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100kg越えになる夢が正夢になる女子高生の話(前編、5325文字、67.5kg)

この小説は、pixivで公開している『100kg越えのデブになる夢を見た女子高生の話』の続きとなっています。

そちらを先にご覧ください。


※2023 9/11 0時 文章の一部を訂正しました。


以下本文

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私は昨日、悪夢……というより奇妙な夢を見た。

起きたらいきなり100kgはありそうな巨デブになってるし、そして服は引っ張ったら伸びる……

しかも駅のホームに突如出来た食べ放題のかつ丼屋さんで恐ろしい量を食べて、そしてスカートが破けて……


訳が分からなかった。

まあ夢だから意味なんて考えても仕方がないといえばそうだけど。

どうせ所詮夢なんだから。


(……やっぱり別に変わりないよね)

今制服に着替えるために一旦下着だけになってるけど、昨日と変わりなく標準体型のまま。

体重計に脚を乗せると、49.9kgと辛うじて40kg台だったし。

……服着てないとか、食べてない状態で測ってるとか、そんなの気にしちゃいけない。


今日、5月12日も何事もない日常を送ることになる……よね?



……


放課後までは特に取り立てて何か変な出来事は無かった。

だけど、今漫画研究部の部室で私は奈緒(なお)から謎のものを見せられている。


「これ、才華(さいか)が昨日喋ってた夢の内容をネームにした奴。

夢じゃなくて現実に起こったことにしたけど」

当然この部活には漫画を描ける子がいる。

私は全然描けないけどね。見てるだけの人。


「あ、いきなり100kgになるのはちょっと唐突だから過程も足したよ」

「えー……」

奈緒から見せられたネームを眺めていると、私が東案下駅の改札前に出来たばかりのドーナツ屋さんで買いまくるシーンがあった。

そしてハンバーガー屋さんやらにも通うようになってどんどんデブ化し、ダイエットも失敗……

最終的に100kgのデブになってからは夢で見た内容が始まるといった感じだ。


「何でこんなものを……」

私はかなり困惑している。

自分の夢を漫画化するだけでなく、太る様子まで勝手に想像されて描かれてしまったから。

一体なぜ?


「いやだってさぁ、今漫画を描くネタに困ってたんだよねー。

才華が丁度いい題材を持ってきてくれて助かったよ」

「ま、まーこの部に貢献できたんだったら良かった……かな……」

題材に困っていた友達を助けることになったんだからいいか。

どうせ単なる創作だし……



……


私は学校を出て、東案下駅まで来た。

(あれ……ドーナツ屋さんなんてあったっけ?)

しかし見慣れないお店ができている。

移転オープンと書いてあるけど……

まるで漫画に描かれてる内容みたい……


(いやいや何考えてるの私、奈緒がオープンの事知ってただけでしょ?)

普通に考えたらこのお店が移転してたことを分かっててネームに描いただけ。

絶対そうとしか思えない。


(……気になる)

でも、このお店知らないんだよね。

何売ってるか気になるからちょっと入ってみよう。


中に入ると甘い香りが漂ってるし、たくさんのドーナツがひしめきあっている。

しかも他にもカステラやプリンといった他のお菓子も売ってて……

『(ぐぅぅぅ……)』


私はたちまちお腹が減ってしまった。

買わなきゃ……



「ありがとうございましたー!」

(はぁ……いっぱい買っちゃったなぁ……)

私は紙袋を持ってお店から出てきた。

左手で抱えている袋の中にはたくさんのドーナツが入っている。


『(ぐぅぅうぅぅ……!)』

ほのかに発している香りが食欲を刺激してきて、もう耐えれない。

(ちょっとだけ食べていいよね?)

私は一つ袋から取り出し、そして口に運ぶ。


(あっ、美味しい……)

チョコがたっぷり掛かってて、とても甘い。

この甘味をもっと味わいたいという気分になる。


改札を通った私は、駅のホームにあるベンチに座って電車が来るまでバクバク食べ続けた。



……


(あれれ、もうすっからかん……)

流石に電車の中では我慢してたけど、電車から降りてからも私は食べながら家まで歩いてて……

その結果、帰ってくるまでに紙袋の中身は空になってしまった。

私ってこんなに食欲旺盛だっけ?


でも夜ごはん、ちゃんと食べれるかな……



……その心配は杞憂だった。

あんなに『間食』を摂ったのに全然問題なくお腹の中に収まっている。

何かがおかしい。


(こんな日もあるかな……?)

偶にはいっぱい食べちゃうこともあると思うし、気にしなくてもいいか。

それより山ほど出された宿題をさっさと片付けなきゃ……



---



2週間ぐらい経った5月25日、私は部室にやって来ていた。

「本当にこれを漫画にするんだ……」

先に来ていた奈緒は持ち込んだタブレットで例のネームを元に漫画を描いている。

まさか本当に描くとは思わなかった。


「そりゃそうでしょー。

ところで才華さぁ、ちょっと太ったよね?」

「えっ?」

「顔とか丸くなってるし、身体にもお肉が付いてるよ?」

「そ、そう?」


急に太ったとか言われてびっくりしてしまった。

特にそんな自覚は無いんだけど……

「気をつけなさいよ?

漫画みたいになっちゃうかもね?」

「そんなことにはならないから!」

ちょっと太る位はあるかもしれないけど……

まさか100kg越えの巨デブになんてなる訳が無い。


「……そういや続き見る?」

「見せて」

奈緒から見せられた漫画には、ドーナツにハマった後は『モーニングバーガー』にもハマる様子が描かれている。

ネームにこんなシーンあったっけ?あー、あった気がするなぁ。

何これ……どんだけ食べてるの……


「食べ過ぎだよこの子」

「この姿は明日の才華かもね」

「そんな訳ないでしょ!?」

私は声を大にして、そう言った。



……


(でも、マズいかも……)

家に帰った私は制服を脱いで体型を確かめている。

……確かに太ってるのは否定できない。


顔は以前よりも丸みを帯びていて、顎もちょっとお肉が増えている。

二の腕を見ればプニっとしたお肉が摘まめ、脚を見れば何となく太さを増していた。

考えてみれば胸はDカップのブラがキツくてホックが留めにくくなってるし……

お尻もお肉が増えてショーツがキツくなってきたかも……

そしてお腹は括れがあまり見えなくなり、寸胴みたいになってしまった。

おへそ周りを触るとムニっとした贅肉が容易に摘まめてしまう。


最近はスカートもアジャスターを広げてゆったり目で穿いてるし、私服もタイトなものは避ける傾向がある。

だけど私はあまり気にしてなかったみたい……


「えっ、こんなに太ってるの!?」

体重計に脚を乗せたら57.5kgという数字が表示されてしまった。

50kg台に乗ってしまったどころかそろそろ60kg台まで見えている……


だけど太った理由は明確だった。

何せあのドーナツ屋さんにすっかりハマってしまい、毎日のように買っているから。

しかも帰り道に食べる分と、帰ってから食べる分まで買ってる始末。

こんなんじゃ太るのは当たり前だ。


(ちゃんとこれからは気をつけて、ダイエットもしなきゃ……)

食べ過ぎてた気もするけど、ここまで太るとは思わなかった……

明日からしっかりダイエットしよう。



---



翌日、私はいつも通りの時間に起きて、そしていつもと同じ時間の電車に乗っている。

だけど……

『(ぐぅぅ)』

朝ご飯を食べたはずなのにもうお腹が鳴っている。

今まではバターを塗ったトースト1枚でも十分だったのに……

これじゃ足りないというの?



東案下駅に到着した私は、改札を出て学校に向かおうと……

(こんなお店あったっけ?)

いつも通ってるドーナツ屋さんのすぐ近くに、また見知らぬお店が出来ている。

しかも朝限定の『モーニングバーガー』というものが売られていた。


近寄って確認してみると、どうやら目玉焼きとベーコンを追加で挟んだハンバーガーらしい。

そしてセットでコーラも付けてくれるという。


『(ぐぅぅぅぅ……)』

見てるだけでお腹が更に空いてくる。

私はもう我慢できなくなった。



(美味しい~♪)

左手に袋を抱え、そして右手にはバーガーを持っている。

そんな状態で私は通学路を歩いていた。

最近歩きながら食べるのに慣れてしまってて、特に違和感はない。

小腹も満たせて丁度良かったかも……

でも当分は控えなきゃなぁ。



---



更に2週間ぐらいが経過した。

今日は6月9日だ。

私はいつも通りの時間に起きて、そしていつも通り着替えてる最中なんだけど……


「き、キッツいなぁ……」


最近制服がキツくてしょうがない。

ブラウスも胸の辺りが窮屈で生地が張ってるし、お腹もボタンが閉めにくくなってて……

スカートはもうサイズが合わなくなってしまっている。

何度引っ張ってもホックは留まらず、ファスナーも半分は開いたままになってしまう。

一応悪あがきはしてみるけど、2分経ったら諦めて安全ピンで強引に穿いている。

数日前からこんな感じになってしまった。


(私、すごく太ってる……?)

そうは思うけど、現実を見るのが怖い。

とにかく今はさっさと着替えて学校に向かわなきゃ……



……


放課後、私は部室に行った。

「才華~、大分お肉が増えちゃったね~」

先に居た奈緒は、私を見るや否やニヤニヤと笑っていた。


「な、何笑ってんの……」

「いやぁ、だってさー、スカートのホック留まってないとかかなり太ってるよね?

しかもお腹のお肉がスカートの縁に乗ってるし。

ブラウスもパツパツになってんじゃん」

「うぅ、それはそうだけど……」

全部正しいから私は反論できなかった。


「面白いなぁ。漫画の通りになってる」

「い、いやそうはならないよ!

これからは食べ過ぎには気をつけるし、しっかりダイエットするんだから!」

私は拳を握り締め、やる気に満ちた発言をした。

だけど奈緒は笑っている。


「あはは、本当にできるとは思わないね~。

制服、そろそろ買い替えた方がいいんじゃない?」

「そんな……!

そんな恥ずかしい事する訳ないって!」

「じゃあ頑張って痩せなさい」

「痩せるから!」


……私は威勢よくそう言ったけど、でも漫画の通りになってしまっているのは事実だった。

まるで私の行動を予告してるかのような……


「……また漫画を読ませてもらっていい?」

「別にいいよ」

奈緒から受け取ったタブレットを見ると、次は制服を買い換えた『私』がダイエットに挑むけど全然続かない様子が描かれている。

そして『運動したから大丈夫』と言って馬鹿みたいに食べるのを正当化して、余計に食欲が増しているって感じで続く……

あれ、どんどん内容というかページ数が増えてる気がする……


(……これは私じゃない、私じゃないから)



……


家に帰った私は、現実を直視するために下着だけで姿見を眺めることにした。


(……もうデブの領域かも?)


太ったなぁと思った2週間前と比べても明らかに贅肉の量が増えている。

もう太り気味というより太り過ぎのレベルだ。


顔は丸みが更に増し、ほっぺが随分と膨れてしまった。

そして顎はお肉が増えて二重顎になっちゃってる……

二の腕は贅肉がプルっと揺れるのを感じる程になり、ふくらはぎもパンパンに……

そして太ももはかなり太くなってしまい、履いている二―ハイソックスがキツイのか赤い跡が出来てる……

お尻もプルンとしたお肉が大分付いていて、ショーツがパツンパツンでお肉がはみ出てしまう。

ムッチリと太くなった下半身は、見方によっては随分といやらしい雰囲気も漂っている……


それは胸も同じで、太ったせいでGカップまで膨らんだ立派なバストが突き出す程になっていた。

谷間もくっきりできた胸は、妙ないやらしさを纏っている……

だけどその下のお腹はだらしない段々腹で、見事に弛んでしまっていた。

ショーツの上にだるんと乗っかったおへそ周りの贅肉を見ると、胸がデカくなった嬉しさも半減してしまう……

もにゅんとした腹肉がたくさん掴めてしまうし、折角胸が大きくてもお腹がこれじゃ情けない……


制服はとてもキツくてスカートはこれ以上太ったら穿けなくなる。

私服も下着も大きなサイズに替えてはいるけど、太るペースが異様で追い付いていない。


(流石に太り過ぎだよね……)

女子高生としてはかなりデブな部類になってるし、こんなに太ったことにびっくりしている。

……でも毎日ハンバーガーを食べながら登校し、下校時にはドーナツを食べてるんだからこうなるのもしょうがない。

何だか食事量自体も増えてきてるし、食欲がどんどん止まらなくなっている。


(うわっ、これはマズいなぁ……)

恐る恐る体重計に乗ってみると、67.5kgという数字が表示された。

あともうちょっとで70kgの大台だ。

見た目だけでなく数字の上でも『肥満』になりつつある。


……まるで漫画みたいになってしまってるよね。

そしていずれあの夢が、正夢になってしまう……


いや、そんなのダメだから!

ちゃんとダイエットして、元の姿に戻ってみせる!


私はそう意気込んで、開けかけたポテチの袋を仕舞い込んだ。



(続く)


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