「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
2020年9月劇場公開作品
暁 佳奈 原作
石立 太一 監督
京都アニメーション制作のファンタジー群像劇アニメーション映画です。
~あらすじ~
大戦時、孤児として拾われた少女ヴァイオレット。彼女には戦士として戦う才があった。
親として彼女を育て、上官として戦い方を教え、先生として教養を与え、兵士として戦場で散っていったギルベルト少佐。
しかし彼女は戦場で育て上げられたために、少女としての感情というものが存在しなかった。
彼の最期に遺した「愛してる」の言葉の意味を探し求め、彼女は様々な人と出会い、ふれあい、感情を手に入れていく。
戦後、ライデンシャフトリヒの首都ライデンにあるC.H郵便社で代筆屋 "自動手記人形" 通称 "ドール" として3年間働いたヴァイオレット。
ある時はお姫様の恋文を書き、またある時は歌姫の依頼で新作オペラの歌詞を書いた。さらには有名な劇作家の舞台脚本の代筆もこなした。
「愛してる」はとても勇気のいる言葉であることも知った。
「愛してる」はとても大切な人に贈る言葉であることも知った。
「愛してる」の意味が、今では少しはわかるようになった。
そんな彼女の元へ、ある知らせが舞い込む。
ギルベルトの筆跡によく似た手紙が、郵便社の倉庫で発見されたのだ。
とても、とても、素晴らしい映画でした。
誰かの手紙を代筆していくことで新たな感情を得たり、仲間との絆が深まっていくというところは変わりありませんが、昨年劇場公開された「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-」とは違い、今作はとくにヴァイオレットに寄り添ったヴァイオレットのためのお話になっております。
これまで「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を応援してきたみんなが待ち望んだものが、ここにはありました。
ヴァイオレットや郵便社の人たちのその後が描かれております。
ギルベルトや、その兄ディートフリートが好きな方へも、しっかりとおすすめできる作品です。
幼き日のふたりの様子などがしっかりと。
TVアニメ版では理不尽なほどにヴァイオレットを憎んでいたディートフリートが、どれほど弟のことを愛していたかがわかります。
キャッチコピーにもある「愛する人へ送る、最後の手紙」
こちらにも注目です。
TVアニメ最終話、航空祭でヴァイオレットは人生で初めての自分の手紙を書きました。
その中でこう記しています。
私は信じています。 少佐がどこかで生きていらっしゃることを。
だから私も 生きて 生きて 生きて
その先に何があるかわからなくても ただ生きて
そしてまた会えたら こう伝えたいのです。
私はいま「愛してる」を少しはわかるのです。
ヴァイオレットはいまも信じているのです。
ギルベルトまだ生きていると信じてドールを続けているのです。
そんな彼女が、ギルベルトへ向けた最後の手紙を書きます。
最初に書いた時と同じように、何度も書いては捨てを繰り返し、なんとか手紙にしたためます。
その手紙を、あなたは観ることができるのです。
観ない理由がありますか?
私は何年かぶりに、劇場で、顔をゆがめて、泣きました。
そしてとても温かなものが、心に残りました。