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スク水戦闘員を殲滅せよ 18話


「アナタ達、この男を捕らえるのよ!」



サヤの一声により、三人はバタバタとハルキのもとへと駆け寄っていく。



激しく息を切らせていたアンリも、身体に鞭を打つようにして二人に続いた。



「立て!」


「立つのよ!」


「……立ち、なさい」



彼女達は口々に厳しい言葉を発しながら、壁に背を預けるようにして座り込んでいるハルキを引き起こそうと躍起になっていた。



ハルキの左肩を担ぐのはミナ。



一方、ヘロヘロとハルキの右腕を一生懸命自らの肩に回そうとしているのがアンリ。



そしてーー



そんな様子を見守るように、ポニーテールのスク水戦闘員がハルキの目の前で目を光らせていた。




「……ぁぁ……ぅぅ……」




やがてハルキは二人の美少女から密着されながら体を起こし上げられるが……



「……」



男からすれば、そんな嬉しい状況にもかかわらず、なぜか不思議と性的な興奮など微塵も感じなかった。



いや、それどころかよく分からない嫌悪感まである。



疑問に満ちたーー



そんな彼の頭の中で、よぎった言葉が一つ。





ーー賢者モード





だからこそーー




「ふふっ…美女四人に囲まれて…

まるでハーレムね。」



サヤの的外れなその言葉も、今の彼にとっては、なぜかひどくカンに障ったのだ。





そうなってくるとーー



今まで見ていたものが全て真逆に見えてくる。





ふと、ハルキが左を見るとーー




そこには、先ほど自分の精液を全て飲み干したミナ。


人の精液を飲み干すというその事実が、今のハルキにとってはとても人間に出来る行為とは思えなかったのである。


まるで人間以外のものを見るときの様な気持ち悪さを彼は無意識に感じていた。




一方、右を見るとーー



そこには、今にも死にかけで、半開きの目に無理矢理力を込めながら、かろうじてハルキの右腕を担いで立っているアンリ。


今のハルキにとっては、彼女のその辛気臭い顔がやけに気に入らないし、ましてや身体中から蒸気を発し、ハルキの右腕が掛かった首うなじは特に熱を発している。


女のフェロモンなど微塵も感じず、さっきまで抱いていたわずかばかりの恋心など消し飛ぶくらいにーー




暑苦しく、鬱陶しかった。





「でも……

よくもまあ、やってくれたものだわ。」



ポニーテールの戦闘員の後ろに控えるサヤが、辺りの死屍累々の光景を見渡しながら呟いた。



それは何だか感心している様にも聞こえる。



そんな中ーー



ハルキの目はある一点に集中している。



そこは、他とは際立ってスク水戦闘員達の死体が折り重なっている場所ーー



ハルキがスク水戦闘員達にのし掛かられていた場所だ。



「アタシの部下はほぼ全滅。

でもこうしてターゲットを無力化できたわけだし、人員はまた補充すれば事足りるでしょうね。」



サヤが何気なくーーといった様子で漏らした一言。




その言葉に、不意にハルキの眉が、ピクリと動く。



彼が一点に見つめていた先ーー





その先には、ゴミの様に打ち捨てられた無数のスク水戦闘員達の中で、今やその一部と成り果てているあの少女。





ハルキの目からは、たとえどんな姿になっていようとどうしても目を惹きつけてしまう、あのーー




『名も無きスク水戦闘員』の姿があった。





精魂尽き果てたハルキの心の中に、またポツリとーー




小さく、怒りの灯火が点火する。





サヤにとっては、たかが『補充』の効く消耗品に過ぎないだろうがーー


ハルキにとっては、あの『彼女』は紛う事なき、たった一人の『自我を持った少女』だった。




その怒りがーー




再びハルキの心を、ボッと燃え上がらせる……





心が燃え上がりーー




身体もそれにつられて燃え上がりーー





そしてーー





その炎を瞳に宿らせたとき……




「……ッ!?」




目の前のポニーテールのスク水戦闘員がその異変にいち早く気が付いた。




「二人とも!ターゲットから離れて!」



「……ッ!?」



「……ッ!?」



彼女が声を張り上げると同時に、ハルキを担ぎ上げていた二人が咄嗟に彼から距離を取る。



彼女達から解放されーー




ポツンーーと。




その場に立ち尽くしたハルキ……



「テメーら……」



ポニーテールの彼女が警戒心をあらわにして身構える。




腰を落としーー




たとえどんな攻撃が来ても対処できる様に、パッチリとした目を大きく見開きーー




そして……






「一人残らずぶっ殺してやるッ!!」






獣のような咆哮と共にーー




ハルキの右足が、ムチのように蹴り上げられたーー




「……ッ!?」




ドシンッーー



と、丸太のようにしなる右足は、目の前の股間を豪快に打ち上げ、彼女はポニーテールを跳ね上げさせながら、その身体も小さく跳ね上がった。



と、同時にすぐさま彼女は身体をくの字に折り曲げ股間を両手で鷲掴み、顔を前に突き出すとーー





「〜〜〜〜ッッ!!」





まるで自分の痛みを相手に訴えかけるかのように、その表情をハルキに見せつけるような格好になった。


普段の彼女の、生真面目そうな、毅然とした表情は、まるで別人かと見紛うくらいに苦悶に歪み、今しがたまでは大きく見開いていたパッチリとした目も、紙を鷲掴んだようにグシャッと固く瞑られている。




「なっ!?」


「き、きさま!」




左右から同時に声が飛ぶ。


彼女達からすると、一応威嚇のつもりで放った怒声だったであろうが、今のハルキからすれば逆に神経を逆撫でするような、そんな『煽り』にしか聞こえなかった。




「ッテメーもだ!!」




半ば当てずっぽうに左拳を右側に振るう。



すると唸りをつけた砲弾のような拳は、無表情をわずかに険しくさせたアンリの顔面に直撃。




「ぶっ……!!」




もはや頭が真っ白になっているハルキにとって、アンリの事などなんの気にも留めていなかったーー



「……ッ!?……ッ!?」




彼女は鼻血を撒き散らしながら、それでも両手で顔面を覆い尽くし、殴られた衝撃でタップダンスを踊りながら、最後には両膝を着いて、両手で覆い隠した顔面を天に見せつけるようにして天井を仰ぐ……




彼女の顔は今、拭き残したハルキの精液と夥しい鼻血で、もはや美少女台無しと言えるほど酷いものとなっているだろう。




ハルキは、大人しそうなアンリが自主的には絶対にしないであろうそんな、激しいアーティスティックな動きを見届ける間もなくーー




次の瞬間には……




「ボーッとすんなコラァッ!!」




またも当てずっぽうのように、真後ろーー


つまり、ハルキの左側にいたミナへ向けて、後ろ蹴りを放った……




「……ほうッ!?」




彼女の引き締まったお腹を、凄まじい脚力で蹴り抜く。



別にミナも呆けていたわけではなく、童顔なりの厳しい表情を向け、ちゃんと身構えていたのだ。



ただ、反応ができなかったのだ。



そして彼女の顔は、引き締まった厳しい表情から苦悶に満ちた可憐な表情へとーーまるでオーロラのようにゆっくりとその色を移り変えーー




ゆっくりと両腕でお腹を覆い尽くしーー


ゆっくりと膝から崩れ落ちーー




最後には




お腹を抱え込みながら、まるで土下座をするかのように、正座で平伏した……





瞬く間に三人を打ち倒したハルキ。





彼は、まるで覚悟を催促するかのように、例のあの『隊長』へと目を向ける……



誰もが思わずたじろいでしまうような獣のようなハルキの視線。




その視線に射止められたその人物は……





「……ッ!……ッ!

……ッ!……ッ!」





その視線を遮ったその人物は、いまだ股間を押さえながら、情けない体勢、情けない顔、情けない声を上げ続けるーー





ポニーテールのスク水戦闘員だった……



スク水戦闘員を殲滅せよ 18話

Comments

コラ、ナチュラルネタバレ禁止です笑

ぶんちゃん

次回はポニテにとどめをさすんですね(笑) そして隊長は原型をとどめないぐらいに・・・


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