SakeTami
燕夜座(えんやざ)
燕夜座(えんやざ)

fanbox


【サンプル】コテコテのチャイナッ娘が弱くて頼りない腐れ縁の友人と共にダンジョンを攻略していたら『濃厚イチャラブ本気ックスしないと死ぬ』トラップ(発情も付与)に引っかかってしまう。



───………。



とあるファンタジーの異世界。

ダンジョンやら、魔物やら、勇者やら魔王やらが存在し、数多の冒険者達が無数の物語を紡ぐ世界…。


そんな世界のとある国。

その城下町にある大衆料理店で一つの騒ぎが起こっていた。


《ガシャアァアーーンンッッッッ!!!》


『てめぇこのクソガキがぁッ!?客の上着に飲みもんブッかけておいて謝罪の一個や二個で済むと思ってんのかぁ!?ァ゛ア!?』


『う…ぐ…ッッ!!』


ガラの悪いスキンヘッドの男が料理店の制服を着た青年を殴り飛ばし、ツバを飛ばし声を荒げている。周りの客はその男を迷惑そうな、あるいは怯えた視線を向けているがスキンヘッドが客らの方を一瞥するとサッと彼らも目を背けてしまう。


その男の上着には濃赤色のシミができており、殴られた青年の横には割れたグラスとワインボトルが転がっている。きっとコレが


このスキンヘッドはここら辺では有名な荒くれ者であり、その腕っ節から実力の高い冒険者でもある男だった。具体的にはB級モンスターのイビルホーン(猪の魔物。C級冒険者が三人がかりで倒せる強さ)を単独で撃破できる程である。


実際、この件も青年の方に非があるわけではない。スキンヘッドの男が料理を運んでいる最中の青年の足に自分の足を引っ掛けて転倒させたのである。しかし転倒したせいで青年が持っていたワイングラスも溢れ、スキンヘッドにかかってしまった…というのが事の内容である。


『そっちが引っ掛けてきたンだろうが…ッ!(ボソ…ッ)』


『あ〜…ッッ?なんか今、ボソボソした声が聞こえたなぁ…?言いてぇ事があんならハッキリと言えやオラぁあッッ!!』


スキンヘッドの拳が飛び出す。ボッと風を切り裂く音がして、周りにいた皆は『また殴られる!』と思い青年もギュッと目を瞑った。

しかしその後に響いた音は拳と顔の骨がぶつかる鈍い打撲音ではなく、パァンッという破裂音にも似たような音だった。


「お客サン、落ち着いて欲しいネ」


そこにあった光景は、スキンヘッドの拳を片手で受け止める女性の姿であった。黒髪を側頭部に着けた一対のシニヨンキャップで纏めており、濃緑色のチャイナ服を身に着けた女性はその栗色の眼光をスキンヘッドの男に向けていた。


彼女は『梁・炎信(リャン・フーシン)』。


この大衆料理店『チューカ』の看板娘である。


『ぁあ…?ンだテメェは?』


「この店の看板娘アル。喧嘩なら外でやるヨロシ。ここ食べる所ネ、ボコスカする場所違う。分かるアルか?」


《ギリギリギリ…ッッ》


『───ッッ』


リャンが片手に収めていたスキンヘッドの拳をギリリ…ッと握りしめると、手の甲の骨が軋む音が鈍く鳴る。スキンヘッドはすぐさま手を引っ込め半歩だけ距離を取り、慌てたように口を開く。


『…ハッ。なにを勘違いしてるのか知らねぇが…先に失礼を働いたのはそっちのもやし野郎だろうが?見ろ、俺のお気に入りが台無しだ。コイツの責任はどう取るってんだ?』


「…………。」


ス…ッとリャンは青年を一瞥する。目のあった青年は目を逸らしてしまう。足を引っ掛けられて転ばされたからとはいえ、自分の持っていたワイングラスをスキンヘッドにかけてしまったのは事実だからだ。


ハァ…。とため息をつくとリャンはすぐスキンヘッドの方へと視線を戻し、退屈そうに腕を組みだす。スキンヘッドはすでに焦りは落ち着いたのか、余裕そうな表情でこちらに向かって笑みを浮かべている。


「……分かったアル。その汚れを落とすクリーニング代はこっちが持つネ。それで手打ちにするがヨイアル」


『あぁん…?なにふざけた事抜かしてやがるッッ!!てめぇは!!この俺に暴力までふるってやがるンだ!!さっき俺の手を折ろうとしたろうが!!それをクリーニング代だぁ!?舐めるのも大概にしろぉ!!』


《バキィッッ!!ガシャァあぁァアッッ!!!》


スキンヘッドが近くにあったテーブルを蹴り壊した。

周りの客が悲鳴をあげる中、リャンは毅然とした態度を貫いている。


「……ハァ。じゃあどうしたら納得するアルネ?」


『……どうすれば、だと?』


《どぷン…ッッ♡♡♡ぷる…ッ♡♡たゆん…ッッ♡♡♡》


『………へへへ…ッッ♡そうだなぁ…ッ♡』


リャンの言葉を聞いた瞬間、スキンヘッドの笑みが下卑たものに変わる。その視線はリャンの胸元に真っ直ぐ伸びていた。


彼女の着ている服はかなり短く、とても煽情的なモノであった。


下乳をギリギリ覆っている程度のノースリーブの上着はリャンのたわわに実った双丘(ᒍカップ♡)のラインをこれでもかと主張している。腹筋こそ割れており、筋肉質に見えるがやはりそこはメス…。惜しげもなく晒されている彼女の素肌はその質感と柔らかさを視覚に訴えてくる。


そしてスキンヘッドの手はその双丘へとドンドン距離を詰めていき…。


《むンにゅ゛ぅうゥウウ〜〜…ッッッッ♡♡♡♡》


『コイツで賠償してもらおうかぁ…?♡』


「…………。」


あまりにもあっけなく。

なんの障害もなくスキンヘッドは彼女の乳房を鷲掴んだ。


リャンのデカパイはスキンヘッドのゴツい手のひらに合わせるように形をグニュニュ〜〜…ッッ♡♡と歪めている。


しかしそんな事をされてもなお、リャンの表情に変化は見られない。否、最初から彼女は無表情を貫いている。鋭く無機質で冷たい眼光を向け続けている。


その鋭い目にスキンヘッドは気づかない。


自身の手に広がる幸せいっぱいの柔らか〜い感触を堪能するのに夢中で他の情報が何も入ってこないのだ。


そして、次の瞬間。




《────ドメ゛キャ゛ッ゛ッッ゛ッ!!!!》




『───────ッッぱ?』


先程まで微動だにしていなかったリャンの膝蹴りが、スキンヘッドの股間に深々と突き刺さっていた。


スキンヘッドはリャンの乳房を揉みしだいたまま硬直しており、何が起こったのかまだ理解していない。あまりの衝撃のせいか、神経の電気信号が脳みそに伝達されるのが遅れているらしい。

だが、その遅延も徐々に修正され正常な伝達速度に戻って行く。するとスキンヘッドの顔はドンドン充血していき、目もギギギ…ッと白目を向き始める。そして、絶叫が上がった。


『─────────ッッッッッッい゛ご!コ痛゛!?ぎyばb゛゛??@☆ガキャバァアあぁァアアアッ゛ッッ゛ッ!!!!????』


《ドサァアッッ!!バタバタバタッッ!!!》


白目を向いたまま股間を抑えて床をのたうち回る。口からは泡をブクブクと出して人間とは思えぬ絶叫を発している。先程まで充血していたはずの顔はいつの間にか青白く蒼白としたものに変わっており、それはとても普段からこの近辺を暴れ回る荒くれ者の姿ではなかった。


そりゃそうだ。恐らく先程の膝で確実に『タマ』が潰れている。スキンヘッドが今後男としての役割を果たす事はないだろう。

そんな風に暴れ回るスキンヘッドの頭をガッと踏みつけてリャンが話をし始める。懐から、ピラッと紙切れを一枚取り出した。


「オマエ壊したテーブルとその上にあった料理、食器、薬味ビン。それらの弁償が合わせて大体50万G。ウチの従業員に暴力ふるった治療費が10万G。それとワタシの乳揉んだ料金として940万G。


諸々ひっくるめて1000万Gの請求書アル。耳揃えて払うヨロシ」


『ざッ゛…げ…ゥゲ…ンな゛…ッッ!!!誰゛…がッッ!!!』


《ミシ…ッッ!!ミシッビキ…ッッ!!》


『ぎゃ゛あァア゛あ゛ッッ゛ッッ!!??』


頭を踏みつけている足に更なる力を込めて圧していく。骨の軋むあまりに生々しい音が響き、先程まで普通に飲食していた客達はその音を聞いて胃の内容物が込み上げて来るのを感じていた。


「男がグチグチ言うナイヨ。キッパリ払って後腐れ残さずバイバイがワタシにとってもオマエにとっても一番ネ。理解できるカ?」


《ゴギ…ッ゛!!ピキ…ッメシ…ッ゛ッ!!》


『分がッッ!!分がっだッ!!分がっががら足ご退げごォオッ!!』


その言葉を聞いてリャンはようやく足を退け、今もなお悶絶しているスキンヘッドの親指を勝手に借りて朱肉に押し付けた後請求書に拇印を押させた。その書類にチュッ♡とキスをするとリャンはさっさと調理場へと戻って行ってしまう。


「毎度あり♡またのご来店をお待ちしてるアル♡」



───………。



《──ゴチンッッ!》


『痛ッッてぇ!!?』


「なにしてるかアンポンタン!あんなのに好き勝手させてウチの評判下げるナイヨ!」


『う…ッせぇな!?理由はどうあれ俺が原因なのはホントなんだからジッとしてた方が良いと思ったんだよ!』


「はッ!それで怪我した上に店も荒らされてりゃ世話ないネ!そんな『イクジナシ』だから何時まで経ってもE級アルヨ!」


「てめ…ッ!今それは関係ねぇだろうが!?」


あの後、客らが帰って他の従業員が店の掃除をしている最中…。青年とリャンは激しく言い争いを繰り広げていた。もっとも、言い争いの前にリャンが青年に一発ゲンコツを喰らわせているが。


『リャンちゃん!それくらいで許してあげなぁ!その兄ちゃんだって別に事を荒立てようとしたわけじゃないんだからさぁ!』


「オバチャンは甘いアル!コイツは従業員!ワタシ雇い主!このアンポンタンをどうしようがワタシの自由アルネ!」


『ぐぬぬ…ッッ!!』


この二人…リャンと青年は幼馴染であり、かつて『お互いに最強の冒険者を目指そう』という約束をした為どちらも冒険者としての資格を持っているのだが、青年とリャンの間には時が経つにつれてかなり実力に差が開いていて行ったのである。


片や各街のギルドに数人しか居ないとされる実力者である『S級』の冒険者であり、冒険稼業で稼いだ莫大なまでの資金で暇つぶしに大衆料理店『チューカ』を経営している凄腕の女冒険者。


片や最底辺の冒険者ランク『E級』で、薬草を取ったり依頼された品物の運送をする冒険稼業だけではロクに飯も食べられないので幼馴染の経営する店に住み込みで働いている従業員。


昔から喧嘩の絶えない喧嘩友達のような関係だったが、最近は従業員(↓)雇い主(↑)の上下関係が生まれてから青年の方が一方的に言い負ける形となっていた。


「何も難しい事言ってナイナイヨ!つまりオマエが強ければイイネ!オマエ強ければあんなのもイチコロ、冒険者の等級上がる!いい事尽くめアル!頑張って強くなればヨロシ!」


『か、簡単に言ってくれやがって…ッ!』


「簡単ナイネ!オマエ才能ナイからワタシがトレーニングに付き合ってるアル!いつまでも雑魚ダンジョンひとつ攻略出来ないのが悪いネ!」


リャンと青年は時間が空いた時に二人揃ってトレーニングに出かけている。リャン本人は凄まじく強いので日々のトレーニングだけで事足りるのだが、青年は未だにソロで冒険にすら出られない実力しかない。

そんな青年の弱さに痺れを切らしたリャンがトレーニングを提案し、二人で良くトレーニングに向かう日課が出来たのである。


「ホラ!店の片付けは皆に任せてワタシ達は行くアル!皆!あとの始末は頼んだヨ!その分給料弾むアル!」


《ガシッ───ギュムチンッッ♡♡♡》


リャンが青年の腕をとっ捕まえて早足で歩き出す。組まれた青年の腕はリャンのデカパイ柔肉の海にズム…ッッ♡♡と沈んでおり、早歩きの振動でパイ肉が揺れる度にズリッ♡ズリッ♡と腕をパイズってきた。


『ちょ…ッ♡お前馬鹿!!は、離せよ脳筋女!』


「馬鹿はオマエアル!こうやって無理やり連れて行かないとオマエ逃げる知ってるネ!四の五の言うナイ、さっさと行くアル!」


《ムニュッ♡♡ムチッ♡♡ぱふンッッ♡♡ズリズリッッ♡♡》


『はははッ!リャンも兄ちゃんもお熱いねぇ!お似合いのカップルだよ!』


同僚のおばちゃんが気さくに笑いながら言う。彼と彼女は昔から良くこのような揶揄いを受けていた。


そして、その度に決まった言葉をリャンは口にする。



「ナニ言うカ!オバチャン!

───────────弱い男に興味ないネ!」



───………。



《ドカッ!バキッ!ゴッ!》


「なにやってるカ?そんなゴブリン一匹に手こずるナイネ!真面目にやるアル!」


『うる…せぇッ!これでも…ッ大真面目ッだッ!』


最底等級ダンジョン『木漏れ日の洞穴』の入り口付近にて。青年はブロンズダガーを振り回しながら一匹…一体?のゴブリンを相手に四苦八苦している。彼の運動神経では、ゴブリン一体でも一苦労なのである。


『普通…ッ!トレーニングって…ッ!基礎的なッ!体力作りとかだろ…ッ!なんでいきなり…ッ!実戦なんだよ…ッ!』


「オマエホント馬鹿アル!オマエ強くなるの待ってたらワタシオバアチャンなってしまうヨ!下らない事言うナイでとっととそのゴブリン倒すヨロシ!口より手を動かすアルネ!」


『ぐぐぐ…ッ!!』


リャンは洞窟内部に飛び出た岩場に腰を下ろして退屈そうにアクビをしながら青年の頑張りを横目に眺めている。時折深部の方にも目を向けてゴブリンの増援が来ないかどうかも確認しているらしい。


『ゴゲッギャ♡♡ヒヒヒッ♡♡ギャバババッ♡♡』


《ギンギンッッ♡♡ギンッッ♡♡♡》


『こ、この野郎…ッッ!!』


ちなみにだが、先程から青年と一進一退を繰り広げているこの雑魚ゴブリン。視線の中心に据えているのは目の前にいる青年ではない。

この雑魚ゴブリンはジ〜ッとリャンの方だけを凝視し、勃起しながらゲヒャゲヒャと薄気味悪く気味の悪い下卑た笑い声を上げている。


周知の事実であるが、ゴブリンとは性欲が強い。しかも自分ら種族とは明らかに遺伝子構造の違う他生物とでも繁殖が可能…という生物として常軌を逸した生殖能力を有している。


豚や牛などの家畜はもちろん…培養液にてゴブリンの精子と昆虫種の卵子を配合させた結果、なんの問題もなくゴブリンの赤子が誕生したという実験結果もある。(そのゴブリンには複眼や羽といった昆虫の特徴も見られた。尚、その個体は即刻焼却処分となった。)

しかしそんなゴブリンにも『嗜好』が存在する。人間種のメス…しかも肉付きの良い個体に激しい情欲を示すという、ゴブリンを害獣足らしめる最悪の嗜好が存在するのだ。


その観点から見て、リャンはゴブリンの好みドストレートだった。


《ムチッぷるンッッ♡♡だぷ…ッ♡♡たゆ〜んッ♡♡》


あまりにも煽情的なメス。チャイナ服のスリットは腰まであり、チラチラと赤いパンティに包まれたおまんこさえ顔を覗かせている。

しかもただ呼吸をする時に起きる微弱な肩の揺れだけでプルプルと乳肉が波打つ始末。ゴブリンでなくても目を奪われる美貌を持つリャンのメスパワーの高さはゴブリンの理性を崩壊させるには過剰な魅力だった。


《バキッ!ゴカッ!ドッ!》《────グイッ!》


『─────あッ!!』


そして遂に均衡は崩れた。青年は尖った岩に足を引っ掛けてしまい、体のバランスを崩してしまう。その隙をゴブリンは逃さなかった。


《───ヒュッ!》


『ケギャゴギャハヒャァアッッ♡♡♡』


ゴブリンは青年の方には目もくれず青年の横を通り抜け、リャンの方へと飛びかかった。最初からゴブリンにとって青年は獲物を狩るのを邪魔する路傍の石程度の認識でしかなかったのだ。


『───やべ…ッ!!リャン!!』


顔がサァっと青ざめ、すぐに振り向きリャンに声をかける。


しかし、振り向いた時には既に全てが終わっていた。


『ゲヒャ♡───バギェ゛ッッ゛!??!!』


《ボッ──!!メシャア゛ァッ゛ッ!!》


青年の方にゴブリンだったものの血液やらなんやらの体液が飛び散ってくる。リャンは飛びかかってきたゴブリンの頭を正確に捉え、その中心に槍を突くかのような鋭い蹴りを放っていた。

ゴブリンの脆弱な身体ではリャンの放つ蹴りの威力に耐える事はできず、爆散するかのように弾け飛んでいた。


リャンの攻撃で吹っ飛ばされ首なしとなったゴブリンの身体はしばらく宙を舞った後、ドチャッと地面に落下した。


リャンが強いのは知っていたがあまりに格の違い…次元の違いを感じ、ゴブリンの死体を呆然と眺めながら、青年は硬直している。

だが呆然自失となっている青年の方にリャンはズカズカと早足で近づいていき、頭を叩いた。


《───バシィイッッ!!》


『痛ッッてぇええッッ!??💢』


「なにやってるカ!💢いつも言うてるアル!余所見するナ気を抜くナ油断するナ!💢あの雑魚ゴブリンの狙いがワタシだから良かったネ!💢オマエが狙われてたらあの時オマエ死んでるアル!💢」


『…〜ッ!!💢だぁ〜ッッ!💢うるせぇな!💢んなギャアギャア言わなくても聞こえてんだよ!💢弱くて悪かったな!💢』


「逆ギレするナイネ!💢今日はとことんトレーニングアル!💢オマエ弱音吐くの止めるまで付き合うネ!💢」


またも言い争いを始める二人。お互いに互いの悪口を言う事に夢中になっており周りが見えていない。


────ここは、最底等級とはいえダンジョン内部だというのに。


《モゾ……ッモゾ……ッ─────バッッ》


「『──────ッッ!!?』」


《ブシュウウ───ッッ!!!》


「───馬鹿ッ!!避けるネ!!」


青白いナメクジのような生きものが岩場から突然現れ、濃ピンク色の霧か煙のようなモノを噴射してくる。咄嗟にリャンは青年を庇うために彼を突き飛ばし、代わりにその噴射物をモロに食らってしまう。


「ゲホッ!エホッ!ッオイ!そいつを…ゲホッ!」


『わ、分かった──!!』


リャンに駆け寄ろうとした青年を手で止め、魔物の始末を優先するように示す。青年もその意を汲み取りリャンとは別方向に足先を向け、先程の魔物にブロンズダガーを突き刺した。幸いあれ以外の攻撃はできないようで動きも鈍く、青年でも問題なく殺傷できた。


だがリャンが魔物の攻撃を直に喰らったのには変わりない。青年はリャンに駆け寄って焦りながら心配する。


『お、おい大丈夫か!?ど、毒とか…!!』


「…心配するナイネ。毒の類なら問題ナイヨ…ワタシ色んな毒の抗体持ってるアル。でも…毒以外だったらマズイかもアル…その死体は持って帰って、調べてもらう必要ネ」


『お、おう!』


「ヨシ。それじゃあ一緒に調べに行─────」


《キュ………ュン…………ッッッッ♡♡♡♡》


「──────ゃン…ッ♡…ッッ!?」


『……?え?なに、どうしたんだ?』


太陽のような笑顔をこちらに向けて一緒に調べに行こうと提案しそうになったリャンは、自身の体に感じた違和感を感じ取って硬直する。

その動揺は青年の目から見ても明らかなモノであり、思わず青年は声をかける。もしかして、やっぱり強力な毒だったのだろうか?


しかしリャンは返事を返さない。自身の下腹部を数瞬だけ見つめるとバッと顔を青年の方からそらして、そのまま会話を始める。


「…………やっぱりワタシ一人で行くアル。オマエ先帰るイイネ」


『え、いや!どうしたんだよ!?俺も一緒に行くぜ!』


「イイアル。ワタシはもう行くからオマエ一人で特訓してるヨロシ。こんな事でいちいち一緒に行くとかガキじゃナイネ、恥ずかしいアルヨ」


『いや、ンな事言ってる場合じゃ…ちょ、おい!リャン!』


話を続けようとする青年を置いて、先程の魔物の死骸をリャンはさっさと行ってしまった。青年の目にはリャンが焦っているというか…戸惑っているような印象を受ける。

あんなリャンを見るのは初めての事であり、そんな様子を不審にも思ったが彼女本人が一人で行くと言って既に居なくなってしまった以上、青年が言える事はなにもない。青年はため息をつきながら帰路につくのだった────。



───………。



【続きはFANBOXかファンティアにて!本文は

 サンプルの文も含め約20000文字 です。】


【なお、本文には挿絵もつけております。】


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