受付嬢時計と歌姫ドアベル
Added 2023-08-15 14:17:35 +0000 UTC「……ねえリファ、ほんとにいいの?」 「はい。あれを見てわたしは、確信しました。きっと私は、そうなるために生まれてきたのだと」 「そっか」 「それに、サニエもでしょう? もうわたしたちは、きっと人間としては生きていけません」 「そうだね。あたしたちにとっては、きっとアレが希望なんだ」 母国の中心部から遠ざかり、敵国である魔帝国へ向かう道すがら。わたしはたったひとりの同胞といっしょに、一縷の希望と押し寄せる絶望に押し流されて足を進めていました。 細い希望は前に、大きな絶望は背後に。もうわたしたちに退路はありません。足を止めれば最後、一応は人間らしいかもしれない代わりに地獄のような明日がわたしたちを飲み込むでしょう。 それは決して、この国に漂う厭世観が原因ではありません。最近になって一般市民にまで出回った元勇者パーティの恐ろしい末路は国全体に敗戦ムードを漂わせ、王国は敵国である魔帝国との戦いそっちのけでかの映像を流出させた犯人探しに躍起になっていますが、そんなことはもう関係ないのです。わたしはその犯人が誰なのかを知っていますが、それでも。 わたしたちはそのおぞましい映像を脳裏に焼きつけて、自分たちがそうなっても何もおかしくないと知りながら魔王国へ向かっています。これは亡命なのでしょうか、それとも自首投降なのでしょうか。それさえはっきりとはしません。 「それに、仮に魔族が残忍で恐ろしい存在だとしても。……人間よりはましです」 「そうだね。それは同感。あいつらと一緒に地獄に落ちるくらいなら、自分だけ一足先に落っこちてやる」 わたしたちの足を進める理由の半分は、それ。わたしたちは原因は違えど、ともに王国での暮らしと人間に絶望していました。 わたし、リファは劇場に籍を置く歌姫でした。あまり良くない育ちだったわたしを拾って育ててくれたいい劇場ではありましたが、残念ながらその構成者全てが善人ではなく。わたしを疎み妬んだ没落貴族の娘に全く事実無根のスキャンダルを着せられ、すっかり干されてしまいました。一体どんな言いくるめ方をされたのか、あんなに優しかった支配人さえわたしを口汚く罵る始末。弁明さえ許さずに人格を否定し硬いパンひとつきりで部屋に軟禁までする仕打ちは、わたしに失望させるには充分でした。 きっとわたしに自決でも求めているのだろう、と察したわたしは、少し前に面会に来てくださったあるお方に見せていただいた映像を思い出して窓から飛び出しました。たったひとつの、わたしに少しはましな末路を与えてくれるかもしれない場所へ向けて。 そして、旅路を共にするこのサニエという少女も。彼女は冒険者ギルドの受付嬢をしていたところ、素行不良や自信過剰などの明らかにハズレの冒険者の担当ばかり押しつけられて評価を落とされ続けていたそうです。それだけならともかく、ギルドの不手際が絡んで失踪した冒険者を後から担当していたと改竄までされて、罪を着せられて放り出されたとか。 そして経緯は違えど同じ映像を目にして、魔国方面へ確証もなく向かい始めたところをわたしと出会ったのです。心もとない路銀を分け合うために宿屋の部屋を一緒にして、偶然にも同じ目的だとわかってそのまま。 「……あの映像、ほんとなのかな」 「本物ですよ。あのパーティは劇場に来たことがありましたから、顔を覚えています」 「あ、うん。そこは疑ってないんだけど……ほんとに捕まえた人をみんなあんなふうにしてるのかなって」 その映像というのは……敗れて捕まった王国の希望、勇者パーティの面々がそれぞれ無様な姿で辱められ見世物にされているもの。武闘家と魔法使いの双子は庭に対になって飾られ、斥候の少女は魔王の部屋で逆さにされて恥部を花瓶として扱われ、聖女は壁に埋め込まれつつ恥部以外を石化されていました。いずれも女として、人間としてどうしようもないほど貶められている様子で、そんな映像が王国でまで出回っているのです。 語り口では彼女たち以外もあのようになりうるとされていましたが、サニエはそこを疑っているようです。確かに、垣間見えた魔王の様子からはそうまで見境なく残忍なようにはわたしにも見えませんでしたが。 ですが。 「そうでなければ困ります。わたしたちは、それを願って魔国へ向かっているのですから」 「……ん、そうだね」 「もし違うのなら、わたしたちの方から求めればいいのです。他の何もいらないから、どうかああしてくれ、と」 わたしたちが魔帝国へ行く理由のもう半分は、これ。そんな普通なら唾棄すべき映像の中の女たちを見て、どうしようもなくそうなりたくなってしまったからだったのです。 あれを見て、思ってしまいました。あれはどんなに恥ずかしいだろうか。どんなに惨めで、どんなに屈辱的で辛くて、そして───どんなに甘美だろうかと。 わたしは、そしてサニエも、あの映像に女の……いえ、女とさえ呼べない雌の願望を思い切り殴りつけられてしまったのです。被虐欲、破滅願望、そのような言葉でしか示すことのできない感情。不意に芽吹いてしまったそれが、わたしたちに「あのようになれ」と囁くのです。 だから、わたしはただ魔帝国に行くだけではありません。亡命だとかで魔帝国に住民として受け入れていただくのではなく、魔王城の無様な調度品になりに行くのです。 ……結論からいえば、わたしたちは魔王城に拾っていただけることになりました。あの映像にあった恐ろしい魔王様とは見違えるように優しく、サニエの懸念が当たって何度も止めてきてさえくださるのはそれはそれで困りましたが。 なんでも魔王様はあくまで見せしめの報復かつ戦利品として元勇者パーティをあのような無様な姿にしているだけで、本来はそんなことをする方ではないのだとか。代わりとしていやらしい制服でのメイドなどいくつかの役目を提示されましたが、残念ながらわたしたちが欲情できるほどの仕打ちはその中にはありませんでした。 どうしてももっと酷いことをと願うわたしたちと、そんなものはないと顔をしかめる魔王様。飴と鞭で躾けられて楽しそうなポニーガールという馬扱いはそれなりによかったのですが、それでも足りないと伝えると「それほどの変態は魔族の中にさえそうはおらん」と頭を抱えられてしまいました。 しかしやはり優しいようで、魔王様はなんとわたしたちのために新たな役目を作ってくださいました。その上でわたしたちに、わたしたちか魔王様のどちらかが望んだときには解放する扱いなら良いと示してくださったのです。 そうしてわたしたちが得ることができた辱めが、これでした。 「ふ……ぅ、っ……ふぅ……」 「はふ、ぁ……ぅぅ……!」 わたしたちは今、壁の中にいます。執務室と廊下に挟まれた壁に埋め込まれて、裸のまましっかり固定されています。ここは元々はふつうの壁だったところに、箱のように新たに囲いを作って用意された専用の狭い部屋です。もとは執務室内の端っこだった場所にあたります。 女体をがっちりと固定するための機構だけがあるその中に、わたしたちは生命維持の術式をかけられた上で閉じ込められているのです。……それも、恥ずかしいところだけを外に惜しげもなく晒して、家具として魔王様のお役に立てるよう設置された上で。 「……やっぱり、サニエ、羨ましいです」 「そう……?」 「ええ。……だって、ただここにあるだけの時間のほうが圧倒的に長いわたしと違って、ずっと視線があるのでしょう?」 では、その家具はというと。 サニエは、時計でした。腰から下を執務室の中へ向けて出されて、魔道具に足首と膝を囚われて片方を曲げさせられています。そして股を軸として脚を回す構造に取り込まれているのです。 あちらから見れば、その脚の周りには時計そのものの円形模様がつけられています。曲げている方の脚を短針、伸ばした脚を長針として読むと、そのときの時刻が正しくわかるよう魔道具に操られている大掛かりな仕組みです。針の追い越しが起こったり離れすぎたりする時には、合わせて曲げる脚を入れ替えたり体の上下をひっくり返したりまで発生するという至れり尽くせり。 そうして設置時に剃られてしまって、もう生えてこないよう魔術を仕込まれてしまった股を開いたり閉じたり、なんとも無様な格好で見られ続けるかわいそうな時計となっているのですが……それ以外にも、もうひとつ。 「ぁ……そ、そろそろ、くる……っ、あ゛あッ!?!?」 この時計、長針が真上にくる、つまり毎時零分になるたびに体に電流を流されてしまうそうです。あまり強くないものではありますが、当然悲鳴が漏れてしまうので……これがつまり、時報となっているのです。 なんでも廊下側にも聞こえているようで、近くで作業をする者の助けにもなっているそうです。それもまた、サニエの誇りとなっているようですが。 そんな時計は、徹底的な羞恥と屈辱に加えて時折の苦痛もあってわたしたちのような破滅的なほどのマゾ(という言葉が魔帝国にはあるそうです)にはぴったりのものでした。 では、わたしのほうはというと……。 「───ひぁぁンッ!?」 「入れ」 「はっ。失礼致します」 お尻を思い切り叩かれて、甘い悲鳴を漏らしてしまって。その声を聞いた魔王様が、扉の前まで来ていた部下を呼びました。わたしのお尻を叩いた方、確か狼人族のシィさんという方は、それに従って……わたしに見向きはしないまま扉を開いて入ってきます。 わたしの少し赤くなったお尻はそのまま放置されて、少しだけ疼いてしまいましたが、それを見る者はいません。そんなわたしを見かねたのか羨んだのか、サニエが額どうしをくっつけてきました。 「こちら、勤務実態の追調査分です。飼育係、清掃係、備品管理担当、いずれも記録外の自主残業がやや多いようですが、当人たちがなかなか帰ろうとしないのだそうで」 「ふむ、ならば問題ない。好きにさせてやれ」 「かしこまりました。……しかし、呼び鈴は確かに便利ですね。必ずしもコレである必要までは感じられませんが」 「うぅむ……シィにもいずれはわかると思うのじゃがなぁ。のぅ?」 シィ様が持ってきたのは、先日に不備があるとされた部署の勤務実態調査のようです。厩舎のポニーや雌牛の世話をする飼育係、オブジェや家具に埋め込まれた捕虜を含む城内を掃除する清掃係、戦利品保管室の尻や備品室のバキュームベッドなどを手入れする管理担当……いずれも卑猥で無様な、わたしたちがなりたかった姿の人間を扱う部署です。どうやら業務の傍らそれらで楽しむことが常態化しているようで、しばしば帰り支度をした後も遊ぶ姿が見られるのだとか。 それを黙認した魔王様は、サドの得難い才能を持ちながらその気があまり見えないシィ様を残念がっていました。どうやらわたしたちが来る前からずっとこうであるようで、様式美ともいえる問答です。魔王様が同意を求めた相手はおそらく、しばしばガラス固めで彫像や家具になっている人間のメイドでしょう。 「それはわかりませんが……少なくとも、この城には合っているのは確かではあるかと」 「じゃろう? 変わり者共が押し掛けてきてどうしたものかと思うたが、妾としても良いものを作れたと自負しておるぞ」 わたしは今、呼び鈴となっています。 格好はサニエの時計よりはずいぶん単純で、ピッタリの形の穴にお尻を嵌めて外へ晒しているだけ。あとは壁の中で体をがっちり固定されて、魔国では壁尻と呼ばれる姿です。 向きはサニエと真逆、廊下に向けて丸出し。執務室の扉の隣に生えたその肉塊を、ここでは呼び鈴として扱っています。 もちろん、実際に鳴るのはわたしの喉。わたしの悲鳴や嬌声が薄い方の壁を通して室内に聞こえるだけの簡単なつくりなので、使う時にはこのお尻が鳴いてしまうようなことをすればなんでも問題ありません。 たとえば、 「……ぁ、あぁ、うぅぅっ……ひぅん!?」 「入れ」 「失礼しますっ」 「命令書、配り終えました!」 「うむ、ご苦労じゃ。以後は執務の補助を頼む」 このサキュバスカップルは、穴を指で拡げて羞恥に悶えさせてきます。それどころか、拡げたところに吐息まで。 何かえっちなことをされたら我慢せず聞こえるように鳴くのが役目ですが、わたしは恥ずかしいのが大好物なので言われずとも嬉しくなって声を垂れ流してしまいます。特にサドであるポミエ様はそれが面白いようで、たくさん辱めてくださるのでわたしとしては嬉しいところです。 「んぅ、ぉっ……ぅあ、んはぁっ!」 「うむ、入れ」 「失礼します。 北東の砦より連絡が届いております、援軍への感謝と返礼をと」 「わかった。受け取ると伝えよ」 「かしこまりました」 元は人間のスパイでありながら魔王様に気に入られ専属奴隷もといメイドとなったメリナ様は、同じく丸出しのお尻の穴を拡げて掻き回してきます。魔王様の専属メイドの中では一番のマゾだそうですから、きっと願望の現れなのでしょう。 壁に入れられている間は愛液以外の代謝を止める魔法をかけられているおかげでで何も出ないのは幸いですが、こうしてほじられてしまうと自分でも不思議なほど下品な声が出てしまいます。きっと王国の観客が聞いたとしても、まずわたしだとは思われないことでしょう。 「ふっ、ふっ……♡」 「ええと……なるほど」 「ん……あぁぁぁっ!?」 「む……何者じゃ」 「仕立て屋のレニエと申します。ご注文の品をお持ち致しました」 ですが、きっと一番わかりやすい鳴らし方はこれでしょう。隣にわざわざ置かれた籠に入っている張り型を使って、わたしの雌穴を貫いたお客様です。道具がこれみよがしに置かれているからか、尻肉に「呼鈴」と記されているわたしには初めての方は高確率でそうします。その張り型の上から、とんとん、とノックしてくださるのです。 特に素直でただ気持ちいい仕打ちに甘く喘いだ呼び鈴を聞いて、魔王様は誰何の声を発しました。……これはきっとお役に立てているであろうと思えていることなのですが、頻繁にお使いになられる方は責め方もそれぞれです。そのおかげでわたしの鳴き方も対応したものになりやすく、魔王様もすぐに誰であるかわかるのです。 そして多くの場合、わたしは張り型を挿入されたまま放置されます。この道具らしい使いっぱなしの感覚も、わたしにとっては興奮の材料でした。 「ふっ、はふ……んぅ」 「ほう、良い馬じゃな。専属かえ?」 「はっ。新人だったのですが、逸材に一目惚れしてしまいまして。お恥ずかしながら、衝動買いを」 「それは良かったのぅ。……エクアというのじゃな、主のためよく励むのじゃぞ」 「んふぅっ♡」 今回はわたしも魔王様もそうと察したように初めての方でしたが、どうやらこの国では一般的である職業ポニーを従えた方だったようです。それも専属を飼っているということは、やり手の商人なのでしょう。 要件が聞こえてくる分には、魔王様が個人的に注文を出した仕立て屋だそう。甘ったるい声で従うポニーが背負っていた荷物を下ろされると、大量注文だったのかそれなりに重そうな音がしました。それでもびくともしないのが職業ポニーの凄いところです。 「過去にないご依頼でしたので、とてもやり甲斐がございました。特に複雑な模様のソックスは、身内褒めではございますが力作かと」 「……うむ、良い出来じゃ。折角じゃ、チップとでも思うて見て行くとよい。無論、他のものもな」 「あれは……時計、でしょうか?」 「んぁふ……ぁ……♡」 その最中、不意に声がこちらを向きました。どうやら魔王様とお客様の視線の先にあるのは、サニエが扮する脚時計。 声や音の位置関係からしてシィ様に手綱を預けられたらしきポニーのエクアさんも、仕立て屋のレニエ様も、そう言われてようやく執務室特有の調度品に気がついたようです。やはり緊張していたのでしょうか。 とくにエクアさんはポニーに相応しいマゾであるようで、聖女レリーフや脚時計を見ては興奮した声色の鳴き声を漏らしていました。……少し気になったのは、シィ様はエクアさんに対して「久しぶりですね。元気でしたか」などと会ったことがあるかのような言葉をかけていたこと。魔王様付きメイドと市井のポニーにどのような接点があったのでしょうか。 「これと裏の呼び鈴は他とは違うての、向こうからこのような仕打ちを求めて人間国からやって来たのじゃ。ゆえにこうしてある程度は望みを叶えてやっておるのじゃが……この脚を、もっと時計の針らしくしてやりたくての」 「ああ……あの模様は、伸ばしても曲げても針に見えるためのものだったのですね!」 「そういうことじゃ。……サニエ、少し触るぞ」 「は、はひっ……!」 ちなみに壁の中は、わたしたちを楽しませるためとばかりにいろいろつけてくださっています。「二人のような自発的なマゾは貶めるだけでなく愛でもしたいし、なるべく快適に楽しめるよう工夫もする」のだとか。 たとえば壁の中というよりは小さな部屋ともいうべき照明が用意されていて、わたしとサニエの顔はいつでもキスできてしまうほど近くにあります。……塞ぎあっていると呼び鈴や時報の役目を果たせませんから、わたしたちのほうが少し控えてはいますが。 それどころか、少し凝った拘束機構まで。お尻や脚を出して据え付けられているわたしたちですが、普段は腕は自由です。ただ、いくつか設置されている拘束具に腕を押しつけると、そこに拘束してくれるという無駄に凝った仕組みがあります。一度つければ自分では外せず、お互いが頭を横に振ったときに届くボタンを押さなければ解除できないという徹底ぶりです。 今はとても興奮しているので、わたしもサニエも拘束具を使っていました。わたしはお尻の上あたりに肘を伸ばして差し込む枷、サニエは後ろ手に束ねるシンプルな形。 そうして身動きが取れなくなっているサニエが、不意に恥ずかしそうに身を捩りました。どうやら片脚を時計から外されたようで、設置されてから初めてのことに開放感よりも不安そうな表情を見せています。魔王様の気が変わったらここから出されてしまう身分だというのに、これで大丈夫なのでしょうか。 「う、ぅぅぅ……っ!」 「それで、これを履かせてやると……シィ」 「はい」 「なるほど、こう使うのですね。確かに針のように見えます」 「短針として曲げるほうはどうじゃろうな……うむ、構想通りじゃ」 脚を自由にされて、ただ壁から下半身を出しているだけにされてしまってからのほうが、むしろ恥ずかしいようで。可愛らしく呻くサニエはすぐに、びくりと跳ねてみせました。きっと魔王様にお尻でも撫でられたのでしょう。 そして件の靴下を履かされたようで、再び固定具の音をさせてから壁の向こうの一同が感嘆の声をあげました。どうやらより時計の針に相応しい、見栄えのする姿に変えられたようです。残念ながらわたしたちには見えませんが。 特に印象的だったのが、轡を通したポニーのエクアさんがとても情けない声を漏らしていたこと。普段はどんな重い荷物を背負って走っても平気なポニーが、見るだけで腰砕けになってがに股になってしまうなんて。果たしてどんな無様な見栄えなのでしょうか。 「魔王様、よろしければ向こうの呼び鈴にも、このような装飾を手掛けさせてはいただけないでしょうか?」 「ぇ……っ」 「うむ、妾も考えておったところじゃ。報酬を受け取らずともやる気じゃったと見えるが、依頼として受けてはくれぬか」 「はっ。当店の威信にかけて」 なんて、他人事でただ羨んでいたわたしですが、どうやらそれだけでは済まなかったようです。レニエ様が申し出たことがそのまま通って、わたしも同様の装飾を用意されてしまうこととなりました。 お尻だけの姿の呼び鈴ですから、きっと下着やスパッツのような形となるのでしょうが……どんな見た目になるのでしょう。呼び鈴らしく、叩きやすくもある金色のベルのような模様が脳裏に浮かびましたが……。 自分のありさまが見えてすらいないのに嬉しそうに蕩けてしまったサニエを見て、わたしは当然とても興奮して期待を寄せることとなったのですが……気がかりなことがひとつ。 ソックスと違って、お尻に剥がれたりしないよう固定するには腰や股に触る必要があります。ということは、装着時には一度この拘束を解かれてしまうことになりそうです。……その程度のことでさえ残念に思えてしまうのは、呼び鈴の分際でおこがましいことには違いないのでしょうけど。
Comments
人間を捨てて家具になりたがる女の子たちとてもいい… そしてそんなマゾっ娘たちの願いをしっかり叶えてあげる魔王様とてもやさしい… 小さな部屋でたまに二人キスをしてたりするのかも…すきです
ぶーメらん
2023-09-17 08:21:48 +0000 UTC