夏月のダイエット(?)記録 ― 21~22日目(77kg、3092文字)『特に父親に驚かれなかった夏月』
Added 2023-12-24 14:56:54 +0000 UTC※ナビゲーション
18~20日目(限定公開)はこちら→https://takatori-g.fanbox.cc/posts/7131837
全体公開回の一覧はこちら→https://www.pixiv.net/novel/series/9913270
※2023 12/25 7時 文章を訂正しました。
※2023 12/25 1時 文章を追記しました。今から訂正します。
以下本文
---
今日は8月13日の土曜日。
いよいよ今日の夜にお父さんが帰ってくる。
でも……結局昨日だって案の定食べ過ぎてしまった。
朝はパンに飽き足らず、アイスやチョコレート、それにクッキーも食べてしまい……
昼も当然凄い量……というよりまずは昼に至るまでにその辺にあるポテチやらを食べまくっている訳だけど。
晩ご飯の前にも当然何かつまんでるし……
そして夜食までも欠かさない……
というか……ホント食べてばっかりだね。
『目標、48kg!』
私は壁に貼ってある意気込みをまた見返していた。
わずか3週間前には、そう思ってたんだ。
でも今は……昨日の夜に測った時点では77kg。
いよいよお姉ちゃんと比べても太ってるかも……ってレベルになっている。
何が40kg台だよ……もう80kg台目前じゃん……
お腹の出っ張りも日に日に主張が強くなり、胸の大きさで誤魔化せるのもいつまでやら……
てか本当に誤魔化せてるのかな?
いや、というかまだまだ体重が増えていく前提になってるのが自分でも恐ろしい。
体重増加なんて止まらないし止めれない……っていう意識が当たり前になっている。
どうしてこうなったんだろう……
俯いてみると、今や"巨大"と言っても過言じゃない胸がしっかりと張り出している。
そしてTシャツの生地を押し上げてしっかりと自己主張をしていた。
……まだまだ大丈夫かな。
そうだよね、私はそこまで太ってない……
『(ぐぅぅぅ……)』
しかも、まだ午前9時30分だというのにお腹が順調に空いてきている。
……もうちょっとだけ食べてもいいよね?
「も、目標……48kg……」
だけど、壁に貼ってあるあのキラキラした文言にどうしても目線が行ってしまう。
そう……私は諦めちゃいけない。
いけないんだ。
頑張ってダイエットして、そして元の体型に戻る……
私はそうやって頑張ろうとしてきたはず!
だからこれぐらいで諦めてどうするの!
……
(あー、お腹いっぱい食べるの最高だなぁ~)
ダメだった。
お昼までは我慢したけど、牛丼屋さんに足を運んだのが間違いだった。
正直もうお腹が空き過ぎて頭が回らなくなって、勉強すら手に付かない状態で……
そんな訳で牛丼屋さんに行くこと自体が更なる肥満の道だと気づかなかった。
結局その場の気分で5人前はあるギガ牛丼をついつい頼んでしまい……
しかも追加で大盛カレー(なぜか牛丼のお店なのにカレーも美味しい)まで頼んでしまった。
私はたらふく食べてしかもこの量を完食し、そしてお腹を擦っている。
このお腹もどんどん膨れていく……
いずれ100kgとか、そんなとんでもない次元まで太っちゃうんだろうか。
怖くなってくるけど、でも食べる楽しみには勝てないんだよね……
(ダイエット……まだ夏休みもそれなりにあるし……)
それにまだ夏休みだって残ってる。
明日から学校という訳でもない。
つまり……取り返せるチャンスはまだあるという事だと思う。
本気になったら、せめて60kg台には戻るはず……
それはそうとして、また今度このお店に行こうっと。
……
家に帰ってからも私はダイエットとは無縁の生活スタイル。
食べて、食べて、ゴロゴロして、食べる……
宿題はほぼ終わり、勉強もある程度はやった。
一応私だって真面目な部分はある。
だけどダイエットの方はさっぱりまともにできない。
こんな風にベッドの上でゴロゴロして、そして際限なくお菓子を食べてるから……
何だか自分を太らせているような感覚さえしてきた。
(私って、自分からどんどん豚になろうとしてるよね……)
そう思うと、今手にしているポテチが何だか餌のように見えてくる。
ちょっとだけ悲しく思えてくるけど、でも食欲には勝てない。
いいんだよ、わたしはデブでも。
だってお姉ちゃんも同じぐらいデブだから……
……
時計は既に午後7時を指していた。
この時間にお父さんがいよいよ帰ってくる。
「はぁ……なんて思われるかな……」
自室にいる私は改めて鏡を見ている。
お姉ちゃんよりもタプタプになりつつある二重顎……
立派な段々腹に変化してしまい、大分せり出すようになったお腹……
かなりぶっとくなった脚に、ムッチムチすぎるお尻……
大きく膨らんで目立つようになった胸……
どこを見ても明確に、前お父さんと会った時よりも太い。
鏡で確認するまでもなく、脂肪が全身に付きまくっている。
なんなら手のひらを見るだけでも指が太くなった感じがするんだよね……
そんな風に思いながら私は帰りを待っていた。
「夏月!帰ってきたよ!」
「は、はーい!!」
大きな声でお姉ちゃんが呼んでくれた。
私は急いで玄関まで向か……
「はぁ、はぁ、あれ……?」
急いで動こうとしてるけど……大分胸が揺れるし、なんだか身体が重い感覚……
いや実際に重くなってるんだけど。
ちょっと早く動くのも億劫な身体になっちゃったってことかな……
……とにかく私は玄関まで急いだ。
「お帰りなさい!」
「おかえりなさい……」
お姉ちゃんの方が大分元気に言っている。
そりゃそうだよ。だって私はこんなにデブった姿を見られる訳だからね……
「おう、2人とも元気だった?」
「元気だよ!」
「……」
「どうしたんだ、夏月?」
「え、えっと……」
私は言葉に詰まった。
たしかに元気よく食べまくってるけど、このままじゃダメだとか色々思って悩んでるし……
そもそもここまで急に太ったことに自分でも引いてるから……
ダイエットしてるはずなのに……いやどこがダイエットしてるのって感じだけど。
……それにしても、開口一番に『太ったなぁ』とか言うと思ったんだけど。
お父さん、もしかして本当に私がデブったことを気にしてないの?
ここまで急にブクブク太ってたら流石に気になるよね?
「わ、私……ほら。太っちゃって……」
「……太ることぐらいあるだろう。
気にしなくてもいいんじゃないか?」
「えっ……?」
お父さんから言われた言葉は意外だった。
「別にいいじゃないか、多少太ってもさ」
「ええ!?でも多少とかいうレベルじゃないんだけど……」
「夏月は気にし過ぎなんだ」
「えぇ……」
そしてお父さんはたくさんの荷物と共に自分の部屋に行ってしまった。
「ね、夏月~
気にしなくても良かったんだよ」
「……はぁ」
お父さんってなんだか不思議な人だなぁ。
娘が激太りしててもあまり気にしないんだ……
「……でもお母さんはどうなんだろう」
「一緒の反応じゃないかな?明日帰ってくるけどさ」
「どうかな……」
今日はお父さんが帰ってくるけど、明日にはお母さんも帰ってくる。
しばらくの間2人に会えてなかったけど、やっと少しの間だけ再開できる……
まあすぐに戻るからまたしばらくはお姉ちゃんと2人になっちゃうけど。
「だってお母さんもお父さんと一緒で太ってるじゃん!」
「……そうだね」
この家の人は太らなくちゃいけないかのように、お母さんも当然のように太っている。
今日のお父さんの反応からも察することができるけど、まあ似たような軽い感じなんだろう。
とすると……
「もしかして、私ってそこまで自分で気にしてるほど太ってない?」
「多分ね~」
自分では既に大分肥満体型というか、デブになっちゃったと思ったんだけど……
どうやらまだ大丈夫らしい。
本当にそうなのかな……って思うけど。
(続く)