「もー!」
子ども用のベッドを背もたれのようにして、フローリングの床に座り込んだまま、眠りこけている陽和を見て、那月は、口を尖らせ、不満そうな声を上げた。
小さい頃から、何度も遊びに来ている、幼馴染の陽和の家。
勝手知ったる、その家に、今日は、彼が見たいと言っていた本を届けに来たのだ。
少しでも早く会いたくて、高校から直行したのに。
高校の同級生からは、デートでもあるの? とからかわれて、そうだと肯定は出来ずとも、そう言われてちょっとうれしかったのに。
「起きてよ、陽和くん~。ていうか、玄関、開いてたよ。危ないなあ」
声を掛けながら、那月は、制服のプリーツスカートが、めくれないよう、手で押さえながら、睡眠中の陽和の傍に座る。
そして、以前、自分も鍵を掛け忘れ、挙句の果てに、自慰に更けていたところを見つかり、あんなことやらこんなことをされたことを思い出し、一人、羞恥に、その場で顔を手で覆う。
なんで、鍵かけ忘れるかなあ。
過去の自分を咎めながら、ちらりと、陽和の寝顔を見つめる。
可愛い寝顔してるなあ……。
背丈はまだ、那月より小さな彼を、年下だと充分認識してはいたが、こうして寝顔を見ると、より一層、幼さを感じる。
ベッドにもたれかけて寝落ちした彼の横に、那月は、引き寄せられるように座り込む。
寝顔、小さい頃と変わってない。
那月がまだ小学生だった頃、もっと小さな陽和と遊んでいたことを思い出し、那月は、ひとり、くすくすと笑う。
そして、そっと、彼の頭へと手を伸ばす。
さらさらとした黒髪が、那月の手をすべる。なでなで。昔、よくこうしてあげてた。
小さい頃は喜んでたけど、だんだん、恥ずかしがってきてた気がする。
そのうち、人のこと、呼び捨てにしだすし。まったくもう。
こめかみから、頬にかけて、手でなぞれば、くすぐったいのか、陽和が声を上げる。
「んー……」
「ふふ」
那月が、思わず声を漏らして笑う。頬の感触を確かめるように、手のひらを添える。
柔らかな子どもの肌が、弾力を返し、那月は目を細める。
指先を、顎の下に忍ばせながら、親指を、唇へと当て、ぷにぷにと、小さく押す。
「うぅー……ん……」
猫をあやすかのような仕草も、眠る陽和は、ただ、こそばゆそうに、少し身をよじるだけだ。
起きないのかな。結構、陽和くん、熟睡型だなあ。
こんなに、幼い子供相手に、何をしているのだろう。
可愛い、と思い、つい手をのばしたはずなのに。気付けば、那月は、自分が触れることで陽和が反応を返すことに、夢中になってしまっている。
「……陽和、くん」
いっそ起きてくれれば、と思い、ぽつんと、小さく呟いた声も、彼の寝息にかき消されていく。
背徳をおぼえながら、つつつ、と、指先を、首筋から、胸元へと落とし、くるくると円を描く。
寝息で規則的に上下する胸元で、手先を遊ばせ、そのまま、ポロシャツのボタンに手をのばしたところで、ハッと我に返る。
何してんの、私。完全に、脱がそうとしてたし。
絵的には、弟の着替えをうながす姉のようではあるが、心は完全にやましい。
今しがた行ったことを、消すかのように、那月は、ぶんぶんと首を横に振る。
早く起こしてしまおう。本気で襲いかねない。
陽和へと傾けていた上体を正し、那月は、ぴんと背筋を張る。
手元でもつついたら、起きるかな、と陽和の手を見る。
そして、ふと、その手元の近くに、青と赤の丸いシールを見つけた。
*
「ん? なにこれ」
那月が二枚のシール台紙に手を伸ばす。
それぞれ、青と赤の丸形のシールが並んでいる。
シール台紙を持ったまま、那月は、しげしげと青と赤の丸を見つめる。
なんだろう、これ。何か、見覚えがあるような……。
そういえば、陽和くんが持っていたのを、前に見たことある気がする。
そうだ、高校からの帰り道に、久しぶりに陽和くんと会って、倒れちゃった時のだ。
那月は、なんとなしに、シール台紙を、陽和の自室の天井へとかざす。
LED照明に照らされたシールは、海外の言語のような文字や、記号が小さく描かれているのがわかる。
「なんのシールなんだろ……?」
那月は、いぶかしげに、目を細める。
たかがシールなのに、何を、こんなに自分は気にしているのだろう。
あまり私物を勝手に触るのも、と気が引ける一方で、なかなか、手を離せない。
台紙に列をなして貼られているシールだが、貼り直しが可能なのか、ところどころ、列が不規則に乱れている。
付箋のように、何度も使えるものなのだろうか。
「こんなの今、流行ってるのかなあ。どう使うんだろ」
小学生の今のトレンドに明るくない那月は、首をかしげる。
繰り返し使うなら、ゲーム用とかかなあ。
両手にそれぞれ、赤と青のシール台紙を持ち、那月はそれぞれ見比べる。そして、青色の丸いシールへと手を伸ばす。
陽和くんが使うとしたら、青色かなあ、と。用途も分からぬままに、那月はひとつ剥がした青色のシールを、自身の左の薬指の爪へと貼り付ける。
出来栄えを確認するかのように、左手の指を、拡げる。
まさか、ネイルシール、なんてことはないだろうけど。
何らかの形で、彼が愛用しているシールを貼り付け、満足げにほほ笑む。
「なんか、意外と可愛いなあ。光の加減で、柄も見えるし……」
ひとり呟いたところで、那月は、頬を赤く染める。
いや、左の薬指って。何やってるのよ、私。
剥がして元へ戻そう、と台紙に手を伸ばす。が、なんだか、身体が熱くて、ぼーっとしてしまう。
どうしたんだろう……、急に。
那月は、ぼんやりと、青いシール台紙を見つめながら、気付けば、ぺりぺりと、他の青いシールを剥がしていた。
そして、左のすべての爪に、青を貼り付けた頃には、身体中が疼いて仕方がなくなってしまっていた。
「……ふぁっ、はぁ……ッ、はぁッ、……なに、これ……」
頬を赤らめ、涙目になりながら、那月は、爪先を青色に飾った手を、口元に押し当てる。
いまだ、ベッドに背を預けて眠っている陽和を見つめる。
ドクン、と身体が、ひと際、疼き、那月は再び、彼の顔へ両手を伸ばしていた。
幼い寝顔をした両頬を支えるように、手を添え、陽和の顔を持ち上げる。
サラサラした黒の短髪が、重力に従い、ばさりと流れる。
那月は、熱にうなされたまま、陽和の唇を食むように、口付けた。
「ん、ぅう……っ、はぁ……ッ!」
くちゅくちゅと、舌が水音を奏でていく。
「ぅ、んー……」
陽和が、閉じる目に力を入れて、声を漏らす。
眠りが浅くなっているのが分かっていても、那月は、止められなかった。
それどころか、欲は拍車をかけていき、座り込んで眠る陽和の上に、那月は、またがるようにして、密着させる。
「ふ……はぁッ、どうしよう……、ぜんぜん、足りない……」
那月は、泣きそうな声でつぶやき、眠る陽和を見つめる。
突然、自分はどうしてしまったのだろう。
明らかに、異常に欲情している自分に、那月は戸惑いを覚える。
キスだって、初めてしたのに。
ごくん、と生唾を飲み込み、那月は、陽和の寝顔を見つめる。
そして、彼の頬に添えた、自分の指先に、青いシールがきらり、と反射するのが目に入る。
もしかして、このシールを貼ったから、だろうか。
たかがシール、と思うが、貼るタイプの薬品だってあるわけだし、在り得ない話ではない。
でも、そうだとして、幼い陽和が、そんなものを持っていたりするだろうか。
ふらふらと、気を許すと、すぐにでも、自分が乗り上げた幼い子供に、肌を重ねそうな勢いの己を、必死で落ち着かせながら、那月は、頭を働かせる。
「はぁ……、ん……」
高熱の身体をふらつかせた後、那月の目に、シール台紙が映り込む。
青のシールを貼ったから、こうなったとしたら。
それなら、赤は……?
細い指先が、赤いシールの台紙をつまむ。
青い爪先が、一枚の赤い丸型のシールをはがし、そして、右の手の甲に、赤を貼り付けた。
その瞬間。
「ん、ひゃぁああ!?」
ビクンッ!! と那月は、陽和にまたがったまま、大きく跳ねあがる。
全身の細胞にエラーでも発生したかのような、違和感を、身体中に感じて、背を反りかえる。
「あぁあああぁあああっ!! ぃやあぁっ!? なにこれ、あぁああ、ぁああああああああああっ!!」
耐え切れず、声を上げる那月だが、自身の身体の違和感のほかに、周囲の景色にも恐怖を感じていた。
部屋全体が、少しずつ、大きくなっていっている。
乗り上げていたはずの陽和も、どんどん、那月より、大きくなっていく。
床に伸ばしていた那月の足が、あっという間に、床を離れていく。
陽和の頬に触れていた手が、頬に届かなくなり、陽和のポロシャツの上へと、手をつく。
那月が変化に、驚きながら、自身の手を見れば、左の爪と右の手の甲に貼ったシールが、どんどん大きくなっていくのが見えた。
赤いシールは、那月の手首を覆うように、貼り付く。
青いシールは、ひとつは、手の甲を隠すように貼り付き、もう一枚は、指先を包帯のように絡みついている。
那月の手に貼りきれなかった残りの青い大きなシールは、ぽとり、と、陽和の首筋へと落ちてしまった。
「ぁ……っ」
那月は、陽和のポロシャツの襟につかまりながら、陽和の首筋に小さく貼りついたシールと、自身の手についた大きなシールを、交互に見つめる。
「……私……、小さく、なったの……?」
全長わずか十センチ程だろうか。
呟いたものの信じられない、という気持ちが溢れる一方で、急速に、前にも何度か、こんな風に身体のサイズを縮めた夢を見たことがある、と記憶がよみがえっていく。
──あれって、夢じゃなかったの……?
呆然としていると、襟を支えにしていた身体が、大きく揺れ、顔を上げる。
「ぅわっ?! 何?」
見れば、ベッドに頭と背を預けて眠る陽和が、息苦しそうに、大きく呼吸をしているのが見えた。
あれだけ目の前で騒いでいたにも関わらず、まだ眠ったままのようだが、これまでと違って、頬が赤らみ、汗ばんでいる。
那月は、陽和の首筋を見れば、小さな青いシールが、陽和の呼吸に合わせて、上下している。
青いシールより、ほんのわずかに小さな汗の雫が、振動に負け、するりと、彼の首筋を流れ、那月のすぐ傍のポロシャツへと転がり、染み込んでいく。
那月が縮んだ際に、爪から剥がれ落ち、彼の肌に貼り付いた青いシール。
もしかして、青いシールが、貼られたから、陽和くんも、えっちになっちゃってる……?
浮かんだ仮説に、那月は鼓動を上げながら、小さな身体に力を入れる。
胸元のボタンに足をかけ、襟をつかんで、陽和の胸元をよじのぼっていく。
ポロシャツが途切れ、陽和の首元の素肌に、小さな手を置き、素肌の体温を感じて、どきりとする。
まだ幼い首元のすぐ傍に、那月は小さな足を乗せ、陽和の顎を手で掴む。
「ん、っしょ……、と」
顎を支えに、身体を起こせば、目の前に、陽和の大きな唇が目に入る。
先ほどは、この唇を、自分の口で、全て覆う勢いで、口づけしていたというのに。
そっと、背伸びをして、那月は、陽和の唇を、覗き込むように近づく。
今のサイズだと、口の中に吸い込まれてしまいそうなほどだ。
「すごい……。私、本当に小さくなっちゃったんだ……」
とろん、と目をゆるませ、那月は、小さな身体を陽和の口元に預け、小さな足が宙に浮く。
寝息の風を感じながら、那月は、陽和の大きな唇に、小さな唇を重ねた。
「ん、……っ、食べられちゃいそう……」
ちゅ、と小さな音を立ててキスをした後、那月は微笑む。
小さな口を開いて、那月は、甘い声を上げる。
「陽和くん。起きてよ。……私のこと、ほんとは、何回も、小さくしてたんでしょ?」
言葉で怒っている素振りを見せながらも、那月の熱は、上がる一方だった。
欲と感度が上昇した頭で、途切れ途切れ、記憶を辿る限り、手の甲に貼った大きな赤いシールを剥がせば、那月は元の大きさに戻るはずだ。
けれど、那月は、陽和の口元に、小さな手を置きながら、へにゃりと顔を緩ませる。
身体がふわふわして、気持ちいい……。
もう少しだけ、このままの大きさでいて、陽和を驚かすにのいいかもしれない。
那月は、ちらりと、熱い身体にうなされる陽和を見上げる。
だって、陽和くんも、辛そうだし。
いつもは、知らない間に、小さくなってたけど、こんなの、めったにないことだもん。
那月は、欲に満ちた顔で、妖しく笑い、陽和の首元に、ぴょん、と飛び降りる。
呼吸で上下する胸元を、ごそごそと動き、手のひら程の大きさと化した、シャツのボタンに手を触れる。
「んっ、んん-っ……、かたくてボタンが外せない……」
那月は、小さくため息をついた後、陽和のシャツの、ボタンとボタンの狭間を掴む。
ぺろり、とめくると、今の那月には十分の隙間が生まれる。
「ふふ……」
いたずらめいた笑みを浮かべ、那月は、その隙間へと潜り込む。
もぞもぞと、地肌の上を四つん這いで進む。
緩やかな勾配をもつ肌も、上から押さえつけるポロシャツが落下を防ぐ上に、密着をうながし、ぞくぞくする。
シャツと肌の間に埋もれながら、那月は、陽和の体温を、全身で感じ、うっとりとする。
これなら、制服を脱いで、潜り込んでも良かったな、とすら思うほど、那月は、すっかり、夢中になっていた。
陽和の胸元を進み、那月は彼の乳首に辿りつく。
呼吸に合わせて動く、幼い乳頭を、那月は獲物を見つけたメスのように見つめる。
小さな両手で、先端をつまみ、ぐにぐにといじる。
「ん……っ、んー……」
服の外から、陽和の寝息が聴こえ、那月はごくん、と息を呑む。
小さな手で、懸命に力を入れ、少しずつ、尖りを帯びていく先端、汗ばんでいく肌。
那月は、四つん這いから、上半身を倒す。制服のプリーツスカートがまくれ上がるのもかまわず、陽和の肌の上に押さえつけるように密着する。小さな口を、あらん限り開き、かぷ、と胸の先端にかじりつく。
その瞬間、陽和の身体が、ぴくりと震える。
──あ、陽和くん、感じてくれてる。
那月は、熱を帯びた頬を緩めて笑い、小さな舌をのばす。ちろちろ、と小さな舌で、大きな乳頭を舐め上げる。
「ふぅっ、んん……っ、はぁっ、ふひゃっ」
小さな口に、全て入りきらず、唾液を垂らしながら、那月は乳首をついばむ。
やっぱり、このサイズだと、撫で上げるだけで一苦労だ。
元の大きさに戻った方が、いっぱい、色々できるかな。
少し驚かすつもりが、もはや、那月の中では、いかに陽和と情事を進めるかに、切り替わってしまっている。
小さな口で、陽和の乳首をしゃぶりながら、そんなことを考えていると、陽和の身体が、刺激をまぎらわすように、ぐらりと傾斜を上げる。
「ひゃっ……!」
那月は、バランスを崩し、陽和の肌とシャツの間で、ころころと転がり落ちる。
「やぁああっ! 落ちちゃう!」
ぽすん、と音を立てて、那月は、陽和のシャツを抜け、ズボンの上へと落下する。
「痛い~」
那月は、陽和の太ももの上に、うつ伏せで不時着したまま、小さくうなった後、小さな頬を、ズボンへと押し当てて、ひとり笑う。
「ふふ……。膝、暖かいなあ」
あんなに小さな彼の膝の上に、全身を寝転がらせていることに、不思議に思いながら、那月は小さな手で、陽和の膝を、撫でまわす。そして、そっと、顔を上げ、腿の狭間、股間で存在を主張するような膨らみを見つける。
那月は、静かに身体を起こし、ゆっくりと、その盛り上がりに近づく。
すぐ傍にしゃがみ込み、ズボン越しに触れ、硬度を感じる。
「わあ……、すごい。おっきくなってる」
那月は感嘆にも似た声を上げ、小さな両手で、感触を楽しむように、服越しに陽和の股間を愛撫する。
触れれば触れる程、硬度と熱が増すような気さえして、那月の中の熱も上がっていく。
もっともっと、触りたい。
那月は、抱き枕のように、服越しの陰茎にまたがった後、ズボンのファスナーを両手でつかむ。
「んっ……、くっ、結構かたいっ」
必死で力を入れるも、なかなか、下げられない。
那月は、陰茎にまたがった両脚に力を入れ、精一杯の力を出し、ファスナーを自身に引き寄せる。
ちり、と小さな音を立てて、ファスナーがようやく少し下がった、その瞬間。
「きゃあっ!?」
むんずと、全身を手で掴まれ、那月の小さな身体は、宙へと浮かびあがった。
*
「──何、してんの。那月」
頬を上昇した熱で赤らめ、息苦しそうに呼吸をした陽和が、那月を睨んでいる。
目線の高さまで持ち上げられた那月は、ふらふらと、足場のない小さな足をぶらつかせたまま、陽和の大きな指に、小さな手を添える。
「えへへ……。起きたの、陽和くん。おそいよお」
那月は、熱欲に酔いきった顔で笑い、大きな指に小さな頬を、すりすりと撫でつける。
陽和は、那月のすっかりできあがっている様子に、少しだけ驚いた後、小さくため息をつく。
「ていうか、なんで小さくなってんの。青いのすげー貼り付けてるし……」
「陽和くんだって、青いのいっぱい貼ってるよ」
「え?」
那月が小さな指で、陽和の首筋を示し、陽和が、視線をそちらへと反らしながら、空いた手で、肌をなぞる。
「って、うおっ!? 三枚も!」
「剥がしちゃだめだよお、陽和くうん。わたひらって、二枚貼ってるんらよお」
全身をつつむ陽和の指が気持ちいい。
那月は、ろれつが回らない口で、へにゃへにゃと笑いながら、反論すれば、陽和に睨まれる。
「なら、──那月も三枚、貼れよ」
陽和が、床に転がったシール台紙から、青いシールを一枚剥がし、那月のスカートをめくり上げ、太ももへと貼り付けた。
「ふきゃああああっ!?」
全身の熱が一気に上げられ、那月は、陽和の手の中で、背を反らす。
元のサイズの時に、五枚貼り付けた時よりも、大きな反応が、自分の中で開始したのが分かった。
「ぁひいいんっ! らめええ、陽和く……っ! これ、わらひ、こわれるっ!」
身体中に電流でも流れているかのようだ。那月が必死で声を上げるも、陽和は聞く耳を持たない。
「嫌なら自分で剥がしてみろよ」
陽和は、那月の握る手の力を強め、空いた手で、那月の小さな頭を後ろからつまむ。
指先で、ぶに、と頬を押さえられ、上半身は、陽和の手中に埋まった那月は、じたばたと動くも、力がまるで敵わず、小さく揺れるだけに終わる。
「やぁあっ、離してえ」
那月が小さく暴れるのもかまわず、陽和は、シールの粘着を強化させるように、太ももに貼った青いシールごと、那月の脚を撫でつける。
「ひゃんっ! やぁあん、らめえっ」
「そっちが先にエロいことしたんだろ」
陽和の指が、那月の太ももをなぞり上げ、スカートがめくれるのもかまわず、下着越しの割れ目にまで到達する。
「うわー、びしょびしょだね、那月。お漏らししてるみたい」
「ちがっ、ちがうもんっ! 陽和くんのばかっ、ひゃあああっ!? 動かしちゃだめえ」
ぐりぐりと、指の腹を前後に動かし、那月は、陽和の指の上で、身体を揺らされる。
くちゅくちゅと、水音が増し、那月は、ぱくぱくと、声なき声を上げる。
「こんなに小さいくせに。俺の指、すげー濡れてきたんだけど」
動きを止めた指が、離れ、那月の小さな顔のそばへと向けられる。
大きな指の腹に、那月の愛液が、きらりと輝き、那月は恥ずかし気に、目を逸らし、那月を掴む陽和の手先へと、顔をうずめる。
しかし、長く隠れていることは叶わず、陽和の大きな指先が、那月の顔を無理やり、前へと向ける。
ぐい、と上げられた顔に、陽和の大きな口が近づき、飴でもしゃぶるかのように、那月の小さな顔をなめていく。
「ん、ひゃぅうっ、はふぅん……!」
生暖かい唇と舌に、顔じゅうを包まれ、那月は、次第に抵抗をやめ、とろりとした顔を向ける。
陽和の唾液で、長い髪を、顔にはりつかせながら、小さな口を開く。
「陽和くん……、もっとキスして」
消え入りそうな甘い声で、那月がねだると、陽和は、那月と同じく、欲熱に満ちた目をして笑う。
小さな顔を唇で濡らすように、もう一度、キスをして、舌をのばす。
那月は、陽和の手の中から、小さな身を乗り出し、小さな口を開け、陽和の大きな舌を甘噛みする。
たしなめるように、陽和の舌が、那月の小さな舌を押し返し、那月の口を舌先で埋める。
「んん、ふぅぁ……っ」
那月が苦し気に息をもらすと、陽和の舌が、那月の口元から、細い首筋をなぞるように動く。小さな身体を支える指が、ぐにぐにと、那月の身体を撫で上げる一方で、空いた手が片足を掴み、持ち上げる。
無防備にさらされた太ももに、陽和の大きな唇が触れ、むに、と腿を挟む。
口の動きと共鳴するように、那月は、小さな身体を、陽和の手の中で、震わせる。
「ぁあぁっ、はぁん……っ! 陽和くんっ!」
陽和は、人差し指を、那月のショーツにひっかけてずらす。
あらわになる潤いを増した割れ目に、陽和が舌でなぞり上げる。
「ふひぃいいいんっ!! ぃあ……っ! あぁあふぁあんっ!」
ぬるりと大きな舌が、那月の蜜を、次々と舐め上げていく。
大きくて柔らかな舌で、敏感な箇所をなぞられる。
那月は、弓なりになりながら嬌声を上げ、快楽を上り詰めていく。
これまで、ずっと求めていたものを、ようやく霧が晴れ、手にいれたかのようだった。
小さくなって、触ってもらうのが、こんなに気持ちいいなんて知らなかった。ううん、忘れちゃってたんだ。
私、ずっと、陽和くんに、こうして欲しかったんだ。
「陽和くんっ! あぁんっ! はぁあっ、もっと、もっと! おねがい、イかせてえ!」
那月が、自らの小さな秘部を、陽和の口に押し付けるようにして、あえぐ。
陽和は、舌を強く押し込むように、那月の蜜壺をなぞり、下腹部を、唇で、むに、とはさみあげる。
「ぁあぁひぃいいいいんっ!! い、いい、のぉおっ! しゅごい……っ! イク……っ! イっちゃう、よぉおおっ、あぁあっ、あぁっ! あぁあああああああっ!!!」
全身に、ふわりと浮遊感を味わいながら、那月は、陽和の手の中で絶頂し、陽和の口へと潮を吹いた。
「ひぃぅ……、ひぁ……っ」
ちかちかと、視界が白み、まだ、くらくらと絶頂の余韻に浸っている那月は、ぶわりと、風を感じ、身体を降下させられる。
ぼんやりと、手中から、下を見れば、陽和の膝が近づいていて、那月は、膝の上に、下ろされた。
陽和は空いた手で、ズボンのファスナーを下ろし、そして、膨らみきった熱源を、取り出す。
「ひゃあ……」
ドクン、ドクンとうなる陰茎が、那月の目の前に現れる。
自分の背丈より、少し大きい程のそれに、那月は息をのんだ後、虜になったかのように、目を離さず、凝視する。
「すごい……。陽和くん、大きい……」
ふらふら、と吸い寄せられるように、那月は、唸る陰茎へと、近づき、小さな手を添える。
服越しで触った時とは、桁違いの熱と、血脈を感じ、うっとりと見つめる。
「……ッ、──ほら、今度は、那月が舐めて」
荒い呼吸と共に、陽和は那月を自身の陰茎へと押し付ける。
顔のすぐ傍に、先端からの先走りが垂れ、雄の匂いが、那月を包む。
「ふぁ……っ、熱くて、大きいよお……!」
少し怖気づいて、身体をよじる那月を、逃すまいと、陽和が、両手で那月を、陰茎ごと拘束する。
「んひゃぅっ……!」
「……なんか、制服着たままの那月に、こうするの、新鮮だな」
頭上から見守る陽和にそう言われ、那月の中で、背徳が入り混じった快楽が増していく。
那月は妖麗な笑みを浮かべながら、小さな口で、陰茎に触れる。
ぴくりと、震える様が、生き物のようにすら感じる。手と舌で、可愛がるように愛撫しながら、先端へと舌を進める。
とろとろと、液が零れる先端を、フタでもするかのように、舌を被せる。深部へと突き進められないかと、いたずらに舌を動かす。
「ぅあッ、……ッ、ちょ、那月……っ、それ、ヤバイ……っ、はッ……」
とぷとぷと、わずかに液が溢れ、那月は目を輝かせる。
陽和が感じてくれていることが、うれしくてたまらなかった。
目の前の陰茎に、抱き着き、那月は全身を動かす。亀頭の先端から段差部にかけて、小さなキスを繰り返し、小さくかみつく。
「ぅ、はぁっ、那月……!」
陽和の手が、那月を陰茎と共に包み、左右に大きく揺らす。
「ふひゃぁんっ! あぁんっ!」
那月は、暴れる陰茎に強く抱き着き、両手のみならず、足を絡め、自らを慰めながら、全身で愛撫を続ける。
陽和が、那月で陰茎を擦り上げる速度を上げていく。
制服のスカートが、ウエストまでめくれ上がり、胸元のリボンとシャツのボタンがずり落ちていく。
まだ幼い子供に、まるで酷い乱暴をされているかのような錯覚を感じながら、那月は、手と陰茎の間で、嬌声を上げる。
「あぁあんっ! ぁはぁあんっ!! んひゅううっ! 陽和くんっ! らめえっ! 私っ、イきそ……っ! もうイっちゃうよおお! ひぁああぁんっ!」
那月は、上下にめちゃくちゃに動かされながら、上がっていく快楽に、思わず逃げ出すように、背を反らすが、陽和の大きな手が、それを許さない。
「那月……っ! はぁっ、あぁっ、俺も、もうっ、イクッ……!」
「あぁあっ! イクぅ! イクぅうっ! ひぃんっ! ぁあっ、あぁああああああああっ!!」
那月は、陰茎に抱き着いたまま、ガクガクと身体を揺らし、絶頂する。
焦点の合わない瞳をした顔に、陽和が吐き出した白濁の液が、降り注ぐ。
ドクドクと、波打つ陰茎を抱きかかえたまま、小さな身体が揺れる。
那月の髪と顔、首筋から制服の隙間をぬって、胸元へと、放たれた白い欲が、伝い落ちていく。
「はーっ、はぁ、はぁ……ん……っ!」
那月は、濃い雄の匂いに包まれながら、自身の小さく縮んだ身体全身が、陽和に汚され、マーキングでもされているかのように感じていた。
ぴくぴく、と下腹部がうずく。赤いシールで縮められ、青いシールで、性欲を桁違いに上げられた小さな身体は、小さな子供の陰茎と熱欲の傍で、確かに、悦びを感じてしまっていた。
*
大きな指先が、陽和の首筋に貼りついた青いシールを次々と外し、シール台紙へと戻していく。
「どうやったら、こんな枚数、貼ろうって発想になるんだよ」
呆れを混ぜた文句を言いながら、陽和は、ウェットティッシュを手に取り、小さな那月に近づく。
片手で那月を押さえながら、利き手に掴んだウェットティッシュが、那月にまとわりついた粘液を拭っていく。
「ん、ひゃ……っ」
那月が、目を閉じると、小さな顔に、ウェットティッシュが押さえつけられる。
「ヤベー……、取れるかな……」
独り言に近い声を上げながら、陽和が、那月の小さな首筋を拭くので、那月は、ひそかに目を開けて、大きな陽和を見つめる。
ずいぶんと準備がいい。
まだ、過去に縮められていた時の記憶が戻りきっていないが、自分は、何度、陽和に、こうして小さくされ、離れ業の情事を重ねてきたのだろうか。
もともと生意気盛りではあったが、こちらが小さくなって、余計に、強気になっているような気もする。
けれど、やはり、那月の中には、それを怒りに変換する気持ちが沸いてこなかった。
むしろ、忘れてしまっていたことが、惜しいとすら思うほどだ。
……でも、このまま、許しちゃうのも癪だよね……。それに。
「ひぁっ!」
ビクンッと身体が震え、陽和が、一瞬、手を止める。
「あ、ごめん。冷たかった?」
「……冷たい、っていうか……」
もじもじと、内股を引き寄せて、那月は頬を赤くしたまま目を逸らす。
まだ、那月は青いシールも赤いシールも貼られたままで、陽和の大きな指に触られるだけで、感じてしまうのだ。
両方のシールを剥がせば、少しは状況はマシになるだろうが、どちらも剥がしたくないのが正直なところだ。
那月は、そっと、小さな手を、陽和の指に乗せる。
「……那月?」
不思議そうに見つめる陽和の大きな瞳を、那月は見上げる。
「私、べたべたになっちゃったから、お風呂はいりたいな」
「えッ、……えっと、……そっか、分かった、ごめん。じゃあ、うちのシャワー貸すよ」
「ううん、そうじゃなくて」
きゅ、と小さく手に力を入れる。
「おばさん、もし早く帰って来て、バレちゃったら困るでしょ。私、小さくしたまま、陽和くんがお風呂入れてよ。そこで私と、あと制服も洗って」
「えッ!?」
ひと際大きな声を上げて、驚き固まる陽和を見て、那月は、得意げに笑う。
「私の制服、汚したんだから、責任とって洗うべきでしょ。元のサイズに戻して洗うより、小さいままの方が、すぐ乾くだろうし」
「いや、それは、洗うけど、でも」
「嫌?」
「……」
黙り込んだまま、陽和が、じっと那月を見つめる。
もの言いたげに睨みつつも、顔を赤くした後、小さく口を開く。
「嫌なわけない」
「ふふ。素直でいいね。さっ。じゃあ早く連れていってよ。シールも持っていく?」
那月が笑いながら、シール台紙を指差せば、陽和が、台紙をつまんで那月を睨む。
「それ以上、小さくなっても知らないからな」
那月を手のひらに乗せ、陽和が、浴室へと足を進める。
面白くなさそうな顔をする陽和を見て、那月は、くすくすと笑う。年相応の子供らしい顔が見られて、少しほっとしてしまう。
「陽和くん」
くいくい、とポロシャツを引っ張ると、陽和が、洗面所の前で足を止め、那月を肩の傍に持ち上げる。
那月は、不思議がる陽和の肩に、小さな手を置き、耳元でささやく。
「ちゃんと洗ってくれたら、陽和くんのことも洗ってあげるよ」
「はッ!?」
目の前の耳まで真っ赤に染める、幼い彼を見て、那月は楽し気に笑い声をあげる。
散々、勝手に小さくされて、弄ばれていたのだ。
ここから先は、せいぜい年上に振り回されるがいい。
手に貼られたシールが、きらりと輝きを反射した。