秋の夜長。 11月に入ってからというもの、先月までの激しい攻撃が嘘のように、静かな夜が続いていた。 フタヒトマルマル。 読んでいた本の、最終ページをめくる。 本の背表紙を眺めたあと、机に本を置く。 「もう本も読み飽きたな…」 溜息をつきながら、次にやることを探す。 執務室を眺めても、暇つぶしになりそうなものは無かった。 「司令、お茶をどうぞ。…お疲れですか?」 退屈のあまり、机に突っ伏して机の傷の数を数えていたところ、心地の良い声と共に、煎茶の甘い香りが漂ってきた。 ──秘書艦・旗風だ。 「いやぁ、ほんと疲れちゃって。暇すぎて。」 ふふ、と旗風が笑う。 「良いではありませんか。軍人がお暇なのは。」 旗風が淹れてくれたお茶を啜りながら、彼女を見る。 着物に行灯袴、ロングブーツといった装いで、身体のラインは見えないものの、その細やかな所作から感じる気品と端麗さが窺い知れる。 美しく整った顔ながらも、どこかあどけなさを残す童顔に、これまた品位のある縦巻きな亜麻色の髪。 格式と純朴、美麗と可憐、和と洋。その容姿全体としてアンバランスなのが、かえってこれほどまでに調和された「旗風」という完成された個を際立たせていた。 「し、司令…?わたくし、何か、変でしょうか…?」 おっと、あまりに彼女を凝視しすぎたようだ。 「あ、ああ。すまん。あまりに暇なんで、美しい旗風でも眺めてみようと思ってね。」 「そんな…恥ずかしく存じます…」 旗風の、顔を赤らめながら、着物の袖で口元を隠すような仕草。 これまた上品で良い。 よし、決めた。今晩は、旗風の魅力を存分に味わう夜としよう。 フタサンマルマル。 常夜灯のみを照らした薄暗い部屋に、布団が一枚。 静かな部屋に、布が擦れる音だけがこだまする。 「あの…司令。わたくし、はじめてですから…その、やさしく、お願いします…」 布団の上には、着物を脱ぎかけた、半裸の旗風。 ──まさか、こんな展開になるなんて。 一刻前までは、想像だにしなかった状況だ。 ・・・私は旗風の魅力を味わうべく、彼女を口説きにかかっていた。 彼女に関する美点、私が何故旗風に魅力を感じるのか、私の稚拙な文章力をもって彼女に精一杯プレゼンした。 そうすれば、また彼女が顔を赤らめて、上品に照れる仕草をしてくれる。 当初はやましい気持ちなどなく、純粋にそれのみを目的として仕掛けた攻撃だった。 目論見は成功した。──否、成功しすぎた。 まさか彼女が、ここまでちょろい性格だったとは。 私の告白(?)を喜んで受け入れた彼女と話す間に、あれよあれよと床の上。 気づけば、今の状況だ。 …まあ何にせよ、男として、これほど望ましいシチュエーションは無い。 据え膳食わぬは男の恥、という言葉もある。 なれば、ここは本能に従い、欲望を開放するまでよ。 肩から落ちた、脱ぎ掛けの着物を更に下ろす。 そこには、普段着物で大きさがほとんど把握できなかった、乳房が姿を現した。 ・・・でかい。想像より、二回りは大きい。 丸くてハリがありながらも、その先端の乳首はツンと上向きで、生娘ならではの鮮やかなピンク色をしている。 「完璧な乳だ…」 思わず声に出てしまうほど、眼下の圧倒的美術品に喉を鳴らす。 そんな物を目前にしているのだから、両手は考えるより早く動いた。 優しく、両の乳房を包み込むように、揉んだ。 「あっ…ん…」 甘く脳天を突くような、旗風の喘ぎ声。 両手に感じるのは、温かく、そしてこの世の物とは思えないほどの柔らかさをした、マシュマロのような乳房。 たったこれだけのことで、私の愚息はガチガチに固くなり、ズボンを貫かんばかりに勃起していた。 それを見かねた旗風は、私のズボンを降ろし、愚息を拘束から解放してくれた。 彼女の目前に躍り出たグロテスクな陰茎は、びくん、びくんと脈打ち、まるでエイリアン映画に出てくるそれであった。 旗風はそんなエイリアンを愛おしそうな目で見つめ、華奢な手で触れる。 温かい乳房とは裏腹に、その指先は冷たく、そしてあまりに繊細。 陰茎をやさしく前後にこすっては、顔を近づける。 まさか。 駄目だ。 そんなグロテスクなものを、あの羞花閉月な旗風が… ──咥えた。 ああ、神よ。 貴方に慈悲は無いのか。 この天使のような娘に、そんなことをさせるなんて。 私が天を仰いでいる下で、旗風は頭を前後に動かし始める。 「ぐっ…!」 私が苦しそうな声をあげると、旗風は陰茎から口を離した。 「も、申し訳ありません、司令。わたくし、初めてなものですから…痛かったですか?」 ちがう。その逆だ。 「いや、気持ち良すぎて、危うく出してしまうところだったから。すまん。」 旗風は、再び顔を赤くする。 「そんな…ありがとう存じます。でも、わたくし、司令のでしたら、一滴残さず飲み込む所存です。どうぞ、ご遠慮なさらず。」 ・・・何て娘だ。 そんなことを言われたら、あんなことや、こんなことまでしたくなってくるではないか。 「…じゃあ、遠慮なく、出させてもらおうかな。ただ、口もいいんだけど…その大きな胸で、抜いてくれないか。」 言われた旗風は、きょとんとする。 「胸で…ですか?はい、構いませんが…殿方は、こういったことがお好きなのですね。」 旗風は、両手で自身の乳房を支え、既に臨海寸前の陰茎を挟み込む。 手で触るだけで、射精してしまいそうなほどの柔らかい感触が、直接陰茎を襲う。 それはまるで、陰茎が異空間に飲み込まれてしまったかのように、確かに「ここにある」という感触が失われてしまったほどだ。 旗風は、そのまま乳房を上下させる。 陰茎の先端、亀頭部分が、乳房の谷間から顔を出し、再び谷底へと飲み込まれる。 ああ、これはまずい。 腹筋に渾身の力を込めて、何とか射精を耐えようとする。 但し、その必死の抵抗も、むなしく蹂躙された。 旗風が、谷間から顔を出した亀頭に対して、優しく接吻をしたのだ。 「あっ」 思わず出てしまった声と同時に、陰茎から凄まじい量の精液が噴水のように湧き出た。 それらは旗風の可愛い顔を、真っ白にしてしまうほどに。 「きゃっ…!」 驚いた旗風。 だが次の瞬間には、口の周りにあった精液を、自ら舌で舐めとり、飲み込んだ。 「ああ…司令の…おいしい、です。」 旗風の行動に、驚く余裕はなかった。 私の腰は完全に砕け、ガクガクと情けなく痙攣している。 間違いなく、私が味わった中で、一番の快楽であった。 それからというもの、旗風は、すっかり私にべったりであった。 私が溜まった時、すぐに口や胸で抜いてくれた。 ・・・だが、一度も、彼女と性器を交えたことはない。 それとなく、彼女と「セックスがしたい」旨を伝えてみたが、彼女は笑ってこう言うのだ。 「ふふ。それは…夫婦(めおと)になってからの、お楽しみです。」