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【導入テキスト】あの手この手で誘惑してくる後輩ちゃん

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今回もあらかじめ要修正作品に該当しそうなワードを伏せてみたんですが…

他にもいくつか混ざりそうな気がして最悪文章の方だけ非公開になってもええか…と試験的に切り離してみました。

あっちこっち移動させてしまい申し訳ないです🙇‍♂️

今回も無駄に長いですが良かったらご覧ください!


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 じいじいと遠くでセミの鳴く声が聞こえる。

 眼の前のガラス一枚隔てた外側は炎天下で太陽はテッペンにありすべてを焦がし尽くさんとばかりに燦々と輝いていた。


「センパァ~イ💕」


 7月の第一土曜日。もうすぐ待望の夏休みを目前に浮足立っているものも多くなる時期。俺もそのなかのひとりだが……それを阻む最後の砦――そう期末テストも翌週に迫っていた。

 

「ヤバい……」

 

 ◯強のためにと広げられたノートはほぼ真っ白で時々みみずがのたうち回ったような筆跡の文字が書かれている。何をメモったのかそれすらも記憶にない。恐らく◯業中疲れて居眠りでもしていたのだろう。なんて愚か。


「ちょっとお休みしてこっちで遊びましょうよぉ💕」


 間違いなく今のまま受ければ赤点必死だろう。ここ最近バイトや遊びに呆けていて己の本分である◯業を疎かにしていた。


「えー……もしかして無視ですか? 私、無視されてますか?

 そんな酷い事されたら私さみしくて泣いちゃいますぅ……」

 

 しくしく、と背後でわざとらしい嘘泣きをする女の名は成宮成実。

 このエアコンの効いた快適空間におまけでお菓子やジュースまで提供してくれる天使であるとともに俺をこの様な状況に追い込んだ悪魔の様な存在である。

 

「ねぇセンパイ……休憩にぃマ◯カー、ス◯6、ポ◯モン対戦……

 それともぉ……一狩り(意味深)どうですかぁ?」


 でもセンパイの場合、私に一方的に食べられちゃうかもしれませんね……(はーと)と何やら薄ら寒い事も言っているが……それは聞かなかったことにする。

 はぁ……この後輩からの怒涛の誘惑ラッシュを断れなかった俺にも非はあるけれど……半分くらいは成宮のせいだと言いたい。俺は部屋の中央に置かれた丸テーブルの上で頭を抱え、対する成宮は俺の背後でベッドの上に寝転がりながら何やらゲームをしていた。

 

「さっき休んだばっかりじゃねーか……。

 っていうかお前はお前で遊んでて大丈夫なのかよ……?」


 何の役にも立ちそうにないノートは閉じて◯業で配られたプリントに目を通す。出題範囲のページが書かれているがこれを今からやって間に合うだろうか……。

 

「大丈夫も何も……そんなのだいたい◯業をきちんと聞いて

 帰ってきてからわからなかったとこ、ちょこっと復習してれば

 今になって焦って◯強する程の事でもないと思いますけど……」


「ごめんて……」

 

 ……正論パンチが一番痛い。

 そうだった――この後輩、不真面目に見えて割とやる事はきちんとやっているのだ。俺に対してひどくぞんざいなところはあるが根っこの部分は割と真面目である。真面目に不真面目。果たして俺に対してのこの態度と周りに対してのねこかぶり――どちらが本当の成宮成実なのか?

 俺にはまだ良くわからない。


「でもセンパイなら大丈夫ですよ」


「うう……何が大丈夫なんだよ……

 何の根拠もない慰めはやめてくれよう……」


「例えセンパイのおつむがょゎょゎだったとしても私は見捨てたりしませんから。

 もしセンパイが将来ダメ人間になってそのまま引きこもりニートに

 なったとしても……私が養ってあげますからうふふ……」


「全然だいじょうぶじゃねぇ!!」


「たんたんたんたんたんたんたんたん……♪」


「?????」


「おめでとう! 後輩は同◯生にしんかした!!」


「ビービービービービー……!!」


「センパイ呼びじゃなくて……◯◯くんって呼び方も憧れますね💕」


「俺が◯年する流れで話を進めるのをやめろぉ!!」


 うふふ……と妄想を進める成宮は実に楽しそうだがそんな未来は何としても阻止しなければいけない。こいつと同◯生になるのもまた面白いかななんて思わなくもないが……それはそれ。あーもう……こいつの相手をしているとこちらも楽しくなってきてしまって全然◯強が捗らない。

 

「だからセンパぁイ……安心してこっちで一緒にごろごろしましょうよぉ」


 この話の流れで何を安心しろと言うのか。

 否――相手をするからいけないのだ。

 ここは心を無にして集中せねば。

 今度はカバンから束になったプリントを広げる。こういう事もあろうかと……同クラの山神くんにノートをコピーさせてもらっていたのだ。ありがとう山神くん。

 

「むぅ……センパァイ、今度こそほんとに無視ですかぁ?

 自分に余裕がなくなると人を無視するとか器が小さいんじゃないですかぁ?

 小さいのはセンパイのセンパイくらいにしておいてくださいよ……まったく」


 背後からぐさぐさと罵詈雑言を浴びせられている気がするがここは先輩としてのおとなの余裕を見せつけなくては……。

 

「……仕方ないですね。

 これはもう少し取っておきたかったんですが最終手段です」


 最終手段……と成宮は確かに言った。

 なんだ? 何が出てくるんだ?

 がさがさと何かビニール袋から取り出す音が聞こえる。まさかまた新しい玩具とかゲームだろうか。

 

「じゃーん! じゃなくて……にゃーん!!」


 にゃーん?

 今にゃーんて聞こえたぞ。

 

「センパイ……センパイ……」


 めちゃくちゃ振り返りたいのだが……明らかに俺の気を引くためにやっているためここで簡単に振り向いてしまっては何やら負けを認めてしまう気がする。


「……!!」


 しかし成宮……今日はお前の負けだ。

 俺は気付いてしまった――俺の正面に設置されている真っ白なハンガーラック……そこに張り付けられた大きな鏡に!!

 そこにはばっちりと成宮の姿が映っていた。


「センパァイ、ほらぁこっち見てくださいよ?

 こんな時のためにセンパイ御用達……あの通販ショップで

 取り寄せてみたんですけど、どうですかぁ? ちらっ」

 

 鏡に映る成宮の頭にはなんと猫耳が。おまけに尻から尻尾が生えていた。

 成宮ならぬにゃる宮である。可愛い。

 にゃる宮はベッドの上でこちらにふりふりとおしりを向けながら四つん這いのポーズを取っている。可愛い。もし鏡越しではなく直視していたら俺はどうにかなっていたかもしれない。可愛い。危なかった。可愛い。

 

「はぁ……残念ですね? こんなサービスシーンめったに見られないのにぃ……。

 もうこれ取っちゃおっかなぁ~~~~? ちらっ」

 

 成宮は見られているとは知らず招き猫のように頬のあたりで手をくねくねさせながらこちらの様子を伺っている。そんな様子がまたなんとも可愛い。

 

「あれ……おかしいな……。何か失敗した……?

 いつものセンパイならこれで一発なのに……?

 どうしよう……かくなるうえは……」


 成宮が小声でぼそぼそ何か言っている。小道具まで用意してそれが不発に終わったら流石の成宮も心折れるというものか。

 さてと――可哀想は可愛いとは良く言ったものだが流石にこのまま放置するのも気が引けるので……ちょっとくらい相手をしてやるか。

 ひとつ断っておくが鏡に映るにゃる宮の可愛さに決してほだされたわけではない。

 これは先輩の優しさである。

 俺はゆっくりふり返る。

 この間にニヤけきった表情を整えねば。

 上がりきった口角をへの字に。

 至ってCOOLに。

 感情を顔に――出さない。


「うー……構って欲しいニャ……ご主人様?」

 

 ちょうど振り返ったタイミングで恥ずかしそうににゃーと鳴いた成宮と目があった。

 

「か~~~~わ~~~~~~い~~~~~い~~~~~~!!!」


「うああああああ……!!

 なんてタイミングで振り返るんですかセンパァァァァイ……!?」


「か~~~~わ~~~~~~い~~~~~い~~~~~~!!!」


「どうしよう……センパイが壊れた……。

 すみませんセンパイ……私が悪かったです。

 シンプルに気持ち悪いのでその表情やめてください」

 

「もう一回……もう一回で良いからにゃんって言ってみて!!!」


「ご主人様、早く天に召されてくださいニャン❤」


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「ふう……危ない危ない。

 もう少しで俺のイメージが著しく損なわれてしまうところだった」


「うん……うん……? もう何も言いませんけど……。

 この耳と尻尾はどうやら効きすぎるみたいなので、

 しばらくどこかに封印しておきますね……」


 珍しく狼狽するにゃる宮をひとしきり堪能した。いつものうやうやしい後輩然とした語尾や態度ではなくうにゃうにゃしい猫っぽい成宮は新鮮でグッドだった。


「まあ私としてはある意味目的を達成したので別に良いんですけど……」

 

 ああ……俺としてもめちゃくちゃ満足しているしこれ以上ないくらい晴れ晴れしい気分でいたのだが……まんまと成宮の策に乗っかってしまったカタチになるのか。


「いやしかし……悔いはない」


「そんなに格好良く言われても……」


 気付いたら時計の針が1時間くらい進んでいるが全く悔いはない。


「ちょっと飲み物入れてきますね」

 

 そう言って成宮は尻尾をズボンから引っこ抜いた。


「…………」


 その尻尾……先端の部分がどうなっているか気にはなっていたのだが。


「成宮、ちょっと待て……」


「? なんですか?」


「お前もしかしてその尻尾……ズボンと尻の間に挟んでたのか?」


「え、そうですけど。何かおかしかったですか?」


「おや…おやおやおや?

 さっきは俺の事を散々馬鹿にしてくれたが……

 お前の知識も大したことないようだな?」

 

「……これって正解とか間違いとかあるんですか?

 なんか先っぽが変なカタチしてるなとは思ってたんですけど……」

 

「ああ、大間違いだ。

 やはり道具は正しい使い方をしなくてはいけないからな。

 なに、恥ずかしい事はないさ。皆誰も最初は無知だ。

 菊…じゃなかった聞くは一時の恥。知らぬは一生の恥と言う。

 俺がきちんと教えてやるから、ほら四つん這いになって尻を向けろ?」


「なんかめちゃくちゃ怪しいんですけど……」


「だいじょうぶ、僕を信じて!」


「ますます怪しいんですけどぉ……。

 まぁセンパイが知識を披露できる機会なんて滅多にないですからね……。

 優しくデキた後輩ちゃんとしてひとつくらいセンパイの見せ場造りに

 協力してあげましょうかぁ?」


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ご一読いただきありがとうございました!

無駄に長過ぎたなと思い要約してみたら3行で終わりました。でも僕はこういう何のやくにも立たないやりとりとか無駄なやりとり好きです。

ではイラストの差分の方もお楽しみ頂けたら幸いです🙇‍♂️


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