SakeTami
ぶんちゃん
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スク水戦闘員を殲滅せよ エピローグ1

「ヘブォッッ!!!」 ーー突如、何かを顔面に叩き込まれた。 「起きろっ〜〜〜!!!」 ーー突如、誰かが布団を引っ剥がした。 「って何すんだテメーッ!!!」 「あんたいつまで寝てんのよ!? また遅刻する気!?」  ハルキが怒鳴りながら見上げると、そこに立っていたのは腰に両手を当て、仁王立ちする少女ーー如月 紗羅だった。彼女の黒髪はミステリアスでおしとやかな雰囲気を醸し出すも、ポニーテールにしてるためか、その少女の活発な性格が感じ取れる。 「何ボーッとしてんのよ!早く支度する!」  要するにーー 「…………」  いつもどおりの朝だった。何も変わらない、昨日までと何も変わらない、朝だった。『悪い夢でも見てたのではないだろうか?』とハルキはついそんな気持ちになる。長く、酷く、甘く、酸っぱい、そんな一夜限りの夢。 「ウッ……‼︎」  しかしそんな彼の考えは、身体を起こそうとした際に走った全身の痛みによって打ち消された。 「大丈夫……?やっぱり、まだ痛むの?」  さきほどの様子からは打って変わって彼の事を気遣う紗羅。 「昨日は大変だったよね……私のために、こんなになって……」  痛みに顔をしかめるハルキを見て、彼女は泣きそうな目でそう呟く。 「いや、大丈夫だよ。これくらい……」  しかし、彼はなんとか紗羅を心配させまいと、そうニッコリと笑いかけたのだった。こうしていつもと変わらない一日が始まった。    通学路、やはりいつもどおり二人は並んで歩いている。 「……」 「…………」  しばし、二人の間に気まずい沈黙が漂う。 「本当に存在したんだね……」  先に口を開いたのは紗羅の方だった。『存在した』というのは、どうやら女スパイ養成学校の事を言っているようだ。 「ああ……」  ハルキもそれが分かっているのか、やや放心気味に相槌を打った。 「まさか、あたしが目を離した隙にあんな事になってたなんて……」 「オメェは悪くねぇよ。逆にあの場に居なくてよかった」  そう言って彼は、自分を責める紗羅を慰めた。 「人質に取られたのは危なかったけど、結局何も危害を加えられなかったんだから良かった。それよりもあの場に残ってたらお前も戦闘に巻き込まれてたかもしれねぇ……だからあれで良かったんだよ」  彼の言葉に紗羅は納得したように頷くも、その顔色は依然思わしくなかった。 「でもさ……あの人たち、言ってたよね。『今後自分たちのことを探らないで』って……」  『あの人』というのは、あのスク水戦闘員ーー『ナナ』と名乗る人物が言っていたことについてだろう。  ハルキは、彼女が言外に何を言おうとしているのかをすでに悟っていた。 「……」  ハルキは口を縫ったように押し黙る。彼の目的は一つ、父親の仇を打つ事だ。あの『ナナ』という女スパイを追いたい……。  しかし、彼の頭には、昨日、紗羅が人質に取られた時の事が常にチラついていた。  このまま目的を追い続けると、もしかすると今後も紗羅を危険な目にあわせてしまうかもしれない。彼は迷った。迷いに迷った……。  そして彼はやっとの思いで振り向いたーーその先には祈るような目でハルキを見つめる紗羅がいた。 「俺は……」  そう呟きかけた時ーー 「よう!お二人さん!今日も一緒に登校かい⁉︎」  二人の間を遮ったのは、聞き覚えのある騒々しい声。 「……」 「なんだよ!二人して!どした?どした?喧嘩でもしたのか?」  全く空気の読めない悪友の乱入により、ハルキはかえって安堵したように息をつく。 「夫婦喧嘩か?痴話喧嘩か?……ッ⁉︎」 「相っ変わらずやかましいなぁ!ゾノ!」  ハルキのゲンコツを喰らい、頭を押さえる花園。そんな彼の頭を力尽くで抱え込むと、ハルキは『ほら行くぞ!』とそのままさっさと行ってしまった。  紗羅だけが後に取り残された。  小中高一貫校である水英学園ーーつまりハルキ達の通う学園では、その日、生徒会選挙が行われていた。  校内での紗羅の人気は凄まじいものだった。誰もが時期生徒会長は彼女に決まりだろうと確信していた。  その証拠に、今行われている生徒会立候補スピーチでも、彼女の圧倒的人気はハッキリと見てとられた。現にいま演説台の前でスピーチをしている他の立候補者よりも、舞台の袖に立つ紗羅のほうが注目を浴びていた。 「わ、わたくし……林 薔華は……自身の……成長と、この、が、学校の、為に……ぜ……ぜひ、生徒会長になって、かけがえのない思い出を……」  おどおどと話す彼女のスピーチは、むろん誰も聞いていなかった。紗羅の圧倒的な人気には、上級生ですらもタジタジになってしまうのか、彼女の日本語はカタコトのようになっていた。そしてスピーチを終え、とぼとぼと元の位置に戻っていく候補者。  生徒会長への立候補は先ほどすでに演説を終えた二年生の明智 智也(あけち ともや)と今スピーチを終えたばかりの同じくニ年生の林 薔華(はやし そうか)、そして紗羅の三人だけだった。  そして次は入れ替わりに、紗羅が演説台の前へと歩み出るーー 「……ッ⁉︎」  皆が言葉を失った。なんて事はない。彼女はもう、その歩き姿からして同じ高校生とは思えなかった。まるで一本の棒を貫いたかのように凛とした背筋、手先足先まで洗練され尽くしたかのような一挙手一投足。そして、自己への自信に満ち溢れた可憐な横顔。  まるで一人だけ違う世界を生きているかのようなその姿に、明智 智也はともかく、女子である林 薔華ですらがその渦巻きメガネの奥から惚れ惚れとした目で彼女を見ていた。そして紗羅は演説台の前に立ち、全校生徒と真正面に向き合った。 「皆さん、こんにちは。私、一年生の如月 紗羅と申します」  そう、紗羅が切り出すだけで体育館中から感嘆の声が上がった。その後も彼女はスラスラと滑らかに、しかも聞き取りやすく明朗な声で選挙への抱負を語っていく。 「ひえ〜……如月さんの存在って、逆に残酷なモンだね……」  一人の男子生徒がそう呟いた。 「……どういう意味だよ?ゾノ」  すると隣で聞いていたハルキは怪訝な様子で、今しがた奇妙なことを言い出したクラスメートの花園に問いただした。 「いや、だってさ……他の候補者の立場になってみろよ。みんなが見てる舞台の上でさ、如月さんの横に並べられるんだぜ。んなモンただの拷問だろ」 「たしかに……」  ハルキは改めて舞台上を見回してみる。彼女の犠牲者である、二年男子の明智 智也。 「あのイケ好かねえ野郎、家が超大金持ちで成績も優秀らしいな」  花園が嫌味ったらしくボソリと言った。ハルキも同意するように頷く。 「そういやアイツも紗羅にラブレター出してたな。なかなか黒い噂が絶えねえみてぇだが……」 「なんの噂だよ?」  花園が興味深く食いついた。  ハルキは先だって調べた全校生徒の資料を思い出す。 「なんか……女子生徒を人気のないところに連れ込んで……手込めにしているらしい」 「それって犯罪じゃねぇか⁉︎」  つい大きな声を出してしまいそうになった花園。彼はビクリとしながら慌てて周りを見回した。 「……証拠がねぇんだよ。被害者もなぜか口を閉ざして事実を言おうとしない」  資料を調べても、明智の事についてはとんと分からなかった。彼についての表面的な経歴は記されているものの、ある深度まで達するとまるでモヤで覆ったかのように、不自然に、情報がぼかされていたのだった。 「あいつ、そんなにきな臭い野郎だったのか……」  教師に私語がバレていない事が分かって一安心した花園が、再び明智を睨みつけた。しかし彼はコロっとその表情を変えると、気の抜けたように呟いた。 「しっかし、それにしても、普段なら生徒や教師から絶大な信頼を集めているその秀才くんも、今は見る影もねぇって感じかな……」  そう。今の明智は、まさに"影"そのものだった。  いくら明智が優秀であったとしても、紗羅がとなりに立つと月とスッポンーーたちまち彼は月の光に隠れ、影となってしまうのだ。 「ま、それで助かっている人もいるけどな」  続けて、今度は花園がバカにしたように鼻で笑う。  彼の嘲笑の先に立っていたのは、ニ年生の林 薔華だった。 「お前、ほんっと性格悪いな……」  ハルキはそんな花園に軽蔑の視線を向ける。  しかし、たしかに花園の言った事はかなり的を射ていたーー  普段であれば、彼女にとって、美少女のとなりに立つ事は自殺行為に近いことだった。醜女が美女を引き立てること、それはすなわち逆もあり得るからだ。"なるべく目立たず、他人から注目を浴びたくない"林 薔華にとって、今回の選挙はまさに一か八かの賭けだった。本当は誰にも立候補してほしくなかった。そうすれば彼女は"誰も聞いてない、見ていない"スピーチをさっさと済ませ、そして誰も選挙に興味を示さないまま人知れず生徒会長になることが出来たのである。  しかし、紗羅の人気は、林が恐れていた予想を遥かに上回った。彼女は月どころではなかった、太陽だったのである。もはやみんな紗羅のことしか見えてなかったのだ。薔華は完全な影になることが出来たのである。もうだれも、地味で、お世辞にも美人とは言えない彼女のことを見てはいなかった。彼女にとっては、むしろそれが有難かったのである。  そして後日、当然の如く、紗羅が生徒会長に当選した。外部生で、しかも一年生ながら生徒会長に当選したのは稀に見る快挙だった。  他の候補者は、別の役職に当てはまって行った。明智は生徒会副会長、林は一般役員としてそれぞれ落ち着いたのだった。  こうして、時期生徒会選挙は幕を閉じたのだった。  ある薄暗い一室、少女の喘ぎ声が大きく、響き渡っていた。   「アッアッアッふっウッハッ……」  パンッパンッパンッーーというリズミカルな音に合わせて、彼女の小刻みな声もコダマしている。  息苦しさを覚えるその部屋は、無機質なネズミ色に囲まれた空間で、鉄の壁や天井の所々に浮かんだオレンジ色のサビが宿命的な色と化していた。  壁際には数人の人影が整列していた。その小柄な人影達ーー少女達は、誰一人の例外もなくスクール水着に黒グローブ、黒ブーツを着用していた。  そして、その一室の中心では、まるで彼女達など見えていないかのように、二人の男女が激しく躍動していた。 「オラァ!もっと動けッ‼︎」 「ィヤァンッ‼︎」  男は怒鳴りながら少女のお尻を叩いた。途端、より一層、高く大きな音と声が張りあがった。息を切らして運動しているのは、主に少女の方だ。彼女は仰向けに寝そべる男の裸体上に、後ろ向きにーー彼にお尻を見せつける形で跨っていた。股間部を覆うスク水の布をずらし、男のイチモツを自ら挿し入れ、まるでロデオのように懸命に小さな身体を激しく上下させる少女。後ろで短く束ねたショートヘアがピョコピョコと飛び跳ねていた。 「ハァァッ‼︎おい!下手くそ過ぎるぞ!もっとイイのはいなかったのか⁉︎」  男は彼女ではない、別の誰かに向けてそう叫んだ。 「恐れ入りますが、処女の中ではその者が一番成績が優秀でした」  声を放った先からは、やけに落ち着いた女の声が返ってきた。彼女は自分の仲間が滅茶苦茶に犯されているにも関わらず、平然とその様子を眺めていた。  男の上に乗っている少女は、粒のような汗を周りに振り飛ばしながら、口から漏れ出る喘ぎ声もそのままに、ほとんどうつろな表情になりながらもそれでも健気に身体全身を飛び跳ねさせていた。ほぼ力が残ってないのか、上下反動だけでなんとか身体を跳ねている状態であり、ほっそりとしたその腕はまるで操り人形のように揺られに釣られてプランプランとしていた。 「成績ってなんだよ⁉︎俺はセックスの事を聞いてんだよ!」  スク水隊員達の中で、ひとり大人びた雰囲気を漂わせる少女ーーナナが無機質かつ流暢に解説した。 「女スパイ養成学校の必須科目の一つである『房中術』の成績の事です。性交渉の際に必要な『体力』・『動作』・『テクニック』についてを修練します。貴方様がご希望されている処女の隊員となると、やはり彼女くらいの新兵が多いですが、いま相手を担当しているミユキは14歳にしてはかなりの水準に達しています」  ミユキの身体はたしかにまだ発達途上であった。お世辞にも"女性"とは言いがたいほど、そもそも骨格からして細く、小さかった。  それでも胸は彼女なりに小さく形良く膨らみ、腰は両手で掴めば握れるんじゃないかというくらいに頼りなくくびれ、そのくせ小ぶりのお尻は思わずギュッと鷲掴みにしたくなるほど控えめに膨らんでいた。  何もかも、小さいくせに、控えめなくせに、"ちゃっかり"と女らしさをアピールしていた。何だか小さいくせに背伸びをしているように見えて、小生意気に思われる様なスタイルだった。それはミユキの顔立ちにしたってそうだ。年相応の、あどけない顔付きをしているくせに妙に色っぽい。キュッと締まった小顔ーー唇は小さいくせに妙にテカテカと輝いており、そのくせ眼はぱっちりと大きく、まつ毛が長かった。  どれもこれも、やけに挑戦的なわりに、その身体と顔は、触ればすぐに壊れてしまうのではないかと思えるくらいに繊細に見えたーーそして、現に彼女は今、圧倒的な性暴力によって壊されようとしていた。 「オラァッ‼︎」  とうとう彼は焦ったく思ったのか、自ら腰を彼女の股間に強烈に突き上げた。 「ッハァァンッ⁉︎」  ミユキは身体中に電気が走ったように、天を仰ぐ。男は自分の心に存在するやり場のない怒りを一語一語に乗せて、全く無関係であるはずのミユキに対して八つ当たりのようにぶつけた。 「俺はッ‼︎もうッ‼︎何回もッ‼︎ヤリすぎてッ‼︎なかなかッ‼︎イクことがッ‼︎出来ねぇんだよッ‼︎」  突き上げられるたびにミユキは体を震わせるも、彼女はそれでも一生懸命に全身をバネのように跳ねたり叩きつけたりしていた。 「オラァ!こっち向け!」  男は乱暴に彼女の腕を引き寄せると、ミユキは半ば目が閉じかかりながらもフラフラと男と真正面に向かい合った。  ふとすれば倒れそうになるのをグッと唇を噛んで踏ん張り、再び騎乗位の体位をとる。そしてネットリと腰を前後にスライドさせたり、擦り付けるように回したり、とにかく彼女の体得してきた"性行為"における知識、技術をフル活用させて、ただ男を満足させることだけに献身的に尽くした。  そう、ミユキは献身的だったのだ。一見、彼女は疲労困憊し、男からの一方的な性暴力を受けているようにしか見えなかったが、しかし女スパイの端くれである彼女にとっては"性行為"も一つの立派な仕事なのだ。  彼女はいま、プライドを持って目の前の男とセックスをしている。なぜなら、それが彼女の取り柄だから。自慢だから。 「だからそんなんで俺が満足するかよッ‼︎」  そんな彼女の気持ちを踏みにじるように、彼はまた腰を突き上げた。途端、ミユキはバランスを崩す。 「きゃ……」  聞き取れないほどの力無い悲鳴を漏らし、彼女はとうとう男の体の上に突っ伏してしまった。男の幅広い胸にそっと置かれた黒グローブに包まれた彼女の小さな両手が、キュッと小さく握り拳を作る。不甲斐ないような、悔しそうな、そんな感情がその小さな握り拳から見てとれた。 「おいッ!役立たず!誰が休んでいいっつったッ⁉︎早く身体動かせ!」  狂ったように男が喚くも、彼女は顔をジッと男の胸元に埋めたまま動かなかった。故に彼女の表情も分からない。 「私は……なたを……ます……」  消え入るような、声が流れ出た。 「アァッ⁉︎」  男は苛立たし気に叫ぶ。すると彼女はおもむろにのっそりと頭をもたげ、鼻先が触れ合うほどの距離で男の顔をジッと見つめた。  乱れた髪、疲労の汗と苦痛の涙でぐしゃぐしゃに汚れた顔、しかしそれらのさらに奥の方で、ミユキは確かに微笑んでいた。 「私は……必ず、あなたを……満足させて……見せます……絶対に……諦め……ません」  それは、ミユキの、小さな、小さな、せめてもの意地だった。力を振り絞って吐き出した、荒い息が混じったその優しい言葉は、男の顔をポカンとさせる。しかしーー  しばしの間の後、男の顔には侮蔑の笑みがみるみると浮かび上がった。 「ハ、ハハ……だったら……早く満足させろよ……」  彼女は目を瞑り、彼の口をそっと塞いだ。そのキスには性的な嫌らしさはなく、なぜか愛情が感じられた。  そして、その事が余計に、男の逆鱗に触れた。 「だから早くイカせろっつってんだろうがァァッ‼︎」 「きゃあッ!」  上から被さるミユキの身体を、男は横薙ぎに突き飛ばす。彼女は男の隣にグッタリとその身を横たえた。仰向けになった彼女の、苦痛に打ちひしがれた顔が衆目のもとに晒された。力の抜けた表情、どうやら彼女は意識を失ったようだ。しかしそれも一瞬のことだった。  男は彼女のスク水の股下を強引に引っ張り退け、彼女の小さな膣穴に己のモノを強烈な勢いでぶち込んだ。彼女はまた息を吹き返したように身体をビクッと震わせ、表情には苦痛が戻ってきた。  そして彼は、タガがはずれたかのように乱暴に、高速で腰をピストンさせた。 「ウルアアァァアァァアァッ‼︎」 「キャアアァァァアァアアッ‼︎」  二人して絶叫した。気が狂ったように、絶叫した。 「アアアッ‼︎イクッ‼︎もうダメッ!イクッ!」  彼女の額には青筋が立ち、汗で光る肉体は極度に硬直して筋肉の筋や骨スジが部分部分に浮き出ていた。 「お前がイッてどうすんだッ!俺をイカせろっつってんだろッ!」  なかなか果てる事が出来ない怒りをぶちまけながら、男はミユキの頬を平手で打ちのめした。彼女は打たれるたびに口を真一文字に結び、その瞬間だけは叫びが止むものの、また次の瞬間には膣内を蹂躙される苦痛と快感に叫び悶えた。 「ああッ!もうイライラするッ‼︎」  やがてさらに体位を変え、今度はミユキの身体をまるで人形でも扱うかのように強引にひっくり返し、四つん這いにさせてさらに後ろから突き込んだ。   「ハアアアンッ‼︎もうッ!これ以上はッ!ダメッ!」  最初男は、非常に持ちやすい形大きさの腰を鷲掴んでいたが、やはりしっくりこないのか、今度は彼女の両腕を手に取り、まるでバイクのハンドルを握るように彼女を操縦した。操り人形のような要領で、当初うつむいていた彼女の頭が自動的に持ち上がる。  その結果、これ以上ないくらいに醜く歪める彼女の顔がハッキリと晒された。その顔の先にはナナがいた。黙って、ただ平然と、悶えるミユキを見つめていた。  やがて、絶頂の瞬間がやってきた。 「うおッ⁉︎ヤベッ⁉︎キタッ!イクぞ!イクぞッ!」  男は久しぶりに訪れた絶頂の予感に、少し驚いたようだ。ミユキの方はとっくに限界を超えていた。 「アアアッ!アアアッ!アアアアアアアアアッッ‼︎アアアアアアアアア、あ"ッ……」  最後に突き上げたタイミングで、男はミユキの腕を離した。壊れたように絶叫していたミユキは、最後は乙女らしからぬ断末魔のような汚い悲鳴を上げると、突き込まれた勢いはそのままにして急に腕を解放されたものだから、そのまま勢いよく前へ、ベタンッーーとつんのめった。そして突っ伏したまま、動かなくなった。 「ハァ……ハァ……」  荒い息を吐き、放心する男。それに反し、ミユキの方は逝き果てたまま顔を突っ伏し、肢体を放り出したままピクリとも動かない。 「……確認して」  すぐにナナが部下に下知する。二名のスク水隊員がミユキのもとに駆け寄った。グッタリと動かない仲間をあくまで冷静に、事務的に"生死確認"する。 「死亡しています」  抑揚のない声でナナに報告するスク水少女。彼女もミユキと同じくらいの年齢に見えた。 「運んで」  ナナが手短に命令すると、二人はすぐさま死体の処理にあたる。ナナは平然としているものの、よく見るとその表情には若干の煩わしさも滲んでいた。 「ハァ……ハァ……報告があると言ったな?」  見向きもせずに、そう尋ねる男。 「はい。昨日の作戦結果についてです」 「……報告しろ」  男は短く呟いた。すると部屋の入り口から一名のスク水隊員が進み出てきた。部屋中に、その少女の張り詰めた声が気持ちよく響いた。 「作戦の指揮に当たりました、部隊長のサヤです!」  身を震わせ、直立不動になるサヤ。毅然とした表情で、整ったその顔にはいくつものアザや傷がついている。 「ターゲットに一定のダメージを与える事に成功しました。今後、ヤツは我々への詮索を控えるかと思われます!被害は、犠牲者が23人、負傷者が12人で……」   「待て待て待て……」  サヤの報告を、男はそう遮った。 「お前たちの被害はどうでもいい。お前らが何人死のうが俺には関係ない」  サヤ、いや、その場にいるスク水戦闘員たちの表情はピクリとも動かない。 「それよりも……さっきなんて言った?」 「は……?」  サヤは質問の意図が掴めず、やや困惑の色を見せた。 「さっきお前……『ターゲットに一定のダメージを与える事に成功』……つったよな?」 「え、ええ。我々への詮索をやめさせるために、ターゲットを……」 「なぜ殺さない?」  また、サヤの言葉を遮った。途端に、サヤの表情が初めて大きく揺れた。 「ヤツは痛めつけるだけで手を引くようなやつか?後々の遺恨になればどうするつもりだ?」 「も、申し訳ありません!」  サヤはこれ以上ないくらいに背筋を伸ばし、余裕のない声を張り上げた。 「第一非武装とはいえ、たった一人のオトコ相手に35人で襲い掛かって危うく全滅しかけるとは、さすがは"エッチしただけで死んじゃう兵士たち"だな」 「も、もう一度……私に機会を……」  震える唇から、なんとか言葉を紡ぎだそうとするサヤ。しかし、男はそんな彼女を踏みにじるように吐き捨てた。 「もういい。役立たずは要らん」  そして男はサヤに"ある物"を突き出した。 「ヒィッ⁉︎」  サヤの顔が恐怖に歪む。 「テメェのようなオンナでは中折れしちまうだろうな」  あざけるように言い放った男。彼はサヤの方には見向きもせず、"銃"の引き金を引いたーー  そうして、額に真っ赤な花が咲いた一人のスク水隊員は、直立不動のまま呆気なく後ろへ倒れた。 「ったく、これだからオンナは……」  血が飛び散った現場を一瞥もせず、部屋を出ていくその男。彼の後をナナが追い掛けるようについていった。 「じゃあ俺、明日も学校だからそろそろ帰るわ。時期生徒会副会長の身も楽じゃないな〜」  出て行く間際、彼はブレザーを羽織った。その胸元には、水英学園の校章があしらわれている。  そしてナナはそんな彼に応じるようにこう言った。 「ご自宅までお送りします。……明智 智也さま」


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