思い出せた時、タイミングを計っていたかのように前後左右の花弁の表皮からあの私を苦しめた“触手達”が再び背を伸ばし始め、私の無防備な身体へと接近を試みようと距離を縮め始めた。 『ひっ!? や、やっぱりっ!! 触手が群がってきたっ!! 私の身体をくすぐる為の触手が……ひぃぃっ!! こんなに沢山っっ!?』 正面からは10本……左右からも10本ずつ……背後からも同じくらい…… ウネウネと蛇がうねる様な動きをさせながら、私の腋に……背中に……太腿に……膝裏に……足の裏に……と、回り込んで刺激する準備を整えていく。 タンクトップからは腋も背中も横腹も露出した無防備な格好……それなのに腕は未だ万歳の格好を強いられていてそれらの場所を庇う事も出来ない。 サンダルを履いていない私の足も完全な素足……その足は振ろうと思えば自由に暴れさせる事も出来たのだが、回り込んできた触手が足首に絡みついて来て私の股を開かせた状態で宙に固定してしまって今はもう動かせない。 声を出して笑ってしまえば花が興奮して消化液を多量に分泌させ始めてしまう……そういう状況なのに、この触手達は私から笑いを吐き出させようと無防備にされた身体をくすぐろうとしている。 『だ、だ、駄目! 笑っちゃ駄目! 絶対ダメ!! 笑ったら……自分から死ぬ状況を作る事になっちゃう……』 くすぐりに弱い箇所をくすぐろうとしている触手に対して私に出来る対抗策などは何も無い。ただ、淡々と与えられるくすぐったい刺激を、我慢して……我慢して……我慢しまくって死期を後回しにする事しか出来ない。 それがいつまで保てるのか……正直想像できないけど、死にたくなければ笑ってはならないというルールが定められている以上出来る限り我慢したい! 幾らゲームの中であるとは言っても……私だって……死ぬのは怖いのだ。生き返ると分かっていても、痛かったり辛い思いをしたくはないのだ……だから、くすぐったい刺激なんかに負ける訳にはいけない……意地でも我慢して脱出の機会を謀ろうとするのは当然の思考なのだ。 私はその様に固い決意を胸に抱くが、腋や脇腹の近くでくすぐるフリをして揺れている触手の動きを見ると笑いが勝手に込み上げてきてしまう。 各種デバフをかけたドリンクの効果は切れたように感じるが……それが効いていようがなかろうが、くすぐろうとしている触手を見てくすぐったさを想像しない人間などいない。 触られたら絶対くすぐったいだろうな……と、分かり切っているから……肌が刺激を思い出してしまって触られてもいないのに想像だけでこそばゆさが増長されてしまう。 『あぁ……無理だ……。コレ見てるだけで体中がゾワゾワして勝手に震えちゃってる……。無理だ……こんなの笑うに決まってる……我慢なんて出来る訳ない……』 我慢しないと死が早まる……。だけど、我慢出来そうもない……。私の脳内は決意と絶望を行ったり来たりして、自分を鼓舞しては諦め……鼓舞しては諦めを繰り返してしまう。 触手達はそんな私の定まらない心持ちを可笑しそうに眺めつつ、いよいよ最初の刺激を与えるべくまずは背中に近づいていた触手が背筋の端を一撫でし開始の合図代わりに私に悲鳴を上げさせる。 ――ツツ~~~♥ 「ひょわっ!?!? おひょぉぉっっほっ!?」 服の生地が守っていないギリギリの場所を、上から下にツ~~っと一撫でされ……私は刺激のあまりの強さに驚き悲鳴を上げさせらえてしまった。 ――ビュルビュルっ!! ピュピュピュっ!! 私の悲鳴を聞いた雌しべ達はその先端から白濁色の消化液を一斉に吹き出し始め、花の底にその液を蓄積させ始める。 『あぁぁッ駄目駄目!! 声出しちゃ……だ……め……!!』 背中の神経が総毛だったかのようなゾワっとした寒気が走り思わず声を出してしまったが、私はすぐに声を出してはいけないと口を必死に閉じようとする。 しかし、私の悲鳴が合図になったのか、身体の至る所に陣取っていた触手達が一斉にその先端を自らパクリと裂いて新たに二つの触手に分かれるよう変身を遂げさせていった。1本の触手が二つに枝分かれし、まるで“二本指”になったかのような変化となり、私はその変身を見て顔に寒気を覚えさせてしまう。 『ひぃぃぃっ!? 何この触手っ!? 先端が人間の手みたいに変化したっ??』 人間の手……というには二本しか指が無い為言い過ぎかもしれないが、今まで撫でる事しか出来ていなかった触手が二本の指になる事でくすぐりにレパートリーが増えるのは目に見えている。だから、その見た目の変化に一切の油断など出来やしない…… 触手達はしばし自分達の進化を見せつけるように二本になった先端をクニクニと動かして私に恐怖心を煽ると、その手で最大の弱点を攻めてやろうと言わんばかりに左右から伸びた触手が私の無防備に晒された腋に近づいて来た。 『ひっ! ひっ! やだやだやだやだぁぁ!! やめて! 触らないでぇぇ!!!』 人の小指程度の大きさしかない触手の先端が更に二つに分かれ二本の指を形成している。見た目にはその指では大した力を込められないだろう……と少しの油断をしていたが、しかし実際に触られるとそんな思いなど吹き飛んでしまうくらいにハッキリとしたこそばゆさを感じさせられる事となる。 ――コチョコチョ♥ 「ぐひっ!?!? ぷっっっっくっっっっ!!!!」 始まりは右の腋から…… 三つの触手が同時に窪みに触れて、そこの肌を二本の指で摘まむように力を込めてコチョコチョとくすぐり始める。 その刺激たるや私の想像を遥かに超えたくすぐったさを発現し、私を簡単に笑う寸前まで追い込む事に成功してしまう。 「ぶひゅっっっふふふふふふ!! くひゅ~~~~~~~っひゅひゅひゅひゅひゅ!!」 ワキの伸びきった神経を二本の指で挟んでクニクニと揉み解すその意地悪な刺激は、身体が拒否反応を起こして震えてしまう程のくすぐったさを植え付け我慢している私を笑わそうと圧を掛けて来る。その圧に必死に抵抗するように顔を左右に振って笑いを堪えようとするも、私の口は意志とは関係なく隙間を開けてしまいそこからくぐもった笑いが少量ずつ漏れ出してしまう。 そうこうしていると今度は左の方からも三つの触手がシュッと勢いよく飛び出してきて、私の左腋に食らいつく勢いで二本の指を噛ませ右腋同様にその指でクニクニと腋の肌を強く揉み解し始める。 「ぎょひょ~~~~~~~~っ!?!? ほひょあぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?」 その刺激のあまりの強烈さに、警戒していたにもかかわらず私の口は悲鳴を上げるために大きく開く事を余儀なくされた。 「あっっ、あっ、あはっっ……は……」 思わず開けてしまった口を必死に閉じようと口角筋に力を込めるが、一度開いてしまった口はもう私の意思では閉じられない。それでも笑い声だけは出すまいと、口を開いたまま喉奥に力を込めて我慢するが…… 私のその努力は、次に攻撃のターゲットにされた脇腹へのくすぐりによって簡単に瓦解を迎える事となった。 「…………はがっ!? へ、ひぎっ!?!?」 左右から伸びてきていた三本の触手達……それらが一斉に左右の脇腹に食らい付く様に指を食い込ませると、そこを二本の指で何の遠慮も見せずグニグニと強く揉み解して我慢ならないくすぐったさを生み出していく。 その刺激に最初こそ驚く声を上げてしまう私だけど…… 「びゃっっはっっっっ!!! あびゃぁあぁぁははははははははははははははははははははははははははははははははは、やひゃぁあぁぁぁ~~~っはははははははははははははははははははははははははははははは、イギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」 我慢出来なくなった笑いは今までの努力を水泡に帰す勢いで私の口から吐き出され、私の顔を無様な笑い顔に作り変えてしまう。 「ぎょぁあぁぁはははははははははははははははははははははは、やべへぇぇぇ~~へへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、いひゃひぃぃぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 私が笑い出してしまった瞬間、ラフレシアの複数の雌しべは勢いよく白濁色の液体を先端から噴き出させ底に溜まっていた消化液の嵩を増やし始めてしまう。 消化液の溜池のような状態になった花の底は、新しい液が溜まる度にシューシューと音を立てて白い煙をいたる所から噴出させる。それが明らかに濃縮された消化液が混ざり合って上げている煙だと分かり切っているから、私は死の淵に居るとは思えない笑いを吐き出しながらも顔から血の気を引かせてしまう。 しかしラフレシアは、そんな恐怖に顔から血の気を引かせている私を更に笑わせようと、待機させていた全ての触手を同時に動かして身体の至る所をくすぐらせ始める。 「ぎょひゃ〜〜っはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、だひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、やめぇぇへへへへへへへへへへへへへへ、いぎひゃぁはははははははははははははは!」 首筋・背中・内太腿・膝裏・足裏……それぞれの部位を2本以上の触手で触ったり引っ掻いたり揉み込んだりと様々な方法でくすぐり尽くしてくる。その刺激は腋や脇腹の刺激と混じり合い、全身が猛烈にくすぐったいと思える凶悪な笑欲を生み私を狂ったように笑わせてしまう。 「ぎゃ〜ははははははははははははははははははははは、イヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、やめでぇぇへへへへへへへへへへへへ、消化液がぁはははははははははは底に溜まっちゃうぅふふふふふふふ、ハヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」 大笑いをしてしまっている私の声を聞いて興奮してしまったラフレシアは、雌しべから大量の消化液を吐き出してその嵩を増し続けていく。その量は既に雌しべの先端を越えそうな勢いまで嵩を増していて、そのすぐ上に吊られている足先にも液の熱が感じられるほどになっていた。 このまま笑い続けていてはすぐに足が溶かされてしまう! と、危機感を抱く私だが……全身をくまなくくすぐられている私に抗う術はなく、促されるままに笑い悶えることしか出来やしない。 「だひゃ~~~~っはははははははははははははははははははははははは、やだぁぁははははははははははははははははははは、笑いたくないぃぃぃひひひひひひひひひひひひひひ!! これ以上笑いたくないぃィぃィひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 死の危険が明らかに迫ってきている状況なのにゲラゲラと笑っている自分が憎らしくて堪らない。笑いを止められない自分が情けなくて恥ずかしくて……悔しくて堪らない。しかし、笑うことはやめられない。私がいかに悔しく思っていても、体中を襲うこそばゆさが私を、笑わせてしまうのだからそれに抗うことはできない。 「ほひゃははははははははははははははは、あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ、苦ひぃ! 苦ひぃぃひひひひひひひひひ、笑うの苦ひぃぃぃ!!」 見れば雌しべの先端は液の中へと沈むように見えなくなってしまっている。それなのに、液の中に沈んでも興奮の液を出し続けているのか、消化液の嵩はどんどん高まり確実に私の足へと近づいてきている。 「ヒィヒィっ!? しょうきゃえきがぁぁぁあっはははははははははははははははははははははは、迫ってきてるぅぅふふふふふふふふふふふふふふ、もうすぐそこまで迫ってるぅぅふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ!! たしゅけてぇへへへへへへへへへへへへへ、誰かたしゅけっへへへへへへへへへへへへへへへへへ、アギャ~~~~ッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」 嵩は既に足先から数センチの所まで近づいてきており、足首を拘束しようと伸ばしていた触手の根元付近にまでその液が到達してしまっていた。 少し下の根元から私の足目がけて斜め上にその触手は伸ばされていた為、必然的に消化液は私の足を溶かす前にその拘束触手の根元の方に到達した訳だが…… 触手の根元が消化液が辿り着くとブシュゥゥゥっという消化音と共に白い煙が上がって、私の足首に巻き付いていた触手は突然生命を絶たれたかのようにダラリと力を失い私の左右の足を拘束から解放してしまう。その巻き付いただけになった触手を私は足を振る事によって解くと、くすぐっていた触手とともに消化液の中へと落ちていき……ジュッっという消化音と煙が立ったかと思うとその触手達はすぐさま溶けて液の一部へと成り果てていった。 私はその光景を見て改めてゾッとさせられる。 足の拘束は解けて自由になったのは良いが……自身の触手すらも瞬時に溶かしてしまうあの消化液の威力はシャレになっていない。 触れれば骨まで溶かされてしまうのは必至……それが分かってしまったのだから尚更この状況から急いで脱さないといけないと焦りが生まれてしまう。 「ひぎぃぃひひひひひひひひひひ、くひひひひひひひひひ!! はひはひ、くぅぅぅぅぅぅぅ!! うぐぅぅぅぅぅっっ!!」 足をバタつかせられるようになって少し気が紛れたか、私は辛うじて口を閉じる程度には笑いを我慢出来るようになってきた。 そして、私の笑いが小さくなるのに呼応して消化液の溜まりが若干緩やかになる…… 「うぐぐぐぐぐぐぐっくっ!! くぅぅぅぅ!!!」 私はこれが最後のチャンスだと言わんばかりに歯を食いしばり笑う事を我慢する。 相変わらず腋や脇腹をくすぐっている触手は容赦なく私の事を笑わそうと刺激を強めてきてはいるが、私は目尻に涙を溜め口に全ての力を込めて我慢出来た笑いを外に出すまいと奮闘する。 『……ゲームのイベントではこれくらいのタイミングで手の拘束が緩んだはず! もう少し我慢すれば……きっと私を落とそうとこの拘束が緩んで……』 っと、私は必死に手首に巻きついた蔓の様子を見つつ我慢する事に注力する。すると、私の記憶を再現してくれたかのように手首の拘束の力が徐々に緩み始め…… 『来た! い、今だ!! 蔓が緩み切る前に私がこの蔓を掴み直して……』 手首から拘束の力が緩んだのを確認した私は、逆に蔓を自分の手に絡ませてその蔓を掴み直す格好にシフトした。 予定ではこの蔓の拘束が解けると同時に私の身体は消化液に落下し、ゲームオーバーとなるのがこのシナリオだったが……まさか私が解けそうになった蔓を掴んで命を長らえるとは想定していなかったらしく、ラフレシアの触手達は困惑するように私の身体から離れ私の身体をくすぐるという行為から手を引いていき始めた。 私はこの隙を逃すまいと、残っていた力を全て手に込めて蔓をよじ登って花の上部に開いた出口へと身を上げていく。 「はっっ……はは! やった!! 生き残ってやったぞ!! 死にイベントから生還してやったっ!! ザマァ見ろだ!!」 私は左手で蔓を掴みつつももう片方の手で花の出口へと手を伸ばそうと試みた。蕾のように閉じかけた花弁の先端にその右手が触れると、私はそこに確かな手応えを感じ思わずニヤリと笑みを浮かべてしまう。 死ぬだけの運命から脱してやったぞ……と、歓喜と安堵と達成感の入り混じる高揚感をその瞬間味わった。 しかし…… このこちょクエというゲームは、そんなズルをしようとする私を許しはしなかった。 「まったく……君は余計な事をするのが好きだねぇ~~~♪ このイベントに生還ルートなんて用意されてないんだから、このまま生還しちゃったら“バグ”になっちゃうじゃないか♥」 脱出一歩手前まで差し掛かっていた私の目の前に光を纏った妖精が突然現れ、私にその様に告げて来る。 「……ッっ!? ピ、ピリカ?? いつの間に……中に??」 私はその顔を見て嫌な予感が過り、蔓を掴んでいた左手を慌てて花の縁へと持ち上げ両手で花の縁を掴もうと試みた。しかし、それより前にピリカが指を鳴らして蔦をその場から消してしまい、私の左手は縁を掴む前に力を無くしダランと身体の横に垂れてしまう事となってしまった。 「ちょッっ! ピリカぁぁ!! 何すんのよっ!! 邪魔しないでっ!!!」 私は右手だけで花弁の縁を掴んでぶら下がり状態となってしまった。足場もない為全体重が右の手に全てかかっている状況になっており、拘束されていない分さっきよりもより一層危険な状態に追いやられた格好となった。くすぐりによって笑わされ体力も底を尽きかけているというのに支えとなる蔓を消されては自力で身を花の外へ出すのは困難になる。それが分かっているから、私は必死に左手に力を込めなおしてせめて両手で縁を掴もうと藻掻くしかない。 「大人しく消化されていれば良かったものを……勝手にバグの要因を作っちゃうんだから、始末に負えないよ……」 ピリカは腕を組んで面倒臭そうに口を尖らせて見せながらその様に言うが、口元はすぐにいつもの企み顔に戻っていく。私はその顔にそこはかとなく危機感が募り、足をバタつかせて手を必死に上げようと試みる。 「い、い、いいから……助けてよ! 折角自力で抜け出せそうになってんだから……協力して私の事助けなさいよっっ!!」 必死に力を込めた甲斐あってか、左手も右手同様に花の縁を掴むことに成功した。しかし、足場が無い為それ以上の力を手に込める事が出来ず自力で這い上がる事は不可能になってしまっていた。 せめて蔓がそのまま残っていれば、足に蔓を絡めて体重を分散しながら這い上がる事で来ただろうが……それをピリカに消されてしまった為にどうする事も出来ない。 それじゃあ、足を花弁の壁につけて足場にすれば良いと思うかもしれないが……残念ながら花弁は出口に向かう程“壺”の様な形状になっている為、足を伸ばしても足先が花弁の壁を少し触る程度しか出来ず足場にする事さえもできない。 結局……私の身体は花から脱出できる一歩手前の出口付近で、手の力だけで体重を支える格好のぶら下がり状態になる事を余儀なくされ脱出は困難な状態に逆戻りさせられたのだ。 「助ける? 僕が? アハハ……まっさかぁ~♥ 逆だよ逆~~♪」 自力で脱出が困難になったのだからとピリカに助けを求めてみるが、彼女はムカつくほど屈託のない笑顔を浮かべてその要請を却下して見せる。 「……ぎゃ、逆??」 「これからデバックしなきゃならないんだからさ……君を助けるなんて事は絶対にしないよ♪」 「で、デバック?? くっ! うぅ……何それ?」 「デバックはデバックだよ。ちゃんとシナリオ通りの結末になるようこれから“調節を加える”ってことさ♪」 「調節を……加える?」 「そ♥ このイベントの結末は知っているだろ?」 「うっ……うぅ……」 「君の運命はこのイベントルートに入った瞬間に決められているのさ。この結末を変える事は誰であろうと許されない……」 「で、でも! 嫌なものは嫌よ!! 死にたくなんてないっっ!!」 「死にたくなくても、君の操作主は君が死ぬことを望んだんだ……だから、その指示には従わないと♪」 「い、嫌よっっ! そんなの絶対嫌っ! 死ぬのも痛いのも苦しいのも嫌ッっ!! 絶対嫌なのっっ!!」 「嫌でも君には全うして貰うよ? だって……この世界で操作主の意思こそが絶対なんだから……」 「そんな理不尽なこと……何で私が被らないといけないのよっ!!」 「そうは言うけどさ、これは今まで君が実際にしてきた事なんだよ? 君は自分の快楽のために実際にゲームのキャラに同じことをやらせていただろう? それなのに、立場が入れ替わってそれを嫌がるのは筋違いだと思わないかい?」 「くっっ! うぐぅぅぅっ!!」 「君に操作されてきた今までのキャラも同じ気持ちになったと思うよ? 死ぬのが怖いとか嫌だとか……そう思いながら死んでいったんだ」 「むぐぐっっ!!」 「君だけが特別……って訳にはいかないのさ。だから、今回も僕がちゃ~んと“デバック”……してあげるね♥」 「そ、そんな理屈知るかぁぁ!!! いいから早く私を助けなさいってばぁぁ!!」 自分の体重を支えるだけで腕はプルプルと震え、手の握力も麻痺するように力を失いつつある。 それでも私は懸命に自分の身体を支え、どうにか助かる道は無いかと考えを巡らせる。 しかし、足はどんなにバタつかせても花の端に届かないし、足場に出来るような段差もない。手の力は時間と共に確実に失われ、今にも自分の身体を支え切れず放してしまいそうだ……こんな状況では、助かる見込みは皆無である。折角手は花の外に出ていてあと一歩で助かる見込みも立っていたのに…… 「さ、そろそろ予定通り消化液に飛び込んで貰いたいんだけど……その様子じゃ自分から飛び込んでくれそうにはないよね?」 「ふ、ふざけんな! 自分から飛び込む訳ないでしょ!! 馬鹿も休み休み言えっ!!」 「あっそ? そっかぁ~~~ふぅ~~~ん? それじゃあ……仕方がないねぇ~~♥」 「うぅっ! 何そのいやらしい目っ! 仕方がなかったら……何だって言うのよ?」 「うん、まぁ……自分で落ちてくれないっていうなら、やる事は一つだよね? 僕の“手”で落としてあげるよぉ♥」 ピリカはそのように言いながらクルリと宙で体を回転させて自分の“分身体”を複数顕現させる。 その数20匹は越えた数で、本体を忠実にコピーしているのが分かる程に同じ顔同じ姿を皆がしている。 それらの分身体は私の怯える顔を楽しそうに見据えると、一斉に手を顔の前に運んでワキワキと蠢かせ始め……私に刺激の想像を強要し始める。 「ちょ、う……嘘でしょ??」 「フフフ……良い格好だよね……花の縁に掴まって必死に落ちないようしがみ付いているその格好♥ ほら、タンクトップの袖から腋が丸出しになってるよ♪」 「うぐぐっ!! まさか……あんた達っ!! こんな状況で私の事……」 「君だって泣きながら消化液の中に飛び込むのは嫌だろ? どうせ死ぬなら笑いながら死んだほうが幾分か幸せな筈さ……」 「わ、笑いながらって……やっぱりくすぐるつもりっ!? 私が手を放せないのを良い事に……ワキとかをくすぐって手を放させるつもりね!!」 「フフフ……ご明察♥ いやぁ~~一度やってみたいって思ってたんだよねぇ~~? 僕自身の手で勇者様を死に追い込む役ってやつを♥ まさかそれがデバックの仕事で出来るとは思わなかったよ♪ ありがとうね? 勇者ヨワコ様ぁ?」 ピリカの本体がそのように言って私の顔に手を伸ばし、疲労により汗ばんだ鼻先を優しく撫でる。その撫でられた感触があまりに寒気と嫌悪感を抱いてしまい、私は彼女に縋るような懇願を返してしまう。 「お、お願いっ! やめて! こんな状態でくすぐられたら……私……すぐ我慢出来なくなって……手を放しちゃう……」 「うんうん♥ いつでも手を放してくれて構わないよ♪ でも、折角だから少しでも長く僕のくすぐりに耐えて頑張って貰いたい所だね♥」 「ひっっ! ダメ!! お願い……許して! 何でもいう事聞くからっっ! お願いっっ!! 今回だけは許してっ!!」 「だ~~~め♥ 許しません♪」 私が必死な懇願を口にしてもピリカは聞く耳も持ってくれない。許しを与えるどころか、ピリカの分身はその言葉を合図に私の身体中に散って、それぞれの持ち場に移動して行く始末。 首筋、両腋、腰、脇腹、内太腿、膝裏、足の裏……そして、服の中に入って背中や胸の付け根やら乳下にも潜り込み手を添えていく。 ホットパンツの中にも数匹が入り込んで、股間やお尻周りにも複数が張り付いて手を構えさせている様子が伺える。 私はその身体中に張り付いたピリカの分身たちに猛烈な嫌悪感を抱きつつも、声にならない声を搾り出して最後の許しを乞う。 「や、や、や、やめでぇぇっ!! 無理っ! こんなの……絶対耐えられないっっ!!」 体中に虫が這い回っているかのような嫌悪感に苛まれ、私は情けない声でその様に弱音を吐く。すると、私の鼻をヨシヨシと撫でていた本体のピリカがニコリと満面の笑みを浮かべ…… 「よぉ~~~し、みんなぁ? ヨワコ様の抵抗できない体を、い~~っぱいこしょぐって……大笑いさせちゃえ♥」 っと、合図を送り私を地獄へと落とす責めを開始させた。 「「「はぁ~~~い♪ それぇ! コ~チョ、コチョコチョコチョコチョコチョ~~~♥」」」 その合図に応えるように一斉に声を上げたピリカ達は、私の無防備な身体を何の遠慮も見せずにその小さな手でくすぐり回し始めた。 その刺激は、先程の触手のくすぐりを遥かに上回る強烈なくすぐったさで…… 私はその……寒気を通り越して電気の痺れすら感じさせるくすぐったさに何の我慢もさせて貰えず、力の限りの笑いを彼女達のくすぐりに対して返す事となった。 「ぃっぎゃ~~~~~~~~~っははははははははははははははははははははははははははははははははははははは、ほぎゃ~~~~っははははははははははははははははははははははははははははははははははは、ぎひぁあぁぁぁっっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは、やめぇぇっっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!」 ピリカの分身は、私の首の裏を……腋の窪みを……脇の下を……脇腹を……腰や背中を……鎖骨付近を……下乳を……臍の周囲を……内太腿を……股間を……尻の穴を……膝裏を……足裏を……一斉に蹂躙するように手を這い回らせ、コチョコチョと音を立ててくすぐり倒して来る。 そのあまりに暴力的なくすぐりの刺激に、私の頭は一気に真っ白に染まり……口から笑いを吐く事だけを強制されてしまう。 「ほぎゃ~~~っははははははははははははははははははははははははははははは、イヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、やめでぇへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ、力がにゅけるぅぅぅぅぅふふふふふふふふふふふふふふ!! 手の力がぁははははははははははははははははははははははははははははは!!」 足をバタバタと暴れさせ、首を左右に振り乱してくすぐったさに抵抗しようとするが……肌にピッタリと張り付いた状態でくすぐってくるピリカを振り払う事など出来ない。そんな抵抗を繰り返しても手の力が抜けていくだけで無駄だと分かっているが、あまりのくすぐったさに私は黙って居る事が出来ない。 手の指が花の端から1本2本と滑り落ちていくのを感じながらも、私は笑い狂うように身体を暴れさせ悶える事を余儀なくされた。 「コチョコチョコチョ~~~♥ ほ~~ら、放せ~~♪ この手を放せ~~♪ 笑いながら放しちゃえ~~~♪ コチョコチョコチョコチョ~♥」 体中の何処を切り取ってもくすぐったいと感じているが、特にワキのラインをくすぐっているピリカには殺意が湧くほどのこそばゆさを味合わされている。 腋の窪みをほじくる様にコチョコチョ、腋の端を揉むようにコチョコチョ、窪みの少し下を爪先でカリカリコチョコチョ…… 腋だけでも多彩な手法を用いてくすぐって来るピリカの分身に、息をする事もままならない程に呼吸を乱され笑い狂う事を強制される。 「ギャ~~~~ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、だひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! やべどぉぉほほほほほっほほほほほほほほ、やべでぇへへへへへへへへへへへへへへへ、マジ無理ぃひひひひひひひひ!! マジで落ちちゃうってぇぇ!!」 笑って力が抜け、右手はすぐに花の端から脱落するように手を放してしまい身体を支えているのは左手一本だけになってしまった。 その左手も今や指三本だけで花の端を掴んでいる状態まで追い込まれてしまい、私の命運も後わずかで尽きてしまうと自覚させられている。でも、私は絶望を感じながらも必死にその指に力を込めて体重を支えようとする。 この指が離れてしまえば、身体は消化液の中へ真っ逆さまに落ちていくことになる。消化液に身体が浸ればどんな辛い死に様に晒されるか分かったものじゃない。 それを想像するのも怖すぎて……一層手に力を込めてどうにか自分の命を守ろうと懸命になる。 「執念ってやつかな? 思ったより粘るねぇ。だったら、やっぱりトドメは僕が刺してあげないと駄目か……」 私の粘りに呆れの声を零した本体のピリカは一つため息をついて私の鼻先から飛び立っていった。そしてそのまま伸び切った左腕を伝うように花の出口付近まで飛行すると、今度は私の体重を支えている3本の指を見てニンマリと笑みを浮かべてみせる。私はその笑みが一層不気味に見えて、思わず顔を左右に振って嫌がる仕草を取ってしまう。ピリカはそんな私の嫌がりを見て一層悪い笑みを浮かべて、私の左手の甲にチョコンと腰を落ち着ける。 「ニシシ~♥ この頑張って身体を支えてる“手”を直接こしょぐられたら……流石に耐え切れなくて落ちちゃうだろうなぁ~♥」 ピリカはそのように言って2本の羽根を召喚すると、指先だけで必死に体重を支えている私の手の指に向けてその羽根を這わせ始めた。 「ぎひっ!? いぎひぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!?!?」 プルプルと震えている指先から指の横、そして指の股を触り……隣の指の側面をコショコショと……普通ならくすぐったいよりも気色悪いが勝ってしまう刺激だが、体重を支えるという使命を帯びて緊張している指にその刺激は余りにムズ痒すぎた。 ゾワワっと沸き立つような寒気が指だけでなく手全体に広がり、反射的にその刺激から逃れたいと私の指はピクピクと痙攣を起こし始めてしまう。もはや一時の猶予もない……と悟った私は、無駄だとは理解していながらもピリカに助けを懇願しようと最後の力を振り絞って言葉を発そうと試みるが、その声は激しい笑いの濁流に飲まれ言葉として成り立つ前に笑い飛ばされてしまう。 「あぎひゃぁあぁぁっはははははははははははははははははは、いひゃはははははははははははははははははははははははははは、んぎひぃぃっっ!?」 もはや指が縁を掴んでいる感触さえ感じられない……。体中を襲うくすぐったさとそれにより引き起こされる笑い、笑う事によって乱される呼吸と心身の疲労……それらが混じり合って、指の感覚を狂わせる。本当に今自分が指で縁を握っているのか疑いたくなるほどに感覚が鈍麻していた私の左手に、ピリカによる最後のくすぐりが加えられることとなり私はあえなくその手を離すことになってしまう。 「はぎぁっ!?」 手の裏に回り込んだピリカはその持っていた羽根で私の手のひらを撫で回すようにくすぐってきたのだ。指に力を込めていたために肌が突っ張るように伸び切った状態となっていた私の手のひらを……その尖った羽先がコショリコショリとこそばしていく。その刺激が余りにこそばゆすぎて……私の指は一気に力が抜けきってしまい体を支えることができなくなってしまったのだった。 「やっっだっっ!! あっあぁぁぁあぁあぁぁっぁ!?!!!」 ズルっと滑る様に全ての指が離れ……私はそのまま消化液へのプールへと身を投げ出す事となった。 『あっっ……終わった……』 手を放した瞬間、私はその様に言葉を浮かべ……助けを求めるように手をバタつかせながら落下を余儀なくされた。 それを見下ろして眺めているピリカのしたり顔が異常に腹立たしかったが、落下していく私にできることなど何もない。 私は身体が消化液に触れるその瞬間まで、大笑いの混ざった絶叫をあげて落ちていった。 その笑いは、この世の恐怖を全て集めたかのような断末魔のような悲鳴と混合し……すぐに消え入る事となる。 消化液に入った瞬間、私は「熱っっ」っという声を上げたと思ったが……その言葉は声になることなく意識と共に消え去っていく。 私が最後に感じられた感覚は、体中を焦がす熱いという一瞬の灼熱感だけで……それ以降は意識がすぐに途絶え、苦しむ事なく暗闇に包まれる事となった。 これが私のゲーム内最初の死……だった。 その死はあまりにあっけなく……私の想像していた痛みや辛さなど感じる余裕もなく突然に私に舞い降りてきて……実感など湧く暇を与えてくれない。 真っ暗な意識の中……私の意思は、宙を漂う浮遊感だけを味わって辺りを漂っていく。 やがてその暗闇に一筋の光が差し込み……私の意識はそれに誘われるようにゆっくりと出口へと向かって浮遊していった。 そして、目を醒すとそこは…… 今朝方睡眠をとっていた宿屋の天井が視界に映るのであった。