格子状に並ぶキーボックスは、あらゆるベッドルームを映してまばらに点灯している。
その中で、ウサギのシールが張られた部屋のボタンを、先輩は、カチリと押して、隣に置かれた機械から出たカードキーを、しゅるりと引き抜く。
先輩がその場に留まることなく、すぐさま、選んだ部屋へと踵を返すので、那月は、ひょこひょこと、フレアスカートを揺らしてそのあとに続く。
シックな扉の向こうに二人で入り込んでから、那月は、ようやく口を開く。
「先輩、手慣れててすごいです……」
「よく来てる、みたいなニュアンスで褒めるなよ。パッと見りゃ分かるだろ」
先輩が、咽るようなため息をついた後、那月をひと睨みするので、那月は、むぅと赤らんだ頬を膨らませる。
「だって、部屋を選ぶのも迷いがなかったし」
「お前が事前に、ウサギを試したいって言ってたからだよ。普通のホテルと大差ないだろ」
先輩がそう言いながら、手元のカードキーを、壁に備え付けられたカードポケットに差し込む。
薄暗い部屋に、ほのかな灯りが照らされ、部屋の全貌が明らかになる。
大きな部屋の大半を占める二人用のベッドに、大きなテレビ。サイドテーブルには、カラオケのマイクのような形をしたマッサージ機と、ずらりとコンドームが置かれている。絶対、普通のホテルにこんなの置いてない。
大人向けアイテムを、大人向けホテルで凝視するのも気が引けて、那月が目を反らして口を噤んでいると、背後に先輩の声が響く。
「ほら、あったぞ那月。これだろ? お前が使ってみたいって言ってた奴」
先輩の声に振り返れば、テレビの横に置かれていたらしい“それ”が、先輩の指先で支えられていた。
ウサギを象ったアイシングクッキー。ベージュ色の下地に、白でコーディングされ、黒いチョコペンで「Rabbit」と書かれている。
ネットで事前に見ていたものと同じものが、先輩の手中に収められているのを見て、那月は、きらきらと目を輝かせ、先輩のもとへと駆け寄る。
「それです、それです。わ~、おんなじだ~」
那月が、目の前に向けられた先輩の手のクッキーを、まじまじと見つめて感激の声を上げれば、先輩が、息を吐いて笑う。
「すげー食いついてきたな」
「だって、これ食べたら、ウサギの耳生えちゃうんですよ。すごくないですか?」
「この技術を開発しきる勇気と、ホテルに提供する度胸には、賞賛したいな」
先輩が遠い目をして誉め言葉を言うのを他所に、那月は、先輩の手に支えられたクッキーを、先輩の手ごと、両手で支える。
ほんの少し前から、一部の界隈で話題の、ラビットクッキー。
食べると一定時間、ウサギの耳と尻尾が生えて、触覚も備わっているという、夢がつまったアイテムである。
ジョーク商品として発売されたそれだが、一般人には、需要としてとらえるには、時代が早すぎたらしく、置いている店が大変限られており、ネットでは売り切れ続出、という事態に見舞われた中、こうして常設されている店を見つけた、というわけである。
「たぶん、ハロウィンとか学祭シーズンになったら、よく売られるようになると思うけど」
「そんな先まで待てないですよっ。それに、なんというか、その……、使うなら、やっぱり人前は避けたいというか」
「今、思いっきり目の前に俺がいるけど」
ファンシーなアイテム好きで、ぜひとも試したいと意気込んで、ここに至った那月に、先輩がそう言えば、那月は、ぎゅっと、両手で先輩の手を握って、ちらりと上目遣いで先輩を見つめる。
「先輩はいいんですよ。……彼氏だし」
なんとかそう言えば、先輩が、フッと笑い、那月を空いた手で頭をひと撫でした後、指先で支えたままのラビットクッキーを揺らす。
「じゃあ試してみれば」
先輩の声に、那月は、こくんと息を呑み、そっと口を開ける。はむ……、と、先輩の手先に支えられたクッキーをついばむように唇で捕らえ、カリカリと、クッキーを飲み込んでいく。
「んく……っ、むぅ……っ、ぁ……、おいしいです」
ふわりと甘さが香るラビットクッキーに、那月は、夢中になって頬張る。
灰色のロングヘアが、ぱさりと、頬を撫でるので、片手で髪を耳にかけ、再び、両手で先輩の手を包み込む。
ラビットクッキーは、あっという間になくなり、先輩の指先に、わずかに溶け残ったホワイトチョコレートを、那月は、ちろりと舌を伸ばして舐めとる。
「……ッ」
ぴくりと、先輩の手が震え、那月の両手から離れる。その手が、那月の柔らかな頬を、むに、と包み、那月の顔をぐいと、上へ向ける。
「ぁ……っ、先輩」
「……なんだよ」
唇が重なる寸でのところであげた那月の声に、先輩がぴたりと止める。
「今キスすると、先輩もウサギになっちゃうかも」
「ならねーよ。溶けた分までお前が完食しただろ」
先輩が少し笑ってそう言った後、那月に噛みつくようなキスをしてきた。
ベッドに押し倒された那月の上で、四つん這いになって見下ろす先輩が口を開く。
「大丈夫か?」
「せん、……ぱい……っ」
はぁ、はぁ、と息が上がり、ブラウスに包まれた胸が、上下する。身体が熱い。
フレアスカートに包まれた足を、もじもじと擦り合わせ、那月は潤んだ瞳で、先輩を見上げる。
「私……っ、なんか、変れす……っ」
「身体がウサギになりかけてんのかな。どこが変なんだ?」
先輩が目を細めて、ギシリとベッドを鳴らし、那月の横に寝転がる。
肘をついて頭を支えながら、空いた手が、ゆるりと那月へ伸びる。
ブラウスを留めるボタンをなぞるように、するすると、那月の胸元を折り進み、シャツ越しにへそと腹部をくるりと撫で上げる。
先輩の指の動きに合わせて、那月は、ぴくんっぴくんっと、身体を揺らして、熱くなった身体を震わせる。
「ひゃぅっ、……はぁんっ」
先輩の指が下腹部へ近づけば近づくほど、那月は、身体が、ドクンッドクンッと、より熱を帯びていくのが分かった。
「ぁ……っ、ひぁっ……、せん、ぱいっ……! ふあぁっ……」
那月は、ベッドの上で、刺激に耐えるように目を閉じ、ころりと先輩の方に身体を横向ける。ぎゅっと、先輩のシャツを掴む。
先輩が那月の背に手を回し、耳元に顔を寄せる。
「ここ?」
透き通った低い声で囁き、大きな指先が、那月のフレアスカートをたくし上げ、合わせた太ももをすり抜け、ショーツへと達する。
すでに、とろりと潤いを浸透させたそこを、大きな指の腹が、トン、と撫で上げ、那月は、ひと際大きく、身体を跳ねさせる。
「ひぃあぁんっ!」
那月の嬌声を気にすることなく、先輩は、ショーツを指でまくり、濡れそぼった那月の蜜壺へと指を添わす。
くちゅり……、と、卑猥な水音を立てながら、先輩の指がゆっくりと、動かされる。
「ぁ……っ、あぁ……っ、やぁぁっ……」
とくん、とくん、と那月の身体は、どんどん熱を帯びていく。
「らめぇ……っ、きちゃうっ、わたしっ……、イっちゃう……っ」
那月は、小刻みに震えながら、ぎゅむ、っと、両脚で、先輩の手を挟み上げる。
カクカクと、腰を動かしながら、先輩にしがみついたまま、声を上げる。
「ぁっ、あぁぁっ、イクッ、イクっ、らめぇえぇっ、ぁぁあぁぁあぁああぁっ!!」
絶頂に達したまま、那月は、ドクンッと身体が大きく唸った。
「ひぁぁああああぁあっ!!?」
快楽を伴ったまま、那月は、ぴんっと全身を真っすぐ伸ばす。
ばさり、と灰色のロングヘアが、紅潮する頬にはりつく。
「すっげ……。本当に生えてきたな」
「え?」
那月が荒い呼吸の狭間に聞き返せば、先輩が那月の頭へと手を伸ばす。
灰色の髪をかきわけたその手は、那月の頭から生えた、白いウサギの耳に到達していて、ぎゅむ、と握られた瞬間、那月は、かつてない感覚が全身を走り、「ふきゃあぁあっ!?」と甲高い声を上げた。
「おー。マジで感覚があるんだな」
先輩が感心するような声を上げながら、親指と人差し指で、那月の白いうさ耳を挟み、ぐりぐりと擦り合わせる。
那月は、その動きに合わせて、ベッドの上で、ぴくぴくと身体を震わせ、嬌声をあげる。
「ぁんっ、ふぁあぁっ、らめっ、せんぱいっ、みみ、さわっちゃ、やらぁっ」
頬を赤らめ、涙目で訴える那月に、先輩は、興味深そうに笑う。
「これは置く店選ぶ品だな」
耳をいじる手が離れると、那月のフレアスカートの中へと進む。
先輩の手は、那月のくびれたウエストから柔らかな尻へと撫であげた後、尻の上に、ちょこんと生えた那月の丸いウサギの尻尾を、むぎゅりと掴む。
「きゃぅっ!!」
「尻尾もちゃんと生えたんだな。へー。もこもこで気持ちいいな」
先輩の大きな指先が、那月の丸い尻尾を挟み上げる。骨ばった指が、尻尾の弾力を楽しむべく、ぐにぐにと、両端から力を入れ、指の腹が、すりすりと、那月の尻尾と尻の境目をいたずらに撫で上げる。
「ぁっ、ぁっ、はぁっ」
ぴりぴりと、お尻から微弱な電流が流れるような刺激を受け、那月は、甘い息を漏らす。
甘い熱は、臀部から下腹部に広がり、とろとろと那月を溶かし、より強い刺激を求めだす。
那月は、白く長いウサギの耳を、へにゃりと倒し、顔を真っ赤にして、くねくねと腰を揺らす。
「せんぱい、せんぱいっ。もっと、いっぱい、触ってくださいっ。那月、もうがまんできないですっ」
那月がねだれば、先輩がフッと笑みをこぼし、那月の胸元へと手を伸ばし、ブラウスのボタンを外していった。
素肌を重ねあったまま、抱き着けば、那月の生やした白いうさ耳に、先輩がキスを落とす。
ぞわりと、強烈な快楽が那月の全身を襲い、那月は、甲高い声を上げる。
「ぁあぁ……っ」
ちろちろと、先輩が舌で、那月のうさ耳を舐めていく。
「ひゃぁあぁっ!! これ、きもちいっ、あぁぁあんっ!」
「熱……っ、すげぇ熱いな、お前。……大丈夫か?」
先輩が汗ばむ額を指先で拭いながら那月を見るも、那月は、首を横に振る。
「やだやだ、やめちゃやだぁっ! もっと舐めてぇっ、せんぱいっ」
涙目で懇願する那月に、先輩が「これがウサギ効果か……」と納得しながら、再び、那月のうさ耳にキスを落とす。
うさ耳を口付けされるたびに、視界を白ませながら、那月は、嬌声を上げる。
小刻みに揺れる身体に合わせて震える胸を、先輩が大きな手で鷲掴み、骨ばった指先で、尖りを帯びた先端を、くにくにと倒す。
「ぁっ、はぁんっ、先輩っ、ひぅっ」
那月が刺激に耐えるように、脚と背を丸め、先輩に背を向ける。先輩が、那月のアッシュグレーの長い髪をかき分け、うなじにキスした後、舌を背中から腰へと遊ばせていく。
「ひぁあぁああっ!?」
那月は、うさ耳を、ぴくーっ、と真っすぐ伸ばし、思わず逃げようとするも、先輩の手が那月の腹にまわされ、それも叶わない。背後で遊ぶキスは、那月の腰に到達し、先輩の舌が、べろりと、那月の丸い尻尾を舐め上げる。
「ひぃあぁあぁんっ!!」
尻尾から全身に、大きな快楽が流し込まれ、那月は、身体をぴんっと強張らせた後、へにゃりと力が抜ける。
先輩は、那月の腰を掴むと、ぐい、と持ち上げる。力が抜けて、なされるがままの那月は、先輩に尻を突き出すような格好で、ベッドにうつ伏せになる。
へにゃりと、うさ耳を、灰色のロングヘアと共に、ベッドに横たわらせながら、荒く呼吸をする。
「せんぱぁい……っ」
「すげぇ格好だな……っ」
先輩がわずかに息を呑んだ後、むぎゅりと、那月のまるい尻尾を掴み、那月は、「きゃうっ」と声を上げる。
「やっぱり、ここは敏感なんだな」
先輩が呟いた後、指先で丸い尻尾の周りで、円を描く。
「ぁっ、あぁあ……っ」
那月が甘い声を上げると、先輩は、両手で、むぎゅぅと、那月の尻を掴んだ後、那月の丸い尻尾を大きな口で咥えこむ。
「きゃぅううっ!!」
べちょり、と唾液が混ざる音を立てながら、先輩が那月の尻尾を、じゅくじゅくと舐め上げていく。
「やぁっ、ひぃやぁああぁんっ、先輩先輩ッ! これらめぇええっ! 那月っ、おかしくなるうぅううっ!」
那月は、意識を振り落とされそうになりながら叫ぶ。先輩は、丸い尻尾を唇ではさみ、甘噛みをした後、楽し気に声を出す。
「ウサギの耳と尻尾、生やしたかったんだろ?」
那月の尻を揉みしだいていた先輩の手が、するりと球面をなぞった後、決壊したように愛液を垂らす那月の蜜壺へと指を挿れる。
「ひぁあぁあぁああんっ!!」
中指が最奥に達し、コツコツと、圧と感触を楽しむように動く。
「びしょ濡れだな。慣らすまでもなかったかな」
するりと指が抜かれ、那月の愛液に濡れた先輩の手が、ギシリとベッドを鳴らした後、サイドテーブルに置かれたコンドームを掴む。ビリビリと、封が切られる音を背後で聴きながら、那月が、とろりとした目をして、ベッドのシーツを掴む。なんだかこの体勢って……。
快楽に浸された頭の中で浮かんだ言葉を口にする前に、先輩の大きな手が、那月の背を、そっと撫でた後、腰を掴む。
「なーんか、ツガイにでもなった気分だな」
先輩が笑ってそう言った後、大きな熱源を、那月の中へと挿れ込んだ。
どちゅんっ、と卑猥な水音と共に、最奥が突かれる。
「ぁあぁあぁんっ!!」
きゅるりと下腹部が疼き、那月は、与えられる快楽に嬌声を上げる。
「は……っ、すっげ……、締め付けてくる」
「あぁあぁあっ、せんぱいっ、せんぱいっ!」
那月は、尻を先輩に突き出したまま、ねだるように、左右に揺らす。先輩の唾液に濡れた那月の丸い尻尾が、連動して、ふりふりと揺れる。
先輩が、目を細めて笑った後、がしりと、那月の尻尾と尻を掴み、腰を打ち付ける。
「あぁあぁぁあっ!!」
ぱん、ぱん、と肌がぶつかる音が鳴り、那月は強い快楽に泣き叫ぶ。
下腹部と尻尾の両方から、かつてない刺激を受け、身体を揺さぶられる。
まるで本当にウサギになって、獣に犯されているかのような錯覚を受ける。
白む視界は、とっくに焦点を失い、嬌声を上げ続ける口からは、だらりと唾液が零れていく。
「ぁんっ! ぁあぁん! イクっ、らめぇっ! 那月っ、イっちゃうっ!! あぁぁあっ、イクイクっ、ひぃああぁあっ、あぁああっ、あぁあああああああああああっ!!!」
ビクゥンッと、身体がひと際強く跳ね、那月の下腹部が、きゅるりと先輩に吸い付く。
「……ッ!」
ドクドクと、那月の中で先輩の熱源が波打ち、薄膜越しに欲液が放たれた。
ベッドの上で、那月は一糸まとわぬ姿でうつ伏せになり、うさ耳と尻尾を生やしたまま、悩まし気に腰をくねらせる。ベッドに座った先輩の後ろから、腰に手をまわし、甘い声をあげる。
「せんぱぁい……。那月、身体がまだ疼いて、熱いのが消えないですぅ……」
「もはやこのクッキーは、耳と尻尾が生えるというより、催淫効果を売りにした方がいい気がしてきたな」
先輩がへらりと笑って、縛ったゴムをゴミ箱へと投げ入れる。
「そろそろ元の姿に戻りそうな気もするけど」
「やだやだっ! まだ、ウサギのまま、先輩とえっちします!」
「かつてない積極性だな」
先輩の声を他所に、那月は、ぴょこんとベッドから飛び降りる。
裸のまま、とてとてと、ホテルのフローリングを数歩歩き、テレビの横に、目当てのものを見つけ、へにゃりと頬を緩ませる。
「もう一個、クッキー食べれば、もっと長くウサギでいられるはず……」
那月が、備え付けのラビットクッキーに手を伸ばし、ためらいなく口にしようとするのを見て、先輩が「あっ」と声を上げる。
「オイ、待て。もう一個って、それ“Real Size”の方じゃ……」
先輩が止めるより先に、那月は、ぱくりとクッキーを飲み込んでいた。
「え? リアルサイズ?」
「あー、も~。ひと思いに飲みやがって……」
ベッドに座ったまま呆れる先輩を前に、那月は、どくんっと、身体が熱を帯びて跳ねあがる。
「ひぁ……っ!?」
視界が揺れたかと思うと、くらりと眩暈がする。
ほのかな灯りに照らされたホテルの部屋が、大きなベッドとテレビが掛かった壁が、ベッドに座り込み那月を見つめる先輩が、ぐんぐんと、大きくなっていき、那月は、驚いて息を呑む。
「えっ、えぇっ!? なに、これ……、ひゃあぁあぁああっ!?」
全身の熱い熱に、身体が溶けるように、那月は自身のサイズが小さくなっていた。
己の膝上ほどだったベッドのサイドテーブルが、立ったままでも見上げる程に大きくなっていて、那月はぽかんと口を開く。
小さな足は、大きなフローリングの床で、ふらりとふらつき、那月は、ぺたりと大きな床に座り込む。
木の床は、ひやりと冷たく、那月の熱い身体に心地良さを返す。
全身が燃えるように熱く、力がうまく入らない。
「本当に小さくなった。すごい技術だな。開発者の執念を感じる」
上空から大きな声が聴こえたかと思うと、那月は大きな両手に、すっぽりと両脇から腰まで包まれ、ふわりと身体を持ち上げられる。
「十五センチくらいか? リアルなウサギの大きさにもなれるラビットクッキーが、“Real Size”バージョンなんだとさ。さっき、そこに置いてある説明書きに載ってた」
体感にして、今の那月の数倍の大きさもある先輩が、小さな那月を両手に持ったまま、にやりと笑って、そう言った。
「ウサギ、サイズ……ッ?」
那月が、先輩の大きな両手に力なく小さな身体を預けたまま、ちらりと辺りを見渡す。
同じ部屋ながら、十五センチほどにまで縮んだ那月にとって、巨大な部屋と化していて、巨人の部屋に迷い込んだ小人の気分だった。
「ウサギって、もう少し大きいんじゃないんですか」
どちらかというと、モルモットとかに近い気がする。
「二個も食うから、効き過ぎたんじゃねえのか。こんなに小さいとぬいぐるみみたいだな」
先輩が両手で持った十五センチの那月を、目を細めて笑った後、大きな骨ばった手を、ゆるゆると動かす。
柔らかな小さな胸を親指の腹でむにゅりと押し、小さな尻を左右の薬指でやわやわと上下に動かし、那月の小さな丸い尻尾を、むにむにと那月の尻で挟み込む。
「ぁっ、ぁうっ、はぁ……んっ! せ、せんぱい……っ!」
那月は、大きな両手の中で、尻尾を小刻みに震わせ、小さな両膝をぎゅっと合わせる。
とろとろと、小さな割れ目から溢れた愛液が、那月の小さな太ももを伝い、小さな足先をなぞって、粒の水滴をシーツに落とす。
「なーんか、感度上がってる気がする。……まあ、二個も食べりゃそうもなるか」
先輩が、口角を上げ、べろりと舌なめずりをする。大きな口が開かれ、小さな那月の顔に近づいて来る。
那月は、先輩の大きな手に包まれたまま、バクバクと心拍が上がっていくのが分かった。
先ほどの、通常の大きさで肌を重ねた時は、ツガイの獣になったかのだったのに。
今の自分は、狼に捕まった兎のようだ、と。
頭がそう認識し、那月は、ぶわりと涙目になり、泣き叫ぶ。
「いやぁあ──っ!! 食べないで先輩ぃいいっ!!」
小さな手で、先輩の大きな指先を掴み、那月は、ぎゅっと目を瞑り、涙をこぼす。
それと同時に、頭に生えたうさ耳から、桁違いの甘い刺激を受け、那月はビクウウッと背を反らす。
「ふきゃあぁあぁあぁあっ!?」
ちかちかと光が飛ぶ。見上げれば、すぐ頭上で、大きな先輩が、那月の生やしたうさ耳を、ぱくりと口に含んでいる。
「ぁあぁ……っ、せん、ぱい……っ」
舌先と唇で、那月のうさ耳を転がしながら、先輩が大きな目を細めて、小さな那月を楽し気に見つめる。
「食べる、ってなんだよ。今度はそういうプレイがしたいのか?」
先輩が唇で、那月の小さなうさ耳を押さえた後、ちゅう、と吸い付く。
「ふひゃぁあぁああんっ!! あぁあぁあんっ! み、みみ、だめぇえっ!」
那月は、先輩の大きな手の中で、ばたばたと小さな足を動かし、小さな手にめいいっぱいの力を入れて、脱出を試みるが、まったく力が敵わない。
先輩の大きな手が、きゅっ、と隙間を埋めるように、更に、小さな那月を握り、那月は、「きゃうっ」と小さな声を上げる。
那月が生やしたウサギの耳を、大きな唇から、するりと逃がした後、大きな舌が、那月の小さな顔へと伸びて来る。
「ぁ……っ、んぅっ!」
ぐちゅ、と大きな水音を立てて、大きな舌先が那月の小さな唇へと押し当てられる。
「んむぅうっ、んぅうっ、ふぅっ!」
ぐりぐりと、先輩の大きな舌先が、那月の小さな口をこじ開け、無遠慮に小さな咥内を押し進む。
あっという間に、那月の小さな口は、先輩の舌でいっぱいになり、那月は、限界まで小さな口を押し開けられたまま、苦し気に息を漏らす。
「ふぅっ、んぅうぅっ、んむぐぅうっ!」
くちゅ、と小さな口の中で、大きな舌が所せましと、隙間を求めて、ゆったりと動く。
ぐりぐりと、大きな舌先を、前後に出し入れされ、那月は小さな頬を紅潮させ、ぴくぴくと苦し気に、小さな身体を震わせる。
ぼとぼとと、大きな唾液が、那月の小さなあごに大きな雫を作って、シーツへと落ちていく。
息が苦しい。なのに、気持ちいい……。
ぐるぐると、小さな身体の五感が快楽で狂っていく。
那月の生やしたウサギの耳が、へにゃりと力なく垂れて、ぷるぷると震える。
大きな舌が、ずるりと、那月の小さな咥内から引き抜かれ、とろりと、二人の唾液が糸を引いて、シーツに落ちていく。
小さな長い髪と、小さな長い耳を、先輩の大きな指がするすると撫でる。
唾液でべとりと濡れた那月の小さな頬に、髪がはりつき、那月は、ぼおっとしたまま、小さな顔を上げる。
大きな先輩の瞳が、熱を帯びた色をして、凝視している。
小さな那月を支える親指が、ぐい、と動き、那月の小さな足の下に回り込み、那月の両足を、大きく開かせる。
「ひゃぁ……っ!」
大きな親指が、那月の両手と両足を押さえつけ、那月は、先輩の手のひらの上で、Mの字に開脚したまま身動きがとれなくなってしまった。
愛液で濡れそぼった割れ目が、必然的に大きく開き、空気に触れ、ひくひくと疼く様をさらけ出している。
小さく柔らかな胸は、先端に実った赤い果実を主張するかのように、尖りを帯びて、たぷん、と小さく揺れている。
唾液に濡れてびしょ濡れの白いウサギの耳は、ハの字に垂れて、震えていた。
「ぁ……っ、だ、だめっ、みちゃやだあっ」
那月は、かああ、と身体を羞恥で火照らせ、小さな手足に力を入れるが、先輩の大きな指が、ぐぐ、と抑え込み、逃げることが叶わない。
「いつもより小さいのに?」
先輩が少し笑った後、口を開け、大きな舌を小さな那月へと伸ばす。
ぬるり、と大きな舌が、小さな胸と腹部を圧し潰すように覆い、舐め上げる。
「ひぃあぁああああああああっ!!!!!!」
那月は、師匠の手のひらに拘束されたまま、ビクビクと何度も小さく跳ねあがる。
生暖かい大きな舌が、那月の決壊した割れ目に到達し、執拗に小さな愛液を舐め取っていく。
「ふきゃああぁああああっ!! らめ、せんぱいっ、これ、あぁあぁっ! 那月っ、こわれちゃうっ、ひぃぅうっ、あぁひぃいいぃんっ!!」
ガクガクと、小さな身体を激しく震わせながら、那月は凄まじい快楽に呑まれていく。
大きな舌が、ぐちゅぐちゅと、小さな割れ目をかきわけ、小さなヒダと、粒のような秘豆をなぞる。
「ぁぁあぁぁはぁああああっ!! らめぇっ、先輩っ、せんぱいっ!! きちゃうぅううっ! 那月、もう、イクぅうううううっ!!! でちゃうぅううっ!! だめだめぇええっ!!!! いっぱいイっちゃうぅううっ!!!!! ひぁあっ、あぁぁあっ!! イクイクイクッ!! イクぅううっ!!!!! あぁぁあぁああっ、ふぁ……っ、あぁあああああああああああああっ!!!!!!!!!」
那月は、先輩の両手の中で、小さな足をMの字に拘束されたまま、壊れたオモチャのように激しく上下に身体を揺らし、絶頂する。
「ひぐぅうううううっ!!! あぁあぁああああああっ!!!」
ぷしぃいい、と、小さな割れ目から、小さな潮を、先輩の大きな舌へと吹き出した。
「ぁあぁ……、ひぁ……っ」
那月が焦点の合っていない目をしたまま、ぷるぷると、快楽の余韻で震える。
Mの字に拘束された小さな足は、小さな愛液が混ざった唾液で、どろどろだった。
先輩が、そっと舌を離し、唇についた那月の小さな愛液と潮を舐めとる。
妖しく光を反射させる目は、手の中で荒く息をする小さな那月しか見ていない。
するりと、先輩の大きな片手が、那月から離れ、那月は片足だけ、だらりと自由を取り戻す。
が、すぐに、その足が再び、先輩の指に引っかけられる。
那月が、絶頂の余韻で、ふわふわとした目をして、大きな先輩を不思議そうに見上げた時だった。
──ぐちゅぅうんっ。
「ひあぁあああああっ!?」
先輩の大きな中指が、那月の中へと、ためらいなく挿入された。
ぷくりと、那月の下腹部は、先輩の大きな中指で膨れ上がり、ひくひくと指に吸い付く。
「ぁあぁ、せんぱいっ……、大きいっ、らめぇっ、こんなの、はいんない……、はぁあぁあんっ!」
ぐちゅぐちゅぐちゅ、と大きな中指が、那月の中に進み、ぐりぐりと、中で回転する。
「ぁあぁあぁ……っ! 中で、動いちゃ……らめぇっ、あぁぁあんっ」
「この辺か? 小さいと分かりづらいな……」
ごり、と中指の腹が、那月の最奥で側面をなぞり、那月は、指を挿入されたまま、身体を反らして喘ぐ。
「ふきゃあぁあああっ!! あぁあぁぁんっ! せんぱいっ! あぁあぁああっ!」
指に吸い付き、小さな愛液をまき散らす那月に、先輩は指のピストン運動に、激しさを増していく。
ぱちゅん、ぱちゅん、ぱちゅん。ぐちゅう、ぐちゅんっ、ぐちゅうっ。
大きな中指に揺らされ、那月の小さな胸と長い耳が、連動して、上下へと揺れ動く。
「ぁあぁあっ、らめ、らめぇっ、なつき、先輩の指で、イっちゃう! もうらめぇえっ、またイクっ、イクっイクッイクっ、イクぅうううっ!! ぁあぁぁあ、あぁあああ、あぁあああああああああああああっ!!!」
ぷぴゅるぅう、と、再び、僅かな潮を噴いて、那月は絶頂に達する。
中指を陰茎だと誤認した小さな身体は、きゅるりと、指を吸い上げる。
「ぁあぁぅ……っ」
はーっ、はー、と那月は、必死で息をする。立て続けに達したというのに、身体の熱が一向に収まらない。
私……、いったいどうしちゃったの。
貪欲に次の刺激を求めてヒクつく下腹部を主張するかのように、那月は、熱にうなされたまま、くねくねと小さな腰を揺らす。
「まだ足りねえのか? さすがウサギになっただけあって、性欲が尽きねえな」
頭上から先輩の声が聴こえたかと思うと、那月の小さな身体は、ふわりと下降する。
「ぁ……っ」
そして、大きくそそり立つ、先輩の陰茎のふもとへと座らせられた。
今の那月と大差ない大きなのそれは、Mの字に足を開いて座り込んだ那月には、見上げる程の大きさで、ドクドクと唸る。
むわりと感じる欲の臭いと、存在感を放つ熱に、那月は、小さな下腹部をキュンキュンと疼かせながら、その場で息を呑む。
ほんの少し前まで、那月の中に咥えこんでいたそれだが、今の那月には、先端を包み込むすら不可能だ。
それなのに、熱に浸りきった小さな身体は、目の前の巨大な欲塊を、欲しい欲しいと、那月の全身に訴えかける。
とろとろと、小さな割れ目は、愛液を溢れさせ、那月は、大きく開いた脚を、カクカクと震わせながら、どうにかなってしまいそうだった。
「ぁあぁ……っ、せんぱぁい……っ」
瞳を熱欲一色で染め上げ、はしたなく笑みを浮かべる那月を、先輩の大きな手が乱暴に掴み、小さな那月を自身の陰茎へとあてがう。
太く硬い熱棒に押し当てられ、大きな浮き出た血管に、那月の小さな頬と唇が歪む。
「ふひゃぁあぁ……っ、おおきい……っ」
那月は、うっとりと声を上げ、大きな陰茎に抱き着く。
ドクンドクンと、陰茎が、張り付いた小さな那月を揺らす。
先輩の大きな指が、那月の小さな尻に生えた、小さな丸い尻尾を摘まむ。
「んきゅああぁああっ!」
くりくりと、ネジでも回すように、二本の指先で、尻尾を擦り上げると、那月は、壊れたように嬌声を上げ、震えながら陰茎を強く抱きかかえる。
「あぁぁひぃいいっ、ぉおおぉおひぃんっ、しっぽでイっちゃううぅうっ、あぁあぁぁひぁぁああんっ!」
丸い尻尾を指先で圧したまま、先輩の手が、那月ごと、陰茎を掴む。
さらにもう片方の手が、那月の垂れた長い耳と那月を包み、ぎゅ、っと陰茎に押し付ける。
先輩の両手で、小さな身体を陰茎と共に包まれたかと思うと、先輩の手が、那月ごと、陰茎をしごいていく。
「ぁあぁあぁあっ!! せんぱいっ! せんぱぁいっ! きもちいいっ、あぁんっ、あぁあぁあんっ!」
那月は、激しく上下にしごかれながら、小さな両脚と両手で抱えた大きな陰茎に、全身を撫で上げられていく。
「ひぃああぁんっ! きもちいいよおぉっ、先輩ッ! 私、先輩の大きなおちんちんで、いっぱいイっちゃう! 小さくてえっちなウサギさんになって、いっぱいイっちゃうのおおおおっ!!」
「はぁ……っ、那月……っ!」
「あぁぁあぁんっ!! イクぅうっ! らめぇえっ! あぁああ、はぁあぁんっ、あぁあぁっ、あぁあ、あぁああああああああああっ!!」
那月が大きな手と陰茎の狭間で震え上がった刹那。ひと際大きく、陰茎がうなり、那月は、ぐい、と小さな身体を持ち上げられる。
「んむううっ!?」
そして、先端部に、強く顔を押し付けられ、「んぶぅうっ、ふきゅっ、んむぐぅう、ふきゅんぐぶうぅううっ!!」
小さな顔に射精の直撃を受けた。
白濁の粘液が、那月の小さな顔と咥内を満たし、どろりと汚していく。
「ぁあぅ……っ」
力なく開けた小さな口から、ごぼりと、大きな精液を零した後、那月は、けほけほと、小さく咽る。
身体だけでなく、視界をも、白く染められたのかと思うほどに、那月は、強い快楽で意識が白んでいた。
〇
「んー……。まだ、なんか頭ふらふらしますう……」
那月が風呂場のバスチェアに座ったまま、力なく言えば、出しっぱなしのシャワー音が響いていたにも関わらず、背後にいた先輩にも声がきちんと届いていたらしく、骨ばった手が、那月の頭に触れる。
大きさも正常に戻り、うさぎの長い耳も消失した那月の濡れた頭を、よしよしと撫で上げた後、ごつごつした指が、那月の髪を洗っていく。
「時間を置かずに二枚も食うからだろ」
「だって、気持ちよかったんだもん」
「性欲に忠実すぎるだろ」
背後で先輩が呆れ声を出しながら、欲液で汚れていた那月の髪を、シャンプーで泡立てていく。
優しい手つきで頭皮を刺激するその様に、那月は、ちらりと曇った鏡ごしに、後ろの先輩を見つめる。
那月の要望に付き合い、身体を気遣う彼だが、那月が身体を小さく縮めた際に、ふと見せた強引な様に、那月は、密かにドキドキと新鮮さを覚えていた。
先輩にも、あんなところがあるんだ。
私が小さくなったから? それとも、ラビットクッキーで、えっちな空気になっちゃったから?
那月は密かな好奇心を胸に、そっと口を開く。
「先輩。今度は、先輩もラビットクッキー食べてくださいよ」
「え。俺も? いや別にいいけど……。それは絵的にどうなんだ」
困惑しながらも快諾する先輩に、那月は、ふふ、と笑みをこぼす。
「だって、ほら、二枚、設置されてたってことは、ふたりで愉しむってことでしょ」
「それだと片方が小さくなるだろ」
「あ、そっか。じゃあ、先輩にラビットサイズになってもらおうかな」
「お前は俺をどうしたいんだよ」
呆れる様に、那月は声をあげて笑う。
再び、この部屋に訪れる日は近そうだ。
遠くない未来を想って、那月は、笑みを浮かべた。