冷え切った冬の朝の空気を切り裂くように、快速電車が駅のホームに到着する。
ドアが開くと共に、ホームに立ち並ぶ大学生が一斉に、車内へと駆け込み、那月もそれに続く。
反対側のドアの隅を、手すりに背を預けるようにして陣取るも、車内に乗り込む学生は、まだ終わらない。
大学最寄りの乗り換え駅かつ、この電車を逃すと、そろそろ遅刻のラインが見えてくるからだろう。
車内は、満員電車と化していた。
気持ち、場所を譲るように、一歩、足をドアに寄せる。
わずかな隙間を埋めるように、人混みが、もぞもぞと動き、そして、ぽふん、と那月の正面に、一人の身体が預けられ、那月は顔をしかめて、その人物を見下ろす。
「──雛子、痛い。カバンが腰に当たってる」
那月の胸元に顔を寄せ、満員の人混みに押さえつけられていた雛子が、ちらりと、目線だけを那月に向ける。
「えへへ、ごっめーん。あと二駅だし、許してよ」
頬に影を落としそうな程に、長いまつ毛を、ぱちぱちと動かしながら、桃色に艶めく唇が、おどけた言葉を返す。栗色の二つに束ねた猫毛が、ふわりと頬を撫でる。
透明感のある肌は、寒さでほんのりと赤らんでいて、那月は、触れてしまいそうな距離に、内心、どきりとしながら、目線だけを、電車のドアへと反らして口を開く。
「んもー。私は手すりじゃないんだからね」
ガタンッ、と音を立てて、満員電車が、大量の大学生を乗せて、発車する。
慣性の法則に従い、ぐらりと、身体が揺れ、雛子が、より一層、那月へと密着する。
雛子の豊満な胸が、那月の上半身に押し当てられ、那月は、更に、鼓動を上げる。
厚手のコート越しなのに、サイズ差を突き付けられる程の密着だった。
「ちょっと、雛子……っ」
「私の背じゃ、手すり、届かないんだもん。ありがと、那月」
しれっとお礼を言って、そのまま、密着を保たれる。
にこりと笑う様に、そんな笑顔されて、断れる人間はいない、と那月は思う。
相変わらず、見目麗しい、小柄で可憐な幼馴染だ。
私より、八センチも背が低くて、おっぱいは三サイズ大きいって、不公平が過ぎる。
那月は、密着する雛子に、ドキドキしながら、一方で、そんなことを思い、密かに頬を膨らませる。
「ねえ、那月」
雛子の小声が聴こえ、那月は、ちらりと目線を下へ向ける。
深緑の大きな瞳が、那月を見ている。
「いま、何考えてる?」
「何って……」
雛子って、本当に可愛いな、って。
言えるわけないでしょうが、こんなところで。
「別に。……早く着かないかな、って。一限の教室、ちょっと遠いし」
「ふうん」
雛子は、つまらなそうな顔をした後、くすりと笑う。
「私はね、この体勢って、なんか彼氏といるみたいだな、って思ってたわ」
「ハァ? 何言ってんのよ」
動揺を交えて、那月が思わず声をあげるも、雛子は変わらずおかしそうに笑う。
「だって、ほら、満員電車で彼女をかばってる彼氏みたいじゃない? 少女漫画に出てきそう」
「誰が彼氏よ」
あー、やだやだ、と那月は視線を、ドアの向こうの流れる景色に向ける。
別に、好きで、平均より高めの身長になったわけじゃないし。
それに、どっちかっていうと、彼氏は私じゃなくて……。
思考がそこまでたどり着いた刹那、那月は、ぞわりと全身に刺激が走り、甘い声を漏らす。
「ひゃんッ」
ちらり、と、周囲の大学生が、不思議そうな顔を、那月に向ける。
「どうかしたの、那月?」
同じように、不思議な顔を浮かべた雛子は、カバンの影で、こっそりと、那月のコートの内側に入れた指で、再び那月のへその下を撫でる。
雛子の小さな一本の指の腹が、ゆっくりと動くだけで、那月は、自身の下腹部が、きゅるりと疼きだすのが分かった。
「……ッ、ば、……、何、して……」
那月は、小声で声を殺しながら、雛子に言うも、雛子は涼し気な顔で、指をなぞる。
そして、妖しく瞳を細めた後、小さな声を添える。
「まあ、彼氏ならこんなことされて、そんな顔したりはしないかな」
艶やかな唇の口角を上げ、笑った後、首を傾げ、柔らかな頬が、那月の胸元をコート越しに触れる。
「それに、おっぱい大きくしたい、とかも言わないもんね」
小声が那月の耳を撫であげ、那月は、全身が、かぁああっと熱くなっていくのが分かった。
雛子の祖母の家の茶室で、こっそり行った逢瀬。
未だ、鮮明に思い出せる程の、淫らな情事。
胸を大きくしてもらうはずだったのに、なぜか、身体を小さくされて、その上、自分でもめったに触れないような場所まで、たくさん、たくさん、触ったり舐めてもらって、それから……。
高熱にうなされるような顔をして、那月がぼんやりしていると、急に、冷たい風が吹き込み、ハッと我に返る。
電車が、大学の最寄り駅に到着し、次々と、乗客の生徒が降車していた。
ぴたりと那月に接触していたはずの雛子も、何食わぬ顔で、那月を離れている。
「那月。はやく降りないと、電車、出発しちゃうよ?」
あの日。祖母の薬品で、雛子は、那月の倍ほどの背丈をして、那月をあんなに激しく抱いていたのに。
まるで嘘のように、今日も、小柄で可憐な、ついでに豊満なバストをして、那月の手を引き、大学へと向かうのだ。
*
授業開始前の大教室で、カバンとコートを座席に置き、雛子の隣の席に着いたところで、座席通路から、声が響く。
「雛子、那月ちゃん、おはよう! 隣、入ってもいい?」
学籍番号が近く、基礎ゼミを通じて知り合った絵実(えみ)だった。
ふわふわのウェーブヘアを、ひとつに束ねて、すらりと背の高い絵実が、臆せず那月に話しかけてきたのが、仲良くなるキッカケだった。同じように背が高くても、こんな風に、カッコいい系女子だったら、まだ良かったのになあ、と密かに思う。
「絵実ちゃん、おはよう~。うん、空いてるよ」
絵実に、那月は、挨拶をしながら、荷物置きに使っていた椅子を開け、空席を作る。
一枚板でできた長机がずらりと並ぶ大教室だが、授業開始直前で、座席がほとんど埋まってしまったようだ。
通路側に座る雛子、その隣の那月、そして空席、となるわけだが、通路から三席動くのも大変だろう、と、那月は空席に移動し、雛子の隣の席を空けて、手で示す。
「はい、どうぞ」
「あ、ごめんね那月ちゃん。奥、行ってもらっちゃって」
「いいよ、そんなの」
絵実が座席へ動こうとした矢先、雛子が、机上に広げていたテキストを、空席へと手でスライドさせる。
「お礼は、チョコレートでいいわよ」
そして、雛子が、那月の隣へと席を詰め、通路側の席を空ける。
「雛子も、ありがとう」
さわやかな笑みを浮かべて席に座る絵実に、雛子は、冷たい視線を向ける。
「絵実、いま来たの?」
「違うわよ。朝練が延びちゃったの。体育館から、本気でダッシュしたのよ」
中高と続けていたバレーボールを、大学でも続けている彼女に、那月は、ほう、と息を吐く。
「朝から大変だね。二限は体育の方、履修してるんでしょ?」
「そうなの、さすがにキツイわね。今日、何回、着替えするんだか」
「時間割決めのセンスが欠けてたわねえ~。私たちみたいに座学にすりゃ良かったのに」
冷たい言葉を返す雛子に、結実が、ちらりと顔を傾ける。
そして、すばやく、雛子の胸に両手を乗せる。
「きゃあっ!? ちょっと、何するのよ!」
「雛子って、本当、胸大きいわよね。バレーボールくらいありそう」
「人の胸触りながら球技思い出してんじゃないわよ、このバレーボールバカ!」
むにいい、と雛子の胸が、セーター越しに寄せられ、鎖骨が見える程のスクエアネックに谷間が出来てしまっている。
首元に飾られたペンダントの鎖が、胸の曲線をなぞるように歪んでいて、那月は目のやり場に困ってしまう。
そうこうしているうちに、雛子が絵実の手を払いのけ、自身の両手をクロスさせ、胸を守るようにして、ツンと冷たい顔をする。
「まったく、朝から冗談やめてよね。私の胸は、那月のものなんだから。ねえ? 那月」
「えぇッ?!」
急に話を振られ、那月は、驚きの声を上げる。
「えー、何それ。そうなの? 那月ちゃん」
絵実が、なんでもないようにカラカラと笑い、世間話の延長のように、那月を見つめる。
ただの悪ふざけ、冗談の延長線。そんなことは頭でわかっているのに。
今朝の車内でされた、短い愛撫と、それに引きずり出されたあの日の逢瀬が、頭を巡り、那月は、うまく、言葉を選べない。
絵実や雛子どころか、可憐で小柄な雛子が、スレンダーで美人な絵実と戯れていたことにより、周囲の男子大学生の目も、なんとなく、こちらに向いているような気さえする。
何を言えばいいのか、分からない。
「えっと、その……、そ、……そんなの、いらないもん……」
真っ白な頭は、なんとか、ぽそぽそと、否定の言葉を出すので精一杯だった。
雛子の顔が、スッと笑みが消えたのが、那月には気配で分かったが、雛子に背を向けられた絵実は、「あらら」と声を上げる。
「振られちゃったねー、雛子」
「……、そうみたいね。那月ってば、見る目なーい」
一瞬の間を置いた後、雛子は、ぷい、と視線を前に向ける。
それとほぼ同時に、講師が教卓へと現れ、すぐに講義がスタートした。
どうしよう。
なんで、あんな言い方しちゃったんだろう。
板書をノートへと書き写しながらも、那月は、雛子のことで、頭がいっぱいだった。
幼馴染だけあって、長い付き合いだ。すぐ隣の席で、平静を装っている彼女が、先程の那月の言葉に、不快を示したのは見て取れた。
怒ってるかな。これまでだと、たぶんそうだけど、でも、今は、私たち、付き合ってるわけだから、悲しませたかもしれない。
どうしよう……。
悩んでいるうちに、授業は終わりを向かえ、終鈴の音が、教室に鳴り響いた。
*
鐘の音と共に、密集していた大教室が、空いていく。
「雛子、那月ちゃん、席譲ってくれてありがとね。私、次、体育だから先行くねー! またゼミでね!」
「うん、バイバイ」
颯爽と、長い脚で去っていく絵実に、那月は力なく手を振る。
そして、ちらりと、雛子を見つめる。
「……あの、雛子、私……」
「ねえ。中庭行かない? 次、休講なんだって」
那月の言葉を遮り、雛子が告げ、那月は小さく驚く。
「えっ、そうなの?」
「さっきの授業中に、アプリに通知が来てたの。この教室、次の授業入ってるし、図書室もカフェもどうせ混んでるでしょ」
「そっか、そうだね。うん、中庭行こうか」
*
冬場だけあって、中庭に人気は皆無だった。空き時間に屋外に出る人間は、この時期は、いないのかもしれない。
人工芝生を、さくさくと進み、すっかり散ってしまった銀杏の木の下で、雛子が足を止めるので、那月もすぐ隣で、立ち止まる。
謝るなら、今しかない。
那月は、口を開く。しかし、声を出す前に、雛子が、くるりと踵を返して、那月をまっすぐ見つめるので、言葉を飲み込んでしまう。
「那月」
「は、はい」
「さっきは悪かったわ」
「え?」
予想外の言葉に、那月は、きょとんと雛子を見つめる。
「絵実にからかわれたとはいえ、人前で、悪ふざけしすぎたわよね。那月、そんなの、好きじゃないものね。──ごめんなさい」
ぺこり、と小さな身体で頭まで下げられ、那月は、慌てて声を上げる。
「わ、わーっ、待ってよ、雛子! 謝らないで。顔を上げて。私が、酷いこと言っちゃったから、謝ろうと思ってたのに。私の方こそ、ごめんね」
雛子が顔を上げたのを確認してから、今度は那月が、頭を下げる。
「謝るって……、那月、怒ってないの?」
雛子の意外そうな声に、那月は、頭を上げて、雛子を見つめる。
「怒るなんて、そんな……。どうして?」
「絵実の隣、取っちゃったし」
雛子の言葉に、那月は内心、首をかしげながら、言葉を返す。
「隣って、座りづらいから、通路側、譲ってあげたんでしょ?」
「……まあ、それは、そうだけど。……ふーん」
雛子が視線をそらして、思案する顔をする。ひょっとして、嫉妬というやつなのかしら。
何それ、ちょっとかわいいかも。
那月が密かに、そんなことを考えていると、雛子が可愛い顔を近づける。
「那月が怒ってないなら良かったわ。仲直りね」
「うん、そうだね」
小さい頃、喧嘩しちゃった時、よくそんなこと言ってたっけ。淡い思い出に、那月は、ふふ、と笑う。
「昔みたいに、仲直りの握手でもする?」
「ううん。キスしよ」
「はッ!?」
淡い思い出も一瞬で消し飛ぶ、おおよそ昔らしからぬ提案に、那月が、ぎょっとして声を上げるも、雛子は、臆せず、一歩、那月に近づく。
「だって私たち付き合ってるんでしょう?」
胡桃のような大きな二重の瞳が、那月をまっすぐ見つめる。艶やかで柔らかそうな白い頬が、既に、触れてしまいそうな距離にある。
「そ、それは、そうだけど……っ」
那月は、頬を赤く染め、視線を下に向けた後、おどおどと、周囲を見渡す。
「……ここで、しちゃうの?」
「こんな日に、中庭にいる人なんて、私たち以外にいないわよ。誰にもバレないわ」
「でも……」
万が一、知り合いにでも見られたら……。
満員電車の中のように、ぴったりと、雛子に引っ付かれながらも、那月が、もじもじと、意を決せずにいると、雛子が「もー」と声を上げる。
「じゃあ、那月、目を閉じて。私が、周りに誰もいないのを確認してから、キスしてあげる」
「……うん、わかった」
ドキドキと鼓動を上げながら、那月は、瞳を閉じる。
頬に、雛子の冷たい指が添えられ、ビクリ、と身体が震える。
「ひゃっ」
「動かないでよ。あと、目は閉じて」
「うん……」
那月は、うっすらと開けていた瞳を、再び閉じる。
通いなれた大学の中で、雛子とキスすることになるなんて。
ドキドキしながら、じっとしていると、唇に、ふに、と柔らかな雛子の唇が触れる。
「ん……っ」
わあ。雛子の唇、ぷにぷに。マシュマロみたい。
美少女は、唇まで、可愛いのか。なんて思っていると、ぐい、と唇を押し付けられ、那月の中に、雛子の舌が入り込む。
「んひゅぅ?!」
暖かな舌の感触に、那月は驚くが、雛子の手が那月を押さえつける。
「ひな、ふひゃ?!」
こんなところで、ディープキスする気?! と、声を上げようと開けた口に、とろり、と液体が入り込む。
雛子の口に入れていたものを、口移しで入れられたようだ。
「ん、ふっ、んんんっ、けほけほっ」
離れることが叶わず、飲み込んだ後、那月は咽ながら、ようやく、雛子と距離を取る。
「なに、これ? 水……?」
飲み込みきれなかった液体が、口元を濡らす。那月が指先で濡れた唇をなぞった後、雛子へと目を向け、息をのむ。
「え……っ?!」
見下ろすのがデフォルトだった雛子の視線が、那月と同じ高さになっている。
段差に乗っていたわけでもなかったのに、なぜ、と思っていると、雛子が那月より、どんどん大きくなっていく。
雛子だけではない。
中庭にそびえたつモミの木も、古ぼけた大学校舎も。那月を取り囲む全てが、大きくなっているのだ。
覚えのある感覚に、那月は、自身の両手を見ようと、手のひらを広げる。が、そこには、ぶかぶかのサイズのコートの袖しか見当たらなかった。
──私、小さくなっていってる!!
「雛子……っ!」
「ふふふ。こーっそり、ばあばのお家から、貰ってきちゃった。那月を小さくしちゃう、お・く・す・り」
「こんなところで、何やって、──きゃああああっ!!」
コートに、セーターに、ロングスカート。インナーに、ブラジャーに、ショーツ。当たり前に身にまとっていた衣服全てが、那月には重すぎて、那月は人工芝生の上に座り込む。
大きなレジャーシートのように広がっている布地は、那月のショーツだった。
バサバサバサと、巨大な那月の服に、小さな那月は、押しつぶされ、服の中に埋もれてしまう。
「ん、んん……! 重たい……!」
巨大な布の山の下敷になり、暗がりの中で、那月が小さくうめいていると、大きな白い指が、布をかき分け、那月をわしづかみにして捕まえる。
雛子が、裸の那月を捕らえたのだ。
「わーお。お人形さんみたいね。といっても、このサイズじゃ、指人形って言った方がいいかな。どお? 久しぶりに、五センチになっちゃった気分は。今回は、私は、元の大きさのままだし、前より、新鮮な感じじゃない?」
大きな指の腹で、雛子が那月の小さな頬を、むにゅう、と撫で上げる。
裸体に、雛子の大きな指を巻き付けられた那月は、全身に降り注ぐ甘い刺激に、熱を上げながら、小さな身体を必死に動かし、雛子へと叫び声を上げる。
「いきなり何するのよ! どうしてこんなこと……っ!」
「だって、那月ってば、全然、私と恋人らしいことしてくれないんだもの。おっぱい大きくしたいって言ってたくせに、あれから結局、大きくするお薬使ったマッサージも、あんまりできてないし」
「それは、その……っ、雛子のおばあさんのお家に、何度もお邪魔するの、申し訳ないし……。訪問する理由だって、恥ずかしいし」
何より、そんなことをしたら、再び、雛子と必然的に肌を重ねてしまうことになる。
あの時の刺激が、那月の許容値を振り切れてしまっていて、那月は、未だに、自分の中で処理しきれていないのだ。
幼い頃から、ずっと一緒だった、小柄で可憐な幼馴染が、こんな風に、恋人になってしまうことだって、あの日まで、考えてもみなかった。
距離がずっと近かっただけに、恋人らしいスキンシップを恥ずかしがって避けてしまうと、幼馴染の親友としてのふるまいと結局変わらなくなってしまい、未だに、どこまで踏み込んでよいのか、分からないのだ。
しかし、雛子がこうして、強行突破に出たことを考えると、彼女がかなり怒っていることがうかがえる。
早く謝って、なんとかしないと、大変なことになる。もう既になっている気もするけれども。
長年の付き合いで培われた経験が、頭で警告を鳴らし、那月は、ちらりと、雛子を慣れない上目遣いで見上げる。
「えっとあの……、ごめんなさい……。私、その……」
どう説明したらいいか、考えながら、言葉を選んでいると、雛子が、小さな那月を両手で抱え、那月を目線まで持ち上げる。
「那月は……、私のこと、どう思ってるの?」
「えっ」
「私はね、那月のこと、ずっとずっと、大好きだったの。今だってそうよ。一緒にいられる時間が、少しでも長かったらな、って思ってるわ。那月は違うの? 隣にいる人、簡単に譲っちゃうくらいの気持ちなの?」
問いかけられ、那月は、ハッと、先程の講義の席のやり取りを思い出す。
雛子にとって、那月の隣が、それほどまで、重要な意味があったことに、今頃、思い知らされる。
「……──ごめん、雛子。私、そこまで雛子が、私のこと、想ってくれてるなんて、分かってなくて。私……、雛子は、ずっと可愛くて、完璧な美少女だって思ってて、まさか私のこと、好きなんて考えてもみなかったの。好きって言ってくれて、びっくりしたけど、すごくうれしかったの。でも、その、……こ、……恋人みたいに、って考えると、まだ、頭がふわふわしちゃって、身体がおかしくなっちゃうの。それで……」
言わないといけないことを、いっぱい考えていたはずなのに。
身体が小さくなると、心まで幼くなってしまうのだろうか。
片手で足りるほどの年齢に戻ってしまったかのように、那月は、気持ちをつらつらと、話す。それと反比例して、身体は、確実に疼き始めていた。
那月のつたない答えに、満足したのか否か、雛子は、にやりと悪戯めいた笑みを浮かべる。
「ふうん。お子ちゃまな那月には、あの日のえっちは、刺激が強すぎて、頭が未だバーストしちゃってるわけね」
「お子ちゃまって、何よお! あんなの慣れるわけないじゃないっ」
ていうか同い年なんだけど。雛子は、経験値高かったりするのかな。あんまり知りたくない……。
雛子の両手の中で、那月が、顔を赤らめていると、雛子が、「ふふん」と笑い、セーターのスクエアネックに指先をひっかけ、セーターを大きく引き伸ばす。
隙間から、雛子の大きな胸と、レースと可愛らしいリボンが装飾されたブラジャーが、顔をのぞかせる。
「──それなら、慣れてもらうしかないわね」
「え? 何……、──きゃあああああああっ!」
言い終わるや否や、雛子は、パッと手を広げ、小さな那月を、雛子の谷間へとぽとりと落とした。
ぽよん、と、ふくよかな胸の谷間に、うつ伏せで倒れ込むように、那月は着陸する。
「ん、しょっと。はーい。中に居といてね」
雛子が、自身の胸を、両手で支え、谷間を広げるように動かし、那月は重力に従い、雛子の胸の合間にずり落ちる。
「んひゃあああっ! やだ、雛子っ! ん、ぅうううっ、苦しいよおお!」
雛子の胸の谷間に、押しつぶされかけながら、那月は泣き叫ぶ。
人肌温度の巨大なプリンに、両サイドからプレスされているかのようだった。
身動きも取れず、小さく声を上げていると、雛子が、一度、ひょいと、那月をつまみ上げる。
「顔は、外向いておいた方が、息しやすいかな。あ、そうだ。下に落ちちゃわないように、こうしておいたら、ちょうどいいわよね」
雛子が、ブラジャーの真ん中、胸の谷間の中心部に位置する、ブラジャーの装飾されたリボンに人差し指を延ばす。
リボンの留め具には、ティアドロップ型の朱色の宝石がつけられていた。
それを、くるりと、上向きにした後、那月の両脚をぐい、と広げ、那月の膣に、ティアドロップの宝石を勢いよくはめ込んだ。
「ひぃあぁああぁああああんっ!!」
雛子の谷間で、那月は、小さな身体を小さく震わせる。
「ぁあ……っ、ゃ……っ、ぬ、抜いて……っ!」
「ダメよ。落ちちゃったら大変でしょ。ほら、足、ちゃんと下ろして閉じて。しっかり、挿れておかないとダメだからね」
ぐい、と両足を、真っすぐ、伸ばした後、那月をティアドロップの宝石に座らせるように固定する。
そして、隙間を作っていた、雛子の胸を、元に戻す。
「あぁあん!!」
両サイドから、再び、雛子の柔らかな胸に押さえつけられ、那月は、再び、身動きが封じられてしまう。
「いや! いやぁっ! 出して、雛子ぉ!」
「もー。静かにしといて、那月。私、これから、講義行かないといけないんだし」
雛子が、セーターを、何事もなかったかのように元に戻して、そう言うので、那月は、谷間の中から、小さな声を上げる。
「えっ。講義って、休講でしょ?」
「あんなの、嘘よ。もう始まっちゃう。行かないと」
「なっ、嘘って、待ってよ! 私を小さくさせたまま、講義受ける気なの?」
「だって、出席率で単位決まる講義だって、先輩言ってたし。あ、ちゃんと、那月の出席簿にも丸つけといてあげるわよ」
「そういう問題じゃなくて、──ふひゃんっ!!」
ぐにょり、と雛子の胸が、寄せられ、那月の中に挿れられた装飾具が、那月を突き上げ、那月は、声をあげる。
雛子が、人工芝生へとしゃがみ込み、地面に落ちていた那月の服をかき集めたらしく、大きな胸が必然的に寄せ上げられたようだった。
「ぁ、ふぅ……っ、ひ、なこ……っ、これ、私、壊れちゃう……っ!」
「ふーん? ふふ、楽しみね。那月が要らないって言ってた私のおっぱいで、いっぱい乱れちゃうなんて。帰る頃には、どうなってるのかなあ」
雛子の楽し気な声を聴いて、那月は、血の気が引いていく。この幼馴染、さっきのこと、全然ゆるしてない。
「帰る頃って、ゃ、やだ、だめえっ!」
雛子が、鼻歌を歌いながら、那月の着ていた服を、くるくるとまとめ、ぽすん、と那月のカバンにしまい込む。
そして、二人分のカバンを持った後、すっくと立ちあがり、自身の胸元を妖しく笑って見つめ、口を開く。
「じゃあ、さっそく、二限の授業、行ってみよっか。しゅっぱーつ」
駆け出した雛子の胸が大きく揺れる。
巨大な乳房にプレスされ、ブラジャーの装飾具に、大きく突き上げられ、那月は、嬌声を上げていたが、小さな声は、予鈴にかき消されてしまっていた。
*
「はぁん……っ! あぁ……んっ」
那月は、雛子の谷間で身動きが取れないまま、小さく身もだえる。
両手両足を、ぴんと伸ばし、足の間には、ブラジャーの装飾、しずく型の宝石を挟み込み、その先端が、しっかり那月の中へと食い込んでいる。
顔だけは、なんとか、雛子の胸から、飛び出せたものの、自力で脱出が叶わない、無力そのものの状態だった。
完全に、顔以外が、雛子の胸の中に、埋め込まれてしまっている。
「ん、んん……っ」
那月は、顔を真っ赤に染め、顔から下の、柔らかな圧がかかった身体に力を入れる。
両手から、むにょり、とわずかに雛子の大きな胸がへこむが、へこんだところで、周囲の乳房に手が埋もれるだけで、那月が自由になる隙間は得られない。
ぼよん、と大きく胸が揺れ、それと共に、那月の小さな身体も、大きく揺さぶられる。
「ぁあぁんっ!」
振動と共に、膣にまで挿し込まれたティアドロップの装飾具が、那月の中を深く揺さぶる。
きゅるり、と身体が悦びを示し、雛子の胸に、ぎゅ、っと押さえつけられた太ももの内側が、とろりと、愛液で濡れていくのが分かった。
規則的に、揺れが続いていて、どうやら、雛子が校内を歩いているらしい。
一歩、また一歩と進むたび、小さな那月は、大きく揺さぶられ、ひぃ、ひぃと、雌の声を上げていた。
Fカップのおっぱいって、ブラジャーしてても、歩くだけでこんなに揺れちゃうんだ……。
胸の振動と共に、中を突きあげられながら、そんなことを考えていると、両サイドの胸は、ひと際、大きく、寄せ上げられる。
むにゅううううう
そして、那月の中のティアドロップも、ひと際、大きく、那月の中へと入り込んでしまう。
「あぁあひぃんっ!! ひ、雛子っ、わ、私、つぶれちゃうよぉ……っ!」
涙目になって、悶えながら声を出せば、雛子が、胸を両手で押し寄せながら、セーターの谷間をちらりと覗き、口を開く。
「もー。那月ったら、私が歩くだけで、いちいち、えっちな声出すんだもん。誰かにバレちゃうよ?」
「だって、だってっ、私の中に、飾りが、どんどん挿っちゃうから、ああんっ! お、おっぱい、押しちゃだめえっ!」
「ふふふ。那月って、ほんと、可愛い声で鳴くよね。そんなに私のおっぱい、気持ちいんだ?」
ぎゅううう、と押さえつけた後、ぐりぐりと、上下に胸をすり寄せられる。
「あぁあはぁあああっ! ひゃめへぇえええっ、か、身体が、う、動いちゃうぅう!」
那月は、雛子の大きな胸の動きに連動して、小さな身体を、揺さぶらされる。
その動きは、くねくねと、腰を左右に振る動きにも似ていて、那月の中に挿れられたティアドロップが、誘われるように、中へ中へと入り込んでいき、那月の中をかき回していく。
「ひぎぃい、いぐぅううっ、わらひ、雛子のおっぱいと、ブラジャーで、いっひゃううううっ!!!」
くちゅくちゅくちゅ、と規則的な水音を鳴らし、那月は、余裕をなくしていく。
柔らかな雛子のおっぱいに包まれ、雛子のブラジャーの装飾に突き上げられ、那月は、快楽を上り詰めていく。
「おぉんっ、おひぃいっ、あぁひぃい、ひぐ、ヒグうっ、も、らめ、ぁっ、あぁっ、ああぁあっ、ひぐ、ひいい、あぁあああああああああああっ!!!」
雛子のおっぱいに挟まれたまま、那月は小さな身体を、カクカクと揺らし、虚ろな目をして、大きな口を開ける。
ピンッと、身体を強張らせ、しばらく、口を開けたまま、身体を震わせていたが、やがて、へにゃり、と焦点の合わない目をしたまま、身体を胸の中で脱力させる。
「はーい。まずは、一回目。ふふふ。じゃあ、もうすぐ、教室着いちゃうから、大人しくしててね。那月」
雛子は、楽しそうに目を細めた後、ガラリと教室の扉を開けた。
*
一限の大教室程ではないが、裕に百人は収容可能な教室。その一番後ろの扉から、雛子が、中へと進む。
絶頂を終えたばかりの那月は、雛子が、ゆっくりと歩む足取りで、再び、那月を突き上げるティアドロップに、再び翻弄されながら、必死で声を殺していた。
──声、出しちゃダメ。声、出しちゃダメ。
那月のことがバレるということは、雛子との関係はもちろん、今、那月が、一糸まとわぬ姿で、身もだえていることが見つかるということになる。絶対に避けなければならないことだ。
きゅんきゅん、と貪欲に疼く下腹部と、それに応えるように、那月を悪戯に突き上げるティアドロップに振り回されながら、那月は、ぎゅ、っと、口と目を瞑り、雛子の胸の合間で、縮こまっていた。
早く終わって! こんなの、おかしくなっちゃう。早く、元の大きさに戻りたいよぉ。
泣きそうになりながら、那月が、祈っていた矢先。
「──ひ~なこッ! 遅かったじゃーん」
背後から、声が聴こえたかと思うと、バシン、と雛子が背を叩かれる。
「きゃあっ!」
「ふひぃいんっ」
大きな地震かと思う程の振動で、雛子の巨乳が揺れ、那月はティアドロップに犯されながら、揺さぶられる。
振動の波を、小さな身体を包むプリンのように柔らかな胸越しに感じ、那月は、小さな身体が溶けそうな程、熱くなる。
「ちょっと、もー! 何するのよ、梨沙」
「あはは、ごめんごめん、思ってた以上に、力入っちゃった。てか、なんか、今、変な声、聴こえなかった?」
友人の声を聴きながら、那月は、ギクリと身体を強張らせる。
きゅ、っと小さな唇をつぐみ、顔を下に向ける。
ピクピクと、余韻で小さく震える下腹部に、叱咤を入れるべく、巨乳にぴたりと押し付けられた太ももに、更に力を入れる。
「そう? スマホが鳴ってたのかもね」
動揺する様子も見せず、雛子が、すかさず話を逸らす。
「雛子、そういえば今日はひとり? 那月ちゃんと一緒に一限取ってるんじゃなかったっけ」
「あぁ、那月、ちょっと急用で電話しに行っちゃったの。カバンだけ預かったんだけど、戻るの遅くなるかもね」
あることないこと、息を吸うように語りながら、雛子が、席に腰かける。
机の上に、大きな胸を、ずしりと乗せ、友人との会話を続ける。
新たな圧迫を受け、那月は、ビクンッと、胸にプレスされた小さな身体を震わせる。
ブラジャーがなければ、柔らかでこぼれてしまいそうだった雛子の胸が、机上という支えを得たことにより、安定度が増し、那月の拘束を強める。
巨乳の谷間から顔をのぞかせた那月は、荒く小さな息をしながら、視線を上へ向ける。
雛子の薄手のクリーム色のセーターが見える。雛子の見事な巨乳により、セーターは、那月と密に面してはいないが、淡い色合いに薄手のセーターだ。あまり、派手に動くと、セーターの外側から、那月の様子が見えてしまうかもしれない。
那月は、羞恥で、ぎゅ、っと瞳を閉じ、極力、気配を消す努力をする。
しかし、雛子はそれを許さなかった。
教室に、本鈴が鳴り響き、教室の雑談が消え、講師のマイク越しの声が聴こえ始めた頃。
雛子は、椅子に腰かけ、大きな胸を机に乗せたまま、するり、と、左腕を、自身の胸の下に忍ばせてきたのだ。
「ひぃ……ッ?!」
那月を拘束する胸の圧迫度が、より一層、増し、那月は、口を開けて、身体をピンと、強張らせる。
谷間を強調させるように、胸が寄せられたことにより、那月の頭上のセーターは、オープンカーの屋根のように、するすると、開いていく。
那月が、身動きができないまま、顔を真上へと上げると、にやりと妖しく笑う、雛子と目が合った。
熱を帯びた色気ある瞳をしていて、透き通るような白い肌は、頬を少し、赤く染めている。
那月は、雛子の色気に身体の芯を掴まれたかのように、下腹部が疼きだす。
しかし、一方で、自分の置かれた状況を思い出し、泣きそうな顔をして、口を噤み、ふるふると、首を横に振る。
雛子は、ますます、面白そうな顔をして、ゆっくりと、自身の胸の下にひいた腕を、やわやわと動かし、胸の下に、手を添わせた。
「は……ぁんっ」
傍から見ると、雛子が腕を机に乗せているようにしか見えないだろう。
しかしその実、腕と手をつかって、雛子は、那月を捕まえた自身の胸を、わずかながらに揺らしていたのだ。
ぼよん、ぼよぼよん、と、強弱をつけて、雛子は、那月を胸ごと揺さぶらせる。
そして、ぎゅ、っと脇を閉め、胸の谷間がより深くさせる。
「ひぅ……っ!」
身体のほとんどを、大きく柔らかなプリンで捕まえられ、両側から、ぎゅっと圧をかけられているような、感覚だった。
ゆっくりやさしく、時に、速く激しく、那月は、全身を、雛子の胸でゆさぶられ、その都度、ブラジャーの装飾具が、那月を容赦なく突き上げる。
「ん、ぁ……っ、んんぅ……っ」
自身の口を手で押さえることも出来ない状況下のため、那月は、ぎゅ、っと唇を噤む。
早く……! 早く、授業、終わってぇ……!!
そうすれば、せめて、多少の声を出すことは許されるだろうに。
那月は、瞳を閉じ、生理的な涙を流しながら、ひたすら耐え忍ぶ。
しかし、いたずらにリズムを変えていた雛子の胸の揺れが、やがて、少しずつ、速度を上げられ、那月はすぐに目を開けた。
「ふ、はぁんっ……ゃ……っ! だ、め……っ!」
たぷたぷん、ゆさゆさ。ぶるぶるぶる。
ぐちゅぐちゅぐちゅんっ! どちゅんっ
「ぉひぃんっ」
授業の講師のマイク音の裏で、那月は、小さく喘ぎ声を出す。
那月は、涙を浮かべた小さな瞳を、雛子の大きな二重へと視線を合わせる。
もう許して。私、これ以上、耐えられない。
那月は涙目で訴える。
これ以上、続けられたら、雛子の胸の中で、那月は、小さな身体ながら、あらん限りの声を上げて、イき果ててしまうだろう。
那月の意図をくみ取ったのか、雛子は胸を揺さぶる手を止める。
ほっとしたのも束の間、雛子は、細長い指でペンケースからボールペンを取り出す。
くるりと、器用に半回転させた後、ペンのノック部分を、下に向け、ペン先部分を親指で押さえたまま、右ひじを立てて、頬を乗せる。
ぐらり、ぐらりと、逆さまにしたボールペンを、肘を立てた右手で遊ばせながら、ゆっくりと、那月の顔へ近づけていく。
那月は、目を見開き、少しずつ、こちらへ降りてくるボールペンを見つめる。
「ゃ……、ゃめ……っ」
か細く小さな声を出しかけたその口めがけて、雛子がボールペンを押し当てる。
「ん、ぐぅううっ」
那月が苦し気に声を上げることも気にせず、雛子は、ぐいぐい、とボールペンのノック部分を、那月の口の中へと入れ込む。
ノック部分の先端が、わずかに唾液で濡れるほどの侵入ではあるが、背丈を五センチに縮められた那月にとっては、口を巨大なコルクでフタをされたかのような圧迫であり、めいいっぱい、口を開いたまま、んぐんぐ、と隙間から声を漏らす。
雛子へ、小さな瞳を向けるも、雛子は、もはや、視線を那月に向けていなかった。
素知らぬ顔をして、退屈そうに、教卓と黒板を見つめたままだ。
那月は、全身を、ぴくぴくと、震わせながら、力の限り、顔を動かし、大きな大きなボールペンのノック部分にかじりつき、ボールペンを揺さぶらせる。
三十倍以上の背丈を持つ雛子の握力に敵うはずもなく、ほんの数ミリ、ペンが揺れただけに終わる。
しかし、手綱で繋がった犬の動きを感知する飼い主のごとく、那月が小さな抵抗を見せたことには気づいたらしく、雛子が、一瞬、ちらりと、視線を胸元へと落とす。
にやり、と目を細めて、笑った後、雛子は再び、視線を前方へと戻す。
そして、──ぐい、と更に強く、ボールペンで、那月を押し込んだ。
「んんぅううっ!!」
反動で、那月は、雛子の胸に沈み、膣の中にティアドロップが深く入り込む。
かと思いきや、ペンを押さえる力が弱まり、那月の身体は反動で、上へと浮き上がる。
「んぅうんっ!」」
雛子の指が、くいくい、と動き、那月をボールペンで、沈ませては浮き上がらせる。
ぐちゅん、ぐちゅん、ぐちゅん、と、小さな那月の上下運動に合わせて、ティアドロップが、那月の中をかき混ぜていく。
やだ……っ、私……! 全然、動けない。
雛子のおっぱいに挟まれて、雛子のおっぱいとペンに揺らされて、雛子のブラジャーにえっちされて……。
身体の自由を完全に奪われ、全身を揉みしだかれ、膣と咥内を犯され、那月は、熱にうなされる顔をしながら、快楽をため込んでいく。
雛子のペンで圧す力は、次第に増していき、那月は、一押しで、ついに、完全に頭の先まで、雛子の胸の中に入り込んでしまう。
「んふぅううううっ!」
雛子の胸に全身を、完全に包まれた那月は、胸の中で、身もだえる。
ペンを加えたまま、ティアドロップを、限界まで入れ込まれ、快楽と酸欠で、くらくらする。
その状態のまま、雛子が再び、胸の下に忍ばせた手を使って、胸全体を、大きく揺らし始めた。
「んひぃいいいいッ! ぉおぉほふぉおおッ! ふぶぅううっ! ひぐう、ひ、ひぐうう、ひ、ひなこぉおお!!」
那月は、雛子の胸に挟まれたまま、叫ぶ。
ボールペンを咥えた口からは、唾液が溢れ、ティアドロップを咥えた膣からは、愛液が溢れかえっていた。
しかし、声も液も、全て、雛子の胸の中に吸収されてしまっていた。
吐息のような、雛子の笑い声が、頭上に響く。
「ふふ。……小さくて、何言ってるか、分からないわね」
雛子は、たぷん、と胸の谷間を限界まで寄せ、胸に添わせた指先を、ボタンでも連打するかのごとく、激しく動かし、自身の胸を波立たせる。
「ひぎぃいいいいっ!! ひゃめへぇええ、わらひ、おかひくなるううう!! ひなこ、ひなこ、ひぎいい、ぁひぃいいいっ、ぁっ、ぁッ、あぁッ、イっちゃう、らめ、ぁッ、あぁあああああああああああ!!!!」
雛子の胸の中で、那月は、全身をぴきん、と強張らせて、絶頂する。
ぷしぷしい、と潮を吹き、ティアドロップを、とろとろに濡らし、焦点の定まっていない目からは涙を流す。ボールペンで限界まで広げられた口からは、たらたらと唾液が零れていた。
しかし、あまりの小ささに、イき果てた後も、しばらく気付かれず、雛子の胸に、無抵抗のまま、揺らされ続けていた。
もはや、ブラジャーの装飾の一部と同化してしまっていた。
*
二限が終わり、学生が騒ぎ、談笑しながら教室の外へと散っていく。
その波に紛れて、雛子が、二人分の荷物を持ったまま、廊下を突き抜けた後、研究棟の人気のない更衣室へと辿り着く。
個室の着替えブースに入り、自身のセーターのスクエアネックに、指先をかける。
「那月。生きてる?」
くすくすと笑いながら、胸を張り、谷間に隙間を作る。
そこには五センチに縮まされた那月が、相変わらず、ピントのずれた目をして、すっかり溶けきった顔を浮かべたままだった。
「うーん。そろそろ戻そうと思ったんだけど、しばらくこのままの方が、那月もよさそうね」
勝手な解釈をしても、那月は、何も言わない。
雛子は、ぱさりと、セーターと、厚手のミニスカートを脱ぎ捨てる。
個室の更衣室の鏡に、雛子の艶めかしい下着姿が映り、その胸元に、小さな那月が挟まれている。
「それなら、私のおっぱい、びしょびしょに濡らしちゃったお仕置き。ここでしちゃおうかな」
ぺろり、と舌なめずりをする雛子の表情は、捕らえた獲物を食べる前の捕食者の顔だった。
那月が、元の大きさに戻れるのは、かなり先になりそうだが、事態に気付くより先に、雛子の大きな指先が、そっと、那月を、雛子の胸元から引き抜いた。