SakeTami
mitsumichi
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特待「性」の日常Ⅰ

「えっ?」  一瞬、空目したかとおもったが、 「おめでとう。今日から君は特待性だ」  どうみても見間違いではない。 「あの」 「この一年は授業料、寮費ともに全額免除となる。今後も全生徒の代表として、それに恥じない態度を心がけるとともに我が校への感謝と奉仕を忘れずに過ごしてくれ」 「はい、あの、漢字が」 「ん?」 「漢字がおかしいです」  間違っていますと渡された書類を指さすも、合っているよと笑って返された。目上の人間に再三と指摘することもできず、がんばりたまえと背を押されて校長室から出た。  二年の一学期。始業式の後のことだった。 「……どーみても、間違ってるよな」  廊下を歩きながら、書類を片手に眉を寄せる。なんだかイヤな間違いだなとおもったが、ま、いいや。一年間のがんばりが認められたのだ。これで生活が楽になる。  絢斗は浮足立つ気持ちで教室に踏みいれた。 「おめでとう、絢斗!」  途端に沸き立つクラスメイトの面々。 「特待性、なれたんだってな」 「ずっとこれ目指してがんばってたんだろ?」 「同じクラスのやつが特待性なんておれたちも嬉しいよ」  口々に言い募る声に、いつの間に公表されたのだろうかともおもったが、自らのことをこうして喜んでもらえるのは素直に嬉しかった。 「あ、ありが」  背後から肩を掴まれる。担任教師は絢斗を教壇の前まで連れだした。 「おめでとう。今後特段と世話になるこのクラスの仲間たちへ、一言意気込みをもらえるかな」 「え、あ、ええと、こんな風に祝ってもらえるなんておもってなかった。素直に嬉しいです。この一年間、与えられた立場に見合うような行動を心がけたいと思います」 「とてもいい意気込みだ。じゃあ早速はじめようか」  はじめる?  教師を見上げる。一方でその言葉を皮切りにクラスメイト達は席を立ち、机と椅子を端に寄せ、開いた中央に教卓を運び入れる。絢斗は教師に肩を掴まれたままその中心へと連れ歩かされた。 「あの、先生」 「おおい、だれか。古山を持ちあげるのを手伝ってくれ」  はあいと声を揃えて四方から手が伸びてくる。 「えっ、あ、うわっ」  腕と足、腰を掴まれて教壇の上へと持ちあげられる。うつ伏せに手足をたたんだ土下座のような体勢で固定され、掴まれた足首、手首に紐を結われる。 「は、なに」  紐の先はそれぞれ教卓の足にくくりつけられた。 「な、なんの冗談」  ですか、と頬をひきつらせたと同時、教師の手がベルトに触れた。ベルトを抜き取り下着ごとズボンをずり下ろす。臀部に感じる冷えた空気に心臓が跳ねた。 「はっ!? なっ──」  ──冗談じゃ済まされない。  悪ふざけにしてはすぎる事態に咄嗟に体を捩ろうとするが拘束が軋むだけだった。 「なっ、なに、みんな、先生、どうしたんだよ」 「古山。渡された書類ちゃんと見ていなかったのか?」  背後の声。振り返る自由もない。 「特待性の処遇についてだよ。様々な恩恵を受けられる代わりに、特待性には奉仕活動が義務づけられているんだ」 「ほっ、奉仕? それと、このっ……なんの関係が」 「お前な、普段から自分がどんな目で見られていたのか、ほんとうに自覚してなかったのか?」  呆れたような笑いの意味も、言葉の意図もわからなかった。自分を囲むクラスメイトの視線。その薄ら笑いがただひたすらに不気味で、頬にいやな汗が伝う。 「いいか。ここは今日から性器だ」  尻を撫でた手が窄まりに触れる。 「ここでみんなのペニスを扱いて、それから全身で応える。古山のからだはみんなのものになるんだ」 「……な、なに、本気で言って、あの、おれ、からっ、からかってるんですよね」 「まだ実感がわかないか。まあいい。その為に今日の時間を作ったんだ。お前のためにと提言してくれた委員長に感謝しろよ。今日の内にこの処女穴をひらいて、特待性としての自覚を持てるようみんなで叩きこんでやるからな」  冗談だ。心の底で冗談だとおもっている。支離滅裂な言葉が現実なはずがない。おれがこの妄言を信じて焦る姿を楽しんで、あとから冗談でした、って笑うはず、で、 「っ───!」  つぷりと入りこむ。濡れた指の感触に目を見開いた。 「おお。急に暴れだした」 「落ちつけって、絢斗。まだ指突っこんだだけだろ」 「先生。拘束追加しますか? それともなにか他の」 「それもいいが。それよりももっと容易なのが」  露出した睾丸を背後から握られる。駆け抜けた痛みにひきつった声が漏れた。 「ィ゛ッ……!?」 「男の弱みを掌握することだな。ほら大人しくなった」 「はは。ほんとだ」 「っ、は、はなしてくださ」  脅すように数度強く握られて身が竦む。その間に指はなかを押し進んでいく。 「ぐっ……ぅ゛」 「大体第二関節まで入れた辺りに前立腺がある。さらにその奥に精嚢、結腸と続くが、まずは掘り当てやすい場所から」 「やめてください! こっ、こんなのおかしい! ッ、指……抜いてくださ、っ……!」  喚くと睾丸を引っ張られる。痛みと混乱に視界がゆがむ。教師の指は先程から腹側の一点を一定のペースで押しこんでいた。生々しい指の弾力。強い嫌悪感に全身が総毛立つ。しかし同じ早さで、そして同じ圧で延々とそれを繰り返されていくうちに、恐怖に冷えたからだに徐々に妙な熱が灯りだす。 「……っ、ぅ」 「こら、古山。腰を引くな」 「ぁ、ぅ゛……、ッ」  俯けた額を教卓に押し当てる。じわりじわりと腰の奥から滲みでてくる火照りを帯びた疼き。指先が沈むたびに感覚は強くなっていく。 「ん、っく……っ」  明らかな変化を息を詰めて飲み下そうとするが、不意に一段と深く腹側の膨らみに触れられてビクリと背が突っ張った。 「ッ──!?」 「さすが古山だな。物覚えがいい。もう快感を拾いはじめてる」 「ち、ちが……!」 「しかしさすがに少し早すぎないか? もともとそういう気があったのか? それともみんなに見てもらってるこの状況に興奮してるのか? まあ特待性になりたいなんていうやつだからな」 「ちがうっ、しっ、しらないっ、知らなかった! こんな、っ、あっ……!」 「ん? どうだ? こうして撫でられるのもいいか?」 「ふっ……く……ぅ゛……っ!」  教師の指がぬるぬると敏感な場所を撫でまわす。ぞくぞくとした感覚が腰の奥からわいてでてくる。 「……ッ!」  くんと顎を反らせると、自分を囲むクラスメイトたちと目が合った。ニヤニヤと笑う顔。濁った熱を宿した瞳から視線を逸らす。 「絢斗。そんな避けんなよ。顔見せろって」 「ケツで感じてる顔見せんのやなんだ? 恥ずかしい?」 「かっ、感じてな、っ……あッ……!」  表面を撫でていた指がまた深く沈む。たまらずに腰を引いても可動範囲は狭く、教師の指先はすぐに追いかけてきて同じ場所ばかりを弄くりまわす。 「ふっ……うぅ゛っ、っ……」 「感じてない? じゃあなんでちんこ勃ってんの?」  首を振る。じんじんとした熱を下半身に感じながらも、認めたくなかった。 「ケツじゃないならやっぱりおれたちに見られて興奮してる? それとも縛られんのが好き?」 「ちっ、ちがう、ぜんぶちがうっ……!」 「長い付き合いになんだからさ、意地張らずに教えろって。ほら」 「あっ、やだ、やめろ!」  左右から伸びてきた手に首と顎を掴まれて無理やりに顔を上げさせられる。 「ッ──……!」  突き刺さるクラスメイトの視線。全身を羞恥が駆け巡り、かっと顔が熱くなる。 「見られるのが好きなのは間違いなさそうだな。尻穴がきゅうきゅう締まったぞ」 「うっ、うそっ、っぁ、あ、あ゙……!」  内壁に馴染みはじめた指が一点を執拗に揉みしだく。マッサージするような動きで、肉に埋めた指の先でくにくにと弱いところを弄くる。 「はっ……ぁ゛……、……っ!」  襲いくる快感を押し留めようと下半身に力を入れると余計に感覚が鋭敏になって、指のうごきを鮮明に感じとってしまう。たまらずに尻を振ると指先が変なところにあたって、予想外の刺激に追いつめられる。かといってじっと動かずにいるとここぞとばかりにだめなところを集中的に責められて、 「ううっ~~~~……は、ぁ゛ッひっ!?」 「もう指二本もすんなりだな」 「おお、すげー。広がってる」 「や゙……めろ……! きもちわるいっ、ぬいてっ、抜いてください……ッ!」 「古山は天邪鬼だな。カウパー漏らしながら言っても説得力ないぞ」 「ぅあ゛っ、あッ……ぁあっ……!」  固く握りしめた拳が震える。内壁を圧迫する質量が二倍となり、敏感な場所を余すことなく揉みしだかれる。執拗な指先の愛撫に高められていく。 「やぁっあっ、まっ、まて、待って……!!」  呼吸がみだれる。腹の奥が熱くなり、全身に変な力が入る。固定された頭を振り乱そうとするが、拘束する手の力が強まるだけだった。 「だっ……だめだっ、だめ、ッッ~~~! ゆっ、びッ、とめ、て……っ、あ゛……!」  ギシギシと教卓が揺れる。視線から逃れようと瞑った目の端から雫が零れる。 「い゛やだっ、やだ……っ、みるな、みない゛……ッ、ッ〜〜〜〜〜〜♡♡」  ビクンッと一際強くからだが震える。尻穴がきつく窄まり、教師の指を締めあげる。足の間で揺れる勃起から白濁が放たれる。 「ひッ──あ゛あぁあ゛っ♡♡」  通常の射精とは異なる。イッたのに。だしているのに。熱が落ちてこない。耐えがたい快感が継続して何度も何度も体の奥で迸る。頭の中が真っ白になって、みっともない甘い声が止められない。 「イき顔えっろ」 「これがところてん? すげーな。まじでケツがいいんだ」 「つーか濃いなあ。どんだけ溜まってたんだよ」  むりやりにイかされたこと。同級生に射精をみられたこと。尻の穴で達したこと。キャパオーバーの現実にぼろぼろと涙が零れおちる。 「うぅ……ん゛ッ」  教師が指を抜き、絢斗のからだが崩折れる。  ……なんで、どうして。こんなのおかしい。ずっとおかしいのに、どうしてみんな、当たり前みたいな顔をしているんだ。なにもわからない。わからないのが怖くて、余計に涙があふれる。  「じゃあ、次はだれだ?」  教師の言葉に絢斗は目を見開いた。 「な、ぁ」 「先生。おれやりたいです」 「なんで……っ」 「先生だけ古山のいいところ覚えても仕方ないだろ?」  汗ばんだ尻を撫でて、 「今日の内にクラスメイト全員に古山の使い方、ちゃんと覚えてもらおうな」  まるで仕方のない子をなだめるような声色で囁く。ギチリと拘束が軋む。渾身の力で腕を振るっても、きつい拘束が解けることはなかった。 「い……いやだっ! やめろっ!」  ぬるりと入りこむ。太さも、長さも違う指が、まだ熱の引かない肉筒を犯す。 「うぅ゛う……ッ!」 「丸山は指が長いからな。もう少し手前に引いた方がいいかもしれないな」 「や゛っ……やめろって、言っ──あ゛ッ♡!!」 「あ、ここ? いやわかりやす」  浅く笑われて羞恥に目の前が真っ赤になった。今朝まで普通に過ごしていた。対等な立場であるはずのクラスメイトに暴かれる屈辱は絢斗の自尊心を削り落としていく。 「も、ゃだっ……そこやだっ、さわるな゛……っ!」 「もう少し強く触れてやってもいいな。指先を合わせて、もっと、食いこませるような感じで」 「やっ、あ゛っあぁああ゛……!!」 「はは。びくびく跳ねてる」  クラスメイトの指先がぎゅううと性感帯を押しこむ。 「んんん゛〜〜〜〜♡♡」  絞るような性感に足指を丸めて悶える。 「さっきのが尾を引いてイきやすくなってるだろうからな。休まずに刺激してやればまたすぐにイくと思うぞ」 「はーい」 「やっ、やだっあぁ゛ああッ♡」  二本の指先で押しこんだ膨らみを、更に指を小刻みに前後させて刺激する。 「や゛っ、やだっ、それや……ッ゛~~~~♡♡」  圧迫と摩擦。両方の刺激を一遍に叩き込まれて急速に追いつめられる。 「やぁ、ああっ♡ いやだっ、それやめろっ、ゆび……っ♡ も゛、とめ……て、ぁ゛っ、あ、あ……!」  イきたくない。イきたくない。クラスメイトの手で。こんなふうに弄ばれるみたいにしてイきたくない。しかしゾクゾクとせり上がってくる止めどない快感に抗う術はなく、また強制的に頂きへと押しあげられる。 「ッ~~~~んんんんぅ゛っ♡♡♡」 「うわ。すげえ、中がきゅうきゅう締めつけてくる」 「ぅあ゛ッ♡!? やっ、やめ、いっ、いまうごかすの゛、だめ゛……ッ♡♡」 「なあ、次おれおれ。はよ代われって」 「あっ、ま、っ、」  指が抜ける。間髪入れずに入っていた太い指に制止の言葉が途切れる。 「ッッ~~~~~♡♡」 「なーあ。絢斗。お前のいいところはわかったけどさ、どうされるのが好きなんだ? 教えろよ」 「よ゛っ……よくない、こんなの゛……ッ」 「はいはい。じゃあこっちで勝手に決めるな。まずはこうしてにちゅにちゅ揉みしだかれるのと~」 「あっ、ぅっ、っ♡♡」 「ぎゅ~って押し潰されるのと」 「ぁああ゛っ……!」 「挟んだまま揺さぶられるのと……」 「ひぃ゛いいいっ♡♡!?」 「あ、これかなり効いてる? じゃあこうして挟んだまま擦り合わせるのは? 今のがいいいならこれも好きだろ?」 「~~~~~ッッ♡♡」 「あはは。ほら。きもちいいなあ」 「あ゛っ──あぁああ゛あ゛っ♡♡!! ゃだやだやだやだまたくる゛っ、くる……ッンンン゛っ~~~~♡♡」 「あ。こら。はえーって。もう交代かよ」  あーあ、と言いながら指を抜く。絢斗は背を丸めて絶頂の余韻に震えている。尾を引く快感に肉穴の収縮もおさまらず、ひくひくと次を誘うように蠢いていた。 「じゃあ、次おれな」  聞き慣れた声に絢斗が反応を示す。 「ひ、ひろあき……っ」 「ん? なんだよ、絢斗」  低く落ちついた声色。一年の時も同じクラスで、部活も一緒だった。昨日まで当たり前のように談笑していた友人の声。 「弘明、なあっ、たのむ、もうや、やめさせてくれっ……お、ねがっ──あ゛ッ♡!?」 「で、なんだっけ? 指に挟んでこりこり擦り潰されるのがいいんだっけ?」 「あっぁあ゛……ッ♡!! なんっ、なんでぇ゛っ♡♡ ひろあきっ、それやめて゛っ、やだぁ゛……!!」 「な、絢斗。そんな気張らずにさ、肩の力抜けよ」  そしたらもっとよくなれるだろうから、と左手でなだめるように背中を撫でる。絢斗は必死にかぶりを振る。弘明は小さく笑って、指を激しく揺り動かした。また、また、またくる。頭が真っ白になるような絶頂が迫ってくる。 「んん゛ん゛ぅっ……!」 「よし。そろそろステップアップしようか。古山、次はイくときにちゃんとイくって口に出して言うんだぞ」 「やっ、や゛だっ……あぁあッ♡」 「絢斗。素直に言うだけだって。簡単だろ? ほら。イかせてやるからさ、ちゃんとみんなにわかるように言えよ」 「んん゛ッッ~~~~♡♡♡」  友人の指に無理やりイかされる。強烈な快感に腰元がビクビクと痙攣を起こし、腸壁がきつく指を締めつける。しかし彼の指は止まらなかった。 「ひっ……!? な゛……ん、でッ♡ いっ、いま゛、むり……!!」 「お前が素直に言わないからだろ。な、イッてるところ弄られんのきついだろ? イヤなら言えって。それまで指止めてやんねーからな」 「や゛……ぁ、あ、ああ゛……っ!」  三度の絶頂を重ねた前立腺は、神経が剥きだしになったかのように敏感になっていた。そこを一切の容赦なく捏ねくりまわされる。ひらかれたばかりの身体では、到底受け止めきれないような快感がひっきりなしに押し寄せてくる。 「ひっ、ィ゛いい……!! い゛っ……ぎ……♡♡!」 「だいぶほぐれてきたな。指増やすか」 「やっ、やだぁ゛っ……やめっ、ァアあ゛っ♡♡」 「三本でももうすんなりだな。ほら絢斗。こうやって束ねた指でぐぽくぽされんのはどうだ? これも好きか? イけるか? イけるよな? ほら、ほらほらほら」 「あぁああ゛ぁ゛あ……ッ!!」  薄くなった精液がぱたたと教卓に散る。ぶるぶると震える太腿に汗が伝い落ちる。イッてる。イッてるのに。内壁の収縮に指を揉まれている友人にもそれは明らかなはずなのに、それをわかった上で前立腺に指先を引っ掛けて強く抽挿されて、また。 「ア゛ッ、ッ、っ────♡♡!!」  続けざまに叩きつけられる強制絶頂。頂点に押し上げられたまま落ちてこない性感に目の前が白く弾ける。まともな意識が引き潰されるほどの快楽にはくはくと口が開き、 「っ、ひ、ぃ、い゛ッ……」  心が従順に傾きかける。しかし自分を囲む視線に脳が警音を鳴らす。その砦一つ破ってしまえば、戻れなくなってしまうような不安感がギリギリのところで絢斗をとどまらせたが、 「あ゛……ッッ♡♡ だっ……め、ぇ゛ッ、そこ、ぉッ、もぅ゛っ、あ゛っ、っ~~~~~♡♡」 「絢斗。さっきから何回イッてんだよ。強情だな。それともずっとこうしてたいのか?」 「ちがっ……あ゛っあぁああ゛っ♡♡」 「おれはいいけどな。おかげでどんどん絢斗がどうされんのが一番効くのかわかってきたし。ほら。ここだよな、ここ」 「ひッッィ゛────♡♡」 「はは。ほらすぐイく」  むり、むりだ。もう無理だ。プライドとかそういう問題じゃない。このままじゃほんとうに壊される。からだがおかしくなる。戻れなくなる。 「ッ〜〜〜〜……イ゛……っく、イくっ♡ もうイくっ♡♡ イ゛くっぅうう゛っ♡♡」  ビンと背を反らせて達する。ギチギチと拘束を軋ませながら長い絶頂に戦慄く。ようやくイき終わった頃に指が抜かれた。 「はあっ、はっ、はぁ゛っ……!」 「よし、ちゃんと言えたな。次から毎回宣言しろよ」  頭をくしゃりと撫でられる。友達だったはずの男の手に胸がずきんと傷んで、しかし感傷に浸る間もなく次の指が入ってくる。 「ふぅううう゛っ……♡」 「おー。とろとろになってきたな」 「もっ、もうやだぁ゛……っ、もうイけないっ、もうおでない゛……っ」 「あ。射精打ち止め? でもそれ関係ないんだよなぁ」  敏感な状態のまま戻らなくなった前立腺をぐにぐにと揉まれる。 「やぁあああ゛っ♡♡ そこや゛だっ♡♡ やだっ♡!! あぁ゛あ゛っ!! もうむりっむりだってばぁ゛っ!!」  なりふり構わずに暴れてもすぐに複数の手に押さえつけられた。腰元を掴まれ、尻たぶを割り開かれて一切身動きできなくなった無防備な穴をじゅぽっじゅぽっと太い指に犯される。 「んんん゛ん゛ッ~~~~♡♡♡」  もうほんとうにでない。でないのに。過敏な肉壁を容赦なく扱かれて、意思とは無関係に性感が高まっていく。絢斗は強い焦燥感に駆られた。 「ほんとにも゛……っ、もう無理っ、イけな、い゛っ♡ 出ない、の、に゛、ィ゛……っ、いっ……く、いくっ、イくぅ゛……!!」  激しく痙攣する身体をガッチリと固められながら達する。溢れだす快感が陰茎の先まで強く疼かせるが、そこはひくひくと震えるだけで何も吐きださなかった。 「ぅ゛ううううっ~~~~♡♡!!」 「あはは。射精せずにイッてら」 「上手にドライでイけたな。これを覚えたら種切れに関係なく何度だってイけるからな」 「ひっ……ぁ゛、やっ、な、なんか、お゛かし……ッ」  またすぐに次のクラスメイトに絶頂にビクつく肉壁を掻き回される。絶頂の快感が落ちてこない。快感に震えつづけるそこに触れられるだけでバチンを視界が弾けた。 「ひッ──ィ゛、あぁああ゛あ゛っ♡♡ だめっだめ゛っ熱いぃ゛っっ♡♡ そこさわるのや゛だっ、やぁああ゛っ!!」 「よかったなぁ、絢斗」  目の前に立つ。友人が微笑みを落とす。 「こんなにきもちよくしてもらって」 「ほんとにな。これがもし他のクラスだったら、もっと手ひどく扱われたかもしれないのに」 「委員長にもおれたちにも感謝しなくちゃな。ほら、ありがとうは?」  絢斗の瞳から涙が零れ落ちていく。鼓膜を震わせる声を、言葉を、もうなに一つ理解したくなかった。 「んぁああ゛っ♡♡!!?」 「だめだな、やっぱり。満足するまでイかせてやんねーと素直になれねえみたい」 「まあいいじゃん。まだまだ時間はあるし。そう焦んなくても、そのうち勝手に素直になるだろ」  教卓を囲む同級生。後ろの人間の顔が見えないほどの人数に、絢斗の瞳からまた雫が溢れおちた。 「あぁあ゛あ゛あぁあ゛っ!! やぁあっイくっイくっ、いくぅ゛っ♡ ッ~~~ぃ゛、いッ、てる゛、のにぃ゛♡ っも、イけないっイけないぃい゛っ、やめてっ、やあぁあ゛あ゛アア゛ッ♡♡」 「ッ~~~♡♡ あ゛、あ゛っ……あり゛、がっ♡ ありがとぉ゛ございますぅ゛……っ♡♡ うぅう゛う゛うっいっ、言った!! 言ったのに、な゛ん゛でぇっああっ♡♡ ぁあぁああ゛あ゛あッ♡♡!!」 「はひゅっ……はひっ、はッ♡ もっ、むりっ、無理゛ッ♡ ほんとにもっ、へ、へんになる゛っ、おれへんになる゛っ……ッんぐっ、ぅう゛~~~♡♡ もういれないでっ、なっ、なか、けつやだ、いじんないでっ、いじんないでっあ゛っ、あぁあっまたくるっ、くるっ、くるくるくる゛ッ……ッッ゛~~~~~~~~♡♡!!!」 「んん゛っ────♡♡!!」  ぢゅぽんっと指が抜かれても、またすぐに次が入ってくる。また新鮮な刺激に叩き起こされる。もういやだと思っても、蕩けきった肉穴は擦りあげられるたびにひくんひくんと戦慄いて覚えこまされた快感を拾いあげる。 「ひぐっ、ひ……っ、たっ、たすけて……っ♡」  取り繕う余裕なんてもう残っていなかった。泣き濡れた表情で訴える。 「だれか、だれかっ、たすけ……あ゛ぁあっ♡♡」  どれだけ限界を訴えてもだれも聞いてくれない。だれも助けてくれない。だけど自力で抜けだすこともできず、与えられる刺激にただただ感じ入るしかできない。 「やぁ゛っ……♡♡ まっ、またいぐっ、ぅうう゛っ♡♡ いきたくないぃ゛……っ!」 「そんなにイヤなら少しは我慢しろよ」 「ほら。絢斗。我慢だって、がまん。できるか? ぐずぐずになった前立腺こねくりまわされても我慢できるか? ほら、ほらほら」 「んん゛ん゛──♡♡!!!」 「全然耐えれてねーじゃん。つーか黙ってイッただろ。おい」 「ひっ、ひっ、も゛、っ……もっ、もうゆびっ、指いれんのやだ、ぁっ……あ゛っ、あぁあ゛……!!」 「だいぶ広がってきたな」  三本の指もたやすく飲み込む。開ききったままビクビクと震える肉縁を別の指がなぞる。 「んんん゛っ……♡♡」 「最後だから。深くイこうな」 「やだっ、や゛ぁっ、あ……っ」  敏感になり果てた膨らみに触れられる。すり、すり、と優しく撫でられる。 「あっ、あっ、ぁっ……♡」  今までになくゆっくりと高められていく。蕩けるような快感に脳が満たされる。 「ふぅ……っ、ッ、んんっ……♡♡」  ずくずくと内側が疼きだす。きもちいい感覚が触れられている場所だけなく、全身を満たしていく。甘い刺激に勝手に尻がゆらゆらと揺れる。あまりに情けない動きに泣きたくなっても、もはや自分の意思では止められなかった。 「あっ……♡ あっ、あ、あ、い……くッ……!」  甘く深い絶頂に導かれる。快感を発露する細やかな痙攣が長く続き、それがおさまった頃に指が抜かれた。手足の拘束が解かれる。力の入らない体をそっと床に下ろされる。刺激を失ってもなお、おかしな熱は継続してからだを震わせて、全身が過敏になっていて苦しい。  けど……終わった。  これで終わりだ。明日のことなんてかんがえられない、とにかく帰りたい、はやく……はやく、帰りたかった。 「じゃあ次は誰からやる?」  両膝を掴まれて足を割り開かれる。 「え、あ」 「はー。まじでちんこずっっと痛かった」  絢斗の前に膝をついた生徒がジッパーを下げる。勃起したペニスを肉縁へと押し当てる。 「うそ、うそだ、うそっ……」 「おいおい。自分だけきもちよくなって終わりはないだろ?」  咄嗟に視線をさ迷わせて気が付いた。廊下に面した窓に人が集まっている。 「他のクラスのやつらも見にきてんなあ」 「たっ……助けて!! だれかっ!!」  決死の叫びに笑いが巻き起こった。 「煽んな煽んな」 「まじで入ってきたらどーすんだよ。むしろわざと?」 「おれほんとA組でよかった。こんなん指しゃぶって見てるだけとかさ」  ──味方はいない。絢斗は手足を振り乱して暴れた。 「だから暴れんなって。もう一回縛っとくか」 「まだまだ元気ならよかった。反応ないのが一番つまんねーもんな」  手足を押さえつけられて縛られる。震える唇を指先になぞられる。振り落とされる笑みに瞳が潤んで視界がぼやけた。 「明日から大変だからな。今日は多少のわがままも許してやるよ」  好きに喚いて、抵抗していいよ。まるで寛容さを誇示するかのような台詞に噛みつこうとして、しかし押し入ってきた熱に絢斗の言葉は甘い悲鳴となって掻き消えた。


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