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紺野アスタ
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『エロゲシナリオライター勉強会的なもの』レポート

昨日は、保住圭さん主催の『エロゲシナリオライター勉強会的なもの』に行ってきた。 プロ・アマ問わず参加できて、「創作において悩んでいること」を議題として出して、みんなでそれについて考える、というような趣旨のもの。 詳しくはこちらをどうぞ。 https://twipla.jp/events/349807 参加者70名。 正直、行く前は「この人数で話し合いが成立するんだろうか」と心配してたんですが、始まってみると色んな立場の人が積極的に意見し合う、とてもいい勉強会になりました。 今日はその詳しいレポート……は、こちらのassaultさんの一連のツイートをどうぞ。(丸投げ) https://twitter.com/assault__/status/1089170280537157632 私は、私が覚えている範囲でとくに心に残った事などをまとめます。 <保住さんによる告知> 開催告知からあれよあれよと参加希望者が増えていき、「興味あり」含めるとおよそ150人。 「これが保住圭の人徳か……」 と震え上がりつつ、私も「興味あり」をポチッと。 直前になって、「土曜が暇なのは寂しい」と参加を決意。 事前にDMで質問募集をしてたので、こんな内容を送った。 ===== お疲れ様です。ライター勉強会の質問です。 私は序盤のつかみが苦手なんですが、みなさんどうされてるのか知りたいです。 具体的に「これは上手くつかめた!」という経験があれば聞きたいです。 私のシナリオはスロースタートになる事が多く、演出素材を冒頭につぎこんでもらって、シナリオじゃなくヴィジュアルでつかむようにしてます。 勉強会楽しみにしてます。 ===== ずっと悩んでる事だったし、勉強会の議題としてもよかろうと。 また、参加者の皆さんが奥ゆかしさを発揮して、質問が全然集まらない可能性もある、と勝手なお節介もあって、イベント成功の一助になればという想いもあった。(全然杞憂で質問は沢山集まってた模様) <勉強会当日> 会場入りして、まずはゆるっと名刺交換会。 数年ぶりに会う古い知り合いが何人かいらっしゃったので、「お久しぶりですね~(知ってる人いてよかった~)」という会話を交わす。 最近、みなさんソシャゲやらラノベやらその他色んな別ジャンルにスライドしてるのもあって、プチ同窓会気分に。 14時から、勉強会開始。 150人が入れる広い会場に70人。保住さんがマイクを持って挨拶。全員、ちょっと緊張気味。 まずは事前募集した質問コーナー。質問者は前に出てマイクを使ってしゃべる。 その様子を見て「しまった……質問送るんじゃなかった……!!?」と後悔し始めるアスタ。胃が痛くなる。 <質問:テキストの生産スピードを上げるには?> 執筆速度を上げる方法は、ライター間でよく議論される。 私の答えは、「速く書こうとしなくていい。急がば回れ」ゆっくり丁寧に書く事で、結果アベレージが上がる。それで間に合わない仕事は請けないようにする。 請けちゃって、〆切がヤバイ時はしょうがないから、睡眠削って寿命縮めて書くしかないんじゃないかな。それはやだから、仕事は余裕を持って請ける。 という考え。 で、会場でどなたかがおっしゃってた回答。 『セリフを先に埋めてしまう』 セリフのやりとりだけ先に書いて、地の文を後で埋めつつ、セリフも修正するというやり方。 これは、近い事を私もやった事がある。 というのも、昔、プロットの書き方が分からなかった頃、会話を書かないと話が上手く作れなくて、意図せずそうなってた。 ただ、今の私のテキストは、このやり方では書けないのでやらない。(時々、会話主体のシーンの時は勢いで会話だけ書ききる事はある) 会話劇主体の作風なら、このやり方は会話に勢いが出ていいと思う。 <質問:プロットと本文がなんかちがう> そんな質問じゃなかった気がするが、ようするに、プロットではいいシーンなのに本文書いてみると、なんか思ってたのと違う感じになってしまう、どうしたらいいか、というようなお悩み。 どなたかのお答え。 『プロット>シノプシス(さらに詳細なプロット)>本文』 とプロセスを一つ増やすというもの。 これは私もいつもやってる。 ようは、シーンごとのプロットを作る。 私の場合、そのシーンを書く前にやる。 まず普通にプロットを書く。シーンが1~5まであったとして、シーン1を書く前にそのシーンの詳細プロット(シノプシス)を作る。シーン1が書けたら、シーン2の詳細プロットを……という流れ。 本文を書いてる間にだんだん元プロットからずれてきたりするし、新しく思いついた事を盛り込めないので、そういう作業手順になる。 <質問:アイデア(企画)やプロットがありきたりだという理由でボツになる> みんなから「あるある~」という声があがる。 これについては、とある売れっ子作家さんがとてもよいアドバイスをしてくださった。 企画はまずオーソドックスに作る。そのジャンルで最もありきたりな普通のものを。 その後、「まったく逆だったらどうなるか」を考える。例えば、異能バトルもので主人公が最強という設定なら、「主人公がまったく能力を持ってなかったらどうなる?」とか。 そうやって色んなパターンを試していって、あとは編集さんに見せつつ好みに合わせていって……。 編集さんうんぬんは置いとくとして、すごくいいやり方だなと、企画が苦手な私は大変勉強させていただきました。 これを聞いて、『芸人先生』という番組で、バイきんぐが語ってた話を思い出した。 「設定はありきたりなものの方がいい。じゃないとお客さんが入ってこれない。切り口を新しくする」 0から1を生み出すのではなく、1から10を作る。よくある設定で、でも新しい切り口で面白さを生み出す。その方法でバイきんぐはキングオブコントで優勝し売れっ子になった。 まったく同じ考え方だなと思いました。 あと、シーンが間延びしてうんたら、という悩みについて、保住さんがこんな事をおっしゃってた。 「食べ物屋の評価で、“量が多かった”と言われるものは、実は味が悪い場合がある。マズいから量が多く感じただけだったと」 シナリオが長く感じるのは、実は話がつまらないからで、面白ければ実際は長くても短く感じる。誰もが経験した事があるかと思います。 <質問:掴みが苦手。どうしたら序盤から掴めるのか> はい出ました、私の質問です。 前に出てマイクでしゃべりました。緊張してゲボが逆流してきそうでした。 それはともかく、沢山の方が色々なアドバイスを下さり、大変勉強になった。そのうち、メモれたものを。 『起承転結を、さらに起承転結に分ける』 構成にメリハリをって事でしょうかね。私の場合、さっき出たシノプシスを作る際、意識してたりしてなかったりです。 『今を全力で面白く書く。続きがどうなるかとか考えない』 ようは「これをやったら絶対面白いけど、後でストーリーが破綻する……」とかは考えないで、今できる一番面白い事を書けと。 時々やります。「なんかもうプロットと全然違うけど、未来の自分がなんとかしてくれる!」みたいな。でも勇気が必要です。 『同人誌の場合、会場で手に取ってすぐどんな本か分かるように作らないといけない』 同人作家さんのお話。そのために表紙やタイトルにとても気を遣うそうで。 同人作家さんは、我々商業ライターと違って、自費で本を作って売っている。仮に小規模なサークルさんだったとしても、いくつ売れるかはとても神経を使ってるはず。 言葉に重みがあり「なるほど……」と唸らされました。 『ストーリーが始まってすぐにどういう話か分かるようにする』 意識してるつもりだけど、悩んで頭がグルグルしてると忘れる。ちゃんと心に留めておこう。 『メッセージの一番大きな部分を切り取って、最初に見せる』 恐らく同じ意味ですが、「メッセージの一番大きな部分」というフレーズにシビレました。 『お客さんが一番見たいものを、一番最初に持ってくる』 前述のものと似ていますが、より具体的で戦略的で、すごくシンプルながら「なるほど!」と思いました。そしてすぐに真似できそうな気もする。これは取り入れねば。 『バナー広告で出てくるネットマンガの広告などは、エロやグロが多い。いわゆる不快に思うけど続きが気になるもの。そういうジャンルが、「最初のインパクト」に向いている。逆に、そういう掴みに向いていないジャンルというものがある』 まさにおっしゃる通り。私の作風はいわゆる「雰囲気もの」で、インパクトがどうしても弱くなるんですよね。(それゆえの質問だったりもする) 掴みたいなら、そういうジャンルを書けばいいというのも、考え方としてはありだなと思いました。 以上、メモってるものから抜粋。 スマホに断片的にメモしてたので、前後の流れがあやふやですみません。 ここで事前質問コーナー終了。 <インボイス制度のお話> インボイス制度という、フリーランスにも大きな影響がある税制について、詳しい人による講義。 ……難しくてよくわからんかったけど、ようするにこれをやっとかないと、クライアントが損する事になり、損をさせるような外注には仕事が回ってこなくなる可能性があるので、みなさん勉強しときましょうね、というお話。ググりましょう。 <リアルタイム質問コーナー> この場で何か聞きたい事ある人ー、のコーナー。 色々あったのですが、とくに印象に残っているものを。 『エロゲで三人称の文体を使う意味や、使い方について』 ちょっと曖昧な質問だったのですが、ようはエロゲで三人称を使うのってどうなの? 使うとしたら、何に注意したり、どういう効果を狙うの? という事だったと思う。 エロゲの基本は主人公の一人称で、視点が変わったとしても誰か別のキャラクターの一人称になる。小説では原則的にタブーな書き方だけど、エロゲでは三人称は使わないのが普通だったりする。 なので、三人称で書く事に慣れてるエロゲライターなどおらず、この質問にちゃんと答えられる人はいないだろう――と思ってたら、いた。我らがassaultさん!! ※assaultさんは変身ヒロインものを長年書き続けているエロゲライターさん。 assaultさんとは古い付き合いなのですが、手を挙げて前へ出ていく時の背中がすごくカッコよくて、「うぉぉぉ!! assaultさんやったれーー!!!」と一人で謎の胸熱展開でした。(なんだそれ) で、この時のassaultさんのアドバイスは、昨日の勉強会のMVPかもしれないくらい、ベテラン含めた多くのライターさんが「ほう……」と唸ってました。 曰く、 「自分はデビュー作からほとんど三人称で書いている。理由は、魔法少女が触手に犯されている状況をヒロイン視点で書くと、“何かわけのわからないモノに、わけのわからない事をされている!?”となってしまうから。バックから触手に犯されている事を描写できない。だから三人称で書く」 二次会で、古い付き合いのライターさんたちとその話題になったんですが「あれは唸った。カッコよかった」とみんな言ってました。 assaultさんは自分の信念を持って作品を作り続けてる人で、それを70人の色んなライターさんの前でも貫いてる姿が、グッときたわけです。(伝われこの熱さ) そして、普段萌えゲーをメインで書いてる人たちには「そんな考え方もあったのか!?」と、目から鱗だったと。 もしかすると、バトルものとかでも同じ理論が成り立つかもしれません。 あと、キャラクターに関する質問(具体的な内容を忘れた。すいません)に、こんな答えをした人が。 「自分は毎日ご飯を食べる時、27人のキャラクターと一緒に食事をしている。昨日は海鮮丼を食べたけど、海鮮が好きな子もいれば苦手な子もいる。ハンバーグが食べたいって子もいる。そういう反応を食事をしながらイメージしてトレーニングをしている」 まずこの手法、「同じ事象を複数のキャラに見せて(体験させて)、それぞれの反応の違いによってキャラを立てる」という、小池一夫先生の本でも書かれていた手法で、私も時々使います。 それから、このイメトレは私もやるし、次の『シナリオ術』の投稿で書いてる最中のものでした。(なぜ有効か、詳しく解説します。乞うご期待) とまあ、覚えてるのはこんなところ。 スマホでメモってて手が追いつかなかったので、間違ってるところもあるかもです。 <勉強会を終えて> 今回の勉強会は「プロもアマチュアも参加オッケー」というもので、故に70人もの世代や立場の違うシナリオライターが集まりました。(地方から新幹線で来てる人もいらっしゃった) やる前は、立場が近い者同士じゃないと、深い議論はできないんじゃないかと思ってたのですが、終わってみるとアマチュアの方々のご意見は私には考えつかないもので、とても参考になった。 勝手な想像ですが、いわゆるプロのライターが多数を占めるあの場で、アマチュアの方が手を挙げて発言をするのは、なかなか勇気がいったんじゃないかと思う。それでも前に出て自分の考えを話すのだから、よほど自信のある、もしくは実感のある意見なんだろう。そういう言葉は響く。 発言してた人たち、みんながそう。それぞれの立場で、自分が経験してきた事を話すからいちいち説得力があり、私にはあまり関係のない方面の話でも興味深く聞く事ができた。 ありがたいアドバイスの他に、沢山の刺激ももらえた、とてもいい勉強会でした。 「土曜日が暇なのは寂しい」なんて理由だったけど、参加してよかった……。 最後に、準備から司会進行まで大変な労力だったであろう保住圭先生に感謝と労いの言葉を贈りたい。 保住圭を讃えよ! おまちょろ買います! ていうか、しゃべり上手すぎ。さすがVtuber。 ここから追記。 <質問:モチベーションが維持できない。もうやめたい> 若手ライターさんからの、わりと切実そうなお悩み。 これに答えたのは、某ベテランライターさんでした。 「モチベなんてないのが当たり前。いつだってない。なくても書く。それだけだ!」 うんうんと頷くベテラン勢。(私もその一人) ここだけ切り取ると語弊がありますが、別に嫌々シナリオ書いてるわけじゃないです。 シナリオの作業ってマラソンに似てて、ランナーズハイで気持ちよくなれる時もありますが、それはごくわずか。ほとんどが息切れしながら走ってる。けどゴールした後が、超気持ちいいんです。 で、この長いマラソンを走りきるためには、トップスピードで走り続けるわけにはいかない。つまり、モチベーションマックス状態を維持してちゃ続かないんです。 経験を積む事で、自分のペースがだんだんできてくる。なんだったら「今日は気分が乗らないからサボろっと♪」というガス抜きも、上手くできるようになる。 そういう事を、某ベテランライターさんはおっしゃってたんだと思います。 他にも「自分の過去作を読み返す」というのも出ました。 私もよくやります。自分の書いた物が面白いと自信になって、モチベが戻ってくる。 ちなみに、この時、私は手を挙げて前に出るべきか悩んでました。胃がマジで痛かったので、「これ以上酷使して大丈夫か……!?」と震えながら。 その時言おうとしてたのが、こんな話。 私は仕事してるとよく「もう死にたい……」ってなります。モチベが0を通り越してマイナスになった時です。 そういう時、実際、死んでみる事を想像します。すると、「じゃあ、貯金全部何かに使ってからにしよう」となります。「美味しい物とか面白い物とかいっぱいあるよなぁ」となって、「死ななくても仕事辞めちゃえばいいんじゃね?」ってなります。 じゃあ代わりに何して生きていくってなった時、「シナリオ書く仕事って結構楽しいよなぁ」となって仕事へのモチベーションが復活します。 つまり、一度リセットすると! ……はい、不穏すぎますね。こんな内容を熱弁振るわれても、みんな引きますね。思いとどまって正解でしたね。(ここに書くかどうかも迷いましたね。書かない方がよかったですかね) まあ、長丁場のシナリオ作業、場合によっては一年くらいかけて書く事もある。その間、ずっとモチベを維持するなんて無理。 だからモチベの波が下がった時にもちゃんとした物を書けるように、地力(スキル)を高めておく必要があるわけです。 追記は以上です。

Comments

おお、励みになったのなら幸いです。ある程度長くやってるとモチベの話は「まあそうだよね」って感じで流してたんですが、もっと若手な方々には結構切実だったりするんだなぁ、と追記してからの反応で思いました。

紺野アスタ

モチベーションの話、マラソンの例えがとてもしっくり来ました。そして励まされました。しぶとく頑張りたいです。

こちらこそ、貴重な機会をくださり、ありがとうございました&お疲れ様でした! 登壇については、口では嫌がってても体は悦んでますのでお気になさらず。むしろ質問を取り上げていただきありがとうございました。緊張はしましたが、よい経験にもなりましたし、あの後の休憩で沢山の人が挨拶に来てくれてちょっといい気分でした。 assaultさんの登壇は、「俺たちにはまだassaultさんがいた!」と、ピンチからの逆転シーンみたいで激アツでしたねw私以外の人も同じように感じてたのが分かってなんか嬉しいですw 次の機会がありましたら、是非参加させていただきますので!(でもご無理はなさらないでくださいませ)

紺野アスタ

誠実なおまとめ、誠にありがとうございます!改めましてご参加ありがとうございました!振っちゃってすみませんでした(苦笑 ともあれ、assaultさんのご登壇とお答えはほんと熱く力強く為になりましたですね…あの日のハイライトだったと自分も思っております…!

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