SakeTami
タゴシロー(改名)
タゴシロー(改名)

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身体を小さく縮められた私が、ハロウィンのお菓子袋に閉じ込められ、ジンジャーブレッドやゼリービーンズとえっちしちゃう話


 木製の床を鳴らし、廊下を曲がり、リビングに入ると、目的の人物がソファーでくつろいでいるのを見つける。

 街では、大魔術師様、と崇め奉られている、那月の師匠である。

 革張りのソファーに足まで乗せ、コーナー配置した背もたれに、背を預け、専門書に目を通している。

「お師匠様っ」

 那月は、背もたれの後ろから、ぴょこんと、師匠を覗き込む。

 師匠が、ちらりとこちらを見るのを確認し、那月は、背もたれに両腕を乗せて、嬉々として口を開く。

「知ってました? 今日って、ハロウィンってお祭りの日らしいですよ」

 異国の祭典にあやかって、今年から流行り出したお祭りだ。準備に勤しむ街の人から教わった知識を、那月が師匠に伝えれば、既に、話題を耳にしていたらしい師匠が、「あー」と声を出す。

「そういや、この前、街の店が、そんな飾りつけしてたな。なんか、カボチャとか、お化けとかの」

「そう! さっすが、師匠。鋭い観察眼ですね~」

 ぱん、と軽く両手を重ねて、わが師を褒めるも、師匠は怪しむ目をこちらに向ける。

 弟子が師匠を褒めただけなのに、失礼な話である。

 しかし、そんなことは日常茶飯事なので、那月は気にも留めず、ふたたび、背もたれに両手を乗せ、身を乗り出す。

「ハロウィンって、いい子にはお菓子あげないといけないらしいですよ。師匠も私に用意しないといけないんじゃないんですか?」

「微妙に俺の知ってるハロウィンと違うな。あと、俺の目の前には、いい子ではなく、聞き分けの良くないいい年した弟子しか見えない」

「年齢は二の次ですよ。師匠に比べたら、私なんて、まだまだひよっこなわけですし、街では大人から子供まで、ハロウィン楽しんでるじゃないですか」

 街で見かけたお祭り騒ぎを思い出しながら、那月が言えば、師匠が、片目を細めて渋い顔をする。

「そんで?」

 結論をうながす様に、応じ、那月は、師匠をまっすぐ見つめる。

「師匠、お菓子ください」

「師に菓子をたかるな」

「ハロウィンなんだから、いいじゃないですか少しぐらい。ちゃんともらったお菓子、半分は、あとでお茶請けに再利用しますよ」

「それ結局、お前が全部、食べるパターンだろ」

 渋い顔のまま、指摘した後、師匠がソファーの上で姿勢を崩し、片手を頭の後ろにまわす。

 専門書を腹の上でへの字に閉じ、那月へ再び目をやるので、これは、珍しく話が続くパターン、と那月がソファーの背もたれへと顔を寄せると、師匠が口を開く。

「……ハロウィンの菓子なわけだろ。仮に、お前に菓子をやらなかったらどうなるんだ?」

「えッ!?」

 尋ねられ、那月は、一瞬、動きを止める。

 街のお菓子屋さんや、ハロウィンを楽しむ住民が、口にしていた決まり文句が、頭をめぐる。

「えっと、……お、……お菓子をくれなきゃ、……いたずらしちゃう、んですけど……」

 記憶を参考に、師から目を、思いっきり反らし、那月が、たどたどしく、言葉を紡ぐと、師匠から、「ほーー?」と、興味深そうな声を上げられる。

「いたずらねえ? この俺に? 弟子のお前が? 見ものだな」

 ヤバイ。眼と声が全く、笑ってない。

 那月は、ススス、と背もたれの後ろから乗り出していた身体を、沈めていく。

「そうだー、わたし、街に買い出しにいかなくちゃー」

 わざとらしい声をあげた後、那月はソファーを離れ、背中に師の視線を感じながら、廊下へと踵を返した。


 *


 肩と背を包むように朱色のストールを着込み、首元を手で掴む。冬が近づいているだけあって、外は肌寒い。

 那月は、尖らせた口から、白い息を吐きながら、街へと続く辺鄙な林道を進む。

「お菓子ゲットならずか~。こんな時ぐらい、甘やかしてくれたっていいのに。愛が足りないんじゃないの」

 本人がいないことを良いことに、言いたい放題しながら、サクサクと土を鳴らす。

 名の知れた大魔術師の師匠に弟子入りしてから、随分経つので、師匠の性格は理解している。こんなイベント事に乗り気になるタイプではない。それでも。

 それでも、今年は、今までの師弟関係と違って、もう少しお楽しみ要素があったっていいのに。

 まがいなりにも、肌を重ねた仲に進展したはずなのに、これまでと、あんまり変わりない。

 やっぱり、師匠、愛が足りないんじゃないの。

 でも、私のこと、デレデレに甘やかす師匠っていうのも、なんか想像つかないな。それはそれで、気持ち悪いかもしれない。

 好き勝手、想像を働かせていると、ふいに、ガサリと物音がして、ハッと身を強張らせる。

 ここは街へと続く一本道だ。裏を返せば、街からは師弟の住まう家にしか続かない。利用する者は限られている。

 ──マズイ。師匠か? さっきの独り言、聞かれてたら、しばかれる。

 きょろきょろと、いたずら発覚を恐れる子供のように、那月は、辺りを見渡す。

 その様は、恋する乙女のオーラはまるで感じられないのだが、本人は、至って気付かない。

 そして、物音の正体に気付く。

「あっ」

 少し先、道の端に生えた草木の影から、幼い少女が現れたのだ。

 十にも満たない程の年齢だろうか。深緑のロングローブを身にまとい、肩先まで伸びた金の髪が、外向きにはねて、美しい光を放っている。綺麗な子だ。

 スカイブルーの瞳が、那月を見つけると、少女は迷わず、てこてこと、こちらに近づく。

 那月は、身をかがめ、三十センチ以上はある身長差を埋め、少女へと、視線を合わせる。

「どうしたの? 森の奥にご用?」

「おねえさん、大魔術師様のお家のひと?」

「うん、そうだよ」

 師匠の来客にしては、ずいぶん、幼いな、と思っていると、少女は、キラキラと目を輝かせる。

 そして、満面の笑みを浮かべた後、可愛らしい口元を開き、歌うように声を上げる。

「やったあ。おねえさん。トリックオアトリート!」

「えッ」

 那月は言われた言葉に、一瞬、声を失い、そして、対応に迷う。

「あー……、えーっと……」

 少女の美しい金髪に、ちょこんと、コウモリの飾りがつけられていることに気付く。

 控え目ながら、ハロウィンの仮装をしているようだ。

 なるほど。ハロウィンって、街の中だけじゃなくて、他のお家にもお菓子貰いに行ったりするのか。

 それなら、手渡しできるよう、何かお菓子、持ってくればよかった。

 手持ちのお菓子がない那月は、ぐるぐると、次の一手に悩む。

 どうしよう。家に戻れば、私の隠しておいたお菓子があるから、渡すこともできるけど。こんな小さな知らない子供を、家に入れると、師匠、怒るだろうなあ……。それに、ここで前例を作って、今後、他の子供や街の人が来るようになっちゃうかもしれないし、師匠の許可なしで行うのもマズイよね……。

 うーん……。

 期待に満ちた目を向けられたまま、那月は悩み、そして、申し訳なさそうな顔を浮かべる。

「あの……、ごめんね。私、いま、お菓子持ってなくて……。街に一緒に、お菓子、探しに行こっか」

 この子にあげるお菓子を見つけるついでに、自分用のお菓子も買っちゃおう。

 そう思い、提案するも、少女は、「そっかあ、わかった」と、あっさり引き下がる。

「それならいいや」

「えっ、もういいの?」

「うん。代わりにおねえさんがお菓子になってね」

「な……」

 少女が、深緑色のロングローブから、素早く杖を取り出す。柄の先についたアメジストの石が、妖しく光り、あっという間に那月を光で包み込む。

「きゃあッ!!」

 両手で顔を庇い、かがめていた身を起こして後方へ下がるも、魔術を防ぐことは叶わなかった。

 光に包まれた身体が、ビリビリと全身に電流を流されたかのような刺激を受ける。

「ヒィッ、やぁッ、いやあああっ!」

 白い光の中で、那月は叫び声をあげる。

 身体が熱い。

 何この魔術。止めさせないと。

 光が弱まり、その先に、少女がにやりと笑っているのを見つけ、那月は手を伸ばす。

 しかし、伸ばした手が、届くことは叶わなかった。

 那月が見おろしていたはずの少女が、ぐんぐんと、大きくなっていくのだ。

 少女は、那月と同じ目線の高さになり、更に、那月よりも大きくなり、那月を見おろしている。

 少女が大きくなっていくにつれ、那月の身体は、ドクンドクンと、唸り、熱を上げ、那月は声を上げる。

「ひぁあっ! 熱いっ!! ぃやああっ!! あぁああっ!! ひゃあああっ!!!」

 くらくらと、眩暈がして、仕舞いには、地面へと、那月は倒れ込んでしまった。

 目の前に転がる、砂粒が、自分の手と変わらぬ程、大きなサイズをしていて、那月は、自分が縮められたことを悟る。

「……な、……なにこれ……ッ」

 息も絶え絶え、自身の変化に驚いていると、背後に風圧を感じ、背中のショールと服を、強く掴まれる。

「きゃああっ!!」

 ふわりと、簡単に、小さな身体が宙を浮き、那月は、はるか上空へと持ち上げられる。

 少女に、首根っこを掴まれたのだ。

「うふふ。小さくて、可愛いね」

 目線まで持ち上げた少女が、満足そうに微笑むのを見て、那月は、頭が現実へと引き戻される。

「何やってるのよ、あなた!! こんな魔術、人に使って、ただで済むと思ってるの!?」

「もちろん、あなただから使ったのよ。大魔術師様の、お弟子さん」

 ふふふ、と、少女は年不相応の、妖しい笑みを浮かべ、空いている手を拡げ、摘まみ上げた那月を包むように、全身を撫でる。

 幼い手に、すっぽり、包まれる程に、身体を小さく縮められてしまっている。今は、五センチ程の背丈だろうか。

 すりすり、と、いたずらに撫でる大きな指先に、ぞくりとする。少し、力を入れられるだけで、今の身体は、簡単に壊れてしまうだろう。

「もう少し、手こずるかなって思ってたのに、結構、あっさり、小さくできて良かったわ」

「う゛っ……」

 幼い子供に言い当てられ、那月は、言葉に詰まる。可愛らしい容姿をして、なんて子だ。一緒に、お菓子買いに行こうと思っていたのに。

「いったい、どうするつもり? 師匠に奇襲でもかけるつもりなら、私と桁違いに強いからやめといた方がいいわよ」

「そんなの当たり前じゃない! あたしの大魔術師様が、あなたみたいなショボい魔術師と同じなわけないでしょ」

 那月をかよわい力で握っていた手を、少女は急に、強く力を込め、熱弁を始め、那月はギョッとする。

「えっと、あの……」

「こんな小さな街でひっそりと暮らされているくらい謙虚な方だけど、本当は、王宮にお仕えされていたって申し分ないくらいの方なのよ。どんな術者や魔物だって、あの人に敵う者はいないわ。顔色変えずに敵をさばくクールな様も超素敵!」

 どこで息継ぎしてるんだ、というくらい、次々と言葉を並べて、少女がうっとりと語る。

 ようやく一息ついたところで、那月は、強く握られた手の中で、もぞもぞと、小さな身体を動かし、少女を見上げる。

「えーっと……、お師匠様の、ファンなの?」

 尋ねた言葉に我に返ったのか、少女が、那月を両手でギュッと強く握って、那月を睨みつける。

「何よ、その言い方! 大魔術師様の弟子だからって、えらそうに!」

「痛い痛いっ!! 潰れちゃう!! ファンじゃないなら、なんなのよ」

「もちろん、──新しい弟子、よ!」

 

 誇らしげに胸を張り、少女が那月に得意げな笑みを浮かべる。

「弟子……?」

 那月が、いぶかし気な顔をしながら、首をかしげる。弟子が増える話なんてしてたっけ??

 ここ何年か、新しい弟子が増えた記憶はないが、さすがの師匠も、そんな話なら、事前に伝えるだろう。

 部屋の準備とかの雑務をするのは、那月になるわけだし。

「押しかけで弟子入りするの? 事前に連絡とか入れといた方がいいよ。師匠、機嫌の良い悪いで、結構、考え変えちゃうし」

「冷静でお優しい大魔術師様の悪口、言わないでよ」

「あと、悪いこと言わないから、他当たった方がいいよ。夢は壊さないまま、精進した方がいいと思う」

 王宮仕えるとかも、メンドイ、の一言で断ってるし、顔色変えずに敵さばくのも血が通ってないだけだし。

 夢を壊すようなことを黙っておいたが、見解の違いが甚だしいので、那月が、そっとアドバイスするも、少女は厳しい目を、那月に向ける。

「大好きな師匠を取られるのが嫌だからって、あたしをダマそうとしたって、惑わされないわ! あなたみたいなショボい魔術師より、あたしの方が、ぜったい弟子に向いてるんだから!」

 取られるって、雑務減るなら、むしろ新弟子は歓迎だけど、と思っていると、那月は、少女に、ぽ────んっ、と大きく上空へ投げられる。

「ぅわあああっ!?」

 叫び声をあげている最中、少女が呪文を唱え、空いた両手に、大きな透明の折り紙と、たくさんのお菓子を出現させる。

 放物線を描き、少女の手のひらへと落下していく那月は、手のひらの上に置かれた、色とりどりのクッキー、飴玉、ゼリービーンズ、チョコレートが、眼前に迫ってくるのを見て、風にあおられながら、目を閉じる。

 ぶつかる!!

 しかし、予想に反して、ぽふん、と柔らかな衝撃と共に、那月は、手にいっぱいのお菓子の山の中へと落ちる。

「プレゼントボックス、封印!」

 少女の声と共に、透明の折り紙が、ビニール袋のように、へにゃへにゃになり、風呂敷のように、那月と大量のお菓子を包み込む。そして、封がリボンできつく、縛られる。

 むぎゅ、とお菓子入りの、透明な袋の中に、那月は閉じ込められてしまった。

「ふふふ。かわいいハロウィンお菓子の出来上がり。大魔術師様、気に入ってくれるかな」

 袋越しに、少女の声を聴いて、那月は、クッキーとチョコレートの狭間で、声を上げる。

「待ってよ、私ごとこのお菓子を師匠にあげるつもり?!」

「そうよ。これならよく分かるでしょう。あなたより、あたしの方が、魔術も優れていて、弟子としてふさわしいって」

 告げられ、那月は、サァッと血の気が引く。

 それは、なかなかに、いいプレゼンだ。絶対、しばかれるか、お菓子の袋ごと握りつぶされるかもしれない。師匠に。

 前回、小さく縮んでしまった時に作ってもらった、元の大きさに戻る薬、こっそり、多めにもらっておけば良かった。

 バレたら、より一層、怒られそうな方向に反省しながら、那月は、なんとか、頭を働かせる。

「弟子の私にこんなことして、お優しい大魔術師様、きっと怒るわよ。許してくれないかも」

 まあ、怒るのは私に、だけど。

 内心で、そう付け加えながら言うも、少女はひるまない。

「そんなことないわ。優秀なあたしを褒めてくれるに違いないわ。そして、あなたが弟子にふさわしくないって分かるはずよ」

 なんでそこは揺るがない自信を持ってるのよ。

「優秀さだけで弟子を取るひとじゃないと思うけど……」

 思わずポツリと呟いた言葉に、少女は足を止める。

「どういうこと?」

 四角いチェック柄のクッキーと、キューブ型のチョコレートの間で、袋越しに睨む大きな青い瞳に、那月は、少したじろぎながら、口を開く。

「あなたが言ったとおり、なんでも出来ちゃう師匠なのよ。傍に優秀な人材なんて、いてもいなくても、同じでしょう」

 実際、何度か弟子志願に来たものの断る様子を目の当たりにしたことがある。確実に、優秀な人で、あれが弟もしくは妹弟子になれば、絶対、私、楽になるし弟子入りさせましょうよ師匠、と提案して、キツイ目の裏拳を頭に食らったことがある。

 そんなことを思い出していると、少女が、大きな青い瞳を、不快そうにゆがめて、那月に尋ねる。

「それなら、どうして、あなたは弟子になれたの?」

 どうして。

 聞かれて、那月は、巨大なクッキーとゼリービーンズに身を沈ませながら、記憶を辿る。

 当時は、目の前の少女よりも幼かったし、今と同様、飛びぬけて優秀だったわけではない。

 それでもなぜか、師匠の目に留まり、那月は手を差し伸べられたのだ。

 もはや、断片的にしかない記憶を元に、今になって、弟子入りが叶った理由を分析するが、答えが分からない。

「……気まぐれ?」

 としか言いようがなく応えるも、少女は納得しない。ますます、機嫌を損ねて、那月入りのお菓子袋を、ぎゅうう、と強く握る。

「嘘つき。あんな孤高で素晴らしい大魔術師様が、そんな理由で、弟子入りを許すはずがないわ」

「誰の話!? その綺麗な理想は、理想のまま、壊さず置いておいた方がいいよ。絶対、弟子入りして、後悔するって!」

 そんな師匠になら、喜んで弟子入りするわ、むしろ! とキューブ型のチョコレートとクッキーに圧し潰されそうになりながら、那月は叫ぶ。しかし、ヒートアップした少女の耳には入らない。

「分かったわ! あなたが、大魔術師様に、色目でも使ったのね!」

「使うわけないでしょーが!! その時、いくつだと思ってんのよ。絶対、師匠にそんなの効かないし」

「それなら、あまりにも哀れで力のないあなたを慈愛に満ちた気持ちで弟子入りさせてあげたのを、後に色仕掛けで、ずっと居座り続けているのね……!」

「そんな大それた役、できる自信ないわよ。いや、ていうか、孤高で素晴らしい大魔術師のイメージ、そんなんでいいの……?」

 本当、人見る目ないな、この子! と那月が思っていると、周囲の巨大なお菓子が、じんわりと熱を持つ。

 不思議に思っていると、袋を握る少女が、魔術を発動しているようだった。

「な、ちょっと……!!?」

「別にいいのよ。大魔術師様が、そういう理由で、あなたのことを傍に置いているなら、それならそれで。ちゃんと専用のプレゼント包装するだけだもの」

 チェック柄のアイスボックスクッキーと、チョコレート、ゼリービーンズが、熱く輝き始める。

 お菓子の熱に当てられ、那月は、小さな身体を汗ばみながら、もぞもぞと、袋の中を動く。

 敷き詰められた飴とゼリービーンズに、足が沈み、膝まで埋もれてしまう。

 それでも、足をなんとか引き抜き、一歩先へと、また飴とゼリービーンズの床へと足を沈め、袋の端までたどり着く。

「んっ、くうう……っ!」

 ぺしぺしと、ビニール袋を叩き、小さな手の爪でひっかくが、袋は割れない。

 魔術を発動させようとしても、うんともすんとも言わない。無効化されている。

 熱さで、息を上げながら、何か、鋭利な菓子で、袋を破れないかと、辺りを見渡したところで、背中に衝撃を感じ、那月は、顔からゼリービーンズの底へと突っ伏した。

「ふきゃあああっ!! ぶふうううっ」

 ハーフアップしていた薄墨色のロングヘアが、髪留めが外れ、ばさりと背中に流れ落ちる。

 乱れて、前髪にかぶさり視界を遮る髪を、手で直しながら、那月がうつ伏せから、後ろを振り返ると。

 そこには、那月より、一回り大きなサイズをした、人型を模した、ジンジャーブレッドマンのクッキーが立ちふさがっていた。

 チョコペンで書いたような目と、二つのゼリービーンズで作られた口が、にこにこと、不気味な笑みを浮かべている。

 服装を模しているのか、身体には、飴玉の欠片がたくさん、貼り付けられていた。

「な……っ」

「大魔術師様が喜んでくださるような、素敵なお菓子になってね。──おねえさん」

 甘ったるい少女の声が、引き金になったのか、少女がそう言うと同時に、ジンジャーブレッドクッキーが、那月に勢いよく襲い掛かってきた。


 *


「きゃああああ!!!」

 ゼリービーンズが敷き詰められた袋の底に、那月がジンジャーブレッドクッキーに押さえつけられる。

 逃げ出そうと、もぞもぞと、左右に揺れるも、一回り大きなジンジャーブレッドクッキーに、上から覆いかぶさられて、力が敵わない。

 クッキーの手の先についた飴玉の欠片が、那月のストールとワンピースに引っかけられ、勢いよく、ビリビリと衣服を割いていく。

「や、やめて!! 何するの!?」

「大魔術師様に気に入ってもらわなくっちゃいけないもの。そうやって、ずっと弟子として仕えていられたんでしょう?」

 破れた服がジンジャーブレッドにはぎ取られ、那月の白い素肌があらわになっていく。

 地肌が、ゼリービーンズと飴玉が敷き詰められた袋の中に沈み、那月は、ぞわぞわと、小さな身体を震わせる。

 うつ伏せのまま、那月は、目の前のゼリービーンズに、小さな手を乗せ、あらん限り、背を反らし、お菓子の隙間から、ビニール袋の向こう側を睨みつける。

「いい加減にしてよ! そんな理由で、師匠が私を傍に置いておくわけ、ないじゃない!!」

「それが本当かどうかは、今から確かめさせてもらうわ」

 言葉と共に、那月の視界がくるりと反転する。

 眼前に迫るジンジャーブレッドは、そのまま止まることなく、那月に覆いかぶさり、那月の口を、桃色のゼリービーンズの口で塞ぐ。

「んうぅうっ!!」

 甘い桃の味が、舌に広がる。つるつるしたゼリービーンズが、少女の魔術の影響か、熱を帯び、まるで生きているように、ドクドクとうなりを上げる。

 ジンジャーブレッドの両手が、那月の小さな手首へと伸びる。

 クッキーの手先についた柔らかなチョコレートが手首に触れると共に、どろりと溶け、那月の手首を覆う。

 やんわりと熱を持つチョコレートは、すぐに冷え固まり、那月の両手を、袋に敷き詰められたゼリービーンズと共に固定する。

「離ひへひょおおっ!!」

 口の中に大きなゼリービーンズを突っ込まれたまま、那月が叫び、両手にめいいっぱい、力を入れるが、自由が利かない。

 すっかり服をはぎ取られた那月の上に、ぴたりと重なる大きなジンジャーブレッドは、クッキーの表面についた飴玉で、ぐりぐりと、柔らかな那月の胸を圧し潰す。チョコペンで飾られた模様が、那月の素肌の熱に溶かされ、那月とジンジャーブレッドの隙間を、べとりと濡らしていく。

 チョコレートを潤滑油のようにして、ジンジャーブレッドが、那月の上で、ぬるぬると上下に動き、那月は、身体の熱を上げていく。

「んひゅうっ、ふひゃぁあっ、う、動いひゃ、らめえっ!」

 那月は、めいいっぱい顔を反らし、なんとか、口の中から、ゼリービーンズを引き抜く。

 小さな口で暴れていたゼリービーンズは、那月の唾液にまみれてびしょ濡れになっていて、那月の口元にまで、糸を引いていた。

「逃げちゃだめよ。弟子のおねえさん」

 袋の外から声が聴こえたかと思うと、目の前の桃色のゼリービーンズが、ぶるぶると震え、赤みを増しながら膨れ上がる。

「ゃ……ッ、だめ……っ」

 那月がか細い声を上げ、左右に腰を振り、逃げ出そうとするが、しっかり押さえつけるジンジャーブレッドがそれを許さない。

 ぷしゅうううんっ、と音を立て、目の前のゼリービーンズが弾け、中から白いホイップクリームが勢いよく飛び出し、那月の顔を汚していく。

「っひゃあぁあっ!」

 どろどろと、甘ったるい、ホイップクリームが、那月の鼻筋と頬を伝い、口元から、首筋へと垂れていく。

 不思議な熱をもったホイップクリームと、身体の下敷になったゼリービーンズと飴玉の熱で、那月は、とろりと、目を細める。

 抵抗に勢いをなくした那月の口に、新たなゼリービーンズが、ジンジャーブレッドによって詰め込まれる。

「んぅううぅっ!」

 ぐちぐちと、唾液と共に咥内を混ぜる音を立てながら、ジンジャーブレッドは再び、膨れ上がる。

 そして、那月の口の中で、勢いよく、弾け飛ぶ。

「んぐううふぶうううっ!!」

 どぷどぷ、と口の中に、ホイップクリームが溢れかえる。

 那月は、涙目になりながら、なす術もなく、むせ返る程に甘いホイップクリームを、受け止める。

 白いクリームを、口からこぼして、呆然とする那月の脚に、袋に詰められた飴玉とゼリービーンズが絡みつき、左右へと強制的に大きく拡げられる。

「ぁ……ッ、ゃ、やだ、……やめ……てっ」

 力の入らない身体で、なんとか声をあげるも、那月は、ジンジャーブレッドのクッキーの下で、脚をはしたなくMの字に広げさせられてしまう。

 拡げられた那月の割れ目が、ジンジャーブレッドクッキーのざらついた表面に触れたかと思うと、こり、と何かがあてがわれたのが分かった。

 恐々、下を見れば、そこには、ジンジャーブレッドのクッキーから生えた、新たなゼリービーンズが、ぴたりと添えられている。

 トクントクン、と緩やかに熱を帯び、那月の口の中で弾けたものと同様に、今か今かと、放出の時を待っているようだ。

「ひぃっ……! や、やあ、だめえっ! いやあああ!! そんなの、挿れないでぇえ!!」

 那月は必死で、腰を動かし、逃げ場を探すが、自らの割れ目から既に溢れつつある愛液を、ゼリービーンズの先端に擦りつけるだけに終わってしまう。

 秘部越しに感じた、ゼリービーンズのつるつるした表面は、口に入れられたそれよりも、重厚感があり、より大きなものを、挿れられようとしているのが分かる。

「やだ、やだああ!!」

 那月は泣きながら、顔を左右に振る、顔にへばりついたままのホイップクリームが、ぽたりと、鎖骨へと飛び散る。

 腰の下に敷かれたゼリービーンズと飴玉が、ごろりと動き、那月の腰を持ち上げる。

 からからと、敷き詰められた飴玉が、反動で転がる音が聴こえる。

 より、拡げられた那月の膣に向かって、赤く膨れ上がったゼリービーンズが、勢いよく挿入された。

 どちゅううんっ

「ふきゃあああああああっ!!」

 那月は、飴玉とゼリービーンズの上で、ジンジャーブレッドに挟まれたまま、背を弓なりに反らし、甲高い叫び声を上げる。

 ぽこりと、ゼリービーンズの曲線が、そのままお腹の膨らみへと反映され、強い圧迫に、那月は口をぱくぱくさせながら、息をする。

「ぃやぁ……っ! 抜い、てぇっ!」

 ずっしりと重い下腹部に怯えながら、那月が泣き声をあげるも、ジンジャーブレッドは那月を離さない。

 ざらついた表面をもつクッキーの手で、那月の腰を押さえると、ごりごりと、クッキーと一体化したゼリービーンズを、那月の中へと打ち付ける。

「ん、ひぃッ、ひぁあッ、ぁひぃいっ!!」

 ちゅくちゅくと、少しずつ水音が増し、勢いで挿れ込んだゼリービーンズに、動きの自由を与えていく。

「ふはぁあッ! ぁあぁッ、ぅ、動いちゃだめぇっ! あぁああんっ!!」

 ぱちゅ、ぱちゅと、卑猥な水音を立てながら、那月の中で、ジンジャーブレッドが生やしたゼリービーンズが、暴れ出していく。

「んっはぁああっ!! あぁあぁあっ!! ぃやあぁああっ! らめぇえええっ!! 離してぇええ!!」

 お菓子袋の中、飴玉とゼリービーンズの上で、ジンジャーブレッドに組み手を敷かれながら、那月は、大きなゼリービーンズを膣に挿れられ、上下に激しく揺さぶられる。

 肌に落ちた白のホイップクリームと黒いチョコレートが入り混じり、赤々と熱を放つ肌を濡らしていく。

 熟れた朱い実のように艶やかな乳首に、ジンジャーブレッドについた飴玉と、ざらついたクッキーが擦り付けられ、朱色の実が、よりいっそう、硬度を増していく。

「ぁひぃいいんっ! はひぃいんっ!! わらひ、お菓子に、犯されひゃうううううっ!! たひゅけへえぇええええっ!!」

 乱暴に身体を揺さぶられながらも、那月は、なす術もなく、ただただ、刺激に合わせて、嬌声を上げ続けていく。

 朱色の瞳は、涙があふれ、もはや焦点が合っていない。

 だらしなく開けた口からは、無理やり吐き出されたホイップクリームと唾液が、とろとろと零れている。

 ジンジャーブレッドの激しいピストンに合わせて、柔らかな胸は、大きく揺れ動き、身体中に塗りたくられたホイップクリームとチョコレートを、弾き飛ばしている。

 下腹部の形を変える程の大きさを持つゼリービーンズは、那月の腹を膨らませたりへこませたりしながら、那月の愛液を潤滑油に、幾度も那月の中を犯していく。

 那月は、小さな身体を、ぶるぶると小刻みに震えあがらせる。

 それは、那月自身の限界が近づいており、また、那月には大きすぎるゼリービーンズ自身が、ぶるぶると震えて、那月そのものを揺らしている証でもあった。

「ふきゃぁあぁああ……ッ、ぁあぁあああ……ッ、も、……ら、めぇ……ッ、わ、たし……、こわ、れ、る……ッ!」

 ちかちかと白む視界の狭間で、那月は、か細い声を上げる。

 ジンジャーブレッドが、那月の小さな身体を、より一層、強い力で掴み、激しく腰を打ち付ける。

 ばちゅんばちゅんばちゅんばちゅん

「あぁああぁあああっ!! らめぇええっ! ゃらぁああっ!! たしゅけてえええっ!! ひぐううっ、ひぐううううううっ、あぁあんっ! あぁああ、あぁあああんっ、あぁっ、あぁっ、ふぁあぁああああああああああああああっ!!!!!!!」

 ビクビクッと激しく痙攣しながら、那月は、大きな絶頂を遂げる。

 それと共に、那月の中のゼリービーンズも、限界まで膨れ上がり、そして那月の中で、激しく弾け散る。

 パァアアアアアアアアアアアアアンッ!!!

「あぁああああああああああああああああっ!!!!」

 破裂の衝撃で、那月の身体は、ジンジャーブレッドと飴玉の地面の間で、壊れたオモチャのように、上下に揺さぶられる。

 勢いに乗り、小さな身体が、どこかへ飛んでいってしまいそうな程の衝撃だったが、那月の両手両足を固定するチョコレートと、飴玉、ゼリービーンズが、それを許さなかった。

 那月の中で爆ぜたゼリービーンズにより、どぷどぷと、白いホイップクリームが、那月の中に注ぎ込まれる。

 ぼこり、と、那月のお腹が、ホイップクリームを詰められ、風船のように膨れ上がってしまう。

「ぁあぁあ……」

 焦点の合わない目をしたまま、那月は、だらりと、身体の力をなくす。

 どろり、と、那月の両手両足を固定するチョコレートが溶け、身体の自由が戻った後も、那月は、しばらく、お腹をホイップクリームで膨らませたまま、動けずにいた。

「私……、ハロウィンのお菓子になっちゃった……」

 秘部から、どろどろと、入りきらないホイップクリームを零し、卑猥に飴玉とゼリービーンズを白く汚しながら、那月はそんなことを呟いていた。

 小さな自分の上に覆いかぶさったジンジャーブレッドが邪魔をして、袋の外がよく見えない。

 那月を縮めた少女は、まだ、袋の外にいるのだろうか。

 このまま、自分は、師匠の贈呈品として、この中に閉じ込められ続けてしまうのだろうか。

「ん……、ぁはぁあん……っ」

 那月は、ふいに、背に、柔らかな刺激を感じ、甘い声を上げる。

 那月の下に敷き詰められていた、ゼリービーンズと飴玉が、ぐにょぐにょと動き、山をつくり、ホイップクリームとチョコレートまみれの那月を、無理やり起こしたのだ。

「ぁあぁ、ふひゃんっ!!」

 しかし、立ち上がる力の残っていない那月は、ジンジャーブレッドを下敷きにして、うつ伏せに倒れ込んでしまう。

「ひぃんっ!」

 倒れた衝撃で、下腹部が押され、那月の中から、ホイップクリームが、とろりと卑猥に零れだす。

「ゃ、やだ……っ、あふれちゃう……」

 那月が、恥ずかし気に、後ろをみようと身体を起こしかけると、ざらり、と背中に大きなクッキーが触れる感覚が走る。

 那月が押し倒してしまったジンジャーブレッドの腕の部分のクッキーだ。

 ぐい、と那月を引き寄せ、那月を抱きかかえるように、拘束する。

「ひゃんっ! ぁ、やだ……っ、離してっ」

 左右に身体をねじり、逃げようとするが、力が敵わない。

 体格差のある男にでも拘束されているかのようだった。

 ざりざり、と、ざらついたクッキーの手が、那月の背から尻へと、撫で上げた後、ホイップクリームがふんだんに挿れられた下腹部へと伸びる。

 クッキーをクリームの中へ、ディップするように、どぷどぷと、鈍い水音を立てながら、那月の中へとジンジャーブレッドの手の先が、いたずらに挿り込む。

 ぞくぞく、と、那月の身体が、快楽と恐怖で、再び熱を上げていく。

「──もうすぐ、大魔術師様のお家に着くから、それまで、しっかり、そのおねえさん、押さえつけといてね。ジンジャーブレッドちゃん」

 袋の外で、幼い術者の声が聴こえる。

 那月は、身体を凍り付かせて、叫び声をあげた。

「ぃ、イヤアアアアアアッ!!! 離して!!! こんなの師匠に見せないで──ッ!!」

 泣き叫ぶ声は、聞き入られることもなく、ぐい、とジンジャーブレッドに顔を乱暴に引き寄せられる。

「んぅうううううっ!!」

 口の中に、ジンジャーブレッドの顔にはりついた大きなゼリービーンズが、挿れ込まれる。

 抵抗する那月の小さな脚に、ジンジャーブレッドの足が絡みつき、ぐいと、左右に大きく拡げさせられる。そして、ホイップクリームにまみれた、那月の割れ目にめがけて、新しいゼリービーンズが、容赦なく詰め込まれる。

「んふふぅううううううっ!!!」

 那月は、口をゼリービーンズで塞がれたまま、桁違いの快楽を加えられ、ぴん、と身体を反らす。

 ぐちぐち、と、那月にかまうことなく、ジンジャーブレッドが、那月の中に挿れたゼリービーンズを動かしていく。

「んひぃいいっ、んふうう、んふはぁあひいいっ!!」

 ジンジャーブレッドと那月の周囲に散らばったゼリービーンズと飴玉が、ぐにょぐにょと、妖しく動き、那月の背の上に乗り上げていく。

 やがて、ゼリービーンズと飴玉は、集合体となり、その形は、新たな人型を模したお菓子と化していた。那月は、ジンジャーブレッドと、ゼリービーンズと飴玉の人型に挟まれてしまっていた。

 ゼリービーンズと飴玉の人型は、那月の臀部に、ひと際大きなゼリービーンズをあてがう。

 ぞわり、と那月は身の毛がよだつのが分かった。

「まっへ、ひょんなとこ、ゃらああっ!!」

 もがもがと、咥内のゼリービーンズの狭間で、必死で叫ぶも、動きは止まらない。

 那月の柔らかな臀部の双丘をこじ開けるように、ゼリービーンズが突き進む。

 そして、隠された小さな穴の中に、ねじ込むように、ゼリービーンズが挿れられた。

「ふきゃぁああああっ!!!」

 那月が、身体を反らして、叫び声を上げる。

 しかし、すぐに、ジンジャーブレッドに、身体を引き寄せられ、膣の中へとゼリービーンズが撃ち込まれる。

「ぁあぁあひぃいいいっ!!」

 口の中のゼリービーンズを、唾液で濡らしながら、那月は泣き叫ぶが、容赦なく、アナルに挿れ込まれたゼリービーンズも暴れ始める。

「ふひぃいいぃんっ!! ぁあぁあふぅううんっ!!!」

 やがて、那月の中に挿入された、三つのゼリービーンズは、互いが共鳴するように、同時に那月を攻め立てていく。

 ばちゅんっ、ばちゅばちゅばちゅっ、ばちゅんっ!!!

 いたずらに、ピストンの速度に強弱をつけ、小さな那月の身体を上下左右に揺らしていく。

 那月は、ただただ、刺激に合わせて、嬌声を上げる小さなオモチャのように、小さな身体を弄られ続けていた。

「おほひぃふひぃいいんっ!!! ふひはぁひゃぁああっ!! ぁひぃい、ぁはひぃいいんっ!!」

 一つ目のゼリービーンズを破裂させられた時よりも、比べ物にならない程の快楽にいたぶられながら、那月がジンジャーブレッドとゼリービーンズに抱かれている真っ只中に。

 品の良いチャイムの音が聴こえる。

 少女が、師弟の家に到着したらしい。

「ぃ、嫌っ!! やめてやめて、お師匠様に、見せちゃらめええええっ!! んっ、ふぶううううっ」

 必死で叫ぶ口を、とがめるかのように、ゼリービーンズが突っ込まれ、那月は、口を塞がれる。

 限界が近い小さな身体を、お菓子に激しく犯されながら、那月は袋の外で、大きな足音が聴こえるのが分かった。

 それと共に、那月を犯すお菓子の動きも増していく。

 ばちゅん、ばちゅん、ばちゅん、ばちゅばちゅばちゅばちゅ、ばちゅんっ!!!

「ぃあ、ぃああぁあっ、ひぐ、ひぐうう、ひぐうう、ひぐううううううううう、あぁああああああああああああああああああっ!!!!」

 咥内に、膣に、臀部に、あらん限りにホイップクリームを注がれ、那月は、小さな身体を白く汚していく。

「ぁ……は……ひぃ……ん……」

 朱色に輝いていた瞳は、光をなくし、カクンと、那月は小さな身体を、ジンジャーブレッドの上へと預けた。


 *


 木製で上質な扉が開かれる。

 石造りの塀と、黒の格子状の門を抜けた時から、桁違いの魔術の圧を感じていたが、扉が開くと、その比ではない程のそれを感じ、少女は、密かに息を呑む。こんなところで圧されていては、話にならない。

 自分を鼓舞すべく、両手で握ったお菓子の袋に、より一層、力を入れる。

 扉の向こうに、すう、と伸びた長い廊下を、一歩、一歩、黒髪の青年が、スタスタと近づいて来る。

 何度も夢にまで見た、大魔術師様だ。

 相変わらずの、経験年数を感じさせない若い姿に、少女は、魔術の圧を感じながらも、うっとりと、頬を緩める。

 少女の熱いまなざしを見つめ、大魔術師は、茶色いたれ目を細め、口角を上げる。

「──何か、忘れ物か? お嬢さん」

 透き通る低い声で、尋ねる様に、少女は、ハッと目を見開く。

 狼狽えそうになる心を叱咤し、少女は負けじと、甘ったるい声を出す。

「大魔術師様。あたし、宵と言います。あたしを弟子にしてください」

「へえ? 弟子入り志願か。てっきり、ハロウィンの仮装で、そんな恰好してるのかと思ったけど?」

 放つ言葉に、ごくりと、唾を飲む。まだだ。まだ、引いてたまるものか。

「ええ。ハロウィンなので、今日にちなんだ格好をして、そして、今日にちなんだ手土産を持ってまいりました」

 汗ばむ両手でつかんだお菓子の袋を、そっと、大魔術師に差し出す。

 お菓子袋の中では、小さな那月が、ジンジャーブレッドの上で、大量のホイップクリームに、ゼリービーンズと飴玉をまぶした裸体を晒したまま、うつ伏せで倒れている。

 予想より、クリームまみれになっている、と内心、少し気になったが、大魔術師は、むしろ、愉快なものを見たかのような顔をする。

「お。俺の弟子じゃん。また、派手にやったな」

 ハハ、と軽く息をするような笑いをして、袋の中に視線を合わせるように、茶色のたれ目を細める。

 良かった。やっぱり、この方法でアピールするのが正しかったんだ。

「あたし、あなたの弟子くらいなら、簡単に捕らえられます。あたしのこと、弟子にしてください」

「まあ、これより優秀な魔術師なのは、確かかもな~」

 大きな指先が、少女、宵の掴むお菓子袋へと伸び、簡単にそれを取り上げる。

 大きな手が、袋を包み込むように掴むのを見て、宵は声を上げる。

「それなら、あたしの方が、あなたの力になれます。傍に置いてください!」

 大魔術師は、口元に笑みを浮かべ、小さく口を開ける。

「何度、形式を変えようと、応えは変わらないぜ。お前には無理だ」

 言い切り、今にも戸を閉めない勢いの彼に、宵は、ぐっ、と唇を噛んだ後、叫び声を上げる。

「なぜですか。どうして、あたしを弟子にして下さらないのですか」

 幼い作り声を取り払い、焦りと悔しさを交えた叫びを放つ少女に、大魔術師が苦笑を浮かべる。

「俺は少なくとも、俺の魔術に威圧される奴を、弟子にする気はない」

 静かに言い放つ言葉に、宵は目を伏せて、下をうつむく。 

「それが、……そんなにも、そんな娘に執着なさる理由ですか」

 尋ねた問いに、応えは返って来ない。しばしの沈黙の後、魔術の圧が、忽然と消え去る。

 顔を上げた先には、屋敷の姿はなく、宵は林の一本道の中、ひとり、立ち尽くしていた。

 せっかく、久しぶりに繋がった道も、もう途絶えてしまった。

 ゆっくりと周囲を見渡した後、悔し気に顔をゆがめるその姿は、もう幼い少女の姿をしておらず、金の髪を持つ、妙齢の女性そのものだった。


 *


 やわらかで白いクリームに包まれながら、那月は、ふわふわと意識を漂わせていた。

 ぼたぼたと、小さな裸体から、チョコレートが混ざったホイップクリームが、落下していく。

 白む視界の先に、ぼんやりと人影が見える。

 伸びた手が、那月の裸体に残るクリームを払いのけ、柔らかな胸をなぞる。

 ホイップクリームが詰め込まれた丸い腹のカーブを確かめるように、飴玉の欠片が、コロコロとクリームと手の間を転がる。

 白む視界の中で受けたその動きが、那月の中で、ジンジャーブレッドに酷く抱かれた記憶に重なり、ビクリと小さく身体を跳ねさせる。夢の中で、必死で、口を動かし、出ないはずの声を上げる。

「──ぃやぁああッ!!」

 おぼろげに見えていた人影が、消え去り、霧が晴れるように、視界が戻っていく。

「──那月?」

 聞き覚えのある声に、那月は、ハッと顔をあげる。

 ジンジャーブレッドのように見えていた人影は、大きな指先で、那月は、師匠の手のひらの上に、寝転がっていたようだ。

「師匠……」

 寝ぼけ混じりに大声を上げたからだろうか、師匠は、茶色の目を少し、見開いて那月を見つめている。手のひらに那月を寝かせたまま、寸でのところで、指を停止させていた。

 その指先に、那月の身体にまとわりついていた、ホイップクリームが、べたりとついているのを見て、那月は、ボロボロと小さな瞳から、大粒の涙を流す。

「し、師匠……ッ、師匠っ!!」

 そして、ホイップクリームに足を滑らせながら、師匠の手のひらの上で身を起こし、師匠の大きな指に、小さな身体を絡みつかせた。

「師匠ぉ……っ、大きなクッキーがぁあ……ッ」

 涙を流す那月の顔を、師匠の大きな親指の腹が撫で上げる。

 小さな身体を乗せた手のひらが、ふわりと風を作り、師匠の口元まで運ぶと、大きな口が開き、生暖かい舌が、那月に覆いかぶさってきた。

 素肌にまとわりついたままの、ホイップクリームとチョコレートが、大きな舌に溶かされていく。

「ふぁ……ッ、お、師匠、さまぁ……っ」

 全身を唾液に濡らされながら、那月が甘い声を出して、師匠の大きな顔を見上げる。 

 師匠は、大きな茶色の瞳で、じっと、小さな那月を見つめたまま、大きな舌を、那月の膨らむ腹に添わせる。曲線をなぞりあげた後、静かに液を零す割れ目を、そっと押し、中に詰められたクリームを、いたずらに引き出す。

「ひきゃぁああんっ! し、師匠、そんな、とこ、だめぇ……っ!」

 那月は、顔を真っ赤にして、丸く膨れたお腹を、左右に、じたばたと揺らすが、師匠は、小さく笑い、那月の小さな身体を指先で包み、更に拘束させる。

「今日って、ハロウィンなんだろ。このままお菓子まみれなのと、いたずらされるの、どっちがいいんだ?」

 ゆるゆると、二本の指が、那月の小さな身体を確かめるように、なぞり上げていく。

 唾液とクリーム、チョコレートが混ざった液が、那月の肌と師匠の指の間を、滑っていく。

 那月は、ホイップクリームのように熱で溶けそうな程に、身体を火照らせながら、目の前の大きな師匠を見上げ、小さな口を開く。

「私……、どっちを選んだら、食べられずに済むの……? お師匠さま……」

 なんとか尋ねる言葉に、師匠は、おかしそうに笑う。

 そして、大きな口を開け、ホイップクリームで膨れ上がった那月の下腹部と、柔らかな臀部を、包み込むように、口に含む。

 那月が、嬌声を上げながら、小さな脚を、師匠の頬を挟むようにして、快楽に泣き叫ぶも、師匠の唇は、圧をかけ続ける。

「ら、めぇえっ! 師匠、わらひ、で、ひゃ、うぅうッ、ふきゃああああッ!!」

 那月は、小さな身体の上半身を、師匠の鼻先へと預け、小刻みに震える。大きな口の中に、しっかりとくわえられたままの、下腹部を引き抜くことが叶わず、師匠の咥内へと、膣内に残されたホイップクリームを、潮と共に吐き出す。

「ぃやああ、やらあああ、とまってえええっ!! 離してお師匠さまあああっ、舐めちゃらめええっ!!」

「お前、ハロウィンのお菓子、なんだろ?」

 泣きながら懇願する那月にも構わず、師匠が楽し気に、そう言った後、師匠の大きな舌が、那月を舐め上げていく。

 那月は、師匠の手のひらと、口元の狭間で、逃げ出すことも叶わず、何度も何度も、絶頂を遂げる。

 小さな身体から、ホイップクリームと愛液をまき散らしながら、那月は、イき果てる。

 ピクピクと、手のひらの上で、小さく震えながら、那月は、再び意識を無くす。


 師匠が、親指で、口元についたホイップクリームを拭う。

「甘……。さすがに少し挿れすぎたかな」

 へらりと笑った後に、手のひらで眠る弟子を見つめる。

 こちらにいつまで経っても危機感を持たない、困った弟子だ。

 師匠が、もう一度、大きな指先で、そっと撫で上げながら、弟子の大きさを戻すべく、実験室へと歩み始める。

 その指の動きは、那月を酷く抱いたジンジャーブレッドに、酷似していたのだが。

 意識を失った那月は、気付くことがなく、師の手のひらに身を預けたまま、動きに合わせて、甘い声を上げた。


身体を小さく縮められた私が、ハロウィンのお菓子袋に閉じ込められ、ジンジャーブレッドやゼリービーンズとえっちしちゃう話

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