「那月お姉ちゃん」 呼ばれて振り返れば、凛がエプロン姿で頭にバンダナをして笑みを浮かべている。 手には、ボウルいっぱいのココア色の生クリームと、泡だて器。 目を輝かせながら、凛が口を開く。 「クリーム混ぜ終わったよ。このくらいでだいじょうぶ?」 「わあ。いっぱい、頑張ったね。すごく上手だよ」 褒めれば、凛が誇らしげに胸を張りながら、ボウルからスプーンでココアクリームをたっぷりすくい上げる。 「味もすっごくおいしいはずだよ。那月お姉ちゃん、食べてみてよ。はい、あーん」 懸命に背伸びをする凛に、那月は微笑み、しゃがみ込む。そして、口を開ける。 「あーん」 ぱくん、とココアクリームを飲み込む。想像と違う味がして首をかしげると、凛が笑う。 「ふふふ。那月お姉ちゃんが、お人形さんになっちゃうチョコレート、ないしょで混ぜちゃった」 「えッ」 「いつもより、いっぱい入ってるから、今日の那月ちゃんは指人形かもしれないね」 「なんで……ッ、ひゃぅうッ……、やぁッ、身体が……! きゃあぁああああああ」 例外なく、那月の身体は素直に縮小を始める。 いつもより、大きな快楽を受けながら、那月が着ていたワンピースとエプロンが、ばさばさと床に落ちていく。裸体でぽすん、とその山に落ちた後、上から、ばさり、と那月が纏っていたバンダナが覆いかぶさる。 巨大な布の下で、もがいていると、ふぁさり、と布を退かされ、凛に拾い上げられる。 「今日はいつもより小さくて、かわいいね。那月ちゃん」 「急に何するの、凛ちゃん」 「凛、那月ちゃんのケーキ、作ってみたかったんだ」 「ケーキ?」 「ケーキにね、那月ちゃん乗せるの。お人形さん乗ってるケーキにしたかったんだ」 クリスマスのサンタクロースや、ひな祭りのひな人形のように、ケーキの上に乗っているマジパンの人形のことを言ってるらしい。 「そ……、そんなのダメだよ。ケーキ食べられなくなっちゃうでしょう」 「大丈夫だよ。今日の那月ちゃんはね。おいしいケーキになるんだよ」 訴える那月の話は、簡単に却下され、次の瞬間には、凛が、那月をココアクリームのボウルの中へと、ぽい、と放り込む。 「きゃああああ! わぶうぅうッ」 ぼふん、と、柔らかなココア色の生クリームの中へと、那月はしずむ。 いつもより小さくなっている分、ボウルは、足のつかない底なし沼のようだった。 しかも、このクリームには、那月をいつも縮ませてしまうチョコレートが含まれているのだ。 もがく那月が誤飲した分、身体は熱を帯びて、更に縮ませてくる。 那月は、どんどん、大きくなっていくクリームの山を見て、自分が小さくなっていることに気付き、必死でかき分けてボウルの隅へと辿りつく。 必死で口を閉じて、これ以上、小さくならないように気を付けながら、熱が上がっていく身体に鞭をうち、ボウルのふちへと這い上がる。 クリームで滑った身体が、はるか下のテーブルへと滑り落ち、叫びそうになるところで、凛の手に受け止められる。 「ちょっと小さくなっちゃったね。でも、そのくらいの人形が乗ってるケーキもかわいいよね」 凛が笑いながら、「次は生チョコだよ」と言って、チョコレートを液状に溶かしたボウルへと那月を落とす。 「いやあああッ! 助けて凛ちゃん! 死んじゃうよおお!」 湯せんで溶かしていたはずのチョコレートは不思議と熱さを感じなかった。けれど、那月の裸体にまとわりついた途端、固まり始めようとするのだ。 ボウルの端にまでなんとか辿り着き、足のつかないチョコの泥沼に怯えながら、那月は、つるつると滑るガラス製のボウルに、小さな手を必死で動かしていた。 「チョコレートの服、着なきゃなんだよ。バレンタインのケーキなんだから」 「お願いッ、助けてぇええッ!沈んだら、私、息できないッ。死んじゃう!」 「じゃあ、ケーキに乗せてあげる」 ひょい、と那月をチョコの沼から拾い上げ、スポンジケーキの上へと座らせる。 表面にクッキーを砕いた大きな欠片が並ぶ台座に、那月を座らせ、那月の秘部がずぶり、と飲み込む。 「んひゃあああッ」 「那月ちゃん、もうすこし、じっとしててね。チョコレート固まったら、動けなくなるからね」 「や、やだああ! やめて、離して凛ちゃん!」 嫌がる那月の抵抗もむなしく、凛は、那月を、ぐい、とケーキに押し込むように頭から押さえつける。 両脚をMの字に曲げさせ、脚の下に苺を置かれる。 とすん、と背中に大きなろうそくを立てられ、ろうそくと両手首を固定するように、リボンをまかれる。 「ふふふ。那月ちゃん、かわいい。那月ちゃんのケーキの完成だね」 完成したケーキを、満足気に見つめながら、凛が天真爛漫にほほ笑む。 「じゃあ、さっそく、――いただきます」 妖しく瞳を光らせた凛が、ゆっくりと、ケーキフォークを那月へと伸ばし、那月は泣き叫んだ。 「いやああああああああああッ!!!」 * ハッ、と目が覚めて、那月は思わず半身を起こす。 ドッドッドッドッ、と鼓動が早く鳴っていて、胸元を押さえながら、きょろきょろと周りを見つめる。 見慣れたワンルームの自室で、カーテンの向こうの窓は、まだ明るくなく、自分が眠っていたことに気付く。 時刻を確かめようと、スマホに触れると、寝落ちする直前まで見ていた、チョコレート菓子のレシピサイトが表示される。 バレンタインに向けて、明日、一緒にチョコレートを作りたい、と凛に言われて、何がいいかなあ、と調べていたことを思い出す。 「…………、もう、なんて夢見るのよ、私は」 いくら、凛ちゃんと会う時は、いつも、身体を縮められて、お人形さんとして遊ばれちゃったり、そのままえっちなことさせられちゃったりしてるとはいえ……。えっちなことだと認識してるのは、自分だけなのだけれど。 悶々と、この前、遊びに行った時も、すごいことされちゃったけど、気持ち良かったなあ、と、ぼんやり思い出し、身体が熱へと引っ張りかけられ、ハッと我に返る。 振り払うように、那月は首を横に振る。 結局、何作るか決まってないし、眠気覚ましがてら、シャワーでも浴びよう。 布団から起き上がり、那月はバスルームへと向かった。 * 次の日。 凛の大きな家に招かれた那月は、凛と共に、大きなキッチンにいた。 お気に入りのエプロンに、キャラクター柄のバンダナ姿の凛が、チョコレートのレシピを見ながら、にこにこと笑顔を浮かべる。 その様子が、昨日見た夢と重なり、あんな夢を見てしまったことを、那月は申し訳なく思う。 「幼稚園には、型抜きチョコレート持っていくの。ケーキはねえ、那月お姉ちゃんといっしょに食べるんだ」 「ふふふ。楽しみだね」 カラカラと、種類豊富な型抜きを並べながら、どれを使うか悩む凛の横で、那月は市販のチョコレートを湯せんで溶かす。 ボウル越しにお湯で、市販のチョコレートを一度溶かす作業なので、凛の代わりに請け負ったのだ。とろとろと溶けるチョコレートを見ながら、昨日の夢のように、この中に落ちちゃったら、溺れる前に熱くてやけどしちゃうよね、とナチュラルに考える。そして、何シミュレーションしてるのよ、と慌てて考えを振り払う。 「凛ちゃん。どの型使うか決めた?」 「うん。ハートと、星と、クマとネコ! あとお花も作る~」 「いっぱい種類があるんだねえ。トッピングは?」 「この丸いチョコ、いっぱい乗せるの。銀の粒々も使って、チョコペンも使う~」 「豪華だねえ」 幼稚園児にして、早々、豪華な友チョコを計画する凛を見ながら、自分のときは、どうだったっけ、と遠い記憶を思い出す。 大きなキッチンスペースに並べられたデコレーションの具材を見ながら、少し奥に置かれたお菓子類を見つけて指を差す。 「こっちのクッキーの棒とかは使わないの?」 「それはね~、苺に刺すの」 「苺に?」 「苺にチョコレート塗るためにするんだよ」 「あぁ、チョコレートフォンデュにするんだね」 「うん。それをケーキに刺すの」 それは、刺さなくてもそのままで食べたらいいような……、と思いながらも、凛の思い描く、理想のケーキを実現すべく、準備を進める。 「じゃあ、型抜きのチョコレート作ったあと、先にチョコレートフォンデュの苺作って、それから、ケーキ完成させようか」 「うん」 凛によって並べられた型抜きに、次々と溶かしたチョコレートを流し込んでいく。 追いかけるように、凛が、その上に、トッピングの小さなチョコレートや銀のアラザンを乗せていく。 アラザンは綺麗にチョコレートの上に乗せられるが、小さな丸いチョコレートは重さに負けて、チョコの下へと沈んでしまう。 「小さいチョコは、ちょっと固まってから乗せた方がいいね。チョコペンも固まってから書いた方がいいよ」 「うーん。じゃあ、銀の粒々の奴、いっぱい作る」 種類豊富な型抜きチョコレートが、銀色に彩られた後、そっと、冷蔵庫へとしまう。冷えて固まるのを待つ間に、次はケーキか、と那月は、凛の家の大きな冷蔵庫から、ケーキの材料を取り出す。 ケーキを作る、とはいっても、市販のココア味のスポンジケーキに生クリームを塗って、デコレーションしていく簡単なものだ。クリームを泡立てるボウルと泡だて器をセットし、ふと、隣の凛を見る。 凛は、苺にチョコレートをコーティングさせることに夢中になっており、棒状のクッキーに刺さった苺に、とろりとチョコレートがまとわりつく様を見て、うっとりしている。 その様子にふと、昨日の夢が、那月の中でリンクする。 ケーキのろうそくを手に持ち、ケーキの上で裸で固定された那月の背中に、どすりと刺した様子。 その後、チョコレートとクリームにまみれた那月を見ながら、美味しそうと言って、フォークを向けるその様子。 恐ろしくて夢の中では泣いてしまっていたにも関わらず、那月はとろとろと、身体に熱が帯びていくのを感じた。 下腹部がきゅるりと疼いている。 夢の中では、いつもの人形遊びの時より、小さくされていた。 一粒食べただけで、急激に感度が上げられていたのに、あんなに小さくなってたら、私、どうなっちゃうんだろう。 そう、このケーキよりも小さいくらいの……。 「――那月お姉ちゃん?」 凛に呼ばれて、ハッと我に返る。 「どうしたの? 苺、全部、チョコレートつけれたよ。クリーム作ろう」 「あ……、そっか。うん。苺、綺麗にできたね」 慌てて、生クリームの準備を再開するも、那月は、ドキドキと鼓動が上がっていく。 私、何考えてるの。今日は普通に、お菓子作りしてるだけなのに。 身体の疼きが止まらない……。 自分を恥じるように、ぎゅっと、一度、深く目を閉じてから、那月はなんとか、気持ちを切り替える。 凛が踏み台の上に乗り、生クリームが泡立っていくのを、にこにこしながら見つめている。 出来上がった生クリームを、ケーキ台の上に置かれたスポンジケーキに、凛が塗るのをアシストしながら、自身を落ち着かせる。 すっかり生クリームで覆われたスポンジケーキを見つめて、凛が満足気な顔をする。 「できたっ。あとは、苺とか乗せる!」 「上手に塗れたね。おいしそう」 「完成は、全部乗せてからだよ、那月お姉ちゃん」 先ほど、凛が作ったチョコレートコーティングされた苺を、ぷすぷすとケーキに刺していく。 お手製のケーキ感が増して、少しほほえましく思っていると、全ての苺を置いた凛が振り返る。 「そうだ、那月お姉ちゃん。口開けて」 「えッ」 期待に満ちた目で、そう言われ、ドキリとする。 それは、凛が、那月をお人形サイズへと変えるチョコレートを、那月に与えるときに必ず言う言葉だった。 既に、ほんのりと熱を帯びていた身体が、きゅんっと反応するのが分かる。 どきどき、と鼓動を上げながら、そっと目を閉じて、那月は口を開ける。 「……ぁ、……あーん」 ころん、と口の中に入れられたものを、そっと咀嚼する。 どきどきしながら、呑み込み、そして違和感を覚える。 「……?」 いつものような、縮小に伴う快楽が現れず、身体にも変化が起きない。 「えへへ。美味しかった? さっき、型抜きチョコに乗せられなかった小さいチョコレートだよ」 手のひらに、丸い小さなチョコレートを見せて、凛が笑う。 「あんまり使わなかったから、これもケーキに乗せちゃう」 「そ、……そっか。……可愛いね」 ぽんぽん、とケーキに飾る凛を見ながら、那月は、期待が外れてがっかりしている自分に気付いてしまう。 折角小さくなれると思ったのに。 ケーキの上で、いっぱい、えっちなこと、してもらえると思ってたのに。 肩透かしを食らった分、自分の理性では抑えきれない程の、欲求がたまっていく。 こんな場所で、何考えてるの。夢とは違うんだから。普通にお菓子作ってるだけなんだから。 だめ、絶対に、だめ。 懸命に、自分に言い聞かせるも、きゅんきゅんと、下腹部が疼き、那月は内股をすり寄せる。 さっき、食べさせてもらったのは、ただのチョコレートだったのに、自分の中の欲求だけが、各段に上がってしまったかのようだ。 上がる息を、なんとか隠しながら、那月は、こくん、と唾をのむ。 「……ねぇ、凛ちゃん」 「なあに?」 丸くキラキラした綺麗な瞳が、那月を見つめる。最後の一瞬まで、悩みに悩み、しかし、欲に負けて、那月は口を開く。 「その……、今日は、私のこと、小さくしないの?」 きょとん、と不思議そうな顔をする凛に、那月が続ける。 「私を……、ケーキに、乗せてみない?」 熱に魘されるような顔をしながら、なんとかそう言えば、凛が目を輝かせる。 「ケーキに?! すっごーい! おもしろそう~! あ、でも、お人形の那月ちゃん乗せるには、ちょっとケーキが小さいかも……」 「それなら……ッ、い、いつもより、……私を、小さくしてみない?」 「いつもより、小さく……」 「二個くらい、食べたら、きっと、もっと私、小さくなれると思うな……」 どきどきしながら、那月は凛に提案する。 実際には、行ったことのない量だ。どうなってしまうか、那月にも分からなかったが、今は、危険よりも確実に訪れる快楽にしか、もう目に入らなかった。 ――小さくなりたい。小さくなって、いっぱいいっぱい、えっちな遊び、してほしい。 那月の深い、どろどろした欲望に気付く様子もなく、凛は、きらきらと目を輝かせる。 「そっかー! たのしそう~! やってみるやってみる! えっとね、何粒か持ってたと思う」 ごそごそと、ポケットから、見覚えのある個包装されたチョコレートを取り出す。 「じゃあ、まず、一粒ね。那月お姉ちゃん、はい、あーん」 背伸びをして、那月にチョコレートを差し出す凛に、那月は髪を耳にかけながら、口を開けて、そっと近づく。 「あーん……」 ころん、と入れられたチョコレートが、静かに那月の咥内で溶ける。そして、身体に火が付いたかのように、快楽が全身を巡る。 「ひゃぅッ、はぁああんッ、あぁああッ、いい……ッ、きもちいいッ、小さくなっちゃう、小さくなっちゃうよぉおおッ、あぁあああああ!!」 喘ぎながら、那月の身体が、しゅるしゅると縮みだす。エプロンとバンダナの狭間で、うっとりとした表情で、縮小を終えて、荒く呼吸をする那月を、凛が拾い上げる。 ドールサイズになった那月を、キッチンの調理台に置く。 チョコレートや生クリームが入ったボウルや、ケーキは、那月より、まだ少し小さなサイズだが、那月は、自身の夢の光景を思い出し、とろりとした表情でそれらを見つめた。 「じゃあ、もう一粒ね。那月ちゃん。はい、あーん」 小さくなってから食べるにしては、かなり大きいチョコレートは、那月の顔より、少し小さい程のそれで、一口で食べるには困難のように思えた。 しかし、欲情しきった那月は、かまわず、口を開ける。 あんなに大きいの食べちゃったら、私、どうなっちゃうんだろう。 「あーん……ッ、ん……ッぐひゅぅッ、うぐふぁッ」 無理くり押し込まれるチョコレートに咽ながらも、咥内に触れたチョコレートは、那月に吸収されるようにすぐに溶けていく。 なんとか全て咥内から、那月の中へと入り切った頃には、那月は、身体が焼けるように熱くなり、連続絶頂でもしているかのような快楽に襲われていた。 最早、立つことがままならず、ふらりと、キッチン調理台に、うつ伏せで倒れ込み、欲情しきった秘部を見せつけるかのように尻を突き出したまま、那月は、必死で縮小に伴う快楽に、声を上げていた。 「ひぃあぁああぁあああああッ、ひゃに、こええええッ、ふきゃあああああッ! 身体ッ、身体がッ!! あひぃああぁああああッ、壊れひゃうッ、ひぐうッ、ひぐううううッ、イグの、止まらないのおおおッ、あぁあああああああああああああああ!!!」 小刻みに身体を震わせ、小さく跳ねながら、那月は更に縮小を続ける。 更に半分ほど、サイズを縮めたところで、変化が途切れ、どろどろに溶け切ったような顔をして、那月は調理台へとへたり込んだ。 「那月ちゃん、すっごく小さくなったね~! 消えちゃうかと思った~」 もはや見慣れてしまったのか、那月が小指サイズ程に縮み、淫らに喘いでいたのを見ても、さして疑問を持たずに、凛が無邪気に感想を述べる。 凛の声を、はるか遠くから聞きながら、那月は、いつも以上に縮められたことによって得られた快感がいつまでも消えず、快楽に溶けきった頭のまま、余韻に浸りきっていた。 すごい……。いっぱい小さくなると、こんなに気持ちよくなっちゃうんだ……。 強力な媚薬漬けにでもされたかのように、那月には、もはや、快楽を得ることしか、頭になかった。 熱に溶けきった、いつもより小さな那月を、凛が片手でひょいと持ち上げる。 「ケーキには乗せやすそうだけど、今の那月ちゃんに合うお洋服あったかなあ」 手のひらに乗せて考える凛に、那月は、すりすりと、凛の指先に身体を寄せて甘えるような声を出す。 「凛ちゃん……。お洋服の代わりに、チョコレート、那月に塗って……!」 * 「チョコを塗るの? お菓子のお洋服にするんだね! すっごーい! じゃあ、まず那月ちゃんきれいにしてあげるね」 ガタガタと、凛が棚から、小さなザルを取り出すと、そこに那月を、ぽいっと入れる。 水道から、ちょろちょろとお湯を出すと、その真下へと、那月を入れたザルを持っていく。 「ひゃぁああんッ」 凛にしては、珍しく、水量を少なく調整してくれてはいたのだが、小さな那月にとっては、ちょっとした熱い滝のように感じる。しかし、欲情しきった那月には、それすら、刺激に代わり、身体をザルの上でよじらせる。 凛が、空いた片手を那月に伸ばし、ぐにぐにと、食材を洗うかのように、那月をこすり洗いする。 「はぁあぁんッ。んひゅぅッ、凛ちゃんの指、きもちいいよぉッ」 「那月ちゃん、小さなお魚さんみたいだね」 笑いながら、お湯を止め、ザルを上下に動かし、水を切る。 「ひゃんッ、ぁひぃッ、はぁあんッ」 ザルの上で、仰向けのまま跳ねあがる那月が、裸体から雫を、シンクの下へとこぼしていく。 那月を小皿の上へと、凛が落とし、キッチンペーパーで、那月をごしごしと擦る。 よろよろと、那月が小皿の上で起き上がった頃、凛がキッチンの引き出しをガチャガチャと漁っている。 「スプーンでいいかなあ」 ティースプーンを取り出し、ボウルの中の溶けたチョコレートをすくい上げ、那月の胸元へと、どろりとこぼす。 「きゃッ!」 人肌温度にまで冷えたチョコが、那月の胸元から、乳房をなぞり、腹から秘部を通って、太ももから足先へと垂れていく。 不思議な感覚に、ドキドキしながら、那月が足元に落ちたチョコの雫を見ていると、凛が、むう、と声を出す。 「意外とチョコ、すくえないなあ。……あ、そうだ。アップルパイ作るときに使うはけならいいかな!」 再び、キッチンの引き出しを開け、絵筆のようなはけを取り出す。とぷん、とはけをチョコレートに浸し、那月の前へと持ってくる。 「……ッ」 那月が、期待に満ちた目で、うっとりとチョコレートまみれのはけを見つめる。 「これなら、いっぱい塗れそう!」 ぺすん、と凛がはけを、那月の裸体に当て、チョコレートをふんだんに塗り付ける。 身体の曲線を確かめるかのような動きで、はけが、那月の胸のカーブを余すことなくなぞる。 「あぁあぁああんッ」 ビクビクッと、身体を反らし、那月が喘ぐも、凛は気にせず、はけを腹から下腹部へと伸ばし、太ももをチョコに染める。 「んひゃあぁあッ」 長い筆先が、那月の蜜壺をいたずらに刺激し、つま先立ちで、ぴんっと、弓なりになる。 倒れそうになる身体を凛が、支え、くるりと、那月をうつ伏せにして、小皿に寝かす。 そして、容赦なく、チョコレートを塗り付ける。 「あひぃいんッ! ふひゃぁあんッ、チョコレート、気持ちいよぉおおッ」 「那月ちゃん、もっとお尻向けて~! チョコレート塗らなきゃお尻みえちゃうでしょ」 凛が愉快そうに笑いながら、ぐい、と那月の尻を立てさせ、はけでチョコを塗り込む。 「ひぁあああぁんッ! チョコレート、挿っちゃうぅうう!」 てろてろ、と、割れ目から零れる愛液とチョコレートが混ざり合う。 「うふふ。できたー! 那月ちゃんのチョコレートコーデ、完成だよ~!」 ぽたぽた、と固まりきっていないチョコレートが、小皿へと零れ落ちる。 ひくひく、と、下腹部を疼かせながら、那月は、大きな凛を見上げる。 「ケーキのどこに置こうかな~。那月ちゃん、どんなポーズが可愛いと思う?」 こくん、と息を呑んでから、すりすりと内股を擦らせながら、那月がとろりとした目をする。 「あ……、お馬さんの……ポーズ……」 「お馬さん? 木馬に乗るの?」 「お馬さんに乗ったとき、みたいに……、那月に、クッキー……、突き挿してぇ……!」 ふりふり、とチョコレートにまみれた尻を振り、とろけきった顔で、那月が懇願する。 「クッキーを? あ、そっか。チョコレートフォンデュみたいになるね。苺みたいに那月ちゃんも刺して飾ればいいんだ!」 するり、と菓子袋から、凛が棒状のクッキーを取り出す。 那月は、呼吸を荒げながら、凛の指先を、期待に満ちた目で見守る。 来る……ッ。来ちゃう……! ――どちゅんっ!! 棒状のクッキーが、那月の愛液とチョコレートに絡みながら、難なく奥へと挿入される。 「あぁああぁああんッ!!」 小皿の上で、チョコと愛液を飛ばしながら、那月が大きく跳ねる。 すごい……! 奥までいっぱい挿れられてる……! 私、お菓子に犯されちゃってる……。 恍惚とした表情で、挿入されたクッキーをすりすりと擦り合わせていると、凛が、棒状のクッキーを指でつまみ、那月を持ち上げる。 「んひぃぁああああんッ」 身体が宙に浮き、重力に従い、ずぷずぷと、那月の膣がクッキーを更に飲み込む。 はくはく、と刺激に耐えるかのように、なんとか息をする那月をかまうことなく、凛が那月のクッキーをケーキへと突き刺す。 つま先に、柔らかな生クリームがつく。 那月は、自身の膣に荒々しく突っ込まれたクッキーの棒が、両脚の間からケーキの土台に伸びている様子を、うっとりと見つめる。 隣に刺されたチョココーティングされた苺に手を置き、自らの身体が上下に動くように、ゆるゆると腰を動かす。 くちゅん、くちゅん、と、那月の貪欲な秘所がクッキーに吸い付き、とろとろと蜜を、脚とクッキーを濡らしていく。 「すごーい! 那月ちゃん、ケーキになっちゃった。かわいい~!」 はしゃぐ凛の声を聴きながら、那月は夢中で腰を動かしていた。 ――私は凛ちゃんのケーキ……。私は、凛ちゃんのバレンタインのお菓子……。 もはや、小さくなって凛に遊ばれることに、すっかり心を奪われてしまっている。 自らの腰の動きも、激しさを増していき、那月の熱が上がっていく。 目の前の支えとしている苺のチョコが、ぬるりと、那月の熱で溶けていく。 「あぁんッ、はぁんッ、きもちいいッ、クッキー、大きくてきもちいいのッ、とまらないよぉおッ、あんッ! あぁッ! あぁああッ! イっちゃうッ!!」 きゅぅうんッ、と那月の膣がクッキーを締めつける。 「イクぅぅううううッ!!」 思わず目の前の苺に、しがみつき、そして、溶けかけのコーティングされたチョコレートが、ずるりと、それを阻む。 「ひゃんッ!」 那月は大きくバランスを崩し、那月の自慰行為で、すでに広がっていたケーキへの差込口が限界を迎える。 ぐらり、と那月を支えるクッキーの棒が、重力に従い、ケーキの土台へと倒れる。 「きゃあああッ」 ぼふん、と、生クリームの中に、那月は倒れ込む。 身体中が、苺についていたチョコレートと、生クリームまみれになり、重さでじたばたと、生クリームの中でもがいていると、ひょい、と身体が宙に浮く。 凛が、那月に挿さったクッキーを手に持ち、すくい上げたのだ。 ぼたぼた、と、那月に乗りきらなかった生クリームが、ケーキの土台へと落ちていく。 それでも、那月についた生クリームとチョコレートが落ちきれず、那月はクリームの狭間から、なんとか凛を見ようと試みた。 その刹那、べろり、と。 生暖かな刺激が全身を襲った。 「ひぁあああんッ?!」 拓けた視界に、舌を使って、那月についた生クリームを食べる凛の姿が目に入った。 「おいしい~! 那月ちゃん、ほんとにお菓子みたいだね」 じ、っと大きな瞳で見つめられる。 凛ちゃんに全身を舐められちゃった……。 どうしよう。こんなに気持ちいいなんて、思ってもみなかった。 どきどき、と鼓動が上がっていく。 「凛、食べちゃいそう」 にこにこと笑う凛に、ふらふらと、那月の欲が引き寄せられる。 「……ッ、もっと、私を、食べて……凛ちゃん」 「ふふふ」 べろり、と舌が那月を撫でまわす。身体に塗られたチョコレートを溶かすかのように、執拗に舐めたかと思うと、あーん、と口が開けられ、那月を頭からしゃぶるような様すら見せられる。 柔らかで暖かな舌と咥内に包まれながら、那月はされるがままに身を任せていた。 ちゅぶん、と音を立てて、凛の唾液にまみれた那月を、凛がそっと、咥内から離す。 とろとろの状態の那月を、凛が少し静かに見つめた後、にこりと笑う。 「本当に那月ちゃん食べちゃいそうだから、おしまい」 笑って言われて、那月は、ハッとようやく我に返る。 ほとんど本気で、食べられてもいいと思う程、自分が快楽に溺れきっていたことに気付く。 「り、凛ちゃん……」 「ねえ、那月ちゃん。そろそろ那月お姉ちゃんに戻って、今度は凛といっしょにケーキ食べよう」 言われて、那月は、ほろほろと涙を流す。 そっと、凛が大きな指先で、那月の頭を撫でる。 「ごめんなさいッ、ごめんなさい……。私、私……ッ」 「那月ちゃんは泣き虫だなあ。今日はいつもより小さいからしょうがないね」 僅かに残った、那月の身体のチョコレートを、そっと舐めるかのように、小さな那月に、凛が小さく口づけする。 「でもね。凛は、小さい那月ちゃんも、いつもの大きな那月お姉ちゃんも好きだよ」 ぐすぐすと、幼い子供のように、罪悪感で泣く那月に、そっと凛がささやく。 「――だから、また遊ぼうね。那月ちゃん」 ぽたり、と、那月の身体から、溶けたチョコレートが、脚を伝って、凛の手のひらへと落ちた。