タクミのシェアハウスでの生活も今日で一週間。
大学での新生活も始まり、慌ただしい日々が続いている。
新しい環境にも少しづつ慣れ、
気持ちもようやく落ち着いてきた。
しかし、やはりそんな中でもタクミの興味の大半は
3人の獣人おじさんに向いていた。
クマ獣人のクマガミさん。タヌキ獣人のタヌキバラさん。
イノシシ獣人のイノマタさん。
獣の姿をしたおじさん達との奇妙な共同生活。
動物好きで、年上の屈強な男性に親しみを感じるタクミにとって
ここはこの上ない環境だった。
とはいえ、タクミはまだちゃんとした恋愛経験がない。
東京でいい嫁見つけて、早く孫の顔を見せろと両親にも言われている。
そんな中で、まだ女性を好きになった事のない自分は
大丈夫なんだろうかといつもどこかで思っている。
だが実際に興味を惹かれるのは…大きな背中であり、
いかつい顔であり、逞しく太い腕であり腹であった。
まぁ、今すぐにどうなるものでもないし、とタクミは考える。
今はこの新生活の期待値に心が躍っている。
そんな獣人おじさん達にもそれぞれの生活リズムがあり、
みんなちゃんと仕事をしているようだった。
クマガミさんは庭師。あと趣味の家庭菜園。
タヌキバラさんは居酒屋『獣の宴』の雇われ店長。
イノマタさんはジムのトレーナー。
それらしいような、意外なような…?
獣人でも人間でも同じ街で暮らしてるのだから、
そんなに変わらない。
タクミにとっては他人との共同生活も初めての経験だった。
家族以外との暮らし自体が新鮮であり、驚く事ばかりだ。
それぞれに自室はあるものの、
風呂、トイレ、キッチン、洗濯機、などなど
生活空間を共有している。
朝起きて、夜寝るまで誰かとすれ違いながら暮らしている。
こんな日常。これが、日常、か…。
シェアハウスだからそれが当たり前だったが、
それで思わぬ触れ合いも起きる。
お互いの洗濯物を取り違える事もある。
まさかね、さすがに獣人と人間の服は間違えないだろうと思ったが、
タクミの洗濯物にタヌキバラのデカパンが混じっていたり…。
こんな…大きなパンツってあるんだ…!
しかも、尻尾を通す為の大きな穴も空いている。
パンツ一枚でも感動と気づきがあった。
タクミは、もちろん獣人用の衣料品屋になど入った事もない。
布地の量がハンパないな…値段も高そうだな。
今度聞いてみよう…。
などと考えてながら、タクミは無意識に
タヌキバラのパンツの匂いを嗅いでいた。
ほんのりと香るタヌキバラの体臭…
「えっヤバ。なにやってんだ、ボク。こわい!自分が!
タクミは慌てて自分の洗濯物と一緒に
そのデカパンも洗濯機に放り込む。
もう一回、取り出したい衝動を抑えつつ。
深いため息をつく。
シェアハウスの共同スペースの使い方には
特にルールはないとの事だ。
冷蔵庫もかなり大型で、それぞれが好きに詰め込んでいる。
クマガミの作り置きの保存パックがかなりの比重を占める。
しかしそれは、皆の食糧でもあるので誰も文句はない。
大量のビール缶は…タヌキバラとイノマタの共同資産か。
減れば減っただけ追加される無限ゾーン。そこが空く事はない。
タクミが、クマガミから受けた注意は、
「甘いものには気をつけろ」だった。
この家に住む全員が甘党だという。(当のクマガミも)
守りたいスイーツは厳重に管理しろ。
名前を書いても無くなる時は一瞬だ。
「皆、いい奴ではあるが、それだけは信用しちゃならん…。
と、重々しくクマガミは言った。
じゃあ、なにかスイーツを買ってくる時は人数分用意しなきゃな!
とタクミはまったく甘く考えていた。(スイーツだけに)
体験しなければわからん事もある、とクマガミは思っていた。
また、いたる所に転がるトレーニング器具にも気をつけろという。
イノマタが常に持っているダンベルやハンドグリップ、
時にはトレーニングボールも突然転がっている。
何度足をぶつけた事か、とクマガミが痛そうな顔をした。
自分も時々借りようかな、と思ったタクミは
ちょうどそこにあったダンベルに手を伸ばす。
でかっ!重っ!?
いつも、通りすがりのイノマタが軽々と上下させていたダンベルが
単品でみるとこんなに扱いづらいサイズだとは…。
人間って非力だ。
さすがに、メシを運んでる時にそんなもんが
足元に転がってたら大惨事だとイノマタに注意するも、
まったく事態は変わらない、とクマガミは愚痴る。
家の中にも危険がいっぱいだ、気をつけるしかないんだ。
そうタクミに言い残して、クマガミは畑仕事に向かった。
日中はそれぞれが仕事に出ている。
タクミも大学があるので、シェアハウスに誰もいない時間もある。
その中でも、クマガミは比較的在宅時間が長かった。
庭師の仕事もそれなりに忙しいらしいが、
クマガミはどちらかといえば畑仕事を重要視しているようだ。
その収穫でシェアハウスの夕飯の多くが賄われている。
野菜作りと魚釣りと料理がクマガミの生き甲斐なんだとか。
タヌキバラも居酒屋は夜からだが、仕込みなどもあり
昼前には家を出るようだ。
そういった意味では、日々のルーティンが一番
規則的なのは意外にもイノマタだった。
ふた駅ほど離れた街のジムでインストラクターを務めている。
朝からジョギングがてら、走って家を出ていく。早起きは得意らしい。
そして、庭に止まった大型車もイノマタの所有物だそうだ。
「ナンパにゃ車が必需品だからな!」と鼻息き荒くイノマタは語る。
あと、筋肉も必需品だ!と付け加えた。
人間基準で見れば、イノマタはあまりモテるように見えないが…と、
タクミは思ったが、たしかに成功率は高くはないがゼロでもないと
タヌキバラが教えてくれた。
押しの強さは充分に知ったし、このタイプが好みの女性もいるだろう。
イノマタ自身は「特に好みというものはない!」らしい。
異種族でも、人間でも、女性には全当たりで挑む。
そこまで守備範囲が広ければ…そうか、とタクミも納得した。
自分もイノマタにナンパされたら…着いていってしまうかも?
規格外にエネルギッシュなイノマタにタクミは強く憧れる。
でも、自分は男なんだから、そんな事は起きないのが残念だ。
酒の席でのふざけた(しかし力強い)ハグをふと思い出して、
よくないよくない!と自分の心を戒める。
その日、
タクミが大学から帰宅すると家の中には誰の気配もなかった。
時々こんな時間がある。この大きな家に自分がひとり。
ちょっとだけ…怖い、とタクミは震えた。
慣れたとはいえ、ひとりになるとふいにそんな事を考えてしまう。
自室に荷物を置くと、少し自分の匂いが気になった。
今日は初夏のような陽気で、日中にかなり汗ばんだ。
とりあえず、シャワーでも浴びてリフレッシュしよう、と
タクミは階下の風呂場に向かった。
シェアハウスの風呂は、和風のタイル張りで落ち着いた雰囲気だった。
石畳の床に、檜のような木材の壁と浴槽。ほんのりと木の香りがする。
湯船は広く、まるで相撲部屋みたいだとタクミは思っていた。
本当にいい家だ。こんなに家賃が安いのに。
日々の管理は住人にまかしているから好きにDIYしていい、
と大家さんが言っていた。
つまり、この環境の良さの大部分はクマガミさんのおかげだろう。
この居心地が良くてタヌキバラさんもイノマタさんも
ここの住みついたのかも。
シャワーを捻り、タクミは熱いお湯を浴びた。
シャワーの径も大きくて快適だ。
鼻歌混じりに髪を洗い流し始める。
「なんだ、タクミ。せっかく風呂の湯を貯めておいたのに。
シャワーだけじゃあ、サッパリせんだろう?
背後から急に声をかけられて、心臓が止まりそうになる。
自分ひとりだと思い込んでいたタクミは動転してしまった。
「あ、あれ、クマガミさん?い、いたんですか!?
「まぁ、庭の畑にな…畑仕事の後には風呂に入る。
土だらけじゃ台所に立てないからなぁ。ハハハ。
髪を洗っていたせいで、タクミはクマガミが入ってくる
気配にまったく気づかなかった。
シャンプーの泡を流し損ねながら振り向くと、
そこには、全裸のクマガミが立っていた。
服を着ていない獣人は…まるで獣そのものに見える。
実際の熊に比べれば、クマガミも小さいのもしれないが。
それにしたって身長は2Mを超えてるし、体重だって…。
もちろん、タクミも無防備に全裸だった。
しかも洗髪の途中で目がハッキリと開かない。
威圧的な視線を感じている。
見下ろされてる、気配…。
「驚かせたか?すまんすまん。ちゃんと泡を洗い流せよ?
そういいながら、クマガミはシャワーをひょいと奪い取ると、
タクミの頭に熱い湯をかけ始めた。
目に入ったシャンプーが洗い流されていく。
湯を手で受けて、顔を洗うと視界がはっきりし始めた。
目の前は…深くて果てなく広い毛皮の壁…。
クマガミはタクミの正面に立って頭に湯をかけている。
クマガミの腹が触れそうな…時々触れている距離感だった。
クマガミの毛深い大きな身体。
熊のような体格、がっしりした腕、ふさふさの毛が
湯気の中に見え隠れしていた。
シャワーの湯が跳ねて毛皮が濡れて光っている。
タクミは、自分の顔が真っ赤になっているだろうと思った。
「あ、あ…ク、クマガミさん…!ご、ごめんなさい…!
ボク、誰もいないと思ってて、お、驚いちゃって…。
「まぁ、お互い様だよな。ハッハハ。
クマガミはタクミの頭を洗い流し終わって、
今度はそのまま自分もシャワーを浴び始めた。
「土と汗まみれだからなぁ。臭うかなぁ。
もうもうと湯煙が立ち、不快な匂いなどは感じない。
クマガミの足元には熱いお湯に混じって泥水が流れ始めた。
足の指は、人間に近い感じだ。
サイズは冗談みたいに大きいけど…。
タクミはその足先から目が離せなかった。
毛深く、大きな足。
逞しく骨と筋肉が隆起した、すね。
丸太のように太く逞しい太腿。
そして…そこも一切隠そうとしない。
巨大で、見慣れないなにかが垂れ下がっている。
お、大人の生殖器…!!
タクミは他人のそれをあまり見た事がない。
彼の住んでた土地には銭湯という文化が少なく、
自分以外のものを見るのは父親くらいだった。
それと比べても、同じ部位とは思えない。
ひどくグロテスクな、なにか。
ひと握りでは指が届かなそうな陰茎部。
それは長く、血管が浮き立ち、包皮から先端部だけが覗く。
重そうに垂れ下がったふたつの睾丸。
身体の大きさや全身を覆った毛にも負けないくらい
それは主張が強かった。
そこだけは毛がなく、人間に近い形状だったが
サイズだけが規格外だった。
タクミは思わず、手を伸ばし、触れてみたくなる。
ズシリとした感触を想像すると、
もう自制が効かなくなりそうだった。
「おお?元気だなぁ、タクミは。ハハハ。
クマガミがそう言うまで、
タクミは自分自身の変化に気がつかなかった。
ああーーーーー!!!!
声にならない悲鳴をあげて、タクミは自分の股間を手で隠す。
もう遅いのに…完全にクマガミに見られたのに…。
「ゴメンナサイ!!ボク、ももも、もう出ますね!!
タクミは逃げるように浴室を出ていった。
まだちゃんと全身を洗ってないのでは?とクマガミは心配する。
走り去る後ろ姿を目で追いながら、口元に笑みが浮かんだ。
「若いって……いいな…。
脱衣所に出たタクミは、息を荒げてしゃがみこんでいた。
気持ちを整えようとするも、一向に下半身の憤りはおさまらない。
間近にあんなものを見てしまっては、無理だ。
本当は浴室に駆け戻りたい。もう一度、クマガミさんを見たい。
しかし、そんな事をしたら…この幸せな生活を失っちゃう。
クマガミさんに嫌われたら…もう死ぬしかないよ!
「どないしたんや?タクミはん、そんな所にしゃがみこんで。
お腹痛いんか?見してみ?
動転しきったタクミは、脱衣所に入ってきたタヌキバラにも
また気がつかなかった。突然来るのはなんでなんだ。
「た、タヌキバラさん…お店なのでは…?
「いやぁ〜、午前中の仕込みで汗かいてもうたんでな、
店に出る前に風呂入っとこ思て。
この時間ならクマガミはんが湯貯めとるやろしな。
お、クマガミはん、ちょうど入っとるんか?
おーい、クマガミはーん!ワテも入るでぇ〜!?
と、大声で叫びながら、タヌキバラは着ていた服を
ちゃっちゃと脱ぎ始めた。
作務衣の下は下着だけ。半袖の肌着と例のデカパン。
ぴったりとした肌着は、丸いおっぱいと丸い腹を際立たせ、
あろう事か、丸い大きな乳首までクッキリと主張させていた。
「とわっ、タヌキバラさん!な、なに脱いでるんですか!
「なにて…風呂入るゆーてるやん。
脱がんで入ったら服がびっちゃぁ〜なって気持ち悪いやん?
そう言いながら躊躇なく下着も脱ぎ去るタヌキバラ。
足先からほいっとパンツを蹴り上げてキャッチ。
その弾みで思いっきり揺れる、巨大な…タヌキの…玉袋。
え…。こ、これが狸の八畳敷??
タクミは度重なる衝撃に、だんだん感覚が麻痺し始めてきた。
彼の知識では、狸の八畳敷という概念は人間が作り出したお遊び。
実際の狸の睾丸は、どうという事もない。
それは昔、地元で見かけた狸のものを自分の目で確かめた。
しかし、目の前にいるのは狸じゃなく、タヌキバラだった。
獣人のタヌキの睾丸って…こんなに大きいの?
先程見たクマガミの睾丸よりもさらに巨大でしかも丸い。
皮の厚みが全然違う。両手で持たないと支えきれない。
パンツを脱いだ時も、すごい勢いで転げ落ちてきた(ように見えた。)
「なんや!タクミはん、タヌキのキンタマ見るん初めてか!?
そらそーやな、獣人も見た事ないゆーてたのに!ひゃっひゃひゃ!
アホな事聞いたわ、すんまへん。
タヌキバラはなぜか深々と頭を下げる。
ゆっくりと上げた顔は…満面の笑みだった。
「お詫びに〜、モミモミしちゃっても、ええで?
「えっ!?なっなにを言ってるのかわからない!
お詫びってなんですか!
「そんな、遠慮する事ないやんか。ワテらの仲やおまへんか!
ほれほれ、ぶーらぶら〜。逆さに読んだらラブラーブ!や!
「見せつけられても困るんです!わぁーーー!!!
「騒がしいな!タヌキ氏!またタクミをイジメてるのか!?
浴室から湯煙と共にクマガミが顔を出す。
濡れた全身の毛からは、湯がぽたぽたと床に落ちている。
当然、全裸のままだ。
「イジメてるんとちゃう、イジっとるのや。
もっと言えば、イジらせとるのや。
タヌキバラの姿をみて、クマガミも状況を察した。
やめんか、とタヌキバラを組み伏せて、タクミに目配せする。
「こんな所で遊んでたら湯冷めしてしまうじゃろう。
早く湯船に入りなさい、タクミ。
そう促しながら、クマガミの太い腕が、タヌキバラを締め上げている。
「イタイタイイタイ!くっ、クマガミはん!密着せんといて!
毛むくじゃらのおっさんに抱きつかれたらキッショやーん!!
タクミはもう思考停止状態で、言われるままに浴室へ向かう。
しかし、湯船に浸かると、少し気分が落ち着いてきた。
いつの間にか勃起もおさまっていた。ふう。
と、タクミがひと息つく間も与えず、
クマガミとタヌキバラも浴室へ入ってくる。
湯船に入る前にシャワーを浴びろ、と強制的にタヌキバラを
洗い始めるクマガミ。自分でやるがなとタヌキバラも抵抗する。
かわいいおっさん同士の絡みにタクミは…ほっこりした。
あいかわらず、ふたりとも性器は丸出しだったが。
…びたびたびたと足音が近づいてくる。
うつろな目でタクミはそれを認識した。
気がつけば、ふたりの獣おじさんが目の前に立っていた。
横に並んだふたつの生殖器はかたちも大きさも全然違う。
じゅ、獣人って…なんだか…凄い…。
ふたりは片足を大きく上げてタクミの顔に股間を近づけてきた。
「えっ!な、なに!なに!?
そこでタクミはハッと我に返った。
どうやらのぼせかけて意識が飛んでいたようだ。
ざぶわぁーーー!と豪快にお湯が溢れかえる。
大柄のふたりの獣人が、同時に湯船に巨体を沈めたせいだ。
とんでもない湯量が湯船から流れ、石畳に渦巻く。
タクミの両脇では、おじさん達が身体を徐々に湯に沈めていく。
やがて、3人が肩を並べるかたちになり、湯の流れも止まった。
半分以上の湯船の湯が溢れ去っただろう。
「ふぃいー!ええ湯やなぁ…疲れもふっとぶわ!
なぁ、タクミはん!
広い浴槽ではあるが、横並びで3人並べば密着せざるをえない。
肉厚な圧迫感にタクミは…肩身が狭い。
「は、はい…シアワセ…です…。
タクミはもう限界に近かった。
あ、熱い…本当は、もうとっくに湯船から出たい…。
しかし、ずっと、こうしていたくもある…。
ふたりのおじさんに挟まれて、ふれあいバスタイム。
地獄と天国を同時に体験している。嗚呼。
気がつけば、タクミは居間のソファーに横たわっていた。
どうやら限界を超えて意識を失ったらしい。
視界がぼやける。頭がクラクラする。
「タクミはん!目ぇ、覚めたんか!?気分はどうや?
ほれ、水や。はよ飲み!飲み!
いきなりペットボトルの水を頬に押し付けられてヒヤリと驚く。
ものすごく近い位置にタヌキバラの丸い大きな顔があった。
もちろん、ここは居間だが、タヌキバラは全裸のままだった。
「あ…ありがとうございます…
ボク、気を失ったんですね…。
「せやでー!無理したらアカンがなー!
人間は弱いもんやと聞いとるさけなぁ、
なんかあったらすぐにおっちゃんらに言うんやで!
タクミは受け取った水をゴクゴクと飲み干して、
マジでヤバかったかもしれないと思った。
水が旨すぎた。あっという間に全身に浸透していく。
しかし、目の前でぶらぶらするものも気になる。
心配げにタクミを見下ろすタヌキバラのそれは、
湯上がりもあってか、重く垂れ下がっていた。
ホカホカの温泉まんじゅう(特大)のようだ。
「た、タヌキバラさん、ま、丸出しです…。
「おほ、慌ててタクミはんを居間に運んださけな。
着替えとる余裕はチレッコッポもなかったんや。堪忍な。
「いえ、こちらこそすいませんでした…。
ありがとうございます、ですよね。うふふ。
「しゃーけど、このぶらぶら見とったら落ち着くやろ?
ヒーリング効果もあるんやで、ワテのタマタマ!
むしろ、ドキドキが止まらなくなるとタクミは思った。
タヌキバラは全然服を着る気配がない。
「おっ、気がついたかねタクミ。顔の赤みはまだ残っとるなぁ。
クマガミも心配げな顔でタクミの顔を覗き込む。
タヌキバラと違って、ちゃんとシャツとパンツを身につけていた。
タクミはしかし、少し残念にも思ったが、それはそれで…
クマガミは下着姿もセクシーだった。
「人間ってぇのは、ヒフが露出してるからな、
すぐ健康状態がわかるのは便利だなぁ。
ワシらとはそこが違うな。ほら、君のシャツだ。
クマガミは、タクミの着替えを持ってきてくれたようだ。
礼を言いながらそれを受け取ったタクミ、しかし…
タヌキバラだけじゃなく、自分も全裸だと気づく。
「わっ!わっ!わあっ!
慌てて身体を起こし、シャツで自分の股間を隠す。
突然起き上がったせいでまた頭がくらっとした。
「ホラぁ、まだ寝とらなアカンやん。ええやん別に丸出しで。
ワテも丸出し。お揃いで恥ずかしないよ。
クマガミはんはひとりで服着て、でりかしーないなぁ!
「す、スマン…。じゃあ、ワシも脱ぐか…。
と、真面目に自分のパンツを下ろそうとするクマガミを
タクミは慌てて止める。また、それが見たかった、
が、人としての理性がクマガミの行動を止めた。
「い、いいですから!クマガミさんは!
タヌキバラさんも、パンツくらい履いてください!
ボクも履くのでみんなお揃いです!
「なんやー、残念やなぁー。
タクミはんの、かわいいの、もっと見てたかったのに。
全身つるつるでー、あそこもツルツルでぷるぷる!
キャワワ〜やのになぁ〜。
「おお!?またタクミが赤くなっとる!!
大丈夫か、もっと水飲んだほうがいいぞ!待ってろ!
クマガミが慌てて冷蔵庫に走る。
ものすごい地響きが家中に響く。
普段は慎重に歩いているんだな、と、
こんな場にそぐわない事をタクミは思った。
「あれーっ!?なにオレのいない時に
タクミのヌード鑑賞会やってんンだ!!
オレにも見せろ!見せろよぉ!
大騒ぎしながらイノマタが居間の縁側から
バタバタとあがりこんできた。
仕事帰りにそのまま庭の方を通ってきたらしい。
重いスポーツバッグを無造作に放り出して、
タクミのそばに走り寄る。
こんなに不躾に覗き込まれる経験もない。
逆に血の気が引いて、タクミは冷静になれた。
「お、おかえりなさい…イノマタさん。
「おうっ、ただいまだぜタクミ!!
そんでよ、次はどうするんだ?踊るのか?舞うのか?
しかし人間の身体ってのは、エッロイよなぁ!
なんでそんな無防備につるっつるなんだろうな!
あっ!そうだ!これからオレと一緒に風呂入ろうぜ!
洗いっこするってのはどうだ!お互いに触りっこしようぜ!
クッソ楽しいなオイ!!
「イノマタ!バカもの!タクミは湯船でのぼせて倒れたんだよ。
だからこんな所で素っ裸なんだぞ。
ほれ、タクミ、水だ。飲め。
「クマガミさん…ありがとうございます…。
でも…ボク、イノマタさんともお風呂、入りたい…。
「なー!?タクミ、なぁー!!
じゃあ、オレも脱いじゃうからな!
楽しいよなぁー!全裸は!!ヒャホーイ!
「ほんならワテも、もっぺん風呂入るわー!
偶然、ワテも服着てへんし!ちょうどええやん!
「い、いいですね…ははは。
もうどうなってもいいやとタクミは微笑んだ。
ふと、クマガミの顔を見上げると、
なにか言いたげな表情をしている…。
「わ、ワシもまたタクミが倒れんように
一緒に入って見張る…。
と、またパンツに手をかけていた。
続く。
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