魔玖主大僧正に敗北し、捕えられたカルデアのサーヴァントたち。
虞美人もまた、その一人だった。
「くっ……やはり人間は愚かね……! サーヴァントとなって尚、こんな目に遭うなんて……最悪っ……!
虞美人は憎悪と共に吐き捨てる。
生粋の吸血種であり、精霊たる彼女にとって、人間のこのような醜悪さは幾度となく目にしてきたもの。
けれど、目の前の男の邪悪さは群を抜いていた。
「くく、気分はどうだ虞美人よ。貴様には儂が手ずから『教え』を与えてやろう」
「良い気分……なワケないでしょう。今に地獄を見せてやるわ……!」
威勢よく敵意を剥き出しにする虞美人。
男は、そんな彼女の頭にゆっくりと手をかざし――
「な、っ……あ……っ♥」
「フフ、じき理解するであろう。誰に尽くすべきか。誰を尊ぶべきか。時間をかけて少しずつ導いてやる……!」
(これ、は……令呪による強制……? いや――カルデアのそれよりも強力な……思考に直接、働きかけてくる……っ♥ こんな、モノ――)
「フンっ……お前の『教え』とやらも大したことないわね……♥ 散々時間を掛けてこの程度……? 確かに……ええ、悪くはない……♥ でも、まさかこれだけで私を支配したつもり……?」
「勘違いするでない。貴様への『教え』はまだ始まってすらおらぬのだからな」
「はぁ……?」
(がくがくがくっ……)
「ッッ……♥」
「どうだ? ワシのイチモツを前にして……股座が切なく感じてきてるのではないか?」
「なにを馬鹿な……♥ それで何をするつもりか知らないけど、人間風情が調子に乗るんじゃないわよ……っ♥」
「はっ……はっ……はっ……♥」
(へこっ、へこっ、へこっ)
虞美人は自分でも無意識のままに腰を振る。
惨めで卑猥な、屈辱でしかないポーズ。
好きでもない人間の男に媚びるという、普段の彼女ならば絶対にしないはずの行動。
洗脳が順調に進行していることを確認した男は、満足そうに喉を鳴らし――
「クっ、う……ウウ、あっ、はぁぁああッ――♥♥♥」
「おっ……おぉっ……おーっ……♥」
「フフ、実に他愛無い。だが生憎と始まったばかりでな。存分に足掻くといい」
「ほおっ♥ おっ、ォォっ……なに、よ……これっ……♥ こんな、っ……私に、何をしたのよ……っ♥ オッ♥」
何度も飛びかけるその意識の中で、虞美人は必死に言葉を紡ぐ。
明らかに異常だ。一瞬でも気を抜けばそのまま堕ちてしまいそうなほどに。
彼女ほどの存在をもってしても、これほどの快感はまるで未知の領域だった。
「(マズ、いっ……♥ これ、耐えられないっ……♥ 私の中で、どんどん大きくなってイクっ……♥)たす、けっ……項羽、様ッ……♥」
「ふふふ、救いを求めようとしても無駄だ。そら……『それ』も消えてゆくぞ」
「な、あっ……♥」
思わず漏らしてしまった呟き。
それを聞いた男は再び彼女の頭に手を乗せると――
「くっ、うああアアッ……♥♥♥」
(き、消えていくっ……♥ 私の中の、何もかも……っ♥ この男に……書き換えられて……全て……項羽様のことも……ッ♥)
「貴様は儂の忠実なる性奴隷となるのだ。ただひたに男に傅き、堕落する……そんな存在へと。過去を捨て、生まれ変わるが良い……!」
「はっは、はッ……♥ 私、はっ……♥」
「ええ、そうっ……♥ この身は貴方様に捧捧げしもの……♥ やっと……やっとお会いできました♥ 私の、本当のご主人様……っ♥」
「貴方に仕えることだけを至上の喜びとし、ここに忠誠を誓います……♥ 貴方様以外に何もいらない……他には何もいらないっ……♥ ああ、どうしてもっと早くに気が付かなかったのでしょうっ……♥ 私が愚かでした……♥」
魔玖主大僧正による霊基への洗脳、その大半が完了した時点で、虞美人の意識のほとんどは塗り替えられてしまっていた。
そこに自身を構成していた怨讐や、最愛なる相手の存在、精霊としての神秘性は残っておらず。
ただあるのは目の前の男に、自らを捧げたいという忠誠心だけ。本能からの恭順だった。
「良いぞ。では受け取るがいい。これが肉奴隷となった貴様への、極上の快楽……褒美だ!」
「はいっ、はいッ♥ 貴方に身も心も捧げるっ♥ 他のことは全部捨て去って、ご主人様だけの専用奴隷として一生ご奉仕し続けますからぁっ♥」
(ビュル、びゅびゅうううッ!)
「オ゛ッ、おっおおおぉおおっ♥♥♥ ほおっ、オッ……おごっ……ンおおっ♥ ふっ、ふっ……すごぉ、っ……これ堕ちるぅ……♥ 奴隷まんこイク、イぐううっ♥」
「フフ、人を超えし精霊といえど……ワシの前では所詮、こうなるべき運命だったということよ。どれ、貴様の体……もう少し味わっていくとするか」
「はっ、はっ……んおっ、ンおぉおっ……♥」
虞美人は幸せそうに快楽の咆哮を繰り返す。
どれだけ永く生きようと、決して味わうことのなかった至福がそこにある。
否。自分の果てのない旅路は、まさにこの瞬間のためにあったのだと……完全に堕ち切った彼女の心は、そうハッキリと確信していた。
31日
2024-09-10 15:42:49 +0000 UTCやたまめ
2024-09-10 13:37:23 +0000 UTC