SakeTami
とろくじら
とろくじら

fanbox


【Skeb】(前書き付き)おふたりさま、ご注文を ―ティアとわたしの、あの時のその後―

Skebのご依頼で書いたSSです。

少し前段解説入れてます。見たくない方はpixivでも公開しましたので、そちらを!それによかったらブクマなど、スコアに反映もされますので、ご協力頂けましたら幸いです!

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21417549

もちろんコメントもお待ちしてます…!


 前回、ドラゴンアンバーの設定を使ったUBものとのご依頼を下さった方なのですが、今回は丸呑みプレイもご希望くださいまして……!前回たつのみこが勝手に匂わせていた、主人公の丸呑みフェチっぷりを開放させて頂きました。

 作者曰く「少し丸呑みに比重を寄せすぎたかも知れないですが、性癖どストレートに殴ってみました」とのことです。結果的には素敵な作品になっていると思います。よかったらお楽しみ下さい。


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎


 あれから1ヵ月。わたしとティアの“いつも”は少しずつ変わっていた。わたしを“愛したかった”ティアと、ティアに“愛されたかった”わたし。結局のところお互いを想いあっていたふたりだったが、あんな事件があってからも、まだそれを率直に言い表すには憚りがあった。

「あの……ね、ティア……」

「なんじゃ……おぬしはまた食事中に……」

碧色の鱗を物憂げに光らせながら、わたしの大切な愛竜は首をもたげた。喋る直前に呑みこんだ生の兎肉が、彼女の長い喉を通っていく。相変わらず食事の時間は、わたしにとっては試練の時でもあった。巨竜の身体にゆっくりと消えていくふくらみをまじまじと見つめながら、わたしは生唾を飲み込んだ。

 心焦がれた、兎の運命。この前ティアに“愛されて”なお、丸呑みにされた獲物の行く末には心を奪われてならなかった。胎内と同じぐらいに熱くて、狭くて、柔らかくて……そして、“ティアまみれ”で……。彼女に存在の全てを塗りつぶされて、包まれて。この間のわたしと一つだけ違うのは、丸呑みにされた獲物にはさらにその先があるという事だった。

 ドラゴンの強力な胃袋は、その中に取り込んだ獲物を跡形もなく消化してしまう。ティアのそういった“お世話”をさせてもらっていれば当然の事だったが、彼女の排泄した残滓を観察する機会がよくあった。もちろん、わたしの性癖のためではなくて、れっきとした健康管理の一環。健康な竜の排泄物は綺麗なもので、動物の骨はおろか、体毛一つ入っていないことが普通だった。


 ティアの体内で身も心も全て溶かされて、文字通り一つになる――わたしは、彼女の血肉となれる小動物たちに軽く嫉妬を覚えながら、巨竜の横腹をそろりと撫でた。

「――、おい、聞いておるのか?」

いつの間にか耳元で聞こえた声にはっと我に返ると、ティアが困ったような表情でわたしを見下ろしている。じっとわたしを見つめる翠の宝石は、優しさと、愛情と……そしてほんの少しの憂いが混ざったような、不思議な色合いをしていた。ふと、彼女は何かを思いついたように視線を逸らす。

「またわしの食事中に盛りおってからに……んぐっ」

仕方なさそうに呟くと、ティアは咳き込むようにしながら頭をぐぐっと天井の方向に向けた。先ほどの兎肉が喉に詰まっていたのだろうか。そんなはずは……。先ほど身体の中へと喉のふくらみが消えていくのをはっきりと確認したはずだった。わたしは慌ててティアの腹部に目を向ける。

「んふっ……んむっ……」

そうしている間にも、彼女の咳き込むような動作は続いた。まるで、えづいているかのような――わたしがその考えに至ると同時に、首の付け根に小さな膨らみが現れるのが見えた。それは咳き込む動作に合わせて、徐々に彼女の首を登っていき……やがてその頭部へとたどり着いた。


「ぉげぅぐはぁっ……はぁっ、はぁっ……」

勢いよくティアの口から飛び出したのは、先ほどの食事で与えたはずの、丸のままの兎肉だった。人間の食べるような、内臓や体毛の処理がされているそれは、溶けてこそいなかったものの、ひどい臭気の粘液を纏っていた。

 わたしは内心焦っていた。ドラゴンは基本的に食べ物を吐き戻さない。そもそも身体にそういった機能がないはずなのだ。生きたまま呑み込んだ獲物を逃がさないための仕組みだと、座学なんかでは言っていた気がする。とにかく、ティアがこれまで食事を吐いたことなど一度もない。だからこそこれは何らかの異変に間違いないのだった。

「ティア!?」

わたしはティアの頭に駆け寄ると、少し苦しそうに息を整える彼女を抱きしめた。息遣いとともに上下する、わたしの身体よりも大きい頭。


「んふ……んぅ……どうじゃ……?」

どうと言われても、それはこっちが聞きたいくらいだった。抗議するように顔をゆっくりと撫でると、彼女は言葉を続けた。

「わしらのような竜に食われたら、ああなってしまうのじゃよ」

くい、と首で促された方を見ると、そこには先ほど吐き出された兎肉の塊があった。……より正確には、粘液にまみれた何か。わたしがそれを肉だと分かったのは、彼女が食べたものを知っていたからだった。兎肉の表面は、ドロドロと濃密な消化液で分厚くコーティングされ、その内部に何があるのかを判別することすら難しい。ほんの少し黄味がかった半透明な粘液は、肉を中心に1メートルは広がっており、ティアの口に向かってその跡が続いていた。さながらそれは、アメーバ状の生物のようですらあった。

 その粘液塊からは、気がつけば凄まじい臭気が立ち上っていた。酸っぱい匂いと、獣の内臓を煮詰めたような匂い。ほんの直前まで竜の体温で暖められていたそれらが、竜舎の中に充満していた。こちらまで吐き気を催すような香りに顔をしかめながら、彼女は口を大きくひらく。


「ちょっとっ!?」

大きくあいた口は、わたしの上に覆いかぶさるように移動していた。ティアの生々しい口内が、頭上の視界をまるまる占拠していた。今までに何度も見慣れてはいたが、その巨大さには改めて感心する。兎どころか、人間でも簡単に丸呑みに出来そうなほどの大口。わたしの身体と同じぐらいに大きな舌の先端には、垂れ落ちそうになった唾液がぷるぷると震えていた。その奥には、兎肉が出てきた場所――つまり、本来は入っていく場所。竜の胃袋への入口、咽頭がうねうねと妖しく蠢いていた。何度も息づくように開いては閉じてを繰り返すそこから、蒸し暑い体内の空気が吹き出している。

「どうじゃ、気分の良い物ではなかろう……わしに食われてしまいたいなんて、変な考えは……」

ティアは動かなくなってしまったわたしを見て、してやったりと言わんばかりの瞳で、こちらを見つめて来た。だが、すぐにその眼はすぐに大きく見開かれる事になるのだった。

「おぬし……」

「……続けて?」

呆れ顔で目を宙に泳がせた彼女の瞳に、紅潮した顔のわたしが映る。先ほどからありありと見せつけられるそれらに、わたしの眼は臆するどころか、むしろ期待に濡れそぼっていた。ティアの、本物の、胃袋の中のにおい。夜な夜な寝床で想像していた彼女の体内の、その中のピースを埋めてくれる事実。確かに臭い、という部類の香りなのだろうけども、想像を超えてきた鮮烈な事実の体験に、むしろわたしの心臓は高鳴っていた。脳内に直接伝えられる、彼女のお腹の中の匂い。

 そして、なにより。ああ、ティアに食べられる獲物の最後の光景はこんな風なんだと、わたしは感動に打ち震えていた。まさか、本当にこんな体験が出来るとは思っていなかった。身体をすっぽりと覆い隠してしまうほどに大きく開かれた彼女の口。その中で波打つ、ピンク色の舌。何度も触ったことも、キスをしたことさえあるはずのそれは、いつもの優しく横たわる感じではなく、わたしを捕まえようと蠢く、捕食のための本来の姿。こんな舌に、全身を囚われて――わたしの視線は分厚い舌の、さらにその奥へと流れる――あの中へ。

 それは粘液に濡れそぼった、柔らかい粘膜の門。閉じていればどこが入口かさえも判別が付かないほどに柔らかく潰れた、喉の粘膜だった。兎肉が入り込み、そして今しがた出てきたばかりのそこには、ネバネバとした粘液……彼女の胃液がまだ絡みついたままで、それらが淫靡な糸を引いていた。この前入ったティアの下腹部にも似ていたが、大きく違うのは、それが紛れもない消化器官の一部であるという事。本来ならば出てこられるはずもない、胃袋への一方通行。


「まったく……仕方のないやつじゃ……」

動かなくなったまま目の前の情報を食い入るように摂取するわたしに、ティアの声が響いた。多少引かれたって構わないから、この現実を確実に記憶したい。わたしの羞恥心の箍を外すには充分なほどの状況。だがその時のわたしは、これからその状況がさらに進んでしまう事を、想像だにしていなかったのだった。

「――脱げ」


 聞こえてきた単語に耳を疑った。

「ぬぬ、え??脱げって?」

意図の読めない言葉だったとはいえ、わたしの頭の片隅には、ほんの小さな期待がチラついていた。裸になるということは、ティアはここで何かをするつもりには違いなかった。

「脱げと言っておろうが。わしの気の変わらぬうちに」

気が変わらない、という事は――言われるがままに従うも、作業衣のボタンを外す手が震えている。もしかして、もしかしたら。ドキドキしながら、わたしはシャツを脱ぎズボンを折りたたむ。下着一枚の姿になったところで、ほんの一瞬だけ躊躇した。こんな所を誰かに見られたら大変だった。わたしは竜舎に誰も居ない事を確認すると、丁寧にまとめた衣服を干し草の中に隠し――生まれたままの姿でティアの前に歩を進める。


 口を閉じたティアが、ゆっくりとその唇を舐めまわした。今のわたしの姿はまるで、竜に捧げられた生贄じゃないだろうか。そんな妄想に下腹部を熱くしながら、ドラゴンの巨大な頭部を見つめていた。今から何をされるのかは分からなかったが、ふと、先ほどのティアの様子を思い出した。苦しんでまで、わたしに兎肉を見せつけてくれた彼女。無理をしないとも限らなかった。

「でっ、でも……ティアが苦しいのはやだ、よぉっ!?」

乾ききった喉から絞り出した声を、分厚い舌が遮った。押し付けられたティアの柔らかい舌は、上半身を一時に舐め上げ、そのままわたしを押し倒す。敷き藁の上に倒れる、唾液塗れの少女を見下ろしながら、巨竜は続けた。

「ふん、獲物はおとなしく黙っておれ」

「っっ!?♡」

獲物、という言葉の蠱惑的な響き。たったのひと舐めで分厚く絡みついたドラゴンの唾液。ヌルヌルになってしまった顔を指で触りながら、その言葉を反芻する。わたしはティアの、獲物になっちゃったんだ。早くも息を荒げながら横たわるわたしの身体に、再びその巨大な舌が下される。

「んむ~~~~っ!!!♡♡」

でろりと力なく垂らされた粘膜が、私の上半身に覆いかぶさる。とろとろに柔らかい舌の表面に押し付けられたわたしの顔面は、声を上げる間もなくその中に埋もれてしまった。今までのどんなキスとも違う、それはれっきとした捕食行為のひとつ。わたしという身体を、味わい、舐めつくし、弱らせる……愛情とは違う性質の行動だった。息もできないまま、胸やお腹を潰すように圧しつけられる、巨竜の舌。わたしがその中で喘ぎ声を上げている事には、当然竜は無関心で――熱く柔らかな粘膜の中に顔を擦り付けながら、ひとつあることを思いついた。


「っぷぁっ……嫌っ、やだぁっ……♡」

何十秒も経ってからようやく舌が離されると、わたしは“嫌がる獲物”の声を上げてみる事にした。嬉しがりながら食べられる獲物なんているはずがない。わたしはティアの、獲物に、ごはんになっちゃいたいんだ。彼女の動きが一瞬止まり、ためらった様にも見えたが、そんなもの構わぬとばかりに三度目の舌が降りてきた。

「ふあぁっ♡♡やだぁっ、食べない、でぇっ♡♡♡」

ティア、大好き。こうしていつだって、わたしが本当に望んでいる事を察してくれた。そして今回だって……。つま先からゆっくりと登ってくる分厚い肉の熱に、わたしの情欲もどんどんと高く登っていく。これが、ドラゴンに味わわれるって事なんだ。思わず指先が股間に滑りそうになるのを必死で我慢しながら、生贄になった哀れな少女を演じ続ける。


 わたしの身体ほどもある巨大な舌は、それから何度も何度もでろりと降ろされた。巨竜は生贄の味を気に入ったかのように、その舌全体を使って風味を絡め取る。小さな凹凸が柔肌を擦れ周り、しなやかな柔肉は身体に沿ってぴったりと密着する。わたしの味の、ひとつも逃すまいとするその動きは、乱暴で、熱くて、繊細で。圧し潰されてもがく小さな獲物の抗議なんて意に介さない、圧倒的な質量。時間をかけてゆっくりと動かされる舌に、焦らされるわたしの心は弾ける寸前だった。

「はぁ~っ、はぁっ、はぁ♡♡♡」

腰をビクビクと震わせながら、分厚い布団のようなティアの舌を迎え受ける。いつかの夜中にも……自分の布団で、こうやって。それが今は現実になっていて、本当にティアの匂いがして、本当にティアの唾液に包まれて、本当にティアの舌で舐められて……。全身を粘ついた唾液でてらてらと輝かせながら、わたしは芋虫のように身体をくねらせた。


「そろそろ頃合いか……んむぁっ」

そうして開かれた、竜の巨大な顎……。その中央では、直前までわたしを舐めまわしていた巨大な舌が、うねうねと獲物を待ち構えていた。脅かされた時とは違って、いまやその口内はそこかしこに唾液が糸を引き、いっそうグロテスクな様相を呈していた。さっきと全然違う……そう思いながら、わたしは彼女の獲物としての最後の視点を楽しんでいた。熱い唾液が顔面にぼとりと垂れ落ちたのを感じ、目を閉じる――その瞬間、ティアの舌がわたしを掬いあげた。

「ひぇぁぁっ♡♡♡♡」

お尻を包み込むように股へ潜り込んだ舌先に、思わず情けない声をあげてしまう。声量こそ押し殺したものの、誰かに聞かれてしまったらまずい。だが、ティアの舌はそんな事お構いなしに、わたしを彼女の口の中へと納めてしまう。ぐい、と全身に大きな重力を感じると、その頭が空中高く持ち上げられたのがわかった。

 半開きの口の中で、わたしは巨竜の舌に跨っていた。まるで粘液まみれの馬の背に乗るかのような、舌への騎乗。ティアはわたしが落ちないように気を遣っているのだろう、舌の表面がうねうねと盛り上がっては凹みを繰り返していた。それによって激しく上下させられるわたしの身体は、むしろ快感を感じてしまう。全身をぶよぶよの舌の上でゆすられ、胸や肘の先からはネバネバとした唾液が飛び散った。

「ひっ、あぁっ♡出して、出してぇっ♡♡」

「ふん、逃がすわけなかろう」

ティアが喋るたびに、股下の大きな舌が気持ちよく揺さぶられる。でこぼこの凹凸が、内股に、そしてわたしの秘所を、容赦なく舐めつけていく。嫌がる獲物ってなんだっけ。自らに課した縛りを忘れてしまいそうになるほど強烈な快楽。嫌がるそぶりをみせながら、柔らかい下に股間を擦り付けてしまう。そして――

「今からおぬしを、丸呑みにしてやるのじゃからな」

「~~っ!?♡♡♡」

いっきに目の前が暗くなったのと同時に、わたしの身体は柔らかいものに圧し潰された。背中側を上顎に固定され、舌を抱きしめるような形で、わたしの全身は彼女の口内に収まってしまっていた。一気に濃くなったティアの匂いに思わずむせ返る。する“フリ”だとはいえ、これから丸呑みにされちゃうんだと考えるだけでも達してしまいそうだった。それぐらい、わたしの心は生贄になった気持ちで完全に陶酔していた。

「やっ、やだぁっ♡食べないでぇっ……♡♡」

食べないで、と言いながら抵抗するわたし。何度発音したって甘美なその響きは、自分がティアの食べ物として扱われているという事を脳内に上塗りしていく。匂い立つ彼女の唾液にまみれた身体を、吸い付くように柔らかい舌に押し付けながら。彼女の舌は、いくら抱きしめてみても、暴れてみても、わたしの身体を吸い込むように受け止めてしまう。

 がっちりと合わさった牙に触ってみても、それらは隙間なく閉じあわさっている。ましてやぬるぬるとした粘液のまぶされた表面は、獲物がその中で幾ら暴れても逃げられはしないのだろう。事実、わたしがそうだった。結構本気で出ようとしてみているのに、ティアの口内にはまるで歯が立たなかった。

「た、食べられちゃうよぉっ♡♡♡」

ティアの太い柔舌を抱きしめながら、わたしは全身を前後させる。胸を、頬を、秘所を……舌の表面にぐりぐりと埋めるように押し付けながら。泡立つ唾液がはじける音と、ぐちゅぐちゅと肉をこね回す音だけが聞こえる。暗闇の中で、彼女の匂いと、自分の匂いが混ざっていく感覚。柔らかい舌に自ら身体を擦りつけながら、切ない気持ちはさらに高まっていく。いつものように指で“して”もよかったけど、折角なら……

 ティアの舌だけでイかされたい。ティアの舌の根元のネバネバしたところに顔をぐりぐりと埋めながら、そのぶつぶつとした表面が頬を撫でるのを感じる。もっと味わってほしい、もっと“食べて”欲しい。それを言葉に出すわけにはいかないから、わたしは暴れるふりをしながら必死で舌をこね回した。そうしているうちに、今までされるがままだったティアの舌も、ようやく向こうから動き出す。

「ひっ♡♡んぁぁっ……♡」

身体にまとわりつく、ティアの分厚い舌。わきの下を通って背中を回り、わき腹を巻いてお腹までぐるりうと。まるで大蛇のようだったが、ティアの舌はそれと違って幅広で、たったの一巻きでわたしの上半身を包み隠してしまう。ドラゴンの粘ついた舌が、肌に張り付いたままずりずりと動くその感触に、わたしの理性なんかが耐えられる訳がなかった。

「ぅあっ♡♡♡♡ぁはぁっ~~~~……♡♡」

ティアの舌に顔を埋めながら、その熱い抱擁に喘ぎ声を上げる。分厚い肉の布団は、身体だけでなく、私の声までも全て包みこんでしまう。舌のとぐろの中で、身体をふるふるとうち震わせながら、巨竜の舌の動きに翻弄される生贄の娘。脇の下も、胸の先も、おへそも……獣の舌が、身体の隅々を文字通り味わっていく。そして、わたしの股間に沿ってべたりと押し付けられた、その舌の先端。


「きゅぅっ~~~~~~~♡♡♡♡♡♡♡♡♡!!!~~~っ!~~~~~~~っっっ!!!!♡♡♡」

頭が真っ白になると、身体がまるで自由にならないほどの勢いでびくんと跳ねた。顔を舌に押し付けてめちゃくちゃに叫びながら、わたしはジタバタと身体を暴れさせた。狭い口内でティアの唾液をぐちゃぐちゃにかき混ぜながら、お尻を、股の間をぬめつける舌に悶え悦ぶ。これが気持ち良くない獲物なんて、いるんだろうか。こんなにも熱くて、柔らかくて、激しくて……そしてちょっと臭い舐めまわし。一糸纏わない生まれたままの姿を、巨大な粘膜で何度も、何度も、巨竜の気が済むまで。そして、気が済んだら――

 その先を想像してしまうともに、すぐにまた激しい快楽が襲ってきた。再びぎゅうっと舌を抱きしめるわたし。息を荒げながら、愛しい彼女の名前を呼ぶ。

「はぁっはぁっ、ティア……♡♡ありが、とうっ♡♡」

彼女のしてくれたプレイは本当に、本当に、気持ちがよかったなんてものではなかった。快楽の余韻に浸りながら、わたしはでろりと元の位置に収まっていく舌を撫でつける。叶う事ならこのまま呑み込まれてしまいたいほどだった。だが、これはあくまでプレイで、ここまでだって事は初めから分かりきっていた。愛しい彼女に、わたしは感謝の言葉を囁く。

「……ティア?」

だが、彼女の反応がない。呼吸のたびに上下するティアの舌に横たわりながら、ごうごうと流れる呼吸音に耳をすました。もちろん寝ているはずもなく、彼女にわたしの声が聞こえない訳もなかった。でも、念のためもう一度――声を発しようとした瞬間、それは起こった。


「~~~~~~~っ!?????」

全身が、突如として大きく膨らんだ舌肉にずぶりと埋まり込む。そして背中に彼女の口蓋を感じたと思った時には、既に頭は柔らかい何かに押し込まれていた。つまり――


 ごくり


 わたしはついにティアに丸呑みにされてしまったのだった。


◆◇◆◇


「うあぁぁぁっ♡♡ああぁぁぁっ♡♡♡♡♡」

頭からつま先まで、粘ついた柔らかいものに包まれる。それが何かなんて考えるまでもなく、自らの居場所自体に興奮冷めやらない。

(わたしっ、わたしぃっ♡♡♡ティアにっ♡生きたままぁっ♡♡)

彼女の喉の中。巨竜の食道は、大柄な動物の角や爪でも傷一つ付かないほど、柔軟で、粘液まみれだった。普段食事として出しているのは兎や鶏などの小さな動物だったが、わたしみたいな動物が入り込んでも、襞の間がぐにゃりと広がってその身体をスムーズに受け入れる。肌に張り付くようなティアの食道壁が、わたしの肌をずるずると滑っていく。

(まっ、まっ♡♡まるのみにされ、ちゃったぁっ♡♡♡♡♡♡♡♡)

頭の先からつま先までを一遍に、それもずうっと継続的に撫で下ろされる感覚は、食べられてしまったという事実と相まって、わたしの情欲を二度目の絶頂へといざなっていた。

(いぐっ……♡♡♡♡ティアの身体の中でっ……わたしまたっ……♡♡)

ぴんと立ち上がった乳首が、滑らかな肉壁に擦れていく。身体中、わたしの身体の出っ張った部分を余すところなく、優しく包み込むように吸い上げる粘膜の動き。全身を柔らかな肉の筒に包まれながら、わたしはティアの膣内に居た時の事を思い出していた。あの時は、その後卵にされちゃいそうになって……

 生唾を飲みながら、わたしはもぞもぞと身体を動かした。飲み込んだ自分のつばさえ、ティアの味がいっぱいした。もう、喉の奥が焼けるように切ない。このまま行く先にたどり着いたら、わたしは――股間に伸ばした指で、ぷっくりと固くなったそれをぐりぐりと撫でまわす。

(っ~~~~~♡♡♡♡♡♡♡)

結末を想像しただけで、全身が雷に打たれたように震えた。顔に張り付いてくる粘膜からなんとか顔を逸らしながら、止まらず全身を撫でまわす竜の喉に身悶えする。そう、これは気持ちの良いプレイなんかじゃなくて、本当に本当の――


 べちゃり


「……ぶはぁっ……♡」

全身を包んでいた滑らかな粘膜から解放され、突然ねっちょりとした肉の中に滑り込んだ。ネバネバとした粘液を纏った肉の襞が、ぐにゃぐにゃと蠢きながらわたしの身体を受け止める。すっぱい匂い。それは兎肉が吐き出された時に嗅いだ覚えのある、あの匂いだった。だが、それは身体の外で時間の経ったものとは違い、不快というよりはただただ濃密で、むしろエロティックな香りにすら感じられた。膣の分泌液とは違って催淫作用なんてないはずなのに、鼻腔を満たすその香りは、わたしの脳内を痺れさせていった。

「うあぁっ……♡♡♡これ、これがぁっ♡♡」

うねうねと常に形を変える、狭くて柔らかい肉の袋。その中をネバネバとした粘液が絡み合い、どこまでが胃袋かすら判別がつかない。そんな、柔らかくって溶けるような言わば肉の沼に、わたしの半身は沈んでいた。

「ドラゴンの……ティアの……いぶくろっ……♡」

胃液を糸引かせながら、周囲の肉壁をぶよぶよと押し込んでみる。この向こうに、ティアのあの白くてすべすべのお腹があるんだと思うと、その中に納まっているという事実をより強く実感する。ようやく、ひとつになれるんだ……感慨に浸っていると、その通りだとばかりに、わたしの周囲の肉壁がぎゅうっと縮こまる。

「ひんっ♡」

(うれっ、嬉しいっ、よぉ♡♡♡♡)

小さく声を上げてしまいながらも、そこが竜舎の中であったことを思い出す。今回は誰もいない野営所ではないのだ。ティアがわたしを呑み込んでしまったのを誰かに気づかれたら、明日からティアは――明日――その言葉が脳裏によぎると、わたしの劣情は再び燃え上がっていく。

「はぁっ……♡」

遠慮がちに、わたしは小さく熱い息を吐き出した。彼女に丸呑みにされた獲物に、明日は来ない。わたしは、本当にティアの獲物になっちゃったんだ。今から、このネバネバの胃液で、兎さんみたいに溶かされて。ゆっくりと時間をかけてどろどろに溶かされて、彼女の栄養になっちゃうんだ。

 ぐちゃぐちゃと動き続けながら、肉の壁が代わる代わるにわたしの全身を揉みしだく。そのひとつひとつはとんでもなく柔らかくって、体重をかけたら埋まってしまいそうなほどだった。わたしはすぐにでもそうしてしまいたい衝動にかられながらも、まずは愛し気にその内壁を撫でまわす。

 胃袋の中は、新鮮な空気があるわけではなかったが、呼吸ができないわけでもなかった。生きたまま丸呑みにされれば、それこそ、何時間も……もしかしたら、何日間もかけてこの消化活動を味わう事になるのだ。これからやってくる、わたしにとっては文字通り死ぬまで味わい続ける快楽。まずは余韻に浸りながらゆっくりと……そう思っていたわたしが甘かった。


「んむ~~~~っ!?」

突然、ひっくり返されるような動きで、胃袋の中が揺れ動く。体内に入った獲物を感知したドラゴンの胃が、本格的な消化活動を始めたのだった。入った瞬間にも蠢いていた胃袋の活動は、本当はまだ始まってすらいなかったのだ。

 分厚い肉の壁に圧し潰されて、粘液どころか、何かスライムのようなものをかき混ぜるような重たい音に満たされる。空気を求めてもがきながら、まるでつきたての餅のように柔らかい肉をこね回すと、全身の至る所が、同時に舐められるかのような感覚に襲われた。全身が熱いのに、喘ぐことすら許されない。肉の波に揉まれながら、蹂躙されていく“わたし”という存在。

「んぱぁっ……はぁぁっ♡♡♡♡♡♡」

ほんのひととき解放されても、すぐにまた次の波が襲ってくる。わたしは既に食物のひとつでしかなく、そこに手心や尊厳などは一切ない。これが生きたまま丸呑みにされるという事。そして、それはわたしが心の底から望んでいた事でもあった。

「あぁっ♡♡ティアっ……♡♡♡」

四つん這いになって愛竜の名を呼びながら、わたしは自ら波の中へと飛び込んだ。ぐにょりと形を変えて受け入れる柔肉の中では、もはや上下や左右の感覚もなかった。どこまでも続くように感じられる、ティアのお腹の中。全部をティアに包まれて、わたしを塗りつぶされて。

 胃袋の肉に包まれたまま、わたしはヘコヘコと腰を振り続ける。胸や下腹部だけでなく、もはや全身のどこを触られても気持ちがよかった。何度も繰り返し襲い来る胃袋の蠕動。身体を消化液に晒し続けながら、粘膜に身体を擦りつけ続けた。

「もうぅっ、んんっ、もうっ♡♡♡っ……♡♡」

既にわたしの理性はほとんどすべて溶け切っていた。バレてしまうとか、そんな事を考える余裕もないくらいに、わたしという自我は、食物という位まで堕とされていた。もはやわたしはただの動く肉の塊で、ただひたすらに快楽を貪り続ける獣でしかない。


「んはぁっ♡♡♡!!!っ~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡♡♡♡!」

思わず上げた最大の嬌声さえ、巨竜の胃袋が押し包む。濃厚な胃液にまみれた身体で、獣のような声を上げるわたし。このまま溶けたい。ティアとひとつになりたい。消化されて、ぐずぐずに溶けて、ふたりで――

 ティアがそれを、望むのなら……薄れゆく意識の中で、ティアの鼓動だけが大きく鳴り響く。快楽がふっと意識の端から飛び立つと、泥の中に落ち込んでいくような眠気がわたしを襲うのだった。食べてくれて、ありがとう。そんな感謝の気持ちだけが、最後まで残っていた。



◇◆◇◆


 気が付くと目の前に、白いお腹があった。辺りは真っ暗で、竜舎の豆電球だけが寂しくぽつんと灯っている。その空間で、わたしは地面に倒れていた。あまり寒くないけども、何かを着ているのだろうか。身じろぎをすると、ねちゃりという音と共に、嗅ぎ覚えのある、饐えた香りが漂ってきた。

「あれ……わたし……」

覚醒しきらない頭を整理しながら、最後の記憶を辿る。わたしは、確かにティアに丸呑みにされて、胃袋の中で絶頂して……それが夢ではない事も、全身を包んでいる彼女の胃液が告げていた。つまり、そういう事だった。


「っ……ごめん!ティア!!」

ようやく事実に気づいた彼女は我を取り戻すと、目の前の竜の頭に向き直った。わたしは自分が恥ずかしかった。欲望に負けて、ティアに自分を本当に食べさせてしまっただけでなく、挙句の果てにお腹の中で嬌声を上げて……そして、兎を吐き戻す際に苦しそうだった彼女の姿を思い出す。わたしを吐き出すのなんて、その数倍は大変だったんじゃないだろうか。

「ふん、好き勝手に暴れおって……」

ティアはわたしを一瞥すると、ぷいとそっぽを向いた。

「味見をする段からいやだいやだと暴れおるし……あれでは……」

顔を合わせないまま続けられる文句だったが、わたしは勘づいてしまった。彼女が本当に怒っている時の感じではない。むしろこれは、何か照れていたり、嬉しかったりする時の癖。鱗で覆われた顔が赤みを帯びる事はなかったが、代わりにその声が色づいていたように思う。

「わしも……」

「ふふっ、美味しかった?」

「っ!」

言葉を選ぶように吐き出すティアを遮るように聞いてみた。もしかしたら、彼女もわたしのああいう演技を気に入ってくれたのかもしれない。それが正解であることは、わたしなら尻尾を見れば瞭然だった。

「すまん……実はわしも……その……」

「そう、暴れる獲物に興奮しちゃったんだね」

ティアがたまらなく愛おしかった。恥ずかしそうに呟く彼女の気持ちを肯定するように、わたしは言葉を補う。そして何よりも嬉しかった。あの行為で興奮していたわたしと、ティアが同じ気持ちだったなんて。

「じゃから……さっきは眠ったままのおぬしを使って……慰めようと……」

「わかってるよ、ティア。……いいよ?」

両手を広げながらおいで、としたつもりだったが、ネバネバの胃液が絡み着いた身体では、お化けの仮装みたいな恰好だったかもしれない。そうしてもじもじとするティアの下腹部に近づくと、おとなしく座って、その時を待った。


「では……ゆく、ぞっ♡」

ティアの声と共に、あの時と同じように迫りくる、ピンク色に色づいた割れ目。中から現れた桃色の肉壁に、わたしの頭が包まれていく。優しくキスをするような接触のあとは、まるで堰を切ったかのようにずぶりと全身を取り込まれる。

「んにゅっ……♡♡はぁぁっ~~~っ♡」

とろとろに柔らかい肉壁は、わたしの形にぴったりと密着した。その身体を愛するかのように、癒すかのように舐めまわす、ティアの膣壁。こっちがお礼を言いたいぐらいなのに、彼女の胎内はどこまでも優しかった。

 そして、じわりとしみ出してくる分泌液。むわりと香るその匂いは、ふたりの営みの、始まりの合図だった。強烈すぎるその催淫効果も、半日ほど絶頂し続けて疲れ切ったわたしの身体には、丁度よいくらいだったかもしれない。既に、心臓がどくどくと早鐘を打ち始めていた。


「はっ、はぁっ♡♡♡ティアっ、好きっ、だいすきぃっ♡」

奥に連れ込まれるにつれ、粘液の濃さも量も、段違いになっていった。ティアも今回ばかりは相当のお預けを食らっていたのだろう。前回感じたのと同じくらいかそれ以上に、その膣壁は膨潤し、濃密な粘液を分泌し続けていた。わたしの気持ちや身体もそれに答えるように、高まっていくのを感じる。愛の言葉を叫び続けながら、彼女の胎内で身体をくねらせ、手足を突っ張る。

 ティアの返事は、その内壁の動きでつぶさに感じられた。ぎゅっと圧し潰すように膨らんだ粘膜に挟まれて、それが嬉しくてたまらなかった。奥へ手前へと繰り返される抽挿に、ふやけきったわたしの心は、一気に昂っていく。

「いっしょにっ、一緒に、いこっ……?んぅっ♡♡♡♡」

ぐちゃぐちゃと咀嚼するように蠢く膣壁に、わたしも秘所を擦り付ける。目の奥がチカチカするくらい、喉から心臓が出そうになるくらい、気持ちがよかった。思わず抜けそうになる力をふり絞りながら、お尻を、お腹を前後させる。ティアを気持ちよくさせたかったのに、わたしが気持ちよくさせられちゃって。でも、それでいいんだ。ふたりで、一緒に。いつまでも、くっついて、愛し合って。


「ひぁっ!んきゅぅ~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」

ひときわ大きく膣壁が膨らむと、わたしが上げた嬌声は奥へと呑み込まれていった。彼女の肉に包まれながら同時に達してしまった事が、少しこそばゆかった。今日何度目か覚えていないほどだというのに気持ちよく果ててしまったわたしだったが、それもティアの催淫液によるものだろうか。肉壁が収縮し、その抱擁から解放されたわたしは、大量に分泌され続けている粘液を指でいじりながら、彼女の肉壁に軽く口づけをした。

「えっ、ちょっ!?今♡♡イッたばかりっ♡♡♡でっ」

唇が触れたそこが、再び大きく膨れ上がる。わたしをうずめたままビクビクと震える肉の壁は、絶頂したばかりのわたしを離してはくれなかった。ぎゅうっと収縮しては震えてを何度も繰り返すティアの肉壁に、再び呑み込まれていく身体。きっと彼女の気が済むまで。ドラゴンの絶頂がどれぐらい続くのかは、わたしも知らない。腰が溶けそうになるほどの快楽に支配されながら、わたしは恍惚とした忘我の悲鳴を上げ続けるのだった。



 誰も居ない、深夜の竜舎。そこに横たわる美しい碧のドラゴンと、そこに居ないはずの人間の声。その白い腹部からは、くぐもった叫び声が何度も聞こえて来るのだが、その声は恐怖からくるそれではなく、純粋な快楽によるものである事は間違いなかった。ふたりの幸せは、いまも、これからも、この先ずっと。いつまでも永く続いていくのだろう。




More Creators