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「けんぺいさんのおしごと その11」

('ω')提督の懐から、拳銃様のものが少しでも見えたのなら、その手首ごと斬り落とすつもりでいた。

しかし、提督の懐から出てきたのは、一枚の写真だった。

その写真とは・・・


艦娘の、けしからん写真だった。


「貴官・・・!」

「おっと、失敬失敬。まちがえた。」

提督は破廉恥な写真をいそいそと懐に戻し、別の写真を差し出した。

全く。手首ごと、斬り落としてやるべきだった。


新たに呈示された写真には、一人の艦娘が映っていた。

説明を求めるように視線を提督へと戻すと、提督は写真の艦娘を指しながら言った。

「彼女は、軽巡・由良。──そう、彼女は”スパイ”なんだ。」

続けてもう一枚の写真を差し出す。

その写真は、その由良といった艦娘と、軍服を着た男が、何やら物陰で密会をしているような構図だ。

この無精髭の男は、見たことがある。

そうだ。先日の遠征軍で第6艦隊の指揮を執っていた、石村提督だ。

遠征軍の最右翼を担い、味方艦隊が各個撃破されながらも、彼と彼の艦娘達は味方が撤退する間も最期まで戦い抜き、多くの味方を撤退せしめた。

結果として彼は死に、艦娘達は1隻残らず沈んでしまったが、彼等の働きは本当に素晴らしいものだった。

それにも関わらず、大本営は彼を功績者とせず、「帝国海軍勝利セリ」と結果ばかりを広報している。


「石村中将は知っているかな?彼は、私の友人でもあってね。本当、惜しい男を亡くしたよ。」

珍しく、しんみりとした口調で語る('ω')提督だが、その表情は相変わらず不気味な無表情だ。

「・・・ふむ。──で、由良と石村提督が密会をしているようだが、彼も”スパイ”だったのか?」

提督は、すぐに答えを言わない。

次の写真を出してきた。


                       つづく('ω')

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ジャーヴィス&ジェーナスができるまで('ω')

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「けんぺいさんのおしごと その10」

「・・・迷った?」

「いっ、いっ、いえっ!確かこの辺り・・・」

廊下を突き当たると、どう見ても提督執務室とは程遠い、女子トイレだ。


提督執務室に案内する、と意気込む朝潮についていくこと30分。

ギクシャクと振り返る朝潮は、汗だくだった。

「えと・・・その・・・」

ぶるぶると肩を震わせながら、涙目になった円らな瞳を逸らしている。

何だか、こちらが申し訳ない気持ちになってきた。


その時、トイレの奥から水の流れる音、そして('ω')提督がハンカチで手を拭きながらやってきた。

「おや、朝潮ちゃん。こんなところで、どうしたのかな?」

「しっ、司令官~」

緊張が一気に解けたのか、提督に泣きつく朝潮。

探していた提督に会えたはいいが・・・

「・・・貴様、こんな所で何をしている?」

('ω')提督は、朝潮を撫でながらこちらに向き直った。

「おや、けんぺいさん。言ってなかったっけ?今日から呉チンの司令官になったんだ。だから、今日からここは、僕のおうち。」

いや、そういう意味で言ったのではないのだが・・・

「まあ、立ち話も何だから、新しい執務室においでよ。極上のオレンジジュースが手に入ったから、一緒に飲もう。」


朝潮と手をつなぎながら歩く提督に追従し、執務室へとやってきた。

新たな提督執務室は、とにかく広かった。

赤いカーペットが敷かれ、奥には提督用の小さな机が鎮座していた。

いや、決して机が小さいわけではない。この部屋が広すぎて、相対的に小さく見えるのだ。

執務室の応接用ソファに腰掛けると、朝潮がオレンジジュースを出してくれた。

口を付ける前に、本題を切り出す。

「先週の件──内通者の話だ。私なりに捜査し、3人まで容疑者を絞ってきた。」

提督はオレンジジュースに挿されたストローを咥え、頬を窄ませながら一気に飲み干す。

ふう、とため息をつく也、ソファにもたれ掛かって言い放つ。

「ぶっぶー、不正解」

「・・・なんだと?まだ、3人のうち、誰が内通者かは言っていないぞ。」

チッチッチ、と指を振りながら提督は首を振る。

「3人、てのが既に間違いだよ。何故なら、内通者はその10倍以上はいるんだから。」


頭が真っ白になった。

この組織に、敵がそんなに───

いや、冷静になれ、私。

「俄かに信じ難いな。そもそも、何故貴官が内通者の数を知っている?」

「──知りたい?」

提督が僅かに腰を上げ、懐に手を入れた。

刹那、背筋が凍りつく感覚に襲われ、私は無意識のうちに帯刀していたサーベルに手を掛けた。


             つづく('ω')

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ノシロチャンができるまで('ω')

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シオイチャンができるまで('ω')

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けんぺいさんのおしごと その9

 寿司屋での密会から1週間が経った。


 ('ω')提督は、先日の戦勝武功者として勲章が贈られ、「中将」への昇進が決まった。

 提督を煙たがっている上層部にとっては面白くないだろうが、大敗から逆転勝利を成し遂げた立役者である('ω')提督を昇進させないのでは、軍隊の拠って立つところである”信賞必罰”と矛盾する。

 また、中将になった提督は、同時に呉鎮守府司令長官の辞令を拝命した。

 少し前まで地方警備隊の、いち司令官に過ぎなかったのが、異例の出世スピードだ。


 同時に、私も呉へと異動となった。

 何故なら、私は('ω')提督の調査担当だからだ。

 異動先の憲兵隊への挨拶を手短に済ませ、呉鎮守府へと向かう。



『──そ。お察しの通り、味方に内通者がいる、てこと。』

 先週から、ずっと考えていた。

 あの時の('ω')提督の言葉。

 ──”内通者”の正体。

 私は「誰だ」と迫るも、('ω')提督は「宿題だ」とばかり、答えなかった。

 今日は、その時の答え合わせをしに行く。

 私なりに調査し、ある程度の姿形が見えてきたからだ。


 呉鎮守府は、業者のトラックが慌ただしく往来していた。

 引っ越し作業真っ只中、といったところだ。

 そんな中、長い黒髪の少女の後姿を見つけた。

 磯風だろうか?

 おい、磯風と呼んでみる。

 すると少女は素早く回れ右をし、踵を揃えてビシッと敬礼した。

 その瞬間、彼女は磯風ではないことがすぐにわかった。

 何故なら、磯風はこんなにキビキビと敬礼しないだろうから。

 「はっ!私をお呼びでしょうか?であれば私は朝潮型駆逐艦一番艦・朝潮です!」

 その幼さが残る小さな顔から放たれる眼光は、まさに「ド真面目な軍人」のそれだった。

 「そうか、間違えてしまったか。」

 「はい!朝潮です!申し訳ありません!」

 何故か謝罪された。普通、謝るのはこちらなのだが。

 気を取り直して、提督の執務室を尋ねる。

 「了解しました!この朝潮が、提督執務室までご案内します!」

 再度、軍人のお手本とも言うべき節度ある敬礼を見せた後、くるりと回れ右をして、少女は歩き出す。

 そのあどけない容姿と、士官学校の生徒のようにキビキビ歩く行動のギャップに、ふと笑いそうになるのを堪え、後をついていくことにした。


                 つづく ('ω')

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けんぺいさんのおしごと その8

「さあ、話してもらおうか」

人生初の大トロを、震えながら手を付けようとする秋月を尻目に、('ω')提督の方へと向き直った。

「7つの艦隊から成る連合艦隊は、それぞれが幅広く単横陣を展開し、敵艦隊を発見し次第、集結して取り囲んで殲滅、更に進軍する──当初の作戦は、そうだったな?」

提督の肩越しに、赤城が物凄い勢いで皿を積み上げていく様子を、見なかったことにしつつ、私は続ける。

「それが、突如現れた敵艦隊に中央を食い破られて突破され、分断された連合艦隊は逆に包囲殲滅・各個撃破された──そこまでは、電文で聞いた。その時、貴官はどこで何をしていた?」

('ω')提督は、タレのたっぷりかかった穴子の一本握りを、うまそうに頬張りながら答える。

「最左翼で敵に包囲されてボコられてたよ。私だけ。」

「・・・?私だけ、というのは、貴官一人、ということか?艦娘はどうした?」

提督は穴子のタレがついた指をチロチロと舐めながら、ふーっ、と一服付く。

もう腹いっぱいなのか?意外に小食だな。

と思いながら座敷側に目を遣ると、艦娘達の姿は積み上げられた皿で見えなくなっていた。

「艦娘は、本隊が出撃する前夜に、全員先発させたよ。もちろん、大本営にも内緒でね。」

──なるほど。別動隊を先発・迂回させ、進軍する本隊を囮に、敵中枢に奇襲を仕掛けたわけか。

敵の大部分は本隊に強襲中で、敵の中枢部は手薄。一個艦隊の奇襲でも、勝算は高い。

「勝因は解った。・・・だが、何故だ?敵を欺くだけなら、味方にまで嘘をつくこともあるまい」

「大将~、えんがわ10貫追加ね~」

「アイヨッ!!」

やっぱりまだ食うのか。

どれだけえんがわ好きなんだ。


「理由は2つあるね」

秒で出されたえんがわ10貫を、一口で亡き者にした。

しまった。こいつも大食いか。

「ひとつは、いち提督に過ぎない私が奇襲作戦を提案したところで、採用される確率は低かったこと。なにせ本隊が囮になるわけだからね。みんな嫌がるだろう?」

確かにそれはある。軍令部もそうだったが、参謀連中は皆頭が固い。

正面から敵に戦いを挑み、勝つことだけが戦争だと思っているような連中ばかりだ。

先発させた別動隊による奇襲作戦など、やつらに言わせれば「小賢しい」と一蹴するだろう。

「ふたつめは、味方に作戦がバレたなら、それは敵に作戦がバレるのと同義だから。」

「・・・なんだって?それは、つまり──」

「そ。お察しの通り、味方に内通者がいる、てこと。」


                       つづく ('ω')

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けんぺいさんのおしごと その7

港町の、少し町外れにある、なんてことない寿司屋だ。

仮にも帝国海軍少将。提督という肩書を持つ高給取りなら、もう少し高名な寿司屋を使ったらどうなんだ?

という余計なお世話は置いておき、私も寿司屋の戸を開く。


「お待ちしておりました、憲兵さん。どうぞ、こちらへ。」

出迎えたのは、秋月だ。

奥では('ω')提督が手招きをしている。

なるほど。尾行も気づかれていた、ということか。


私は制帽を脱ぎ、コートを秋月に預けると、カウンターに座る('ω')提督の隣に座した。

奥の座敷では、('ω')提督の艦娘が数人見受けられた。

「ささ、まずは一杯。」

('ω')提督から差し出された熱燗に口を付け、早速本題を切り出す。

「で、どうやったんだ。空母と護衛の駆逐艦が数隻の、1つの機動艦隊だけで。」

「大将~、えんがわ一つ~」

「アイヨッ!!」

すぐにえんがわが出てくる。

「・・・おい、聞いているのか?」

('ω')提督はガリをつまみながら、あっさり答えた。

「味方に囮になってもらったんだよ。ついでに私自身も」

──なんだって?味方と自分を、囮に?

意味を飲み込めずにいる私を見て、('ω')提督が続ける。

「まぁ、それだけじゃないんだけど・・・ここから先は、タダじゃないよ。大将~、イクラお願い、艦娘の分もね~」

「アイヨッ!!」

2秒でイクラが人数分出てきた。この大将、タダものでは無い・・・


「わかったよ。ここは私が奢ろう。」

その言葉を待ってました、とばかりに('ω')提督がニヤっと笑う。いや、常に無表情だから笑っているのかわからんが。

「よーし、聞いたかみんな?今日はけんぺいさまのオゴリだ、じゃんじゃん頼め!」

奥の座敷から黄色い歓声が聞こえる。

だが、私は自身の軽率な言動に、後悔することになった。

わいわいと湧き上がる艦娘の中に、ただ一人、静かに目を輝かせる艦娘。

──空母・赤城の姿を見たからだ。


                  つづく ('ω')

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けんぺいさんのおしごと その6

凱旋、というには、あまりに凄惨な姿だった。

出撃した艦船はどれも酷く損傷し、航行するのもやっとな状態であった。

生還した提督らは皆、下を向いている。

仲間の死と、沢山の艦娘を沈めてしまった自責の念で、今にも押し潰されそうな表情だ。


艦娘のほうはもっと酷かった。

出撃した半数以上の少女達が還らなかった。

命辛々、生き延びた少女達の目に光は無い。

ひどく傷つき、中には沈んだ仲間のものと思われる艤装の一部を泣きながら抱えている娘も見えた。


そんな中、最後に帰投したのは、ヤツの艦隊だった。

艦艇の損耗は旗艦1隻のみ、艦娘に至っては──損耗無し。


「敵MI艦隊を撃滅したのは、あいつらしいぞ」

「たった一個艦隊で・・・一体、どんな魔術を使ったんだ?」

周囲からどよめきが聞こえる。

ヤツは大本営への出頭を早々に済ませ、生還した他提督らへの挨拶をした後、早々に帰っていった。

どうやら、大本営から招待されていた凱旋パーティーへの参加も、断ったらしい。


鎮守府へ帰るヤツを追い、車を走らせる。

すると、ヤツの車が港町のとある寿司屋に入っていくのが見えた。

なんだ?寿司屋で戦勝パーティでもするのか?

まあ、いい。

私も後を追い、寿司屋に入ることにした。


                      つづく ('ω')

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アサシオチャンができるまで('ω')

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けんぺいさんのおしごと その5

連合艦隊と連絡が通じたのは、3日も過ぎた4月10日のことだった。


第一報──艦隊は全滅。戦力の半数以上を喪失し、残存部隊を集結し帰投しつつあり。


予想していたとはいえ、あらためて人類の大敗を認識した海軍首脳部の連中は青褪めていた。

連中はきっと、この敗北の責任からどうやって回避しようかなどと逡巡しているに違いない。

人類存亡をかけた戦いだというのに、自身の出世や保身の事ばかり考える連中の脳内は、本当にめでたい。


第二報──損害・艦艇の4割、艦娘の7割を喪失。7人の提督のうち、3人が戦死。1人が行方不明。


人が乗る艦艇の損耗に比して、艦娘の損害が激しい。

きっと、艦娘達は人間を守るため、自ら盾となって沈んだのだろう。

それなのに、首脳部の連中ときたら

「艦娘などいくら沈んでもすぐ建造”サルベージ”できるからよい。問題は、提督の喪失だ。なかなか替えが効かないからな」

「生き残って返ってくる艦娘は腑抜けだ。どうせなら玉砕して、少しでも敵に損害を与えてくればよいのだ」

とばかり、艦娘を使い捨ての兵器扱いだ。

別に艦娘のことを擁護するつもりではないが、この前代未聞の大敗を受けてヤケになるのはやめてもらいたいものだ。

皆死んだ魚のような目をしながら、逐次読み上げられる電文を聞いている。

だが、そんな彼らの表情は、第三報で一変する。


第三報──敵艦隊、撃滅。ミッドウェー諸島を奪還せり。


なんだ?敵を撃滅?MI諸島を奪還?一体どういうことだ?

指揮室内がどよめく。

先程まで、全滅し敗走する艦隊の報告を受けていた。

それが何故、一転して勝利の報告なのだ?

その説明は第四報でされるのだが、そこで再び「奴」の名前を再び聞くこととなる。


                つづく('ω')

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パラソルの下で・・・一体ナニをしているんでしょうかねぇ・・・('ω')

いない部屋行き確定ですな('ω') ラフ画・下書き・線画  ⇓ 塗り分け  ⇓ 影付け  ⇓ ハイライト・環境光・彩度調整  ⇓ 完成('ω') 👈イマココ('ω')

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けんぺいさんのおしごと その4

4月7日。その日は朝から薄暗い曇りだった。

憲兵隊本部庁舎に出勤すると、何だか空気がピリついている。

すれ違う人は皆、落ち着かない。各所で怒号も飛び交っていた。

「一体どうしたというんだ」

デスクに着くと、同僚の憲兵に聞いてみる。

「わからん。だが、噂は耳にした。」

「どんな噂だ」

「先週ミッドウェー方面に出撃した、7個艦隊から成る大艦隊。全滅したらしい」

──血の気が引いた。


先月まで負け続けであった人類は、ここのところ局地的にではあるが深海棲艦に勝利を収めつつあった。

そこで気を良くした軍令部は、深海棲艦の拠点があるMI海域に対し未曾有の大攻勢に出るべく、全戦力の3分の2を投じた作戦を立案した。

その内容は馬鹿げたもので、軍令部のお偉方の「我々は、1個艦隊で深海の化物どもを蹴散らせるようになった。それが7個艦隊束になれば、敵の根拠地をも簡単に落とせるだろう」といった安易な考えに起因している。


今、MI海域に攻め込む戦略的価値はない。

それよりも、まずは近海の制海権を確立し、通商ルートを確保するのが先決。

用兵の基礎ともいうべき戦略を、連合艦隊の提督らもよくわかっていた。

だが、上からの命令とあらば出撃するほかない。

私は出撃する提督らの姿を、式典の陰から見ていた。

その中には、あの('ω')提督の姿もあった──。


                    つづく('ω')

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けんぺいさんのおしごと その3

船内は人の気配が全くない。これだけの大型艦、通常であれば乗員は300人は下らないだろう。

磯風に連れられ、とある部屋の扉の前に到着した。

「ここだ。この艦の、提督執務室だ。」

先程までのひとけの無さとは、まったく逆だった。

この扉の向こうからは、物凄いプレッシャーを感じる。

今まで数々の修羅場を潜り抜けてきた私が、まだ見ぬ人物に恐れている・・・?

('ω')少将とは、それほどの人物なのだろうか。

私は意を決し、扉を開けた。


そこにいたのは、長い黒髪の少女と、軍服を着た、謎の・・・

「おやおや、どなたかな。客人が来る予定は、無かったはずだが・・・?」


なんだこの変な生き物は。

人間・・・なのか?

確かに四肢はある。ただ、顔が・・・半角記号だけで作れるような、とても簡単な作りだ。

その得も言われぬ無表情。何だか恐ろしさすら覚える。

私はふと我に返ると、すぐにピシッと背筋を正す。

そう、私は憲兵。弱みを見せてはいけない。

「私は憲兵だ。('ω')少将、貴官の司令部を担当することになった。今後は憲兵隊が、貴官並びに貴官の司令部を監査することになる。」

('ω')少将は、表情を全く変えない。

「へぇ、けんぺいさん。どうぞよろしく。」

差し出された手に、一瞬躊躇いながらも握手を交わす。

──なんだか、ヌメヌメしている。

「せっかくだし、紅茶でも飲んでいく?イギリスから良い茶葉を取り寄せたんだ」

ティーポットから、良い香りの紅茶が注がれる。

「いや、結構。本日は挨拶に来ただけだ。これにて失礼させてもらう」

('ω')少将は、相変わらずの表情で淹れた紅茶を啜った。

「そう、残念。秋月、けんぺいさんを外まで送って差し上げてくれ」

「はい、司令!了解しました!」

秋月と呼ばれた長い黒髪の少女に案内され、船を後にした。


これが、私と('ω')提督の、最初の出会いだった。

ただの艦隊司令と、憲兵。

だが、「あの事件」から、私達の関係は一変することになった。

──忘れもしない、ある年の4月7日のことだ。


                     つづく('ω')

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だ~れだ?('ω')

下描き・線画清書 👈('ω')イマココ(2/23 12:00)  ⇓ 塗り分け  ⇓ 影付け・ハイライト  ⇓ 背景描写  ⇓ 環境光追加  ⇓ 完成

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けんぺいさんのおしごと その2

('ω')少将は、横須賀の軍港に停泊している護衛艦にいるとのことだ。


少将昇任と同時に、新たな旗艦を受領したらしい。

通常、艦娘を指揮する”提督”は護衛艦で艦娘を前線まで運び、そこから艦娘を出撃させる。

今までは漁船のようなボートの上で艦娘を指揮していたと聞くが、これは立派な護衛艦だ。

全長は200m以上あり、最新装備も充実している。


しかし、あらかじめ私が('ω')少将の旗艦に訪問するとアポを入れて置いたにもかかわらず、誰も出迎えに来ていない。

これは勝手に入れということなのか?案内役の一人でも置いてほしいところだ・・・


「おや、客人か。何方かな?」

船に乗り込もうとしたところで、少女の声が聞こえた。

前方デッキのほうだ。

艶やかな長い黒髪の、白い肌に赤い瞳、端正な顔立ちの少女だ。

艦娘だろうか?こちらに近づいてくる。


私は身分証を呈示し、憲兵であることを告げた。

少女はふうん、と鼻を鳴らし踵を返した。

「案内しよう、憲兵殿。ついてくるといい。」

やけに堂々とした、肝の座った少女だな。

普通、憲兵を前にすると、大の男でも震え上がり背筋を正すものだが。

前をスタスタと歩く少女に置いてかれまいと、私は小走りで船内へ入った。


               つづく('ω')

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海風ちゃんができるまで('ω')

はじめてskebでの依頼絵を描いてみたよ('ω') ラフ画・下書き・線画  ⇓ 塗り分け  ⇓ 影付け  ⇓ ハイライト・環境光・彩度調整  ⇓ 完成('ω')

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金剛型四姉妹ができるまで('ω')

ラフ画・下書き・線画  ⇓ 塗り分け  ⇓ 影付け・ハイライト  ⇓ 環境光・彩度調整  ⇓ 完成('ω')

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けんぺいさんのおしごと その1

私は憲兵。

名前?そんなものはどうでもいいだろう?


世の中は今、大混乱に陥っている。

突如訪れた、人類存続の危機。そう、ある日突如として世界中の海に現れ、海上のありとあらゆる船舶に攻撃、瞬く間に世界の制海権を奪った”深海棲艦”の出現。

各国の軍隊の攻撃は全く通用せず、なす術なく敗北し、人類は陸に閉じ込められてしまった。


そんな中、 人類は深海棲艦から海を取り戻すために、とある兵器を投入した。

それは、「ヒトの形をした軍艦」。少女の姿をした軍艦であることから、人々はそれを「艦娘」と呼んだ。

深海棲艦に唯一攻撃が通じる艦娘が投入され、局地的に、少しずつではあるが人類は勝利を収め、制海権を奪還しつつあった。


「艦娘」を指揮する者は、世界でも数えるほどしかいない。

艦娘の周囲に存在するとされる「妖精」が見える者しか、艦娘を指揮できないとか。

そんな「選ばれし者」達は海軍に所属し、将官の地位を与えられている。

そしてその者達を監視するのが、私達憲兵隊の仕事だ。


私の担当は、 ('ω')准将という人間(?)だ。

いや、先日少将に昇進したんだったか。

深海棲艦の、戦艦を主力とする大艦隊の奇襲攻撃を、たった3隻の駆逐艦を指揮して撃退した、優秀な指揮官らしい。


一体どんなヤツなのだろう。

ご尊顔を拝しに、('ω')少将の艦隊指揮所に行ってみるとするか。


                つづく('ω')

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ヨナちゃんができるまで('ω')

線画清書  ⇓ 塗り分け  ⇓ 影付け・ハイライト  ⇓ 背景描写  ⇓ 環境光追加  ⇓ 完成 次回作は、潜水艦のあのコよ~('ω')

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('ω')鎮守府の艦娘紹介 駆逐艦・秋月

秋月型駆逐艦1番艦「秋月」 好きなもの:お寿司 日本海軍の新鋭の防空駆逐艦としてロールアウト。 戦局が逼迫している状況もあり、初期訓練を終える前に実戦部隊への配属となった。 最初に配属になったのは、当時地方警備隊の司令官であった('ω')准将の艦隊。 ただし艦隊とは言っても、配属されていた艦娘は秋月の他、駆逐艦「磯風」と「時雨」のみ。 保有戦力は艦娘3隻、それを運用するための護衛艦1隻の、とても「部隊」と呼ぶには烏滸がましいモノであった。 新米艦娘の秋月は、「磯風」「時雨」ら歴戦の駆逐艦と共に戦場を駆け、経験を積んで成長していく。

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('ω') やはり時雨も、眼鏡ない方が可愛いよ

「時雨・・・”も”・・・?」 「時雨 ”も” ってことは 他に誰がいるのかな・・・?」 ('ω') ! 「提督、一体誰なのか、教えてほしいな・・・?」 ('ω') ・・・     ヘ( 'ω')ノ スタコラサッサだぜ   ≡ ( ┐ノ  :。;  / ※眼鏡アリ派の人はコチラ('ω')⇓ https://www.pixiv.net/artworks/87070945

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イヨとヒトミができるまで('ω')

線画清書  ⇓ 塗り分け  ⇓ 影付け・ハイライト  ⇓ 背景描写  ⇓ 環境光追加  ⇓ ぼかし加工等仕上げ  ⇓ 完成 概ねこんな作業工程ね('ω') 需要があったら、各作業工程の解説でもしようかしら('ω')

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あけましておめでとうございます('ω')

('ω') 諸君、あけましておめでとう ('ω') 当鎮守府も、諸君の助力があって無事新年を迎えられたことに感謝する ('ω') さて、新年を迎えたことだし、ここで新しいコンテンツを近いうちに始動しようと思っている ('ω') 楽しみにしていてくれたまえ

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('ω')提督の密会記録 その21

状況を整理しよう。


私は情報部の調査官で、海軍大佐。

現在、('ω')提督から「憲兵隊の動向を探ってほしい」との個人的な要請を受けて、憲兵隊の様子を探っている


──という建前だ。


私の本当の所属は軍令部の局長。

大本営直属の、極秘任務を遂行する部隊を統括している。


大本営では、得体の知れない('ω')提督を危険視し、予てから調査が行われている。

しかし、その実態がなかなか掴めずにいた。

また、以前スパイとして送り込んだ艦娘・由良が軍令部を裏切り、('ω')提督側についたという噂を聞いた。


そろそろ、調査を前進させなければ、この案件の責任者である私の地位も危うい。

そこで私が直々に「調査官」として、('ω')提督の懐に飛び込んだ次第だ。

だが、('ω')提督の実態を解明するどころか、周囲の人物の動向が謎だらけで、混乱が深まるばかりだ。


由良は私の手を離れ、何をしようとしているのか。


夕張は私と由良の密会を目撃していた。一体誰の命令で動いているのか?


そして、あの時、あの艦娘の言葉──


 『提督のことは、調べないほうがいい。きっと、後悔することになるから』


白露型駆逐艦・時雨。

あの娘は、私の本性を見抜いているのか?


これ以上私が直に探りを入れるのは、危険かもしれない。

となれば、そろそろ次の手を打つべきか。


私は軍令部に連絡を取り、”ある艦娘”を派遣するよう手配した。



                    つづく ('ω')


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('ω')提督の密会記録 その20

夕張は怪しい。


私は彼女に、少しカマをかけてみることにした。


「ああ、その辺の話は知っている。しかし、由良は本当に('ω')提督に信頼を寄せていたのかな?」


「彼女の報告書も読んだ。その内容は、何というか・・・('ω')提督を人格的に否定するような、辛辣な内容だったな。大本営への謀反の疑いが濃厚、とまで書かれていたぞ。」


私の嘘っぱちに、夕張はすぐに反応した。


「そ・・・そんなはずありません!由良は本当に('ω')提督を慕っていたんです!」


夕張の瞳孔が大きくなる。食いつきは抜群だ。


もうひと押し。


「大丈夫、わかっている。何か彼女なりに意図があってのことだろう。」


「由良が憲兵隊所属だった時、誰か大本営の人間と会っていなかったか?」


「どうもこの一件は、大本営の人間が絡んでいるようだ。その人物に当たってみたい。」


夕張は少し間を置き、思考を巡らせながら答えた。


「──会っていた、かもしれません。顔は見えなかったのですが、背の高くて髪の長い、綺麗な女性士官でした。」


夕張の瞳孔は小さくなっていた。


「ほう。その女性士官の所属と階級はわかるか?」


夕張は首を振って即答する。


「わかりません。何せ、見たのは一度きりで、遠目だったもので・・・」


「わかった、有力な情報をありがとう。イバラキング、ごちそうさま。」


私は椅子から腰を上げ、夕張の部屋を後にした。




今回、夕張との面接で、重大な事がわかった。


夕張は、何者かのスパイだ。


今まで由良が憲兵隊に所属し、密かに活動していた動向を知っている。


そして、由良が密かに大本営の調査官と会っていた所を、目撃している。


まったく。由良にはあれほど「私と会うときは、絶対に尾行されるな」と言っておいたのに。



──まさか、私と由良の密会を目撃しているスパイがいた、とはな。



                           つづく ('ω')


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('ω')提督の密会記録 その19

「──由良は、鎮守府に来る前は、もともと憲兵隊所属の艦娘だったんです。」


私は皿に盛られたイバラキングに爪楊枝を刺そうとした手を止めた。


いきなりビッグニュースではないか。


「提督がまだ准将で、地方警備隊の司令官だった時の話です。


 当時提督は大本営から”危険因子”としてマークされていました。


 何せ、過去の記録が一切ないんです。


 いつ海軍に入ったのか、どうやって戦果を挙げて准将まで上り詰めたのか。


 それで当時憲兵隊所属だった由良が、提督の調査として、警備隊に派遣されることになりました。」


──やたら詳しいな、と思ったが、話の腰を折るわけにはいかない。このまま続けさせた。


「由良は艦隊から派遣された顧問艦娘、ということで警備隊に来たのですが、演習中に鎮守府近海で ”予期せぬ” 深海棲艦との遭遇戦となり、その戦いで由良は ”何故か” 深海棲艦から集中砲火を浴びて艤装が大破し、浸水を止めきれずに沈んでしまったのですが・・・」


「目が覚めた由良は、浜辺に横たわってました。隣には、ずぶ濡れの提督が。」


「何だかロマンチックじゃありません?」


「この一件で、由良は提督に厚い信頼を寄せるようになり、以降は憲兵隊に『まだ調査が必要』だとか『もう少しで重要な証拠が掴めそう、鎮守府での調査を続けさせてほしい』だとか言って、今まで('ω')提督の艦隊に居座り続けてたんです。」


──ちょっと待て。何だかおかしいぞ。


夕張は当時、まだこの鎮守府にはいなかったはず。


だが彼女の口調っぷりは、まるで当時自分もそこにいたかのような”体験談”だ。


そして、ひっかかるのが訓練中の遭遇戦の時の話だ。


”予期せぬ”遭遇戦、”何故か”集中砲火を浴びる・・・


一見して普通の文言だが、遭遇戦は予期せぬものだし、艦隊戦の中で集中砲火を浴びることも珍しいことではない。


まるで、深海との戦いは「予定にはなかった」ことで、由良が集中砲火を浴びることも「シナリオ外の出来事」だった、と言っているように聞こえる。


私の調査官としての勘が囁く。この女も、何か隠している。



                           つづく ('ω')

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('ω')提督の密会記録 その18

 「だから!注文したのは夕張メロンだって言ってるでしょ!」


 「何でイバラキングが送られてくるのよ!それも3ダースも!!」


 「返品不可!?じゃあこの大量のメロン、どうすれば──あ、ちょっと!!」


 夕張と思わしき女性の声が部屋の中から聞こえてきた。


 どうやら電話中のようで、それも今、終わったようだ。


 改めてドアをノックする。


 「はーい、どちらさま・・・」


 中からメロンを抱えた軽巡・夕張が出てきた。


 私は身分証を示し、('ω')提督の友人だということを伝えた。


 そして、大本営からの依頼で、軽巡・由良の左遷についての正当性を調査しており、由良のことについて質問するために訪問した、という私の作り話も添えて、申し向けた。


 由良という言葉を聞いた刹那、夕張は驚いたようで、一瞬だけ顔をしかめた後、再び顔をこちらに向けて言った。


 「由良は、はめられたんです。本当は、こんなことになるはずじゃなかった・・・」


 「私、由良がこの鎮守府に戻るためなら、何でもします!」


 真っ直ぐな目をこちらに向けて、強く言い放った。


 なるほど、彼女は利用しやすそうだ。


 とりあえず私は彼女から詳しく話を聞くため、彼女の部屋に案内され、中で大量に転がっているイバラキングをご馳走になることとなった。


                   つづく ('ω')

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見慣れぬ娘がやってきた('ω')

('ω') 新しい外国の艦娘かな?変わった艤装をしているね ('ω') じゃあまずは、年齢とスリーサイズから教えてもらおうか ('ω') 495歳?ずいぶんと大昔の船なんだ ('ω') え?おいしそう?ぼくが? ('ω') おっほ 随分と積極的なコなんだね^~ ・ ・ ・ この後 執務室で干からびた('ω')提督が見つかったという )›˙꒳˙‹( 絞りつくされたぜ

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('ω')提督の密会記録 その17

 初霜からの情報で、由良に関する背景が見えてきた。


 由良は責任を取ってこの鎮守府から去ったわけだが、その後もこの鎮守府にやってきては、憲兵と協力して('ω')提督に何かを仕掛けようとしている。


 ('ω')提督を守るために、あえて自らスケープゴートとなった由良だが、実のところ自ら進んで罪を被ったわけではなく、罪を被ることを強制されたのだろうか?


 それを恨み、憲兵と協力して('ω')提督に復讐しようと企てている、といったところが、私の勝手な推察だ。


 まずはこの線から当たってみるとしよう。


 そこで私は、初霜に尋ねた。


 「由良さんと一番仲の良かった艦娘、ですか・・・?」


 「そうですね・・・由良さんは人当たりも良くって、誰とでも親しく接している様子でしたが──強いて言えば、夕張さんですね。」


 「由良さんと夕張さんは同部屋でしたし、休暇日は二人揃ってよく街へ出かけていましたよ」


 「でも夕張さん、由良さんが異動になってから、元気がないんですよね・・・異動になったことが、相当ショックだったみたいで。」


 なるほどな。これは有力な情報が得られそうだ。


 是非とも夕張と接触したい。──ここで私は、また得意の虚言を行使した。


 自分は人事部に太いパイプを持っていて、由良が左遷となったことについて人事部でも話題になっている。


 本当に由良に責任があったのか、左遷は妥当だったのか、再検討されているところだ。


 もし私に本件について色々話してくれるなら、人事部に口添えしてやっても良い、と。


 「本当ですか!?是非お願いします!早速、夕張さんを呼んできますね!」


 いや、いいよ。案内してくれれば、こちらから伺おう。と、申し向ける。


 「了解しました!では、ご案内しますね」


 由良がこの鎮守府に戻ってくるかもしれない──まるで自分のことのように喜んでくれる この天使を欺くのは心苦しいが、これも仕事なんでね。


 初霜に軽巡寮・夕張の部屋の前まで案内され、初霜とはそこで別れた。


 耳を澄ますと部屋の中から物音がするので、夕張は在室しているのだろう。


 ノックしようと、ドアに近づいたその時だった。



                         つづく ('ω')

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