SakeTami
ドーン
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【連載】憑依遊戯 第5話 贈りモノ



 あのフェラチオ奉仕のおかげで開放的な気分になった上に、元から寝不足だった俺は、快眠を貪り、次の日の朝を迎えた。

 そして意気揚々と登校する。


(またやってくれないかな?)

 

 困ったことに、由依菜先生の姿を見かけるたびに思い出し、ムラムラして落ち着かない。

 だが彼女は普段通り業務をこなしているだけで、こちらを気にしている様子さえ無い。

 結局、何事も無く最後の授業が終わった。

 俺はかなりガッカリしながら帰り支度をすすめる。


「えっと、霧峰君?」


「はい!」


 今、一番に声を掛けてもらいたかった人物からの声が聞こえ、高いテンションで返事をしながら振り向く。

 そこには教材を抱えた由依菜先生が立っていた。

 おそらく他のクラスでの授業を終えてやってきたのだろう。

 俺は期待に胸を躍らしながら、続く言葉を待つ。

 だが、彼女の口から告げられたのは期待したモノではなかった。


「三崎先生が呼んでいたわよ?保健室へ急いで行ってね?」


 それだけ言うと呆気なく立ち去ってしまった。

 まるで昨日の出来事は嘘であったかのように。

 俺は露骨に肩を落としながらも、指示通り保健室に向かった。




「失礼します……」


 若干低めのテンションで挨拶をして保健室に入る。

 すると机に向かっていた白衣の女性が、そのまま椅子を回転させて俺の方を向いた。

 相変わらず脚のラインがとても綺麗で、今は黒いタイツに覆われたそれを俺に見せつけるかのように組んでいる。


「君、なぜ呼び出されたか、分かる?」


 俺の顔を見るなり、厳しい顔をした涼花先生が口を開いた。


「……いえ」


 一応、心当たりがないので正直に答える。

 正確に言えば、あるのだが、アレは誰にも見られていないはずである。


「はぁ~、校内であんなことをしておいて余裕なのね」


「えっ!」


 溜息に続いて告げられた言葉で、俺は一気に青くなる。


(アレを見られていた!?確かに、驚きの連続で警戒が疎かだったのは否めないな……まずい……どうしよう……)


 なんとか誤魔化すことが出来ないかを必死に考えていると、しばらく黙ってこちらの様子を診ていた涼花先生が、少し雰囲気を柔らかく落とした感じで口を開いた。


「……君たちの年頃は年上の女性に興味津々なのは分かるけど、流石に校内で教師と生徒がいかがわしい行為をするのは見逃せないわ……」


「…………」


 俺は返す言葉が無く、沈黙を続ける。


「それにしても意外だったわ。神楽先生はまだ若いけど良識のある人だと思っていたのに……。君にしても、そう。大人しそうな顔して、大胆なことをするのね」


「…………」


「まあ、いいわ。問題はこれからよ」


「はぁ?」


 目の前の女性が言っている意味が分からず、俺は気の抜けた返事を返してしまう。

 そんな俺を見て三崎先生は再び溜息をつくと、話を進めてきた。


「はぁ~たった1回の過ちで君と神楽先生の人生が狂うのは忍びないわ。だから今回の事は黙っててあげてもいい」


「本当ですか!?」


「ただし条件があるわ」


「条件?」


「また変な気を起こさないかどうか少しテストさせて貰うわ。その結果に私が納得出来たら、見逃すことにする」


「テストって?」


「簡単よ。欲望を抑える事が出来たら合格」


 そういって不敵な笑みを浮かべながら立ち上がると、ドアまで歩いていき、何故か鍵を掛けてしまう。

 そしてドアを背にして再び俺の方に向くと、白衣が素早く脱ぎ捨てられた。

 続いてシャツのボタンに指が掛かると、淀みない動作で次々と外されていく。


「……え?」


 状況についていけず、呆然とその様子を眺めているだけの俺。

 やがて黒のブラジャーが晒され、その形の良い双丘が目に入る。


「いや、あのその……」


 相手が勝手に脱ぎ始めたのだから、こちらにやましいことは無いはずなのに、狼狽えてしまう。

 視線を外すべきなのだと頭では分かっていても、その官能的な曲線に目を奪われて見つめてしまう。


「神楽先生とはあんなことをしていたのに、この程度で狼狽えるの?ほら、折角だからちゃんと見ておきなさい!」


 そう言って自分の胸を持ちあげるように強調しながら俺に見せびらかす。

 大きさは神楽由依菜ほどはないが、鑑賞するには十分有難い綺麗な形を持っている。

 状況は相変わらず理解できないが、目の前にニンジンを吊るされている馬の気持ちになってきた。


「せ、先生、俺………」


「ぷっ!」


 俺の慌てる姿が可笑しかったのか、先生が突然吹きだす。

 だが、何かが変だ。


「君、まだ分からないの?ほんと、にぶいのねぇ」


 露骨に俺を憐れむような口調の涼花先生は、今度は肩を揺らしながら笑い始める。


「………ふふふ………あはは………ひひひ………ぎゃはは!!!なんて情けねぇ声だしやがんだ、お前!この程度で狼狽えていたら何も楽しめないぞ!」


 声は三崎涼花のままだが、その口調は激変していた。


「えっ!!!まさか!!!」


(コンコン!)


 ようやく状況を理解して俺が驚きの声を挙げると同時に、ドアがノックされた。

 それに反応して涼花先生は素早くシャツを元に戻して白衣を手に取ると、白衣を着ながらドアに振り返る。

 そして鍵を外してドアを開けると、訪れてきた人物を確認する。


「丁度良かったな」


 来訪者は由依菜先生だった。

 三崎先生にはあの『D』と名乗った人物が憑依している事は、もはや確認する必要が無い事実だった。

 だがここでの由依菜先生の登場で再び分からない事が増えた。

 仕方なく俺は黙って事の推移を見守ることにする。


「それじゃあ話を戻すか。まあ、話自体は簡単な事なんだがな。お前にこの由依菜をやろうと思ってな」


「……はぁ?」


 一瞬何を言われたのか理解できなくて、呆けた返事をしてしまった。


「だから、お前にやるっていってんだよ、この由依菜を。今、この時からお前の好き放題に使っていいぜ?由依菜も分かったな?」


「……はい、ご主人様。京也様、これからよろしくお願いします……」


 もはや魂を作り変えられて『D』の所有物になっている由依菜先生は、彼女の持ち主の言葉を了解すると、俺に向かって深々と頭を下げる。

 突然の成り行きに俺は動揺する。


「い、一体全体、何だって言うんですか?あ、そうか、三崎先生のフリをして俺をからかっていた続きとかですか?」


 一番可能性のありそうなことを思いついて口にしてみるが、それを聞いた養護教諭は呆れ顔だ。


「なんていうかさ、お前の甲斐性無しに俺様も流石に憐れになってきてな。お前、この女が好きなんだろ?」


「……はい……」


「じゃあ、迷うことなく受け取れ。本当に遠慮なんかせずに楽しむんだぞ?ダメなことは自分で拒否するように仕込んであるから、そこは気にしなくていいぞ」


 涼花先生はドアを開けた。


「それじゃあ、このカラダで楽しんでくるから、しばらくここで楽しみながら留守番してろ。そうそう、鍵を掛け忘れるなよ?」


 そう言い放つと彼女は何処かへ向かって歩き去ってしまったのだった。


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