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100kg越えの女子とスタイルが良い女子の食欲が入れ替わる話 全文(全体公開4037文字+限定公開11606文字、英里47kg→最終108kg、佐和香108kg→最終66kg)


"私はずっとずっとデブだった。

小学校の頃も、中学校、そして女子高生になった今も……

止まらない食欲のせいでどんどん体重は増え続け今や108kg。


入るサイズの制服さえなく、市販の特大サイズのブラウスやスカートを着ている状態。

体育の時間は凄く憂鬱だし……登下校で歩いてるだけでも息が荒くなってしまう。

そして休み時間や昼休みにはバクバクと食べまくり、周りの女子や男子からはドン引きされ……

家に帰っても私はポテチを貪り、コーラやサイダーでお腹を満たしている始末。


見た目などとっくの昔から気にしていない。

お腹いっぱい美味しいものを食べる……それが私の幸せだった。


だけど、だけど……

やっぱり『標準体型』というものになってみたい。

人生で太っていなかった時期が全くない……

そして今も食欲が無限に湧き続ける私にとって、そんなことは夢物語でしかなかった。


しかし、ある時東案下駅のすぐ傍に知らないお店ができていて……

『肥満でお困りの方 ご相談ください!』と書いてあったんだよね。

私は気になってお店の中に入り、そして店員さんからこんな事を告げられた。

「知り合いで痩せている人、あまり食べない人はいませんか?

最新の機械を使ってその人とあなたの食欲を交換することができるんです。

いかがですか?料金は効果が十分現れてからお支払いください」


つまり、私をここまで太らせた原因である食欲を……

クラスメートの誰かに押し付けることができる。

そしてあとは食欲が激減することによって自然と苦労せずに痩せれる……らしい。


私は当然二つ返事で快諾し、そして食欲を入れ替える対象として英里(えいり)を指定することにした。

あの子はスタイルも良いしあんまり食べないから。

別に恨みとか何もないけど……ごめんね。

まあ……あの子なら爆増する食欲にも何とか対処できるんじゃない?


こういう訳で、私は食欲を入れ替える対象となる英里をこのお店まで連れてくることになった。

表向きは単なる薬局みたいだし、店員さんも口裏を合わせてくれるらしい。

しかも、処置を終わらせた後は処置中やその前後の記憶を曖昧にするんだとか。

だから英里はもし食欲を抑えきれずに太るとしても、自分自身が原因だって思う訳。ごめんね。


……ふふふ、これで私もやっと痩せられる……!"





---




「ねぇ英里ー、最近駅前の薬局でダイエットとかスタイルを良くするのに効くサプリとか売ってるらしいよー。

行ってみない?」

「そうなの……興味は無くも無いかな」


昼休み、私は友達の佐和香(さわか)と話してるんだけど……

まさかこの子からダイエットに使えるサプリの話を聞くとは思わなかった。

だって108kgの超肥満体型だからね?

中学時代から知ってるけど、その頃からずっと太りっぱなしで痩せる気なんてさらさらないという感じ。

まあ見た目も凄いことになっている。


折角顔のパーツ自体は良いのに、ほっぺや顎にお肉がたっぷり付いて情けない感じになってる顔……

そしてでっぷりしたお腹がボンッと張り出し、凄い存在感……

スカート下から出る太ももは極太で両脚に隙間も無く、ぼよぼよと歩く度に駄肉が震えている。

お尻も無駄にデカくて学校の椅子からしっかりはみ出てるし……

まあ昔からデブだからか胸はめっちゃデカくて凄いんだけど、ここまで太ってたらバストサイズなんてどうでも良くない?


どうやら入るサイズの制服が無くて市販品でそれっぽくしてるみたいだし、下着だってサイズが合って無いんだよね。

水着姿が恥ずかしすぎて泳ぎたくないとか言ってるし……本当は着れるサイズの水着が無いだけだと思うけど。

ひたすら食べに食べまくり、欲望のままに自堕落な食生活を送ってるから100kgを超えるんだよ。

まあそんなことをこの子に言っても怒るだけだろうし無駄だと思うから言ってこなかったけど。


だからこそ、自分からダイエットなんていう言葉を口にするとは夢にも思わなかった。

一体どういう風の吹き回しなんだろう……?

そんなことはどうでもいいか。


「折角だし行こうよー?」

「……一回だけね」

特に断る様な理由も無いし、折角だから付いて行くことにした。

実際本当に興味がない訳でもない。

出来れば今よりも更にスタイルを磨きたいという気持ちはあるし……

それに……体型なんてまるで気にしなかった佐和香がそこまで気になるというサプリが知りたい。



……


こんな感じで、私は佐和香に連れられて駅前の薬局に来た。

普段はあまり用事が無い場所だけど……ここにそんな凄い物が売ってるの?


「いらっしゃいませー。

奥の方へどうぞー」

店員の人はどうやら私たちが来ることを知っていたらしく、すぐに売り場の奥にある部屋まで通された。

一体何があるんだろう?



……通された部屋には、何やら謎の大きな機械(?)が置いてあって、機械の前に椅子が3つ用意されていた。

「何なのこれ?」

「これはですね、最先端の装置でして。

食欲を直接コントロールすることによってスタイルを変化させることができるんです」

「あれ、サプリとかじゃないんだ……」

「従来はそうした回りくどい方法を使うことが主流でしたが、

今はこういう機械を使って手早くコントロールするんです。

薬局と言っても我々は色んな技術を持ち合わせていますので」


なるほど……通りで佐和香が興味を持ったわけだね……

単なる今までのサプリとかじゃなくて、もっと楽に痩せれる方法があるんだ……

だったらちゃんと言ってほしかったけどね。

私が警戒するって思ったのかな?

まあいきなり最先端の機械で楽に痩せれるとか聞いたら怖くなるけど。


「へぇ……今ってこんなのがあるんですね」

「そうなんです。

機械で食欲などをコントロールするのでダイエットで悩むこともありません。

一度やってみませんか?」

「だったらやってみようかな……?」


元々私は痩せやすい体質という訳でもない。

むしろ食べるのは好きな方で、正直お腹いっぱい食べまくる佐和香が羨ましいと思ってしまうこともある。

だから努力して体型を維持してる訳なんだけど……


でも機械でコントロールしてもらったら。

自分で頑張らなくても自然と体重が維持できる。

この100kg越えの佐和香でさえ簡単に痩せれるんだったとしたら。

私ならずっとずっとこのスタイルを保てると思う。


「今回は特別にタダで実施させていただきます。

効果は半年間持続しますので」

「分かりました。じゃあお願いします」

「では開始いたしますので、しばらくその姿勢を維持してください」


そう言って、店員の人が私の腕に何かを巻いた。

多分これでコントロールするんだと思う。


……向こうを見ると佐和香も同じように腕に何かが巻かれている。

きっとあの子もコントロールされるんだろう。



「……はい!

これにて終了となります。お疲れさまでした」

「ありがとうございます」


数分で処置は終わり、私たちは薄暗いこの部屋から出た。

これで私はますます美しくなれる、と思う……

佐和香の方もちょっとは痩せるかな?



……


夜、佐和香からメッセージが来た。

『私これから痩せようかな!』


『まあ頑張って』

私はそう返事した。


何だか急にダイエットにやる気が出てきたらしい。

良い心がけだと思うけど……

3日で諦めなかったら良いけどね。



---



佐和香が痩せるとか言い出して2週間が経った。

私は特に何事もなく過ごしてる……はずだったんだけど。


「あ、あれ……?」

下着だけで姿見の前に来てみたら……

鏡に映る私の姿が……いつもと違う。


普段見ている姿と言えば、どこを切り取っても様になる美しいスタイル……


無駄な脂肪が無くきゅっと括れたウエストに、小さくも丸みのあるお尻……

みんなに見せても恥ずかしくない細い脚、そして腕……

Dカップの適度なサイズ感の胸…… 身体のどこを見ても良い感じだった。

顔も目がぱっちりとしてて、かわいい方だという自信はそこそこある。

それが私のはずだった。


だけど今は違う。


ウエストは括れがかなり緩やかになっていて……そしておへそ周りには駄肉がハッキリと付いていた。

『(プニッ……)』

うぅ……認めたくはないけど、しっかり手で脂肪を摘まむ、いや掴むことができてしまう。

こんなに弛んだお腹じゃなかったのに……!


そしてお尻も既に小さいとはいえずむしろ大きいと言われてしまいそうなレベル……

何より太ももにはそれなりにお肉が付いてしまっている。

触ってみるとタプタプとした脂肪が手のひらに……

胸は今まで着けてたDカップのブラが随分窮屈そうで、背中は段差さえ出来てしまっている。

顔もかわいさ自体は変わらないけど、ほっぺがちょっと丸い……!


私……めっちゃ太ってる!?

いやいや嘘でしょ!?

こんなに太った事なんて一度も無いし、第一なんで太ったのをほったらかしにしてたの!?


……体重計に乗ってみると……確か前まで47kgだったのに58kgまで増えている。

ここまで急な激増に自分でもびっくりしてしまった。


「どうしようどうしよう……!」

太ったことが今までまともになかっただけに……訳が分からない。

でも食事の量も変わってないはず……はず……?


あれ、でもおかしい……

昨日は確か特盛牛丼とか食べまくってて……

今までこんなに食べてなかった気が……!


『(ぐうううぅぅぅぅぅ……!)』


だけど、考えてるうちに猛烈な空腹感が私を襲ってきた。

ダメだ……もう何か食べなきゃ……!

頭が『食べたい』一色になってしまう。


食べたい、食べたいよぉ……!

取りあえず前買ったポテチを食べないと……!



『(バクバク……むしゃむしゃ……)』

急いで服を着た私はすぐさまポテチの袋を開けて、そしてがむしゃらに食べまくった。

我を忘れた私は飢えた肉食獣のよう。まあ今食べてるのはポテチだけど。

食べたいという感情を抑えられない……

今までこんなこと無かったのに……!


しかも考えてみたら最近異常なほどに食べてしまっている。

こんなに太るのもしょうがない程に……

だけど私はまるで今の食欲が普通かのように振る舞ってしまっていた。

そして今日鏡を見るまでは激太りしたことさえ気づかずに……


何かがおかしい。

今までしっかり体型を維持できていた私がここまで太るのは異常だと思う。


でも……きっかけが思い出せないんだよね。

2週間前から太り始めた気がするけど、その日は特別変なことも無かった……はず……?

はずだよね……?

確か佐和香と一緒にサプリを見に行ったような気がするけど……

あんまり覚えてない。

……きっと特に印象に残らなかったということかな?



(はぁ……まさか私がこんなことになるなんて……)

一応は食欲が落ち着いてきて、冷静さを少しは取り戻せた気がする。


……今まで私は太らなかった。

だからちょっと調子に乗っていたのかなぁ……

でもそこまで急に食欲のブレーキが利かなくなることってある?


みんな言ってないだけで急に食欲が増えちゃう時期があるのかも。

私は食べるのが好きな割には今まで上手く抑えてたつもりだった。

だけどそのタガが何かの原因で外れた……とか……?


理由は分からないとはいえ、明日からは食べ過ぎには気をつけないと……

ここまで自分に食欲があるとは思ってなかったから……



---



翌日、私はいつも通り東案下商業高校に登校したんだけど……

一つ気になることがある。

それは……


(あの子、いつの間にか全然食べなくなった気がする……)

佐和香の様子が何だかおかしい。

いつもなら馬鹿みたいに食べまくってるのに……

今日のお昼はサンドイッチ一つだけ。

そして休み時間にお菓子を食べることも一切ない。


もしやダイエットでもしてるのかな?

前からは気になってたけど、気まぐれかと思って敢えて話題には出してなかった。

だけど2週間も続けてるんだよね……あの子にしてはかなり上手く行っている。


「ねぇ佐和香?

最近ダイエットしてるの?」

「うん!流石に痩せなきゃな―って思って」

「偉いね……」

「私も英里みたいに細くなりたいからさ」

「そう……えへへ……」


いや、今はもう全然細い部類じゃないけど。

確かに最近体育の着替えでは佐和香と隣になることは無い気がするし……

私が太ったことを知らないんだね。


……ということは、まだ私は自分で思ってる程みんなから太ったと気付かれてない?

いや10kg以上も増えたのに?


元々スタイルが良い印象があったからかなぁ……

だったら、まだそのイメージが崩れてない内にしっかりと痩せて元通りにならなくちゃ。

私はそう決心した。


……あの子でも食欲を抑えられるんだから、私なら余裕のはず!

今はちょっと暴走気味だけどすぐに収まると思う。

だから……少し気をつけたら痩せれるはず……

はず……



……


『(ぐぅぅぅうぅぅぅ……!!)』


帰り道……東案下駅に向かう最短ルート上には飲食店が沢山立ち並んでいる。

そして良い匂いが通りに立ち込め、看板には美味しそうな写真がいっぱい……!


今までは美味しそうだなぁとは内心思っても涼しい顔をして通り過ぎていた。

だけど……今は我慢できない……!


結局……私はお店の一つに入ることにした。

入った所は唐揚げのお店だった……というかお腹が空き過ぎて店名さえ確認してなかったよ……


「唐揚げギガ盛定食で!」

「あいよ!」


そして私は大型の唐揚げ10個に丼サイズのご飯が付いた馬鹿デカい定食を頼んでしまった。

ああ、何やってんの自分……!



「お待ちどうさま!ギガ盛定食です!」

そして置かれた唐揚げたち……揚げたてで美味しそう……!


「いただきまーす!」

私はこのきつね色のジューシーな物体にたれを付けて、そして勢いよくかぶりつく。


「美味しい……!」

肉汁が口の中でじゅわっと溢れだす……

もっと食べたい……!もっと食べたい……!



……


(はぁ……何やってんだろ私……)

家に帰ってから、唐揚げ屋さんに寄り道したことを後悔していた。

だってあんなに食べたら太る……というか運動部でもない女子高生がこんなに食べちゃダメだって。


以前ならこんなことなんてしなかった……いや考えることさえなかったのに。

全く訳が分からない。

まるで自分が別人に突然変身してしまったみたいで……

怖くなってしまう。



(そういや、別人と言えば……)

佐和香……まるで中身が入れ替わってしまったかのように全然食べなくなった。

私の食欲が丁度暴走しだすタイミングで。


……ま、まああっちは100kg越えの巨デブだし。

私は太っちゃったとはいえまだ50kg台だからデブじゃない……と思うし。

逆転する事なんてないよ。

ないよね……?



---



更に2週間が経った。

6月末になり、暑さも段々厳しくなってくるし……そして雨の日も多い。

しかも今日から水泳の授業……!


……普段ならむしろ嬉しいんだけど……


(うぅ……!きっつぅ……!)

久しぶりに着た水着が……キツ過ぎる……!


お尻は凄く食い込んでるし……かなりはみ出てる……

そしてお腹の辺りは生地が今にも破けそう……!

胸に至っては全然収まりきってないし!


何とか身体を強引に水着に押し込んだという感じで、まともな恰好じゃない。

こんな状態で泳いだら多分一瞬で生地が破けるんじゃないかな……?


(うわぁ……本当に私なの……?)

お腹を撫でてみると、ぽっこりとせり出したおへそ周りのふくらみがよく分かる。

ちょっと前もお肉が摘まめたけど……こんなんじゃなかった。

今じゃぶよっとした段が出来上がってる……


「そろそろプールに行こう?英里?」

「あっ!うん!」

誰かと思ったら佐和香だった……


この子は相変わらず太って……

あれ?


(もっと巨デブじゃなかったっけ?)

私の記憶では、見る者を圧倒する超デブという感じだった。

だけど……何だかそこまでではない気がする。

当然まだまだデブだし、巨デブの域だとは思うけど……

1周りは細くなった?気がする。


まあ誤差の範囲かなぁ……?どうだろう。

……人の事を気にしてる場合じゃないんだけど。



……


「はぁ、はぁ……」

何とか水泳の授業を乗り切った後、更衣室に戻った私は制服に着替えてるんだけど……


スカートのホックが……全然閉まらない。

……家でもダメだったから当然学校でも無理に決まっている。

だけど、不可能とは分かっていてもチャレンジしたくなるんだよね……


「ふんっ……えいっ……」

強引に引っ張ってもダメなものはダメ。


「あれ、英里?」

「うわっ、佐和香!?」

……しかもこのみっともない様子を見られてた……!


「もしかして、結構太っちゃった?」

「……見たら分かるでしょ?」

「まあそんな事もあるよねー

大丈夫だよ!私の方がもっともっと太ってるし」

「……ありがとう」

「じゃあ先に教室戻っとくね!」


……確かにあの子の言う通り、まだまだ向こうの方が体重は多い。

なんだけど……このまま行けば逆転するんじゃ……?


恐ろしいことを考えつつ、私は朝も使った安全ピンでスカートを穿いた。



……


『(バリッ……ボリッ……)』


家に帰ってからも私は日課のようにポテチを摘まんでいる。

ちなみに……今日も帰り際にはラーメン屋さんに寄ってきた。


(うぅ……こんな事してるから太るんだよ……)

頭では分かってるんだけど……全然食欲が止まらない。

異常なまでにお腹が空くし……何かストレスでもあるのかなぁと思ったけど、別に……

勉強だってそこそこ順調だし、みんなとも仲良くやってるつもりだし……


(……体型でも確認してちゃんと自制しなきゃ)

流石に焦って来た私は、一旦食べかけのポテチの袋を机に置いて姿見まで向かった。



(……何でこんなデブに?)

下着姿を見て、すぐにそう感じた。


……だってどう見てもデブじゃん。


ウエストは括れがもう完全に分かんなくなった。

だけど段々腹は服を着てても分かっちゃうレベル。

弛んだ贅肉の段々がショーツの縁にぶよんと乗っかってる……

『(もにゅん……)』

うへぇ……凄い量のお肉……

そして触るとかなり柔らかく、マシュマロみたいで……

両手で掴まないと手のひらから溢れてしまう……


お尻はかなりサイズを増して100cmを超えてしまった……

ショーツも一応大きなものに買い替えたんだけど……

それからも太ったからキツくて食い込んじゃうんだよね……

しかも太ももは更にお肉が増え、歩くだけでタプタプ贅肉が波打ってしまう程に。

ここまでムッチリと太くなったら……もうスカートから出すのが恥ずかしいよぉ……


そして女の子として気にはなっている胸のサイズだけど……こちらは順調にデカくなっている。

Dのブラはどう頑張っても着けられなくなり、ちょっと前にFカップのブラに買い替えた。

だけどこちらもショーツと同じく体重増加の勢いが強くて、もうキツくなってきてる……

大きいのはいいけど、流石にここまで育つと走る時にゆさゆさ揺れて重たいんだよ……

身体がこんなにムッチムチになってしまうと当然顔も相応にお肉が付いてしまう。

結果、顎は無残にも二重へと姿を変え……頬はかなりふっくらしてしまった。

まだかわいいんだけど……いやかわいいと思うけど……でもこんなに丸顔になるとは……



自分でも信じられない程に増量を果たしてしまっている。

女子高生としてはもう十分にデブの領域……

制服だってギチギチになってるし、私服はデニムパンツやらスカートやら色んな服が着れなくなってる……

本来ならそろそろへそ出しの服を着てウエスト美を見せつけたいのに。

今はへそ出しなど罰ゲームでしかない。



(どうしたら……どうしたら良いの……!?)


私は鏡の前でお腹のお肉を揉みながら、途方に暮れていた……



---



翌日の朝。

私はランニングのために体操服に着替えていた。


今日は土曜日だし、特に予定もない。

だから精いっぱい運動することにした。

そして……異常なまでに増えた食欲を何とか抑えることに……


だってこれ以上太ったら制服が完全に入らなくなってしまうから。

流石に買い替えたくはない……

私の中で、制服を新調するというのは絶対避けたい事だった。

私服や下着は買い替える羽目になったけど、制服だけは譲れない……

高いというのもあるけど、『負けた』感じがするから。


……つい最近まで括れや小尻を見せつけてたとは思えない状況だなぁ。

こんなムッチムチなだらしない体型になるなんて……


実際体操服だってパツパツで、生地が伸びて胸やお腹の輪郭がしっかりと浮き出てしまっている。

お尻や太ももを辛うじて包み込んでいるハーフパンツもギリギリ穿けてるという感じだし……

水着もいつ破けてもおかしくない状態で……


(私って、本当にデブだよね……)

こんなに食べて、そしてこんなに太るなんて……

自分でも驚くしかなかった。


でも何もしなければ太るばかり。

頑張って今日から、何とかこれ以上太らないように努力しないと……!

そして毎日体重を測って頑張らなきゃ!



……


『(ぐぅぅうぅぅ……)』


ランニングから帰ってきた後、私はかなりの空腹感を感じていた。

だけど、これ以上太っちゃダメだから……

私は飴をなめて気分を紛らわせていた。


『(ゴクゴク……)』

そして単なる炭酸水を飲んで極力空腹感を誤魔化す感じで……

何とかして痩せようと努力している。


(頑張らなきゃ……凄いデブになっちゃう……!)

私は……佐和香のことを考えていた。

今でこそちょっと痩せてきてるらしいけど、それでもかなりのデブだと言わざるを得ない。

あんな姿に私がなってしまう……と思うと……

食べようという思いがちょっと引いてきた。


(よし、この調子だから……私……)



---



ダイエットを始めて2週間ぐらいが経ち、いよいよ夏休みまであと少しになった。

この間しっかり運動したり食事量を控えたりしている。

その減量の成果は……


「はぁ、はぁ……本当にマズいなぁ……」

かなり微妙だった。


体重は確かに激増してはいないんだけど……

でも74kgになっていて、結局3kgも増えてしまっている。

初日は必死に食欲を抑えてたんだけど……段々歯止めが効かなくなってるのを感じるんだよね。

それでも制服がはち切れたら困ると自分に言い聞かせて……必死に抑えていた。

まぁ、実際には抑えきれてないってことなんだけど……


今私は制服に着替えてる最中。

ダイエット中にもかからわず体重は増え気味だから……

もうピッチピチでブラウスもスカートも限界に達しつつあった。

胸の部分は何度も何度も引っ張っらないとボタンが閉まらないし、おへそ周りはグッと力を入れてお腹を引っ込ませて辛うじてボタンが閉まるという状態……

そしてスカートは安全ピンで無理やり穿くこともだんだん難しくなってきた……ファスナーだって上手く閉まんないし……


でも……何とか夏休みまでは制服は持ちそう……

水着だって破けたりはしてないし、下着もギリギリで持ちこたえている。

順風満帆とはとても言えないけど、私の努力はある程度は成果を上げていた。


実際……毎日身体を締め付けるような制服を着て、週に何度もサイズの合って無い水着を着る羽目になってるから……

それで危機感を何とか保てているという面はある。

だけど……夏休みに入ってしまったらどうなるんだろうとちょっと不安を感じるんだよね……

でもそんなことを考えてもしょうがない。


とりあえず学校に行こうっと。



……


(あれ……佐和香、痩せた?)

学校に着いてすぐに佐和香に会ったんだけど。

改めて見ると……明らかに以前よりも痩せた身体に変化している。


……急にこんなに痩せるのかな?

というか……ちゃんと制服を着てる!?


「……佐和香、ちゃんと制服買ったんだ」

「そう!ちょっと痩せたみたいでさー。

ついに制服もちゃんと入るようになったよ!」

ニコニコと笑う佐和香。

まだまだデブとはいえ……誰がどう見ても痩せつつあるのは明らかだった。

ただただ暑苦しい感じだった顔も、徐々に本来の可愛さが姿を現してる感じがする。


「た、体重ってどれぐらいなの……?」

「今はね、82kgだよ!」

(う、嘘……私と10kgも変わらないの……?)

かつては倍以上の体重差があったのに……

今やたったの8kg差にまで接近していた。

依然として肥満体型だし、お腹も出っ張ってるとはいえ……


だけど、よく見たらかつては圧倒的な迫力のあったお腹の主張が随分と減っている。

その割に胸は相変わらずの巨大さで、なんだかおへそ周りと同じ位には目立つようになってきた……

前までは引くぐらいデカかったお尻は少し小さくなり、どうしようもなく太かった脚もちょっとは細くなってる……


今の佐和香しか知らなかったらおデブさんとしか思わないだろうけど。

当然私は100kgを超えていた時を知ってるから驚くしかなかった。

周りの子たちも『佐和香痩せたよねー』とか『ダイエット順調じゃん!』って言ってるし……

あんなにバクバク食べるデブだったのに……どうしてここまで急に痩せたの?


「英里はどう?

ダイエットしてるって言ってたよね?」

「うぅ、でも頑張ってるし……」

「英里ならすぐに元の体型に戻るよ!

まだ私の方が太ってるし!」

「あ、ありがとう……」


6月の頃と比べると、なんだか佐和香には自信というものが感じられる。

そして気持ちにも余裕ができてきたらしい……

一方私は全然痩せなくて、どんどんと焦りばかりが募っていく……

この子に逆転されるという恐ろしい事態が現実のものになりつつあった。


(頑張って、頑張って夏休みにはちょっとでも痩せないと……!)

元々私はスタイルが良い方だったんだし、本気を出せばなんとかなるよね……?



---



それから2週間が経過し、既に夏休みに突入していた。

私は運動を続け、減量を続けて……いるはずだったんだけど……


『(バクッ……バリッ、ボリッ……)』


ポテチやクッキー、板チョコやアイスといったお菓子たち。

そして特盛のカップ焼きそば……食べ物で机の上が溢れそうになっている……

これを今から全部食べようとしてるんだよね、私……


……必死に抑えていた食欲が、あっという間に暴走してしまった。

今まで水泳の時はパツパツの水着や弛んだ身体をみんなに見られて恥ずかしかったし……

制服を着る時には『自分はデブなんだ』という自覚を嫌でも持たざるを得なかった。

周りの女子たちの体型を見ると、自分も痩せなきゃと思う意欲が高まるし……


だけど……休みに入ればその抑えもなくなってしまった。

その結果……あっという間に食習慣は以前に逆戻り……

正確に言えば反動で余計に食欲が増えてしまっていた。

しかも学校に行く必要もないからほぼ一日中食べまくれる。


だから私は……とんでもないペースで肥満の道を爆走してしまっていた。

ちなみに巨デブへの道は走り続けていても実際のランニングは全くしていない。

だって体操服のハーフパンツがお尻でつっかえて穿けなくなっちゃたし……


(こんなに食べてたらめっちゃ太ってるよね……?)

最近は鏡を見るのも意識的に避けるようになり、体型の把握もあまりしていない……

いや分かってはいるんだけど目を背けてるだけなんだよね……

でも流石に現実を見なきゃ……


私は夏休みに入って初めて……ちゃんと鏡と向き合った。

そこに映った姿は……暑苦しい巨デブとしか言いようがない。


「うわぁ……思ってたより遥かに太ってる……」

私はただ呆然とするしかなかった。

何せ凄まじい肥満体なのだから。


ウエストを見ればそれはもう立派な太鼓腹がボンッと突き出ている。

タンクトップの中にお腹は収まり切っておらず、おへそ周りがむにゅっとはみ出ていて情けない……

『(ぶにょん……)』

あ、あはは……もうお肉が増えすぎて掴み切れないや……

両手でしっかり掴んでも……おへそ周りにたっぷり付いた贅肉は手のひらに収まり切らなかった。


そしてお尻に至っては入るボトムスが全然なく、今や家ではショーツだけで過ごしている有様……

しかも過剰にムッチリと大きくなったヒップに対応できず、大量の尻肉が布地から溢れ出ている。

太ももはお互いの隙間が消えてしまい、とうとう歩くたびに内股部分が擦れてしまうように……

胸も凄く大きくなり、Fカップのブラはホックが壊れてしまってて着けることができない。

別にあまり運動もしないから……と言い訳して替えのブラを全然買ってないんだよね……

おかげで動くたびにゆっさゆっさと頻繁に揺れまくってしまう。

顔のお肉も相応に増えてしまい、真ん丸で汗だくの顔は……自分じゃないみたい。

顎だってすごくタプタプしてるし……


着れる服もほとんど無く、今着てるタンクトップもいつ破れるかと恐怖してしまう。

ボトムスなんてどれも碌に着れないし、ウエストがゴムで出来てるタイプのスカートが辛うじて穿けるだけ。

それもキツくてしょうがないから家だと脱いじゃってる有様……


まだまだ夏休みは続くのに……こんな自堕落な食生活を続けていればどうなるか……

ただただ恐怖でしかない。

制服、体操服、それに水着……どれも絶対入らないと思う。

だから今からでもダイエットしなきゃいけないのに……

どうしてこんなに食欲が止まらないの……?

意味わかんないよ……!


今までこんなに食べまくることなんて無かった。

それどころかしっかり食欲を抑えてたのに……

確かに食べるのは好きだけど、やっぱり異常すぎるよね?



……と悩んでいたら、佐和香からメッセージが来た。

『ダイエット順調?』

『私74kgになってた!』

『一緒にがんばろう!』

へぇ、あの子そんなに痩せてたんだ。

元々100kgを超えてたから、既に30kgも減ってるってことだよね……


……私って、今何kgあるんだろう。



恐る恐る体重計に……たぷたぷの贅肉が纏わりついた脚を乗せた。


「……8、89kgですって!?」


……嘘だよね?

もう私の方が10kg以上重いって言うの!?

あり得ない……こんなこと……!


「痩せなきゃ痩せなきゃ!

どうしよう!」

ついに逆転されてしまった……

それどころか結構な大差が既に付いてるし……


佐和香より太ってるなんて……こんなの異常事態だよ!

よし、今日からお菓子も止めて……痩せるようにしなきゃ……!



---



ダイエットをもう一度決意して2週間が経った。

8月も中盤に差し掛かり、夏休みも段々と残りが少なくなりつつある。

つまり……痩せるタイムリミットもどんどん近づいてるということ。


なのに私は……全然痩せていなかった。

私は今自室に居るんだけど……目の前にはスナック菓子がたくさん並んでいる。

それだけじゃない。メロンパンやチョコのたっぷりかかったドーナツ、すごく甘いバームクーヘンなどなど……

様々な食べ物でいっぱいになっていた。

そして当然、ジュースもたっぷりと用意している。


ダイエットは……その日だけは何とか食欲を無理やり抑え込んだ。

でも結局さらに『食べたい』という気持ちを加速させてしまっただけ。

その結果……もう私はとことん太ってしまっている。


(ちゃんと体重計に乗らなくちゃ……)


私はシュークリームを口の中に放り込んで、食べながら体重計の前までやって来た。

そして、ジュースをゴクゴクと飲んでから脚を乗せて行く。


「……えっと……中々見えない……」

俯いても見えるのは巨大すぎる胸だけ。

……あっ、確か一旦降りても数字は表示されたままだよね。この体重計は。


降りて表示を読んでみると……108kgだった。

108kgといえば……

佐和香の……かつての体重。

今や私があの頃の佐和香と同じような体型になってしまっている。


こんなに太ったら服なんて買い替えなきゃまともに入る訳が無い。

2週間前は何とか着れていたウエストがゴムのスカートやタンクトップも破けてしまい、もうどうしようもない状態。

ショーツもはち切れてしまい、まさに着れるものが一つもないというとんでもないことに……

流石にマズいから下着、そしてデカいスカートとキャミソールをネットで買って着てるんだけど……

今の自分が100kgを超えてるという自覚があまりないのか、比較的『小さめ』のサイズを選んでしまっていた。

そのせいでギリギリ限界の状態に再び陥っている……



ドスドスと鈍い足音を立てながら、私はまた姿見の前にやってきた。

正直怖くてしょうがない……でも見ないと……そう思ったから。


映った姿は……かつての佐和香を想起させる、超肥満体だった。


お腹はあまりに出っ張り過ぎてるし、もう贅肉を両手で掴んでも全く掴み切れない。

狸の置物のでっぷりしたお腹を連想させる……というよりそれ以上だよね。

ちょっと前までは括れもしっかりあったんだよ……

なのにここまでお肉だらけになるなんて……最悪……

折角買ったキャミソールも育ちまくったお腹には勝てず、捲れ上がって半分以上お腹が見えている。


その下のお尻は……どこまでもデカく膨れてて、自室の椅子から盛大にはみ出てしまう。

買い替えたショーツも既にキツすぎて食い込みが激しい……

しかもスカートも無駄に短いせいでお尻に耐えきれず、すぐにショーツが顔を出してしまう状態に……

おまけに見栄を張ってゴムのウエストじゃないものを選んだせいでホックもファスナーも全然閉まってない。

当たり前だけど太ももは恐ろしい太さになり、お肉がぶよぶよたぷんたぷんと揺れまくっている。


胸も凄まじく育ったからGカップのブラに買い替えたんだけど……こちらもあまりにキツくてもう着けてない。

大きさ自体はもうこれでもかと大きく膨らみ、正に大きなスイカそのものに。

でも自重が重すぎるせいで形は崩れてしまってて綺麗とは言い難い見た目なんだよね……

そもそもこんなにデブなんだからバストがデカくても全然自慢にならないし。

顔は……折角のぱっちりした目がふっくらし過ぎたほっぺに押されて少し細くなってる……

しかも顎肉が多すぎて首がもう見えないし、かわいい造形なのがほぼ無意味な感じ……



こんな感じで、もう手の施しようの無い百貫デブになってしまった。

食生活を変えられないどころか食べる量が増え続けてる気がするし……

このままでは夏休み明けには150kg、そして冬には200kg……と増量を重ねてしまうと思う。

流石にそれは無い……と思いたいけど、そうなる予感しかない。


でもダイエットは何度も失敗していて、しかも今更時間もないという……

私はこんな感じだけど、佐和香の方はというと……

『ダイエット頑張ってるよ!』

『今こんな感じだけどどうかな?』

メッセージと共に送られてくる写真は、もうかつてとは別人といっていい。

今では66kgまで減ってるし……

確かにまだまだ太ってるけど、胸が凄く大きいおかげかあまりデブってる感じには見えない。

顔だってどんどんかわいさを増してる感じで……


こっちとはまるで対照的、正反対だった。

私は、私は一体どうしたらいいの……!


『(ぐぅぅぅうぅぅぅ……)』

考え事をしていたらお腹が鳴ってしまった。

ああ、とりあえずそこにあるチョコでも食べよう……

常に何か食べなきゃ気が済まないよ……



……


私は気分転換のために外に出ていた。

東案下駅周辺の美味しいお店を探すというのが主な目的だけど……

でも歩くだけでも運動になるかな……という思いもある。


「はぁ、はぁ……あ、あつい……」

私は家から持って来たジュースを飲み、そしてポテチを食べながら歩いている。

もう服はびしょ濡れで、汗が身体全体を湿らせていた。

歩くのに合わせてでっかい胸がドプンドプンと激しく上下し、お腹やお尻のお肉も震え続けている。

そして両脚はお互いに擦れまくってるし、何より単純に身体が重すぎてかなり歩きにくい……


早く涼しい所に入って、そして食べまくりたいよ……

そう思いながら歩いていたら、ふと変な看板を見つけた。

『肥満でお困りの方 ご相談ください!』と書いてある。


あれ、何のお店だろう……

と思って近寄ってみたら……佐和香と行った気がする……薬局だった。

でもこんな見た目だったっけ?

まあいいや、もしかしたら痩せるサプリとかシロップとか売ってるかも。



店に入った私は、早速肥満ですごく困ってるということを言ってみた。


「なるほど……良い案があります。

知り合いの方で痩せている人やあまり食べない人がいると思いますが……

最新の機械を使って食欲を押し付けてしまうことができるんです」

「食欲を押し付けられる!?」


そんなことできるんだ……!

でも、何故か初めて聞いたような感じがしない。

どうしてだろう?


「そして食欲を交換したあと、その処置中の記憶を曖昧にします。

なので後でトラブルになる可能性も低いかと思われますが……

いかがでしょうか?

今なら贅肉を通常の5倍のペースで消費できる体質になるドリンクもご提供します。

高校生料金で格安にしますので、ご検討ください」


こんなの……やってもらうしかないよね。

お金は多少掛かってもいいから……今すぐ痩せないと!


「……是非お願いします!」

「かしこまりました。では、食欲を入れ替える対象を上手く説得して当店まで連れてきてください。

よろしくお願いします。こちらも口裏を合わせますので」


ふっふっふ……

これで私もやっと痩せられる……!


誰を連れてこようかな……!

えっと、痩せてて運動もできる……あの子にしよう!



(END)


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