SakeTami
タゴシロー(改名)
タゴシロー(改名)

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【支援者先行公開 / 2021.3.26 pixivにも公開】子ども扱いする年上の幼馴染を、身体を縮めて持って帰ってみた

住宅街の真ん中に、ぽつんと作られた貯水池とそれを護るかのように囲む小さな林。 その中に、噂の場所はあった。 何かを祀っているようにも見えるし、不法投棄が並んでいるだけにも見える、古びた樹木の山々。 お化けが出るとか、大人の目の届かない場所だから、とかで、 つい先日、学校で子供だけで足を踏み入れるな、と言われたばかりのその場所に、陽和(よしかず)は立っていた。 ――そのお化けに会うために。 苔むした樹木の合間を潜り抜けて、樹々の隙間となった少し開けた場所に辿り着く。 頭上はちょうど、林の樹々の狭間になっていて、光が差し込んでいる。 お化けが出る、というよりは、神聖なる場所、と表現した方がよさそうだ。 きらりと光る上空の葉に思わず見惚れていると、昼過ぎの雨の名残か、顔に水滴が落ちて目を瞑りしゃがむ。 目薬のように沁みたそれに目をこすって、目を開ければ、大人の靴を履いた足が見えて、ぎょっとする。 驚いて顔を上げて立ち上がれば、こちらを見下ろす男と目が合い、へらりと笑われる。 「視えるようになったみたいだな。おっす~、陽和くん。こんなところに一人で来て、悪ガキめ」 「なんだよお前……、いつからここにいたんだ?」 「割と前から。俺、お化けだから」 校内でも噂で聞いた、《お化け》をしれっと宣言され、陽和は眉をひそめる。 突然の登場にかなり驚いたのは確かだが、目の前の男の雰囲気は、怖さよりうさんくささが勝る。 「足もあるのに?」 「お前の名前を知ってて、なんでここに来たか分かってるってだけで納得できる話だと思うけどな~。足とかにこだわるとかガキだなぁ」 「ガキ、ガキ言うなよな。本当に俺がなんでここに来たか知ってるのかよ」 「知ってるぜ。近所の年上のおねえさんが、自分のこと、いつまでもガキ扱いしててもどかしい最中、おねえさんが高校の同級生とフラグ立てそうになってて、神頼み、ならぬ、霊頼み、しに来たんだろ」 スパっと全てを言い当てられて、陽和は黙り込む。 「那月ちゃん、高校入ってから更に可愛くなったもんな。気が気じゃないよなあ」 「……相手の名前まで知ってんのかよ」 親同士が旧友で近所、という繋がりで、陽和の幼い頃から遊び相手、というか面倒を見てもらう姉のようなポジションの彼女は、中学、高校と進んでいくにつれて、背も伸び、女らしく成長していった。 一方で、ようやく小学校に入り、微力ながら背を伸ばし、あと数年でティーンエイジャーと呼べる域まで年を重ねた陽和を、那月は、ただただ、大きくなったねえ、と言葉とは真逆に、子ども扱いするのが、ここ最近の状況だ。 那月との年の差の分くらいは、長らく片思いをしている陽和には、もどかしさしかない。 ただでさえ、小学生と高校生というだけで、接点を持つ機会が少ないというのに。 苔むした樹木に背を預けて、ため息をつきながら、うさんくさいお化けを睨む。 「それで? お化けって言うからには、俺の願い、叶えてくれるのかよ」 「もちろん叶えるぜ~。使えるアイテムを譲ってやろう」 上着のポケットから、そっと、二種類のシールが数枚貼られた台紙を渡され、なめてんのかコイツ、と睨みつければ、笑われる。 「まあ、まあ。試してみてから怒れよ。結構、使えるぜ、それ」 「なんなんだよ、これ」 破いて捨ててやろうか、くらいの気持ちで聞き返せば、「最初は赤色、次は青色」と内容ではなく、順番を教えられる。 「使い終わったら、また台紙に戻す。期限は、そうだな。お前が那月の今の年齢に追いついた今日までだな」 「期限?」 「まあ、その時が来たら分かる。そのくらいになったら、もう充分だから」 「充分って……、いや、そもそも、なんのシールなんだよ、これ。どうやって使うんだ?」 「那月に貼るに決まってるだろ? ――誰もいないところでな」 * 林を出て、日常の空気と景色を見ると、お化けに会ったことが嘘のように思える。 現に、住宅街に戻るころには、陽和はすでに、お化けの顔をよく思い出せなくなっていた。 何か、夢でも見ていたのか? とすら、思うが、上着のポケットに、かさりとシールの存在を感じて、とりあえず夢ではないのだろう。 けど、シールを貼るってなんだよ。 もっと、いい感じのカッコいいアイテムをどうせなら排出しろよ。 すでにおぼろげな姿しか思い出せないお化けに、心で文句を言いながら、さて、どうすれば意中の那月にシールを貼れるか、と考えを巡らせる。 半信半疑ではありながら、「最初の赤色」のシールの台紙を取り出し、陽和は光にかざす。 小さな赤い丸のシールは、かざしてよく見てみると、海外の言語のような文字と、蛇のようにうねった矢印が見える。 なんのマークだろう、と目を細めていると、背に声が降る。 「――あれ? 陽和くん。今、帰り?」 ぎくり、と身体が固まる。この声は、シール貼りの対象者、那月の声に違いなかった。 慌てて振り返り、そして、更に陽和はフリーズする。 近隣の高校の制服を身にまとった彼女の隣には、同じく高校の制服を着る男子生徒がいたのだ。 見かけるのは初めてだったが、ここ最近、那月が気を取られている同級生に違いなかった。 どう返答すべきか、一瞬、悩んでいる間に、あちらが先に口を開く。 「那月ちゃんの弟さん? こんにちは」 「……ッ!」 「やだ違うよ~。母親の知り合いのお子さんなの。ご近所さんなんだ」 「へー」 こちらが年下の対象外であることをまざまざと見せつけるかのような言葉のツーコンボを喰らい、黙り込んでいると、差して気にも留めずに、あちらが言葉を続ける。 「それ何のシール? 流行ってるの?」 「……別に。ちょっともらっただけ」 そっけなく答えて、サッと上着の中へとしまう。話題を広げない陽和に、彼は特に顔色も変えずに、ふーんと幼い子供を見るような顔で笑う。 その後、少し那月と会話した後に、来た道を引き返して帰っていく。 後ろ姿が見えなくなるまで見守る那月に、ジト目を投げて、陽和が口を開く。 「あれ、那月の彼氏?」 「ち、違うよッ! まだそんなんじゃ全然」 慌てて否定しながら照れる様と、どんなキッカケにせよ、自宅近くまで送り届ける程の親密さに、心は燻る。 「ふーん。あんなのが好きなんだ」 「何その言い方。優しそうでカッコいいでしょ。陽和くん挨拶もしないんだから」 不満そうな顔をした後、那月はスタスタと足を進める。 何が悲しくて自分を話題に、盛り上がる二人を見ないといけないのだ。 不満が募る中、ぎゅ、っと上着の裾を掴む。 静かな住宅街で、ちょうど周囲に人気が途絶えている。 上着のポケットの中から、そっと赤色のシールをはがし、那月に近づく。 まだ何が起こるかもよくわかっていない上に、半信半疑の陽和だったが、燻った心が背を押し、那月に追いつく。 ぺたり、と那月の手首にシールを貼ると、那月が不思議そうに陽和へと振り返る。 「……? なあに、このシール」 ドキドキしながら、逆に何も起こらなかったら、どう言い訳したものか、と見守る最中、ふいに那月が、ふらりとバランスを崩す。 「那月?」 こちらに倒れかかりそうな彼女を、慌てて受け止めようとして、陽和は言葉を失う。 倒れそうになりながら、那月の身体は、しゅるしゅると縮んでいったのだ。 こてん、とうつ伏せで地面に倒れる頃には、那月は、十センチ程の大きさになっていて、制服姿の着せ替え人形が、地面に落ちているかのようだった。 「な……ッ、……那月! 大丈夫?」 陽和がしゃがみ込み、那月にそっと触れる。 小さな手首には、陽和が貼り付けたシールが、元の大きさのまま貼られていて、今のサイズだと手首を覆う赤い湿布のようだった。 仰向けにされた那月は、「ん~……」と小さな声を一度上げた後、すやすやと寝息を立てている。 なんか、とんでもないことになった。どうしよう。 次は青色、とお化けは言っていたが、それを貼れば元に戻るのだろうか。 それとも、赤色のシールをはがしたら戻るのだろうか。……そもそも、戻るものなのだろうか。 この状態でどうしろって言うんだ、あのお化けは。 次の一手に悩んでいると、後方から車の走行音が聞こえ、ぎくりとする。 慌てて、そっと、那月を陽和は両手ですくい上げて、立ち上がる。 狭い通学路に、乗用車が陽和を追い抜いて走り去っていく。 人目のないところ、とはいえ、ここは危険だ。 陽和の両手の中で、すやすやと眠る那月を、もう一度、見つめてから、陽和は自宅へと足を運ぶことにした。 * 両手の中に、ぎりぎり収まるかどうかのサイズの那月が、陽和の手の中で、静かに寝息を立てているのを感じる。 小さな吐息と、呼吸で上下する胸。小さな身体の体温。 それらすべてが、手のひらの中で感じる。繊細で壊してしまいそうな緊張と同時に、いけないことをしているような後ろめたさで、心臓が早鐘を打っているようだ。 ようやく辿り着いた自宅玄関の前で、ランドセルのサイドポケットから鍵を取ろうとするも、片手で那月を持つことに不安を覚える。 かといって、地面に置くわけにもいかないし、となり、そっと、肩に那月を押さえつけるように、自身の身体と片手で那月を支える。 「んー……」 「……ッ」 肩越しに感じる体温と耳元の小さな寝息に、動揺して鍵を落としそうになる。 なんでこんなことになったんだ。 お化けも先にどうなるか、詳しい説明ちゃんとしておけよ。 鍵を持ち直して、がちゃり、と玄関を開けた。 静かな自宅の階段を上がり、自室へと入る。 誰かいるわけでもないのだが、とりあえず、ホッと息を吐く。 手の中の那月は、相変わらず寝息を立てていて、陽和は、慎重に那月をベッドの上へと寝かせる。 ランドセルと上着を床に置いて、上着からシールの台紙を取り出す。 最初は赤、次は青。 唯一と言っていい程の説明がそれだった。 どうしよう。青を貼れば戻るのだろうか。 更にひどいことにならないだろうか。 赤色を貼ってこうなったのなら、赤を剥がすべきだろうか。 陽和は、シール台紙と那月を見比べて悩む。 赤を貼ってこうなったのなら、剥がせば元に戻るかもしれない。 でも、もし戻らなかったら? 再度、赤を貼って、再び青を貼らないといけないとしたら? 小さいままの那月に、もう一度、赤色を貼ることになる。 ……今より、もっと小さくなったり、眠っているだけで済まなくなるかもしれない。 ぞっとして、二枚目のシール台紙を取り出す。 やっぱり青を貼るべきだろうか。 青色に手を伸ばしかけたその時。 「うー~~ん……」 那月の大きな寝言が聴こえて、ハッと振り返る。 陽和の大きなベッドの上で、那月が目をこすりながら、ぼんやりとした様子で上半身を起こしていた。 「あれ……? どこ、ここ……」 まだ頭が半分以上、寝ているような声で、ふらふらと、那月の視線が動く。 サラサラのロングヘア―が、寝ぐせで少し、自由な方向になびいていて、まどろんだ目と声が新鮮で、少しドキドキしてしまう。 「那月……」 どう説明しよう、と思いながら、陽和が声を掛ければ、那月が、寝ぼけた目のまま、ベッドに座り込んだ状態で、じっと陽和を見つめる。 「……? 陽和、くん……? なにこれ……? なんで陽和くん、そんなに、大きいの?」 「えっと、俺が大きいっていうか、那月が小さくなってる感じなんだけど」 「私が……?」 きょろきょろと、あたりを見渡し、そして自分自身を見つめる。 「ほんとだ……。私、小さくなってる。……変な夢」 思った以上に、状況の受け入れが早いと思いきや、夢だと思っている那月に、陽和が口を開く。 「いや、夢じゃなくて、那月、本当に小さくなってるんだよ」 「本当にって……。そんなの起こるわけないでしょ。なんでこんな夢見てるんだろう」 「本当だって。このシール貼ったら、那月が縮んでそうなったんだよ」 びらり、とお化けから譲り受けたシールの台紙を見せる。 今や那月より大きなシール台紙を、那月は身を乗り出して、じっと見つめ、首をかしげる。 「シールで? 今、そういうの流行ってるの? 陽和くんっぽい話だね。そっか、陽和くんが確か、シール持ってた気がする……。その時の夢?」 頑なに、夢だと前提して考察する那月に、陽和は顔をしかめる。なんだよ、俺っぽい話って。 「夢じゃないって言ってるだろ。那月の手首にも同じの貼ってあるだろ?」 思わず、小さな手を指先でつかめば、那月が悲鳴をあげる。 「ヒィッ! 痛いッ、は、離して、手首折れちゃう」 「あ、ごめん」 慌てて指先から離せば、那月が驚いた顔をしたまま、陽和を見つめた後、そっと、手首の大きなシールに目をやる。 「……ゆ、……夢なんだよね? こんなの……。私、変な夢、見てるんだよね?」 怯えに近い声を出して、そう尋ねられ、陽和は言葉に迷う。 本当のことを話して怒られはすれど、怯えられるとは思っていなかった。 どうしよう。那月の高校のあんな奴に取られたくない一心で、つい行ったとはいえ、これはむしろ、自分の分を悪くするだけなのではないだろうか。 自分の人生の半分以上の時間ほど、ずっと好きだった相手を怖がらせたくない。 けれど、それだけの時間をかけてまで好きな相手を、たかだが一年ほどしか那月を知らない奴に取られたくないという黒い気持ちが交差する。 どちらを取るべきか。 あんな奴に渡してたまるか、という気持ちが勝るに決まっていた。 「――そうだよ。これは夢だよ、那月」 「痛かったのは、どうして?」 「さあ。寝ながら、どこかぶつけたんじゃないの」 「ほんとに……? 私の身体が変になったわけじゃなくて?」 「なってないよ。だって、これ、夢だろ」 幼子に言い聞かせるように、陽和がゆっくり言えば、那月は少し大人しくなる。しかし、すぐにまた不安そうな顔をして、自身の手首に貼られた大きな赤いシールを見つめる。 「や、やっぱり、これ、剥がす」 かりかり、と貼られたシールの端を、那月の小さな指先が持ち上げる。 「あっ、那月まって」 剥がしてどうなるかが、まだ分からず、陽和が思わず止めようとするも、那月は、シールの端を少しだけ剥がしかける。その刹那。 「ひぅッ?!」 那月が、びくりと身体を震わせて、ベッドへと身体をうつ伏せに倒す。 身体を小刻みに震わせながら、小さな手がシーツを掴む。そして、ほんの少しだけ、那月の身体が、ぐぐぐ、と大きくなる。 「やッ、やぁあッ、なに、なにこれぇッ」 数センチほどの変化で、那月自身は、気付いていないようだったが、サイズ変化に伴う特殊な身体の反応に戸惑っているようだった。 那月が苦しげに息をしながら、数センチ大きくなった身体を揺らして息をする。 その様子から、陽和は目を離せずにいた。 赤のシールを剥がせば、元のサイズに戻るのか。 使い終わったら、台紙に戻せと、お化けが言っていた。 なら、青色は何の意味があるんだ? 自身の変化を理解しきれず、那月が、手首のシールを不思議そうに見つめる。シールが貼られた手の甲を、陽和が大きな指先でそっと押しつける。 「あんまり触らない方がいいよ」 「陽和くん……?」 陽和のベッドに横たわったままの那月が、陽和を見つめる。 「反対の手、貸して。――元の大きさに戻すのに必要なんだ」 少し陽和を見た後、那月が素直に、何も貼られていない手を、陽和の方へと向ける。 大きな手のひらに、那月の小さな手が乗る。ぺり、と青いシールを台紙から剥がした後に、那月の小さな手首にためらいなく貼り付けた。 途端に、那月はビクンッと身体を再び震わせる。 「はぁッ……ん……ッ、……あ、れ……ッ? 私……」 同じように荒い呼吸で、けれど、先ほどとは明らかに、那月のまとう雰囲気が異なっていた。 那月自身も困惑しているようだったが、もじもじと、身体をくねらせて、内股をすりよせている。 身体が疼き、情欲を催しているのが、陽和からも見て取れた。 また、その姿が扇情的であったことも確かだった。 青色のシールで、強制的に上げられた欲情に耐えきれないのか、那月がもどかしげに、制服の上から、もぞもぞと、胸や脚を、自身の小さな手で、ゆるゆると愛撫している。 密かに息を呑みながら、陽和は、そっと、ベッドに近づき、小さな那月を覗き込む。 「どうしたの、那月。なんだか苦しそうだね」 「え……っ、あ、えっと……、な、なんでもないの」 「ほんとに?」 「ほ、本当だよ!」 慌てて言うも、那月は、泣きそうな顔をして、頬を赤く染めている。 こんな風になるんだ、と遠くで思いながら、陽和は鼓動を上げながら、大きな指先を、那月へと伸ばす。 ぷに、と小さな手の上から、柔らかな胸を指先で押さえる。 「ひゃぁあんッ!」 ビクゥンッと、大きく那月が跳ねて、声を上げ、陽和は言い聞かせるような声で、那月に尋ねる。 「じゃあ、なんでそんなエロいことしてるの?」 「ぁ……ッ、ち、ちが……ッ、し、してないっ、そんなのしてないよぉッ!」 今にも泣きだしそうな顔をしながら、那月が懸命に否定する。その様子に、陽和が目を細めて、口辺を上げる。 いつまでも自分を子ども扱いする、年上の那月が、今は自分よりずっと小さく非力で。 そして、今、自分にだけ、こんな姿を晒していることが堪らなかった。 「ふーん? 違うんだ?」 指の腹で、胸の弾力をゆっくりと味わう。押すごとに、那月は小さく声を上げて、身体を震わせる。 「ひぅ……ッ、はぁ……ッ、ぁ……!」 最初は、小さな手で胸を押さえていた那月も、気付けば、その手を退けて、陽和の指を受け入れている。 荒い呼吸をしながら、熱に溶けそうな顔を浮かべて、じっと、陽和を見つめている。 見たことのない表情の那月に、熱が上がっていく。 小さな那月の身体に触れる指を増やし、那月の全身の柔らかさを試すように愛撫する。 手のひら全体で、那月の全身を包み込む。 弾力のある肌にくぎ付けになる一方で、力加減を間違えれば、簡単に壊してしまいそうな状況に、酷く興奮している自分に気付く。 今、ここで、強く手を握るだけで、那月はただでは済まない。裁断は完全にこちらに委ねられている。 追いつきたくてたまらなかった意中の人間が、文字通り、手中に収まっているのだ。 陽和の歪んだ欲に、那月は気付くことなく、心地よさそうに目を細めて、陽和の手に、身体を寄せる。 「気持ちいいの? 那月ちゃん」 幼い頃に呼んでいたように呼べば、那月がとろんとした瞳を開けて、甘い声で答える。 「うん……」 素直にうなずく那月を褒めるかのように、手のひらで覆うように那月の全身を撫でる。小指が両脚の間に入りこむも、那月が自ら両脚で挟み込み、ゆるゆると腰を動かす。 女の人って、エロい気分になると、こんな風になるのか。 那月の動きに合わせて、陽和は指を、ゆるゆると動かす。 「はぁ……ん……ッ」 されるがままの那月を、両手で持ち上げる。 「那月……」 手中で悶える那月を見つめ、そっと顔を近づけ、小さな顔に唇を重ねた。 「んひゃぁッ」 大きな唇の感触に、那月が小さく声を上げる。 キスと呼ぶには、サイズ比からして、那月の顔を濡らしてしまう程の差が生まれてしまっているが、唇越しに初めて感じる那月の柔らかさに眩暈がしそうな程だった。 唇を離し、手の中の那月を見れば、陽和の大きな指に小さな手を添えて、こちらを驚いて見つめている。 小さな顔についた唾液を、陽和の親指でそっと拭う。 火照った頬と、乱れた髪が、親指に引っ張られ、小さく歪む。 「……可愛い、那月」 「……ッ!! な、何してるの陽和くん」 顔を真っ赤にして、ふいに我に返った那月が、小さく叫ぶ。 手の中で小さく叫ばれたところで、今の陽和には、もはや何も心が痛まなかった。むしろ欲をかき立てるほどだ。 「何ってキス」 「だ、だめだよ、こんなのしちゃ」 「なんで? 気持ちいいんだろ、那月」 「ち、違うの、さっきのは違うのっ」 顔を真っ赤にして、懸命に那月が、首を横に振る。 「き……ッ、キスとかそういうのは、好きな人とじゃないと、しちゃだめだよ」 目を逸らして、頬を染めながら、那月がそう言う。 その言葉に、陽和の心は、再び沈んでいく。 俺がずっと好きなのは、那月なのに。那月にとっての《好きな人》は俺じゃないのか。 両手の力を強めそうになるのを堪えながら、言葉を探していると、那月が、自身の小さな手首を見つめる。 「青のシール、貼ってから少し経つけど、私、そろそろ元に戻れるかなあ? もう剥がしてもいい? 陽和くん」 「……――目が覚めたら、剥がれてると思うよ」 「目が、覚めたら?」 「言っただろ。これは那月の見てる夢なんだ。那月が満足するまで目が覚めないんだよ」 気付けば、つらつらとそんなウソを並べていた。 陽和の手の中で、半ば信じられないような顔をしながら、那月が不安げに口を開く。 「満足、って……?」 「気が済むまで、エロいことする、ってこと」 「なッ……、何それ、なんでそんな。絶対、私、そんな夢、見ないもんっ」 「でも、こんなの夢じゃないと、在り得ないだろ?」 慌てて否定する那月に、陽和は両手の力を少し強める。 ぎゅ、と指先で圧し上げるように、那月の胸を触れば、那月が小さく身体を震わせる。 「ひゃッ……、い、痛い、苦しいよ、陽和くん」 「苦しいままじゃ夢、終わらないよ。那月」 咎めるような目を那月に向けて、言い放てば、困惑するような顔をされる。 指先の力を緩めて、全ての指で柔らかな身体をなぞるように動かす。 すぐに再び熱を上げる那月が、身体をくねらせながら、高い声を上げる。 「ぁ……ッ、だめ、指うごかさないで、陽和くん……ッ」 「なんで? 元に戻りたくないの? ずっとそんな小さいままでいいの?」 「や、やだ!」 「気持ちよくなりたくて、こんな夢、見てるんだろ?」 「そんな、私……ひゃぁんッ……」 ぷにぷに、と陽和の指に撫でられ、那月は威勢を無くしていく。 熱を帯びて、目を細めながら、那月はうわ言のようにつぶやく。 「これは、ゆ、め……。夢……、夢……」 現実として受け止める許容値を超えているのか、与えられる快楽に対する現実逃避なのか。 那月は、自分に言い聞かせるように、夢だと言いながら、 次第に抵抗をなくし、陽和にされるがまま、那月は身をゆだねる。 ぺらり、と那月の制服のスカートを、親指でまくり上げる。 フリルとリボンのついた下着があらわになり、陽和が凝視すれば、那月が恥ずかしそうに脚をすり寄せる。 その両脚の間に、指をねじ込み、指の腹で下から下着を撫でつける。 「ふぁあッ……ゃあぁッ」 陽和の手の中で、那月が震える。 指に柔らかな感触と潤いを感じ、陽和はごくり、と息を呑む。 もっと見たい。もっと触れたい。 「那月……、服、脱いで」 「え……ッ、ぁ……」 「いいだろ? 夢なんだし」 少しためらいを見せる那月に言い聞かせる。そっと、大きなベッドの上に那月を座らせれば、那月は、とろんとした瞳をしたまま、こくん、とうなずく。 ばざり、と制服の上着を脱いだ後、首元のリボンをしゅるりと解いて、ブラウスのボタンをぷちぷちと外していく。 柔らかな肌を引き立てる黒色のキャミソールを、両手をクロスさせて脱げば、下着と同じようにフリルとリボンのついたブラジャーに包まれた胸があらわになる。 制服越しに感じていたのとは、桁違いの光景だった。 スカートのファスナーを下ろし、座ったままの脚の下をくぐらせるのに、那月が苦労していたので、陽和が指先でつまみ上げて脱がせば、恥ずかしげな顔をしながら、上目遣いをされる。 その目を見つめながら、陽和が、那月の小さな足から、ハイソックスを指先でするすると脱がす。 離した指先から、小さな靴下が、那月の脱いだ服の山に落ちていく。 那月の小さな肩にかかる、ブラジャーのヒモを、指の腹で、くい、と少しだけ浮かしながら、陽和がそっと口を開く。 「……全部、見せて。那月」 「ッ……、ぅん……」 小さくうなずいて、那月が、背中のホックに両手を伸ばし、ぷちりと外す。支えを無くした柔らかな胸が、少し揺れて姿を現す。 思わず、指先を伸ばして、その胸に触れれば、布越しとは段違いの柔らかさを返される。 「ぁあぁんッ」 刺激の強さは那月も同じようで、ひときわ大きな声で、反応を返す。 指に圧され、しりもちをつくような格好になりながらも、那月は、けなげにショーツへと手を伸ばし、するすると脱ぐ。 もじもじと、両脚を合わせ、胸元に手を当てながら、那月が陽和を見つめる。 「ぬ……、脱いだよ……。陽和くん……」 不安そうな声をあげるも、瞳に少しの期待が混じっているのが、見て取れて。 陽和は、那月の小さな肩を指で押し、大きなベッドへと押し倒す。 「ぅわッ」 那月が小さな声を上げるのもかまわず、両の指先で那月を押さえつけながら、陽和は、那月の裸体へと唇を寄せる。 「んひゃぁぅうッ」 胸全体を、唇で触れられ、那月が大きく声を上げる。 那月の反応が、陽和に拍車をかけ、胸を揉むように、口先を動かす。 こんなに小さな身体でも、柔らかな弾力を返し、くらくらする。 そっと、舌を出して、胸の先端をなぞれば、那月が小さく跳ねて、身体を陽和の顔に押し付けるかのように動く。 「ひゃぁああぁんッ!」 ちゅく、ちゅくと、舌が那月の小さな裸体の上をなぞる。 舌で、胸の形を変えるかのように、下から上へと動かせば、那月が、小刻みに震えながら、身体を反らす。 「あぁッ……ハァッ、ぁあぁあんッ! ゃああぁッ、ふゃああッ!」 甘い甲高い声を上げながら、那月が、小さな手を、陽和の顔に添える。 小さい身体ながら、抱き着いてくることに、陽和は目を細める。 舌を、胸から腹部へと、ゆるゆると動かせば、那月は、泣きそうな顔をしながら、嬌声を上げる。 「ぁあぁ……ッ、きもちいいよぉ……ッ」 那月が、両脚を震わせながら、大きく開いていく。 とろとろと、液をこぼし、ひくひくと震える那月の蜜壺に、恐る恐る、舌をのばす。 「ひゃぐぅううッ!!」 艶やかな身体を、大きく跳ねさせ、那月が壊れたように声を上げる。 これまでの緩やかな快楽と異なる反応に、陽和は、ドキドキしながら、再び、舌で、ひくつく那月の割れ目をなぞる。 「ふきゃぁああッ! ぁあぁあぅうッ、ふひゃぁあああんッ」 舌で動かせば動かす程、那月が、喘ぎ大きな反応を返す。 徐々に、余裕をなくしていく声に比例して、陽和の欲も上がっていく。 両脚を指で開き、押さえつけ、舌の動きに加えて、唇を寄せて、小さな襞と突起に吸い付く。 「ひぃあぁあああああんッ!! ひゃめぇええええッ! ぁあぁああぁあああッ!!」 泣き叫ぶような声をあげながら、那月が、小刻みに、がくがくと震えだす。 ぐちゅぐちゅと、唾液と愛液が混ざる音を響かせながら、空いた指先で、那月の胸を撫でまわす。 柔らかな弾力の中に、小さく存在を主張する先端が押しつぶされるように、形を変える。 「あぁあぁあああッ、ひゃめぇえッ、よしかずくッ……! ふひゃぁあッ、わらひッ、こわえちゃうッ! ぁああぁあッ、らめぇえ、らめえぇえッ、たしゅけてぇえッ、あぁああああッ、イクぅううううううううううッ!!」 がくがくがく、と那月が震えながら、大きく叫び、ピンッと身体を強張らせる。 やがて、クタッと全身の力を抜いて、ベッドへと身体を預ける。 はぁはぁ、と荒い呼吸をしたまま、とろんとした瞳は焦点が合っていない。 快楽の絶頂を遂げたらしい、那月の様子に、陽和がそっと、唇を離すと、余韻に浸るかのように、液が糸を引いている。 大人しくなった那月とは対称に、陽和の熱は上がるばかりだった。 そっと、指先を、潤いで満たされた那月の蜜壺へと伸ばす。 じゅぶじゅぶ、と陽和の大きな指をも、受け入れんばかりに、愛液が指に絡みつく。 新たな刺激に、那月は、再び、声を上げだす。 「ひゃぁあッ、よ、陽和くんっ、ま、待って、私、いま、その、イったばかりで、ひゃあぁあんッ」 「やだ。那月、まだ戻れてないだろ。満足してないってことじゃん」 適当に理由をつけて、指の動きを増していく。 小さな入口を見つけ、指の腹で、くりくりと動かすと、那月は身を反らして声を上げるが、入口は侵入できる程の大きさにはならない。 指を小指に変えて、同様に入口を探るように動かせば、つるり、と爪先が飲み込まれる。 「ぁあぁああッ、らめぇ、中、らめぇええ」 那月が必死で叫び、身をよじらせるのを、もう片方の手で押さえつけ、陽和は、少しずつ、小指の出し入れを繰り返していく。小指を締め付けるかのようにきつく吸い付く膣が、少しずつ解れ、指の侵入を許していく。 空いた指で、秘芽を撫でれば、那月が嬌声を上げながら、身体の力を抜いていく。 小さな突起を撫でつける指と呼応して、中に挿れた小指を動かし、中と外で挟みこむようにぐりぐりと動かす。 「んひぃぁあああんッ! 待っ、あぁああぁあんッ、おかひくなるッ、そこ、らめぇえ! あぁひぃいいッ」 ビクビクッと那月が小さく身体を跳ねさせる。 涙を浮かべた目は、虚ろで、刺激に耐えることで必死のようだった。 「ひゃぁうぅうッ、またイクぅッ、あぁあぁひゃぁあッ、イクゥ、イクゥ!! あぁぁああぐぅぅううッ! ふきゃぁあああああああああッ!!」 きゅるり、と、那月の膣が、陽和の指を吸い付く。 那月が、カクン、と力なく身体をベッドに落とす。 絶頂の余韻から、まだ心が戻って来ていないようだったが、陽和はかまわず、ズボンを下ろし、膨れ上がった自身を取り出す。 陽和の大きなベッドの上で、裸体を無防備に晒したまま、焦点の合わない目をした那月の上に、ドクドクとうなる陰茎を乗せる。 唸る熱源の下に、那月の小さな肌のぬくもりを感じて、より密着させるように、ベッドに片膝を乗り上げ、隙間を埋める。 自身を擦り付けるように、強く押し当てて、那月の上で上下に動かす。 柔らかな弾力と暖かい人肌に、欲が増していく。 度重なる快楽で、もはや意識が混濁している那月の表情や息遣い。 このまま続ければ、自分は、那月を壊してしまうのではと、少し恐怖を感じるも、全てを委ねられた支配欲が入り混じり、律動の速度が増していく。 「ぁ……ッ、ぅうんッ……、はぁん……」 「ハァッ……、ハァッ、ハッ……」 陽和の荒い呼吸と、那月の微かな呼吸が混ざり、やがて余裕をなくしていく。 「那月ッ、那月……ッ!」 ずっと手に入れたかった彼女が、手中に収まるサイズでなすがままなのが、堪らなかった。 性欲に混ざって、自分の中で、これまでと異なる酷い欲が目覚め、深まっていくのを感じながら、陽和は自身の陰茎と那月を手で囲い込み、擦り付けていく。 「ハァッ、ぁッ、那月……! 那月ッ! ハァッ、あぁッ、ぅあッ、あぁあ……ッ! あぁあああぁあああぁッ」 ドクン、と波打ち、手中が那月と共に、白で満たされていく。 「ぁ……ぅ……っ」 未だ、意識が正常に戻らない那月が、どろどろの白い液に全身を汚しながら、小さくうめき声をあげた。 * すぅすぅ、と、陽和の大きなベッドの上で、小さく寝息を立てる人形サイズの那月を、じっと見つめる。 欲望赴くまま、那月で酷い自慰行為を終えた後、陽和はハッと我に返るも、那月は、再び、熟睡状態に陥ってしまっていた。 那月が小さい身体のままなのを幸いに、汚れは濡れタオルで、そっとふき取ったものの、髪は寝ぐせと、情事の後で、乱れている。 ただでさえ未知の世界に近い、女性用の制服を、ミニチュアサイズの那月に、なんとか着せ終えて、今に至るのだが、やはり、那月は眠りから覚めない。 「……シール剥がせってことなのかな」 顔をしかめながら、陽和は、那月の両手首に貼られた、赤と青の丸いシールを見つめる。 剥がせば、大きさは元に戻るのだろうけど、戻ったとして、どうやって言い訳しよう。 最初に縮めた時の場所で元に戻す方が、ごまかしは効くだろうけれど、往来で元に戻すのも気が引ける。 しかし、このままにするわけにもいかない。 陽和は、意を決して、まずは青いシールを剥がす。 ぺらり、と簡単に剥がれたそれを、お化けに言われた通り、そっとシール台紙へと戻す。 そして、更に、赤いシールへと手を伸ばし、慎重に、少しずつ、剥がした。 「う~ん……、んんん……ッ」 那月が寝言と共に、身体を少し丸めたかと思うと、すぐに、ぐぐぐぐ、と身体が大きくなっていく。 ベッドの中に埋もれてしまいそうな程、小さかった彼女が、あっという間に、陽和の一人用ベッドでは、少し狭そうな程に成長を遂げた。 制服姿の無防備な彼女が、陽和のベッドで眠っていて、それはそれで、かなり刺激の強い光景ではあったが、何かをしでかす前に、すぐに那月が、うっすらと目を開けた。 「あれ……? 私……」 「な……、那月、大丈夫?」 ぼんやりとした目をしたまま、那月がゆっくりと上半身を起こし、ベッドに座り込む。寝ぼけた瞳が、床に座った陽和を捕らえ、少しずつ、瞳に光が戻っていく。 「あれ? 陽和くん……? あれ、あれ? 私、なんでこんなところにいるの……?」 不思議そうに、きょろきょろと周囲を見渡す。 夢だと言い聞かせた出来事は、覚えていないのだろうか。 陽和は、どこまで話したらいいのか、悩みながら、口を開く。 「えっと……、那月、大丈夫? 外で那月に会ってから、その、那月、具合悪そうにしてたから、とりあえず俺んちで休んでたんだけど、……覚えて、ない?」 内心、罪悪感と嘘がバレないかの両方で、ドキドキしていたが、那月は、口元に手をあて、記憶を探ることに必死のようだった。 「……あんまり覚えてない、かも。帰り道に、陽和くんに会ったのは憶えてるんだけど……。私、倒れちゃってたの? ごめんね、運ぶの大変だったよね」 「い、いや、そんなの全然だけど!」 より罪悪感が増すような反応をされて、陽和は慌てて、否定する。 バレたら、絶対、怒られるし、それだけでは済まされない対価を払うことになるだろうと、容易に予想はつくものの、全く覚えていないのも、それはそれで残念な気がする。 ちらり、と今はもう、自分より大きくなってしまった那月の身体を、見つめる。 特殊な状態とはいえ、那月の身体を陽和が支配し、陽和により淫らに悦んでいたことを、少しくらいなら、覚えていてくれたって良かったのに。 陽和の心の内を、全く知らない那月は、なんとなしに、手首を見つめながら、ぐるぐると手の甲を動かす。 そして、「痛ッ」と小さく声を上げる。 「どうしたの? 大丈夫?」 「あ、ううん。なんか、ちょっと知らない間に痛めちゃったみたい。なんか重たいものでも持ったかなあ」 言われて、ハッとする。小さい那月の手を、無理やり、押さえつけた時の後遺症にちがいなかった。 「見せて」 慌てて、立ち上がり、那月の手首に触れる。 「大丈夫だよ、すぐ治……ひゃぁあんッ?!」 笑って答える那月が、ふいにスイッチが入ったかのように、ベッドに座ったまま、身体をビクリと震わせる。 「え……?」 「あ……ッ、え、えっと、……ご、ごめんね、急に。……ど、どうしたんだろ。なんか……、ちょっと、くすぐったかったのかな……?」 那月自身、困惑しながら、頬を赤らめ、熱を帯びていくような様子を向ける。 記憶は消えても、身体が覚えてしまっているようだった。 陽和が、言葉に迷っていると、那月は、ぱっと手首を引っ込めて、立ち上がる。 「あの、今日はごめんね。本当にありがとう。とりあえず、私、帰るね」 「あ……、うん。……あっ、家まで送ってくよ」 「いいよ、そんなの」 言いながら、那月が、カバンを手にとり、いそいそと、部屋の出口へと向かう。 目を合わせないが、耳まで真っ赤にしていて、自身の反応に混乱しているようだった。 ――期限は、そうだな。お前が那月の今の年齢に追いついた今日まで お化けに言われた言葉がふいに、脳裏を巡る。 一度だけの使用で、ここまで影響を与えるのなら、陽和が那月の年齢になる頃にはどうなるのか。 陽和の目に、期待の光が、静かに宿る。 その後、隙を見つけては使用を重ね、時には枚数を強化し、すっかり那月が、陽和なしでは、いられなくなってしまう身体になって、期限を迎える頃には。 あのお化けに会った林で、今度は、陽和がお化けに扮して、シールを渡しに行く日が来るだろう。 ――神頼みならぬ、霊頼みしに来た、悪ガキに譲るために。

【支援者先行公開 / 2021.3.26 pixivにも公開】子ども扱いする年上の幼馴染を、身体を縮めて持って帰ってみた

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