SakeTami
ロシナンテ
ロシナンテ

fanbox


漫画執筆こぼれ話・アイデア出し編(文章のみ)

皆さま、毎月ご支援のほど、誠にありがとうございます!お久しぶりです、同人エロ漫画家のロシナンテです。こうして自己紹介したくなるくらいには間が空いてしまいました。文章によるちゃんとした投稿としては6月の近況報告以来になります。


今年の夏はものすごい暑さでしたね。過去形で言うほど今も涼しくはないですが、ひと頃の危険な暑さを思えばいくらかマシになってきたと思います。皆さんのお住まいの地域は、もう暑さは落ち着いたでしょうか。




さて、ここからいつもは近況報告をするところなんですが、哀しいことに一夏を越えても特にこれといったご報告する近況はなく、ほぼ漫画執筆とデザインの仕事をこなすだけの夏となりました。仕事柄キャッチコピーに触れることが多いということもありまして、突然ですが大好きなコピーをひとつご紹介したいと思います。


この夏も、やがてあの夏になる。


1993年にTCC(東京コピーライターズクラブ)前会長の仲畑貴志氏が書いたコピーです。これがアイスコーヒーの広告に使われたというのだから、「ウマい!」と膝を叩かざるを得ません。「あの夏」という、たった三文字の言葉が持つノスタルジックでエモい、きゅっと胸が締め付けられるようなあの感じ。今生きているこの夏も、未来を生きるあなたにとっては、もう二度と手が届かない思い出の夏になっている、という、とても心に響くコピーですね。


そこへ来て、今年の自分の夏はどうでしょう。仕事をしました。一度だけ友人の誘いでお芝居を観に行きました。そして仕事をしました。こんな夏を、いつか「あの夏」と振り返る日が来るんでしょうか。そのときどんな感情を抱くんでしょうね。ちょっと寂しい気もしますが、「あのエロい漫画を描いてた夏」として後々思い出に残るとしたら、それはそれで悪くないと思います。




前置きが長くなりましたが、ここからが今回の本題です。これからは近況報告という現在進行形のものではなく、漫画執筆に関わるこぼれ話をしていこうと思います。初回はアイデア出しに関するお話です。


漫画制作に限らず、クリエイティブ系の仕事をする上で、アイデア出しというのは大きく二通りのやり方があると思っていまして、ひとつは他のスタッフと話し合いながらアイデアを探る方法(ブレインストーミング)、もうひとつは自分一人で考えてアイデアを生み出す方法になります。編集者とタッグを組んで仕事をする商業漫画家は前者がメイン、一人で仕事をする同人漫画家は後者がメインになるかと思います。特に同人だと「普通なら恥ずかしくて人に言えないようなアイデア」こそが求めてる答えだったりするので、ソロワークの方が向いてるように思います。


一作目「うらぎりベッドルーム」を描くよりも前、まだ漫画を描いたことすらなかった筆者は、コロナ禍で当時本業としていたお仕事の依頼が減ったため、「依頼がなくてもできる仕事」を求めて、エロ同人の世界に飛び込みました。怖い物知らずで失うものも無かった筆者は、思いつくままにけっこうたくさんのエロい話を考えました。(このとき考えたアイデアの一部は2022年12月に投稿した「今後漫画化するかも知れないプロットたち」という記事でチラ見することができます。今見ると拙すぎて若干恥ずかしいですが。)


今後漫画化するかも知れないプロットたち

皆さまいつもご支援ありがとうございます!FANBOXの今後については全体公開の別記事でお伝えしていますので、そちらも併せて是非一度お読みくださいませ。 さて、先日私はこんなことを書きました。「当サークルが数字だけを追い求めるサークルならこんな時間のかかるシリーズものなど描かずに、かつてバカ過ぎて描くこと...


「うらぎりベッドルーム」の発売後、「ハナミズキ」の全体ネームができてからはエロ漫画用に新しいアイデアを生み出す必要は一旦なくなりますが、本業の方だったり細かい演出面での再調整だったり、このFANBOXの内容についてなどなど、アイデアを考える機会はたくさんあります。そういうとき、作画作業と同じ様に仕事机に向かって「はて、どうしようか?」と頭をひねることももちろんありますが、多くのアイデアは仕事中以外の時間で生まれています。


例えば、洗い物中です。洗い物のように思考を必要としない単純作業(慣れて手に染みついている作業に限る)をしている時間はアイデア出しに最適です。ただ何もせずぼーっとしているときよりも手を動かして何かをしているときの方が、不思議と無意識になれて思考が捗るんですよね。PCモニタの前では何も浮かばなかったりしても、洗い物しながらだとスラスラと話が浮かんできたりします。あとは歯磨き中です。歯磨きは無意識にできる単純作業である上に、視覚も必要としません。そのため洗い物よりもさらに脳のリソースが減り、アイデア出しに使える領域が広がるのです(完全に想像で言ってます)。これは実話なんですが、ただぼーっと歯磨きをしてたらいくつもくっそドエロいアイデアが浮かんできて、それをスマホにメモしていたら30分以上経っていて、あまりにも考えることに集中しすぎた結果「歯磨きした」という事実を忘れてしまい、10分後くらいにもう一回歯磨きした、ということがあります。後で思い出しましたが、さすがに自分でもちょっと大丈夫かなと心配になりました。


しかし筆者にとってそれら以上にアイデア出しの捗る場面があります。文句なしぶっちぎりダントツの一位、それはお風呂です。お風呂はいいです(断言)。まず冬はあったかいお湯につかればリラックスできますし、夏は裸になって汗を流せばサッパリします。これだけで頭がスッキリしますし、皿洗いよりも慣れているため、より確実に無意識下に没入できます。また歯磨きよりも長時間かかるので考える時間もたっぷりあります。髪を洗ってるときは視覚もオフになります。そして何より最強と言える理由は、お風呂は完全に警戒心を解くことができる空間だからです。お風呂以外だと、例え自宅であっても予期せぬ来客や連絡などに対し、無意識下で身構え、他者への警戒を続けているらしいです(これは何かで読みました)。しかしお風呂にいるときは南米の密林からの使者も、青い飛脚も、黒い猫も、お風呂のドアをノックして入ってくることは100%ありません(あったら怖すぎます)。そしてスマホも手元にないので、「鳴るかも」という意識も消え去ります。そうして完璧なる無の境地に達することで、脳は初めてその全力を出せると聞いたことがあります。事実、筆者はこれまで多くのアイデアやお話をお風呂で生み出してきました。しいて欠点を挙げるとしたら、お風呂でアイデアを考えると、それこそ(お風呂だけに)湯水のようにアイデアが湧いてきてしまい、お風呂を出るまで覚えておくのが大変なときがある、ということくらいでしょうか。皆さんも、もし何かのアイデアが出なくて困ったら、ぜひ一度お試しくださいませ。


他には「家で考える気分じゃないなー」というときは、外出して考えたりもします。外で考えるときは、筆者の場合、チェーン店一択です。なんとなく長居すると嫌がられるような気がするので、個人店は避けます。例えばモスバーガー。モスは大好きなんですが、うちの近所のモスは正直空いてることが多いので割といつも静かです。そしてカジュアルな雰囲気でとても安心できて、食事も美味しく、店員さんもやさしい人ばかりです。ただ、その店舗はお店自体が小さく席もあまり多くないため、席が埋まってきたらそれ以上は長居せずに帰るようにしています。他にはタリーズコーヒーもいいですね。ファストフード店と比べると落ち着いた客層が多いように感じるので、とてもリラックスできます。肩肘張ったオシャレ感もなく、かと言ってガヤガヤした賑やかさもなく、絶妙なバランスの雰囲気なんですよね。ただ、タリーズは座る席によって椅子が違ったりするので、腰に合わない椅子だとちょっと長居できないときもあります。


そして筆者にとってアイデア出しが捗るお店ベスト1を挙げるとしたら、コメダ珈琲店です。コメダはエロ漫画を描くようになる前から、仕事のアイデア出しによく使ってます。デザインやコピーを考えるときはスケッチブックと筆記用具、消しゴムのカスを掃除するための羽根ぼうきを持って行き、エロ漫画のアイデアを考えるときはスマホだけを持って行きます。コメダは長居を想定した値段設定(と理解している)なので、気兼ねなく長居できますし、けっこう高い確率でボックスタイプの席に座ることができ、ゆったりできます。そして適度に話し声が聞こえてくることで、逆に集中できるんですよね。ある程度煮詰まってきて、「こんな庶民的な雰囲気が漂う明るい店内で、こんな卑猥かつ公序良俗に反することを考えていていいんだろうか」などと思い始めたら集中力が切れてきたサインなので、そこで退散します。


いかがでしたでしょうか。何か求められてる内容とはズレてる気もしますが、漫画執筆こぼれ話・アイデア出し編でした。追々になりますが、プロット編や作画編は実際の制作データを元にしたお話をしようと思います。


作画の方は佳境も佳境、どのページのどのコマも力の抜けない絵の連続なので、今まで以上に精神力を使う毎日ですが、その分描いていてすごく楽しいです。「これを描くために今まで描いてきた」という思いもあるので、ベストを尽くすことだけ考えて、最後まで後悔のないよう頑張ります。


もうすぐ台風シーズン本番になりますので、影響を受けやすい地域にお住まいの方はご用心くださいませ。それではまた!

Comments

ありがとうございます!

トムス

トムスさん、お疲れ様です!今月はタイミングはちょっと決めてませんが、どこかしらで近況報告もアップしようと思ってます。よろしくお願いします!

ロシナンテ

お疲れ様です。 今月は近況報告はないんでしょうか? 差し支えなければ教えていただけると嬉しいです。。

トムス

kiryuさん、お疲れ様です、コメントありがとうございます! kiryuさんも漫画に挑戦した過去がおありなんですね。8Pというと個人的には長編を描くよりも難しい要素もあったと思いますよ。自分自身漫画がよくわかってなくて偉そうなことを言える立場ではないんですが、少し前に12Pくらいの読み切り漫画を描いたとき「短いページ数に収めるのは難しい」ということを思い知りました。 同人という立場で描く場合はページ数を自由に増減できるので、取捨選択もそんなになく、思った通りに描けばいつかは完成するんですが、ページ数が限られている場合は、イコール「できることが限られている」状態なので、その縛りのなかで「面白いものを描きなさい」と言われても、「直径2メートルくらいの小さな円から出ないように踊りなさい」と言われてるようなものだと思います。 いずれにせよ、つくる側の難しさを知った方からの感想はとても励みになります。今は10代のうちに出版社に持ち込んだり、賞を獲ったりしないと漫画家になれない時代ではないので、いつ誰にでもチャンスはあると思います。お互い頑張りましょう!

ロシナンテ

遅ればせながら、お疲れ様です。 そんなに最近描き始めたと思えないほどプロットや作画が仕上がっていますので驚きました。 自分も一時目指し学校に通ったのでネームや作画、プロットの難しさは理解できます。8Pの漫画すらまともに描けなかったのは苦い思い出です。 一瞬の閃きはあってもそれを起承転結を創り上げるのは非常に難しいです。形にしているロシナンテ様や漫画家の方々は尊敬します。 自分もまた0から勉強してみたいモチベーションが高まりました。ありがとうございます。 まだまだ暑いので互いに気を付けましょう。長々と失礼しました。

kiryu

Thank you for your comment, Lilza! Your support has helped me stay healthy and keep working. I want to keep drawing and enjoy it until the very end. Please look forward to it.

ロシナンテ

Hope you can keep being healthy and happy, looking forward to your works in the future too.

Lilza

choppertonytonyさん、こちらもコメントありがとうございます!そうですね、今は常にスマホが手元にあるので逐一記録する人が昔より増えたんじゃないかと思いますが、言われてみれば昔の漫画家さんだってネタ帳というものを持ち歩いてたそうですから、結局そういうことなんでしょうね。作者の頭のなかはけっこうぐちゃぐちゃでとっちらかってますので、見ない方がいいと思います(笑)。

ロシナンテ

トムスさん、お疲れ様です、コメントありがとうございます!そういう思いで描いてはいますが、何事も重要な局面に差し掛かかったとき、気をつけなきゃいけないのは「必要ない部分にまで入れ込みすぎないこと」だとも思っています。変に力が入りすぎてはよくないので、何をおいてもまずはちゃんとエロく描くこと、その一点に重きを置いて頑張ろうと思います!

ロシナンテ

吹木人さん、こちらこそご感想ありがとうございます!とても励みになります。

ロシナンテ

一人で考える時間って、ある意味で一人で行うブレーンストーミングって感じですかね~!僕も多少クリエイティブな仕事をしてますが、結局なにをしてるときでもアイデアが浮かんで来るので、メモを取る習慣が大事だったりしますよね~。 しかし、こんな素晴らしい作品を生み出すロシナンテ先生の頭を除いてみたい!笑

choppertonytony

お疲れ様です! 「これを描くために今まで描いてきた」 という先生が描きたかった作品を楽しみに待ちます。 進行も佳境みたいなので応援してます!!

トムス

興味深いお話をありがとうございました。

吹木人


More Creators