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変な食堂に入って、贅肉をたくさん付けてしまった女子高生の話(公開部分&限定公開部分)



私は学校帰り、いつも通り東案下駅まで向かっていた。

そして何も考えずに駅に入ろうと思っていたんだけど……


入り口付近に『IINIKU肉厚食堂』という変なお店が出来てることに気づいた。

何だろうと思って近寄ってみると。

(今日は29の日で大変お得……?)


ここは唐揚げやチキンがメインのお店で、他にも色々なメニューがあるらしい。

ただ脂っこいものに偏ってるけど。

そして、どうやら毎月29日には特別安くなるらしい。

しかも高校生はとびきり安くなるって書いてある。


(何だか面白そうだけど……どうなんだろう)

元々今日は外で夕食を食べるつもりだったし、試しに入ってみようかな。

まだ晩ご飯と言うには早いけど……別にいいよね。


「いらっしゃいませ!」

入ってすぐに低くてずっしりした声で挨拶された。

この人が店主さんだったりするのかな。

何だか凄くガッチリして筋骨隆々な感じ……ちょっと怖いかも。


「今日は高校生限定の特別料金適用です!

さあどんどん食べて!」

圧が凄くてどうしよう……と悩んでしまう。

このまま帰りたいけど冷やかしになるから嫌だなぁ……


辺りを見回すと、まだ夕食には早いけど既に何人かお客さんの姿があった。

私以外みんな男性で、しかも体格が大きい。

太鼓腹がドンと突き出したおじさん、逆に筋肉でガッチリしたマッチョなお兄さん……

とにかくみんな細くはない。

そしてガツガツと巨大な唐揚げやハンバーグなどを食べている。


(やっぱり場違いだよね……)

私みたいな女子高生が来ていい場所じゃないよ。

唐揚げも食べるけど、あんなデカいのは無理。

謝ってから帰ろうかな……


「あ、あの……」

「何でしょう!」

顔が迫ってきて思わず身体が震えてしまった。

何か言わなきゃ……


「私みたいな女の子がいてもいいんでしょうか?」

「大丈夫です!!遠慮しないでどんどん食べてください!!」

「はいっ!」

声のボリュームが大きくなり、こちらも妙に元気よく返事してしまう。


折角だから……注文しようかな。

「何がお勧めですか?」

「高校生には『唐揚げ+チャーハンセット』が人気ですよ!

どうです?」

「じゃ、じゃあそれで……」

「かしこまりました!!」

「唐揚げチャーハンセットで!!」

大声でキッチンまで注文を通す店員さん。迫力がある……


取りあえず言われたメニューを頼んだけど……

高校生って、絶対運動部の男子とかだよね?

半分も食べれないかも……どうしよう……



一体どうなってしまうのかと気を揉みながら料理を待っていたら、目の前に大きなお皿が二つ並んだ。

唐揚げは周りの人が食べてるのと同様、特大サイズでしかも6個もある。

それにチャーハンは大盛というか特盛で、これだけで女の子の1日の食事量を超えてるかもしれない。

こんなの到底食べれないよ……


「こんなに……食べれないかも……」

独り言のような発言をすると、料理を持ってきた店員さんが首を横に振った。

「大丈夫です!ペロリと食べれますよ!」

「そうなんですね……」

全くそう思えないけど、私はともかく食べることにした。


まずは唐揚げを口にする。

(あっ、肉汁?みたいなのがジューシーかも……)

大きさは凄いけど味自体はそこまで濃くは無い。

胡椒とかも程よくて、衣のカリカリした感じが割と好きかも。

……でも6個あるし、チャーハンもあるから。

食べるのに2時間ぐらい掛かりそう。


次にチャーハンを食べる。

あっ、豚バラ肉が結構入ってて、卵もふわふわして結構美味しい。

ニンニクとか効いてるような濃厚な味かと思ってたけど、意外とあっさり目なのかな。

思ってたより食べれそう……



(あれ?もう結構減ってる……)

全部は到底食べれないけど、せめて少しでも残す量を減らしたい。

そんな風に思って無我夢中で食べてたら……

気づけば残り3分の1位になっていた。


しかも……私の身体は食べ物を未だに受け入れられるみたい。

満腹感が依然として来ないんだよね。

まあいいや、残りも食べよう。

この唐揚げも想像より美味しくて良かった。



(あれ……全部食べれた……?)

目の前にはすっかり空になったお皿だけが残っている。

信じられないけど、全部私が平らげたということ。

何でこんなことになったんだろう?

でもチャーハンも唐揚げも綺麗さっぱり無い訳で……


「お嬢さん、よく食べるね」

「えっ!?」

隣に座ってた男性客から急に声を掛けられた。

何だか怖いけど、一応返事はしなきゃ。

「そうですか……」

「自分の娘も高校生なんだけど、体重気にしてるのかあんまり食べなくてね……

あなたのようにしっかり食べる方がいいんだけどなぁ。

見かけに依らず凄い食べっぷりで感心するよ。

あ、急に喋りかけてごめんね」

「あはは、自分でもびっくりしてますよ……」


そのおじさんは喋った後、すぐに席を立ってお会計に向かった。

きっと思わず話しかけたくなる位の食べっぷりだったのかな。

確かに女の子がこんなペースで食べてたらびっくりするよね。

ここまで食欲があったなんて自分でも驚くよ。

普段はさっきのおじさんの娘さんみたいに体重とか気になるんだけど……


……食べ過ぎだし、そろそろ私も出ようかな。

「すみません」

「はい!」

店員さんを呼んだ。


「追加のご注文ですね!」

「いや違いますよ!」

「えっ!?」

不思議そうな顔をしてこちらを向いてくる店員さん。

何でまだ注文すると思ったの?もう十二分に食べたよ!?


「もうお腹もいっぱいで……」

(ぐぅぅぅ……)

「お腹が鳴ってますが……」

嘘でしょ!?あれだけ食べたのに私のお腹はいっぱいになっていない。

むしろ空腹感を訴えて『もっと食べ物を寄こしなさい』と言わんが如くお腹の虫が騒いでいる。

どうして?今日の私何か変だよ?


「じゃあ牛丼で……」

「大盛ですね?」

「はい……」

「牛丼大で!!」

そして何故か牛丼の大盛を注文してしまった。

さっき1日分以上食べたのに!何でこんなに食べたいって思うんだろう……



「牛丼です!!」

出てきたのは、これまた大きな丼に入った牛丼だった。

これだけでも2人前どころか3人前ぐらいはありそう。

今度こそは完食できないかも……


まずは乗っているお肉だけ食べてみる。

「肉厚」を名乗るだけあってしっかりと厚みのあるお肉が使われてて、しっかり食べ応えがある。

それに結構柔らかくて美味しい。もしかして結構良い産地の牛肉かもしれないなぁ。

味もやっぱり濃くは無くて、だしが効いてて普通に美味しい。

このお店、量とか「圧」や「厚」は凄いけど、意外と味はきめ細かいんだよね。

もっともっと少ない量なら、女性客を呼び込むことも出来ると思うけど……



(えっ……もう空になっちゃった……)

あっという間に食べてしまい、すっからかんになった丼が目の前にあった。

どう考えても異常だよね……今日の私おかしいよ……

こんなに食べたら流石にお腹いっぱい……でも無い……

空腹感を多少なりとも感じてしまう。


後、他にも変なところがあって……

何だか服がキツい気がする。

食べ過ぎてお腹が膨れてるとかかな……?

何もかもがいつもと違うよね。


「すみません!とんかつとご飯大盛で!」

「とんかつご飯大!!」

どう考えても食欲が暴走してしまってる。

おかげで更に意味不明な注文を重ねてしまう。

とんでもない事をしてしまってるような……それを言うなら最初の注文から大変なんだけどね。



(こっちもあっという間に食べちゃった……)

サクッとした衣に、お店の名に違わない肉厚の肉が特徴のとんかつ。

これも割と美味しくて、あっさりと完食してしまった。

ついでにご飯もおかわりして、とうとうお腹がいっぱいになってきた。


……今日は恐ろしい位食べちゃったなぁ。

そろそろ帰ろう……と思って私は席を立ち上がり……


(ブチッ)


何か変な音がした。

一体何が起こったんだろう……よく分からない。

すると隣の筋肉マッチョなお兄さんが近寄って来た。

「これ、落とされました?」


この人が持っていたのは、金属の……えっと……

あっ、この形はスカートのホック……

急いで確認してみると、スカートのホックが見事に外れてて、ちょっとファスナーも下がってるのが見えた。

この金属片は、紛れもなく私の落し物。


「す、すみません!」

さっと受け取ってから、私は一旦座った。

恥ずかしい……まさかホックが弾け飛んじゃうなんて……

そんなに太ってたかな、私……


気になってお腹を触ってみると、食事が詰め込まれて張っている訳でも無く……

ぷにょんとした贅肉の感触が制服越しに伝わってきた。

(嘘でしょ?こんなに太ってなんか……)

信じられなかった私はお腹のお肉を掴んだりしてみる。

でも何センチもの脂肪が手のひらの動きに合わせて柔らかく変形していた。


どう見ても太っているのは明らか。

下半身に目線を移しても、何だかスカートから出てる脚が明らかに太くなっている。

それに胸だってどう見ても大きくなってて、ブラウスが結構キツくなっていた。

顎を触ると、贅肉がしっかりと付いていて嫌でも太ったことを思い知らされる。


でも……こんなに太ってるのはおかしい。

昨日までは決して太り気味でも無かったし、体重だって49kgでギリギリ50kg台は回避してたのに。

今じゃ多分60kgは軽く超えてしまっていると思う。

こんな急に太ることなんてあるのかな……?

いくら食べ過ぎても流石に食べてすぐ贅肉になる訳でもない。

第一そんなに太るほど食べてたのかなとも思う。


……こんなことを今考えても仕方ない。

まずはお会計を済まさないと。

私は気を取り直して席を立ち、レジに向かった。


「2000円です」

「安っ!?」

「今日は29の日ですよ!高校生には特別サービスです!」

食べた量を考えたら破格の値段だと思う。

確かに大食いの男子にはいいのかもしれないけどね……

幸い財布の中には1万円札が入ってたから余裕で支払える。


「当店でのご飲食は始めてですか?」

支払いが終わった後、店員さんにそう聞かれた。

何で聞くんだろう?

「はい……」

「ここに来る方は……みんな肉厚になるんですよ」

「えっ……」


その言葉を聞いて、私はもう一度辺りを見回した。

確かに、お客さんはみんな凄く太ってるか、凄くムキムキな感じで肉厚が凄い。


……そういうことなんだね。

最初入店したときに変だと思ったけど……このお店のせいでみんな体型が変わったということ。

じゃあ私みたいな女の子だったら……分厚くて柔らかい皮下脂肪がどんどん纏わり付くって感じなのかな……

今の状態でも既に女子高生としては「肉厚」が凄いのに……次来たらもっと悲惨なことになるよ。


「またお越しください!!」

そんな声を掛けられてお店を出たけど、二度と来たくないなぁ。

味は良いんだけど、量もおかしいし……それに何故か異様に太ってる……

何もかも意味不明なお店。


私は普段よりもゆっくりしたペースで歩きながら、改札を通ってホームまで上って行った。



---



翌日。私は……

(ぐぅぅぅぅ)

空腹感に襲われて、食べたくて食べたくて仕方がない。

まだ10時なのにお昼ご飯を早く食べたい、という思いで頭がいっぱいになる。

今までそんなことほとんど無かったのに……


もしかして、あのお店の食べ物が悪影響を及ぼしてるとか……

考えたくもないけど、多分そうだと思う。


お昼休みまで持つかな……?



(美味しい~……)

学校の帰り道、私はコンビニに寄って肉まんとチキン2つ、あとおにぎりとポテチも買った。

だってお腹が空いて仕方が無いから。

今日は11時台なんて授業に集中出来ないぐらいお腹が空いてたし、お昼を食べても全然足りない。

だからお腹をちょっとでも満たすために私は間食を調達してしまった。


こんなに食べたら太るって分かってるのに、身体が求めて仕方がない。

寄ったコンビニにイートインスペースがあって良かったよ。


あっという間に食べ尽くしてから、私は東案下駅近くまで来た。

私の視界に昨日行った「IINIKU肉厚食堂」が飛び込んでくる。

(美味しかったよね……じゃなくて!もう入りたくない!)

身体には贅肉がいっぱい付いたし、食欲は制御不能になるし、本当におかしいよこのお店……

さっさと帰ろう、もう忘れたいよ!



(太ったよね……)

帰宅後、私は鏡の前に立っていた。

顔は丸くなってて顎に柔らかいお肉が付いてるし……

胸が大きくなって制服越しでも結構ふくらんでるのは嬉しいけど……

それよりお腹がしっかりと出てるし、スカートがキツいのが辛いよ。

括れの無いウエスト、だらしなく弛んで脂肪の段が出来たおへそ周り……

それにお肉が付いて大きくなったお尻もショーツが食い込んで……何だか気分が下がる。

脚だって贅肉で結構太くなってて恥ずかしいし……


でも……あのお店で見かけたおじさんよりはまだまだ痩せている。

私の隣にいた人、100kgどころか120kgぐらいあってもおかしくなかった。

あれこそ本当に「肉厚のある人」で、私なんか全然太ってる内に入らない……って何考えてるんだろう、私。


……あれ、もしかして……『みんな肉厚になる』って店員さんが言ってたけど……

これから私も本当にあんな感じの「肉厚女子」になったり……

今のぽっちゃりした身体も……単なる始まりに過ぎないなんて……


流石に考え過ぎだよね……?



---



あの食堂に行ってからほぼ1カ月が経った。

(ふぅ……美味しいなぁ……)

寄り道して買ったドーナツを私は次々に食べながら家に向かっている。

あれ以来食欲が増して抑えられない。

太るのは分かってるんだけど……でも食べたくて……


(まあこうなっちゃうよね……)

1カ月前よりも更にふくらんだ身体。

丸顔の顔は更にモチモチして柔らかく、顎も二重になりつつある。

胸も大きくなり、立派なバストが制服をパツンパツンに引き伸ばしていた。

お腹も本格的に前にせり出すようになり、スカートの縁に贅肉が乗っかる状態。

ボタンがついに留まらなくなり、菱形状に開いた隙間からはおへその辺りがチラッと覗いている。

お尻は贅肉が付いてムチムチと大きくなったし、ショーツも大きなサイズじゃないと穿けなくなった。

太ももには贅肉がかなり付いて大分弛んでしまっている。

スカートもホックが壊れてるし、ピチピチで今にも破けそうなぐらい。


このままじゃぽっちゃり体型から肥満体型になるのも時間の問題。

それは分かってるんだけど、お腹が空いてしまう。


……あのお店が悪い。

でも、『また行ってみたい』という意味不明な欲望が私の心に渦巻いている。

とにかくいっぱい食べたい。

……実際お腹が空いてる時はがむしゃらに食べたくなる。

太るとかそんなのどうでもよくなってしまう。


そういや明日は29の日だったよね……?

また特別割引とかしてるかも。

でもまた行ったら今度は本当に凄いデブになっちゃうのかな……



---



翌日、私は結局……

(また来ちゃった……)

今日は学校の創立記念日だから平日なのに休みになっている。

だけど、『IINIKU肉厚食堂』のためにわざわざ東案下駅まで電車で来てしまった。

ちなみに今は適当に買った、サイズの大きなTシャツとスカートを着ている。

どうせ何着ても太ってるし……無理にかわいくしても痛いだけ。


(ぐぅぅぅぅ……)

お腹いっぱい食べたい……と身体が求めてくる。

今日は普段晩ご飯を食べる時間に来ようと思ったんだけど……

我慢できずに早く来てしまった。


お腹の虫が早く入店するように騒ぎ立ててうるさい。

本当は入りたくないんだけど……でも食欲が暴走して仕方がないよ。


「いらっしゃいませ!」

前見た店員さんが低い声で挨拶してきた。

やっぱり筋肉が凄いなぁ……

「今日は29の日!高校生は特別料金です!!」

そして圧も中々……


今日も何人かお客さんの姿が見える。

立派なお腹のおじさんと、マッチョな男の人……

もしかすると前にも見たかもしれない。

(あのおじさんみたいになっちゃうかも……)

あんな肥満体型にはなりたくない。


(今日はどんなメニューがあるのかな……)

ちょっと見てみると、『特大チーズチキンカツ』の写真が大きく写っていた。

凄く油っこいと思うけど……食べたいよ……

しかも29の日限定で特盛牛丼のセット……これにしよう。

「あの!特大チーズチキンカツと牛丼お願いします!」

「特大カツ牛丼セットで!!」

店員さんの威勢の良い声がキッチンまで響いた。



(やっぱり多いよね……)

頼んだ料理を見て、改めて少し引いてしまう。

単体でもかなり高カロリーそうなカツが3枚もお皿に並んでいる。

しかもご飯が山盛りになった牛丼もセットで。

どう見たって女子高生が食べて良いメニューじゃない。


でも……お腹が空いてるから……すぐ食べれるはず!

箸でカツを掴み、そしてカツに食らいつく。

とろけたチーズのほのかに甘い風味とチキンの肉汁が合わさって美味しい。

これだと無限に食べたくなるよ。


続いて牛丼にも手を付ける。

前と同様、肉厚の牛の食感が良くてどんどんご飯が進む。

カツと牛を交互に口にして、そしてご飯を次々食べていく。



(あっという間だよ……)

今の私の食欲は果てしないレベルになっている。

その証拠に難なくチキンカツと牛丼を完食できた。

しかもまだまだお腹が空いている。

次は何を注文しようかな~。


あれ、サイドメニューとかもある。

フライドポテトもあるんだね……結構幅広いなぁ。

折角だから頼んじゃおう。

「すみません!」

「はい!ご注文をどうぞ!」

「フライドポテト3Lサイズで!」

「ポテト3L!!」



(やっぱりポテトだよね~)

シンプルで特に変わったところも無いフライドポテト。

でもそれが良いんだよね。

何というか、安心感のある味で……期待を大きくは超えないけど、しっかりと裏切らない感じ。

これならどんどん食べれるよ。

細目だから3、4本まとめて食べる位がちょうどいいかな。


次はフライドチキンにしようっと。

5本セットとかにしようかなぁ……

「すみません!フライドチキン5本追加で!」

「かしこまりました!!」

「フライドチキン5本!」



チキンが来た頃にはポテトを食べ尽くしていた。

ちょっとの待ち時間だったのに、待ち遠しくてしょうがなかったよ。


(こっちも美味しいなぁ)

さっきチキンカツを食べたばっかりだけど、フライドチキンも中々良い。

しかも骨なしで食べやすいのも良いよね。

衣の味付けはちょっとスパイシー。でも辛すぎることは無い。

10本でも良かったかも。


あっという間にこれも食べて……

……あれ、そういやTシャツが何だかキツい気がする。

買い替えたばっかりのはずなのに……どうしたんだろう。

スカートもちょっとキツい……ホック外そうかな……まあいいや。

次何注文しようかな~。


……


(ふぅ……ちょっとお腹がいっぱいになってきたよ)

調子に乗って食べ過ぎたらしく、満腹になってしまった。

今は『BIG肉厚牛100%ハンバーグ』を食べてるんだけど、流石にお腹いっぱい……

味は美味しいけど、もうお腹が苦しいよ……


あとちょっとで完食だから当然残さず平らげる。

でもこれで最後にしようかな……

ちょっとお水でも飲もう……


私は席から立ってコップに水を注ぎ、そしてまた椅子に座っ……


(バキッ……)


……?


(ビリッ……)


何、今の……?

身体のどこかから音がした気が……


ふと隣を見ると、筋肉質なお兄さんと目が合った。

そして様子が何だかおかしい。

「ぼ、僕は見てないですよ……」

そういって顔を背けてしまった。


気になってしまい、私は身体をよく見てみたけど……

(うわぁ……スカートが……Tシャツも……)

スカートが耐え切れずにホックが勢いよく弾け、しかもファスナーが一気に降りてしまった。

それにTシャツがお腹に耐え切れなかったらしく、ちょっと破けてしまっている。


(嘘……だよね……?)

これが現実だと中々信じられない。

だってゆったりしたサイズに買い替えたばかりなのに……

やっぱりこの短期間で異常なぐらい太ってる。


きっと……何か変な成分が入ってるのかも……

こんなに太るなんてあり得ないよね……

だから止めた方が良かったのに……どうして食べようと思ったんだろう……


後悔しつつ、私は残ったハンバーグを素早く食べてレジに向かった。

「3500円です」

「やっぱり安いですね」

前より高いけど、食べた量からするとまだまだ安い。

普段の価格だと一体どれぐらいなんだろう……


「お客様も順調に『肉厚』が出てきましたね!!」

「は、はい……」

それって誉め言葉なの?女子なのに……

まあ今の私は女の子が食べる量を遥かに超えてるし、女子高生らしさなんて全然ないけど。


「またお越しください!!」

「はい……」

本当に次は来たくないよ……

こうなるって分かってたはずなのに……全然懲りないなぁ……私って。

とにかくお腹いっぱいにはなったけど。


私はのっそりと歩きながら改札を通り、エレベーターでホームまで上って行った。



(はぁ……)

ぶよぶよの贅肉が全身に付いた身体。

今日で何キロ太ったのか分からないし、怖くて体重計に乗りたくない。

それに体重計なんて乗らなくてもデブったことは嫌でも分かる。

鏡に映った私の姿を見たら……


頬が丸く膨れて、深い二重顎がしっかりと出来た顔。

Tシャツがシワを作って張り付く、メロンみたいな特大サイズの胸。

でも自慢できるのはサイズだけで、だらしなく垂れてデブらしい姿になってしまったバストにはもう魅力が無い。

ブラの支えが無いと位置がかなり下がっちゃうし、左右に流れてしまっている。

そんな胸が身を委ねているお腹は、胸以上に存在感を放つほどにでっぷりと張り出していた。

お店で見た太鼓腹のおじさんみたいに丸々と出てるし、Tシャツが捲れておへそ周りがしっかりはみ出てるよ……

そしてお尻はスカートがピッチリと張り付いてて、ムッチムチのお肉で異様にデカくなってしまったのがよく分かる。

ファスナーが下まで降りてるのに破けそうになってるし、もう穿けないよこれ。

そんな可哀そうなスカートはお尻を包むだけでギリギリ。

たぷんたぷんの贅肉で極太になった太ももが思いっきり顔を出していた。


冗談抜きで100kg越えしてても不思議じゃない、そんなデブ。

美味しいものをこれでもかと食べたツケがしっかりと身体に現れている。

もう女の子としての魅力がほとんど無く、その辺の太めのおばさんよりも悲惨かもしれない。

こんな私を見たクラスメートは何て思うんだろう。

というより……制服がそもそも絶対入らない。


本当にこれからどうしよう……

いっそのこと、開き直って巨デブらしく振る舞おうかな……



---



翌月。

『IINIKU肉厚食堂』で私はみんなに取り囲まれている。


「お客様を『当店一の肉厚女子』に認定します!!!」

店主さんの掛け声とともに、周囲の店員さんやお客さんが拍手をしてきた。


「立派なお腹、ちょっと見せてもらっていいですか!?」

「えっと……少しだけ……なら……」

恥ずかしくてしょうがない。何でこんなお腹を見せないといけないの?

でも普段からTシャツに収まり切ってないし、今更恥ずかしがるのも滑稽なのかも……


(ぶよんっ)

「おおっ!!!」

私がTシャツを捲り上げ、でっぷりと盛大に突き出したお腹を見せた瞬間……

周りから歓声が沸き起こった。

店員さんも感嘆の声を発している。


「すばらしい肉厚ですね!!」

嬉しそうに話す店主さんだけど……私にとっては嫌でしかない。

女の子にとっては不名誉極まりないし……というか男の人でも嫌なんじゃないかな……

でもこのお店の常連客にとっては違うらしい。


「ありがとう……ございます……」

「これからも食べに来てください!!!」

「はい……」

そしてまた拍手の嵐が巻き起こる。

何でこんなことに……



(はぁ……はぁ……)

100kgを超えてしまった身体は重くて仕方がない。

普通に歩くだけでも呼吸が乱れ、何だか疲れてしまう。


こんなにも太った私。

でも……これからも太るんだろうなぁ……

どうしようもないよ……

ただ食べてばっかりのデブなんだから。



鏡に映る姿も100kg越えに相応しい状態に。

首が埋もれたお肉だらけの顔。暑苦しいし、もうかわいいとは言えないと思う……

ただデカいだけが唯一の長所だったのに、お腹にもサイズが負けててどうしようもない胸。

真ん丸で思いっきり突き出した立派過ぎるお腹。

もう下を向いても足元が見えないし、両手でも抱えきれないほどの贅肉が付いている。

そんなお腹と同様の存在感がある、特大で肉厚たっぷりのお尻。

歩く度にブヨンブヨンとだらしなく揺れてしまっている。

内股の擦れがひどくて歩きにくい太ももは、大根足なんて表現じゃ全く間に合わない。


動くだけで全身の贅肉がブルブルと揺れまくって鬱陶しい。

服も凄くキツくて、制服なんてサイズが無いからジャージ登校という無残な状態になっている。

今は無地のでっかいTシャツと黒いスウェットという恰好で、何のかわいらしさも無い。

それでもサイズが小さくてお腹がはみ出るし、お尻も大きすぎて破けそう。

ちなみに胸が変に大きすぎてブラが凄く食い込むし、ショーツも特大なのにビリッと破けたことがある……


本当に……最悪過ぎる……

あんなお店……二度と行きたくない……


でも、多分また29の日に足を運ぶんだろうなぁ……


END


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