太る液体の実験に同意した結果、想像以上に太ってしまう女子高生の話(4)
Added 2022-11-27 15:36:14 +0000 UTC[4] 私は古びた倉庫の前までやって来た。 そしてドアを開け……あれ。 「(開いてない?)」 もしかして今日は休みの日なのかな、と思って一旦後ろに下がって見ると…… 何か張り紙が貼ってあった。 内容を読んでみると……「移転のため、当ラボは8/20をもって閉鎖しました」と書いてある。 「(嘘でしょ……?)」 ということはあの白衣の人にも会うことができない。 痩せる方法も聞けないし、どうしようもないよ。 もしかしたら痩せる液体も貰えるかも、とか淡い期待を抱いていたのが間違いだった。 移転先も分からないし、ギブアップするしかない。 だったらあのキツい制服で登校することに…… でも観念するしかないよね…… 私はさっさと家まで帰ることにした。これ以上この場所に用は無い。 --- 夏休み明けの初日。 私は制服に着替えている。でも昨日と同じくサイズがあまり合っていない。 「(ボタンが……キツいなぁ……)」 前弾け飛んだボタンは裁縫セットを使って一応元通りになったけど、また飛んでしまうと思う。 本当に早く痩せないとこのブラウスも着れなくなる。 そしてスカートを持ち上げ、用意していた安全ピンで留めて穿いた。 ファスナーも半分ぐらい閉めて、これで一応は着れたことになる。 鏡で改めて見ると、サイズが大きい制服なのにパツパツなのがとても残念な感じ。 これが紛れもなく今の私の現状だった。 それなのに昨日も結局お菓子をたくさん食べてしまう体たらく。 もう痩せると言う気力も私には無いのかもしれない。 「(はぁ……)」 始業式も終わり、私は汗をかきながら帰り道を歩いていた。 学校ではクラスメートから「夏休みにどんだけ食べたの?」とか「その服がパツンパツンとか流石に無いと思う」とか……色々言われて。 「太り過ぎでしょ……」って何人にも呆れられた。 確かに痩せないとマズいんだけど。 今歩いているだけでも身体中のお肉がブヨブヨと震えている。 太ももの贅肉がたぷたぷと左右に揺れてるし、おへそ周りも脂肪が震えてしまう。 胸だって大きすぎて歩いてるだけなのに重量感を否応なく感じさせられる。 今私はとても太っててデブなんだ、そういう自覚が足りないのかもしれない。 だからダイエットも碌にできずにブクブク太り続けてしまうんだろう。 これ以上太ったら制服をまた買い替えないといけない……というかサイズがあるのかな…… 絶対今日からダイエットしよう。 先延ばしにはできない。帰ってもお菓子を食べないこと、そしてご飯は減らすことを徹底しないと。 増えた食欲を何とか抑えつけたい。 家に帰って自分の部屋に入った後、私は机の上にあるお菓子を眺めた。 ぐぅぅ……とお腹が鳴ってるけど……これを食べたら太る。 今日からダイエットだから。もう食べない。 何か違うことをしようかな。まずは数学の宿題をしないと…… 空腹だと集中しずらいけどこれぐらい我慢我慢。 --- ダイエットを始めて2日経った。 学校では周りの視線もあるから意外と食べるのを抑えることができる。 でも家に帰れば自由にお菓子が食べれるのも事実だった。 「(お腹空いた……)」 自分の部屋に入ったけど、早くもお菓子が食べたくてしょうがない。でもここで諦めたら太るだけ。 頑張って耐えないと……制服が破けたら恥ずかしすぎる。 何か違うこと……違うこと……音楽でも聴いて気分を紛らわそうかな。 今日は何の曲にしよう…… --- 「(食べたい……食べたいよぉ……)」 ダイエット開始から4日になるけど……もうお腹がペコペコで…… 学校でもお腹が鳴って笑われちゃったし、周りがお菓子を食べてたら思わず取ってしまいそうになる。 でもグッと堪えて頑張った。 それでも今みたいに家にいたら目の前のチョコを食べたくて仕方ない。 口に入れれば甘くて美味しいよね……あぁ、今すぐ食べたいよ…… 私は思わずチョコに手を伸ばして、パッケージを手に取った。 「(開けたい……でも開けたらダメ……)」 これを開封したら最後、もうダイエットは失敗に終わってしまうと思う。 だから……我慢しないと。 それでも「食べたい」という気持ちが募り、お菓子を頬張ることを渇望してしまう。 ちょっとぐらい食べても……なんて甘い気持ちも頭に浮かんでくる。 しかも近くにはポテチも置いてあった。 これも美味しいよね……さっと開けて口に次々放り込みたい衝動に駆られる。 ……これじゃ開けてしまうのも時間の問題かも。 何とか気を紛らわせたい。音楽を聴いててもお腹が空いてることには変わらなかった。 宿題でもしようかな……でもすぐに食べることが頭に浮かんできて集中が切れてくるけど…… いつまでお菓子食べれないんだろう…… 早く食べたい…… ぐぅぅぅぅ…… もう身体が食べ物を求めている。「今すぐ食べないと」と言う感じ。 ……食べてもいいよね? いやいや、でも……今日は……今日はダメだから! --- 「(……今日は……特別に……食べちゃおうかな……)」 ダイエット6日目だけど……もう限界が来てしまった。 最近授業も集中できないし、「ダイエットしてるの?」ってからかうように友達から言われるのも何だかなぁ…… 痩せる事だけが人生じゃないんだから、もっと食べる楽しみも必要だと思う。 第一食べ過ぎるのが悪いだけで、「程よく」お菓子を食べるのは問題ないはず。 だから。私はポテチの袋を手に持っている。 「(これを開けたら……太る……)」 でも、この一袋ぐらいで太らないよね。 これ以外食べなかったら大丈夫……それに明日は食べないから。 「(開けちゃえ……)」 遂に私は袋を開けた。 そこには何の変哲もないコンソメ味のポテチが入っていた。 でも今の私には輝く小判のようにきらめいて見える…… 「(ふふふ……食べちゃおう……)」 ゆっくりと最初の一枚を掴んで、そして口元に持ってきた。 これを食べたら太る。でもここまで来たら後戻りできない。 パクっと一口食べた。 「(美味しいなぁ~)」 これこれ!食感、味わい、全てが良い。 やっぱりお菓子は食べなきゃ。 そして次々と私はポテチを食べていき、あっという間に空になってしまった。 「(……物足りないなぁ)」 まだまだ食べれるんだけど……古典の宿題でもしよう。 ……何だかとても集中できる。食べたいと言う思いが薄れたからかも。 食べないとダメだよ。ちょっとぐらいは。 --- 9月も終わりなのに……暑いなぁ。 そろそろ冬服に衣替えらしいけど、ベストも着たくないよ。 ……いやむしろ着た方がいいよね、私の場合は。 大変な事になっているブラウスとスカートを隠せるから。 結局ダイエットは失敗に終わった。 一度お菓子を食べ始めるとあっという間に食べる量が元通りに。 流石に常にお腹いっぱいまで食べないと気が済まない、というのはマズいと思って一応は食べる量を減らしてはいる。 でも体重はまだまだ右肩上がりを続けていた。 制服もぱっつんぱつんで、はち切れんばかりに生地が引き伸ばされている。 お腹辺りのボタンはとうとう留まらなくなり、大きな隙間が開いておへその辺りが見えてしまう。 胸だってブラウスがぴっちり張り付いてるし体型が丸わかり。 スカートもファスナーが全然閉まらず、安全ピンすら届かない状態になった。 平ゴムを強引にホックの代わりに使ってるけど、無理やり過ぎるから周りにからかわれてしまう。 かなり極太の太ももだってスカートの裾から顔を出してるし、恥ずかしくて仕方ないよ…… 私服もまともに着れるものがほとんど無く、大きいはずのスカートも上手く穿けない。 夏休み明けもウエストを伸ばしてた状態だったけど、今じゃボタンがどう頑張っても留まらなくて…… ファスナーだって全開の状態で、制服と同様に平ゴムで穿いている。 Tシャツもお腹がとてもキツくて……家だと捲り上げておへそ周りを楽にしてる有様。 大量にはみ出た柔らかい贅肉を見ると、気分が落ち込んでしまう。 下着だってパツパツで、横にすごく大きく育ったお尻にショーツが耐えている。 胸だってあまりにも大きなサイズで、滅茶苦茶な重さでげんなりするしブラがキツくてしょうがない。 あと1キロでも太ったら破けるかも…… 「(はぁ……)」 私はTシャツからはみ出たウエストの贅肉、二の腕のたぷたぷの脂肪、下半身のブヨブヨのお肉を触り、ため息を付いていた。 これも元はと言えば変な実験に参加したせい。 今体重どれだけあるんだろう……意を決して測らないと。 よし、乗ろう…… えっと……下が見えない…… 表示、降りても消えないかな? あっ、ちゃんと表示されてる……「87」って…… ということは、ここ半年ぐらいで37キロも太ったんだよね…… そういえば、前白衣の人が本来は48キロ太るって言ってたなぁ…… だったら37キロでもまだそこまで太った訳じゃ…… いや何考えてるんだろう……私。 ダイエットも上手く行かないし……はぁ…… 太る実験なんて、安易に参加したらダメだね…… 今更後悔しても……遅いかな。 [END]