彼女の両足は互いに支え合う様に、太腿同士を内股にくっ付けーー
もう二度と蹴られまいとするためか、はたまたただ痛みを和らげるためか、妙に官能的な黒手袋で痛みにひりつく股間をガッチリと覆い尽くしーー
その黒グローブからは、ものすごい勢いで小水が漏れ噴いている……
先ほどまでの彼女の毅然とした表情からは、そんなに大量の尿意を我慢していた様にはとても思えない。
こんなに大量の尿を溜め込んでた事が知られて恥ずかしいのか、はたまたただ痛みのあまりか、彼女の顔は真っ赤で、ポニーテールのうなじからも紅く蒸気が噴き出している様に見えた。
声にならない声を上げ続けーー
ビクッーービクッーーと身体を小刻みに震わせてーー
美少女とは思えないほどのそんな醜態を晒しているにもかかわらず、それでもなお、倒れないのはなぜだろうか……
彼女は悶絶しながら脂汗と涙でグシャグシャにした顔を必死でハルキに突き出しながらも、なぜかいまだに絶妙なバランスを保ちながら立ち続けている。
……おそらくは、それが彼女の責任感なのだろう。
こんな致命傷を負いながらも、ここから復活してハルキに一矢報いる事などさすがに不可能だろう。
しかし、ギリギリながらも、立っているだけなら出来る。
本当はすぐにでも倒れて楽になってしまいたいのだろうが、彼女の責任感がそれを許さない。
たとえ無意味でも、頑張って立ち続けるのだ。
「……」
しかし、ハルキがそんな彼女に驚いたのも一瞬だけ……
一瞬見開いた目をすぐにまた細めるとーー
一生懸命に倒れまいと内股で喘ぐ彼女を、ゴミを見る様な目で見下ろした……
シュッーー
と、タオルをムチのようにして弾くときのような感覚で、軽く繰り出したハルキのパンチ。
鬱陶しいハエを叩く時のように、彼にとっては無慈悲な一撃もーー
彼女にとっては慈悲の一撃だったかもしれない。
『倒れたいけど倒れられない』という自らで作り出した呪縛。
あともう指先一つで簡単に切れるような、そんなギリギリ引っ掛かっているだけの鎖が、ハルキの軽いパンチによって断ち切られたのだ。
潤んだ瞳でハルキを見上げていた彼女の顔をーー
パチン
と殴ったというよりかは、弾いた途端ーー
「ぷぁッ!」
ビクッ
と、彼女はオーバーリアクションとも言えるくらいに身体を跳ね上げ、両手をバンザイさせ、そのまま大袈裟に土下座するように前に倒れ伏した。
「クッ……」
もはやお馴染みの、サヤの呻き声が聞こえる。
ハルキとの間を隔てるものが何も無くなってしまったその事実に、今まで涼しげな表情を保っていた彼女の顔が初めて崩れた。
「……」
そんな彼女を前にしても、ハルキは何も言わず、ただ一歩一歩足を進める。
ジワリ
ジワリ
と迫りくる恐怖に、サヤは逃げる事も、攻撃を仕掛ける事もできない。
そんなーー
ただたじろいでいるのみのサヤ。
ハルキはそんな彼女の、白紐に縁取られたスク水の胸部分に手を掛けーー
まるで引き剥がすように引っ張った……
「きゃっ!」
伸縮性の高いスク水の生地がぐんっと伸びきったところで、遅れるようにして彼女の身体も前に突き出る。
乱暴に引っ張り寄せられたサヤの身体は勢い止まらずーー
「アンッ!」
ハルキの後ろの壁に、背中から叩きつけられた……
そこは奇しくも、さっきまでハルキ自身が押さえ付けられていた壁。
先ほどまでのクールで高飛車な雰囲気はどこへやらーー
年相応の可愛らしい悲鳴を思わず漏らすと同時に、サヤはそのまま背中を壁に預けたまま、倒れるでもなく座り込むでもなく、まるで貼り付けられたかのようにその体制を保つと……
背中一面に受けた衝撃が身体中に響いたのかーー
「ケホッケホッ….」
と可愛く咳き込みながら、ただ苦痛に身体を捩らせた。
「……」
追い詰めるように、また一歩一歩と歩を進めるハルキ。
「うっ……
クッ……
ウンッ……!」
身体全身に駆け抜けた衝撃にいまだ悶えているサヤは、妙に色っぽい苦悶の表情をあちこちにただ撒き散らすのみで、まだ身動きを取る事ができない。
なんとか痛みを紛らわせたいのか、身体を捻り込み、内股にした太腿を擦り合わせるその姿は、逆に見た者の嗜虐心をくすぐるものだった。
やがて……
「……ッ!?」
ゆっくりと距離を縮めるハルキに気付いたサヤ。
彼女の顔がーー
恐怖に満ちた……
メラッ
その歪めた彼女の美しい顔を見たハルキの心に、さっきの怒りとはまた別の、黒い感情が湧き上がる。
さっきまで安全な所から、部下達が傷ついている中で散々高みの見物を決め込んできたサヤ。
そんな彼女が、今はこうして壁際に追い詰められ、涼しげだった表情も恐怖に引きつらせ、怯えた目でこちらをただ見つめている。
ーー今こそ思い知らせてやる。
ーー楽には殺さない。
ーー徹底的に痛ぶってやる。
そんなハルキの思いが伝わったのか、サヤはただ逃げ場のない壁に背中を押しつけ、「やめて下さい」と懇願するように、無言でフルフルと顔を横に振っている。
擦り合わせた太腿にチョロチョロと小さな滝が流れ落ちるのが見えた。
ハルキはそんな彼女の姿を見届けると……
そんな哀れな子羊にーー
情け無用とばかりにーー
「フンッ!!」
強烈な後ろ回し蹴りを打ち込んだ…
ドンッーー
「フゥッ!?」
鈍い音を立てる、彼女の細くくびれた腹。
それと同時に行き場をなくした体内の空気が、まるで風船のように口から噴出した。
「〜〜ッ!!」
目に涙を浮かべて懇願するように歪みきった顔を見せつけるサヤ。
そんな強烈な蹴りを喰らってもまだ、彼女は倒れない……
いやーー
倒れられないのだろう。
ピッタリとくっついた背中と壁の摩擦は彼女にその磔から逃れることを許さず、ただ彼女はこれから続くであろうハルキの攻撃も、全てその無防備な細身な身体で受け止め続けるしか無かったのだ。
「ウラウラウラウラウラァァァッ!!!」
嵐のような、ハルキの乱撃。
今しがた貫かれたサヤの腹はもはや防御すらされておらず、まるでサンドバッグのように彼の拳の前に晒され続けた。
「……ッ!……ッ!
……ッ!……ッ!」
先ほどのポニーテールのスク水戦闘員と同じようなリアクションをするサヤ。
腹、胸、場所問わずに拳を浴び続けた彼女は、声にならない声を上げ、さらに身体を小刻みにビクンッビクンッと震わせている。
そんな彼女の様子を見て、ハルキは一度手を止め、一息付くとーー
「まだまだまだまだァァァ!!!」
またしてもパンチの雨あられを見舞った。
さらに今度はサヤの美しい顔面に、である。
「〜〜〜〜〜〜ッッ!!」
凄まじい勢いで、生々しい音が鳴り響き続けた。
先程は腹部、胸部の順で殴り続けていたが、あまりの衝撃にサヤの内股の足はだんだんと折れ曲がり、その姿勢は中腰くらいの高さまで低くなっていた。
そのため、今度はちょうどいい高さにサヤの顔面が位置しているのである。
それは、ハルキにとって一番殴りやすい高さだった。
あまりに激しい回転数で繰り出されるパンチは、まるでハルキの手が数十本に増えたように見え、その残像がサヤの顔を埋め尽くしたせいで、彼女の顔が見えなくなった。
ただ、それでも分かる事はーー
彼女の黒く美しい長髪は浮き続け、彼女の頭は振動し、しかし壁に埋め込まれるように何度も何度も叩きつけられるため、一点集中された彼女の顔面はその『ポイント』から微動だにも動いていないのである。
永遠に続くかと思われたその連撃の最中ーー
「……ッと。」
思い出したように、ふと手を止めたハルキ。
見るとあれだけ端麗だったサヤの顔面はボコボコになっており、汗一つかいていなかったその顔は涙と鼻血でグショグショになっている。
「……ぅ……ぅぅ……
も、もう……やめて……死ぬ……」
まるで魚のようにパクパク開く口からは、途切れ途切れとなった虫の息と一緒に、わずかながら命乞いの言葉が聞こえたような気がした。
「ああ。死ねよ。」
サヤのそんな一生の願いを軽くあしらうかのように、ハルキは今まで以上に、ただ右拳に力を込めた。
彼は、彼女があと一発で息絶えるそのタイミングを見計って、渾身の一撃を放つつもりだったのである。
「出来る限りのオーバーキルで殺してやりたかったんだ……」
そう言って、深く腰を落とし、ハルキは拳を構えた。
「俺の渾身の一撃を……
……食らいやがれッ!」
彼の腰がギュルリと回転ーー
と、同時
閃光ーー
風速を超えたその拳は……
空気を強引に貫き、風圧よりも速くーー
サヤの顔面に……
「そこまでよッ!!」
叩き込まれたのは風圧のみだった。
「……?」
突如背後から掛かったその声にーー
彼は寸での所で拳を止めたのである……
2020-08-14 06:41:00 +0000 UTC
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好不容易發好了⋯⋯
2020-08-02 21:55:13 +0000 UTC
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今月最後の投稿になると思います。
2020-07-30 14:21:54 +0000 UTC
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スク水戦闘員を恋人にするお話です。
2020-07-29 15:21:58 +0000 UTC
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続きのイラストも全て書き上げてありますので、後は台詞づけをすれば投稿できます!
2020-07-28 15:07:50 +0000 UTC
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因為好不容易噗大郎幫我做、所以我也要投稿中文版的!
2020-07-25 05:02:35 +0000 UTC
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「アナタ達、この男を捕らえるのよ!」
サヤの一声により、三人はバタバタとハルキのもとへと駆け寄っていく。
激しく息を切らせていたアンリも、身体に鞭を打つようにして二人に続いた。
「立て!」
「立つのよ!」
「……立ち、なさい」
彼女達は口々に厳しい言葉を発しながら、壁に背を預けるようにして座り込んでいるハルキを引き起こそうと躍起になっていた。
ハルキの左肩を担ぐのはミナ。
一方、ヘロヘロとハルキの右腕を一生懸命自らの肩に回そうとしているのがアンリ。
そしてーー
そんな様子を見守るように、ポニーテールのスク水戦闘員がハルキの目の前で目を光らせていた。
「……ぁぁ……ぅぅ……」
やがてハルキは二人の美少女から密着されながら体を起こし上げられるが……
「……」
男からすれば、そんな嬉しい状況にもかかわらず、なぜか不思議と性的な興奮など微塵も感じなかった。
いや、それどころかよく分からない嫌悪感まである。
疑問に満ちたーー
そんな彼の頭の中で、よぎった言葉が一つ。
ーー賢者モード
だからこそーー
「ふふっ…美女四人に囲まれて…
まるでハーレムね。」
サヤの的外れなその言葉も、今の彼にとっては、なぜかひどくカンに障ったのだ。
そうなってくるとーー
今まで見ていたものが全て真逆に見えてくる。
ふと、ハルキが左を見るとーー
そこには、先ほど自分の精液を全て飲み干したミナ。
人の精液を飲み干すというその事実が、今のハルキにとってはとても人間に出来る行為とは思えなかったのである。
まるで人間以外のものを見るときの様な気持ち悪さを彼は無意識に感じていた。
一方、右を見るとーー
そこには、今にも死にかけで、半開きの目に無理矢理力を込めながら、かろうじてハルキの右腕を担いで立っているアンリ。
今のハルキにとっては、彼女のその辛気臭い顔がやけに気に入らないし、ましてや身体中から蒸気を発し、ハルキの右腕が掛かった首うなじは特に熱を発している。
女のフェロモンなど微塵も感じず、さっきまで抱いていたわずかばかりの恋心など消し飛ぶくらいにーー
暑苦しく、鬱陶しかった。
「でも……
よくもまあ、やってくれたものだわ。」
ポニーテールの戦闘員の後ろに控えるサヤが、辺りの死屍累々の光景を見渡しながら呟いた。
それは何だか感心している様にも聞こえる。
そんな中ーー
ハルキの目はある一点に集中している。
そこは、他とは際立ってスク水戦闘員達の死体が折り重なっている場所ーー
ハルキがスク水戦闘員達にのし掛かられていた場所だ。
「アタシの部下はほぼ全滅。
でもこうしてターゲットを無力化できたわけだし、人員はまた補充すれば事足りるでしょうね。」
サヤが何気なくーーといった様子で漏らした一言。
その言葉に、不意にハルキの眉が、ピクリと動く。
彼が一点に見つめていた先ーー
その先には、ゴミの様に打ち捨てられた無数のスク水戦闘員達の中で、今やその一部と成り果てているあの少女。
ハルキの目からは、たとえどんな姿になっていようとどうしても目を惹きつけてしまう、あのーー
『名も無きスク水戦闘員』の姿があった。
精魂尽き果てたハルキの心の中に、またポツリとーー
小さく、怒りの灯火が点火する。
サヤにとっては、たかが『補充』の効く消耗品に過ぎないだろうがーー
ハルキにとっては、あの『彼女』は紛う事なき、たった一人の『自我を持った少女』だった。
その怒りがーー
再びハルキの心を、ボッと燃え上がらせる……
心が燃え上がりーー
身体もそれにつられて燃え上がりーー
そしてーー
その炎を瞳に宿らせたとき……
「……ッ!?」
目の前のポニーテールのスク水戦闘員がその異変にいち早く気が付いた。
「二人とも!ターゲットから離れて!」
「……ッ!?」
「……ッ!?」
彼女が声を張り上げると同時に、ハルキを担ぎ上げていた二人が咄嗟に彼から距離を取る。
彼女達から解放されーー
ポツンーーと。
その場に立ち尽くしたハルキ……
「テメーら……」
ポニーテールの彼女が警戒心をあらわにして身構える。
腰を落としーー
たとえどんな攻撃が来ても対処できる様に、パッチリとした目を大きく見開きーー
そして……
「一人残らずぶっ殺してやるッ!!」
獣のような咆哮と共にーー
ハルキの右足が、ムチのように蹴り上げられたーー
「……ッ!?」
ドシンッーー
と、丸太のようにしなる右足は、目の前の股間を豪快に打ち上げ、彼女はポニーテールを跳ね上げさせながら、その身体も小さく跳ね上がった。
と、同時にすぐさま彼女は身体をくの字に折り曲げ股間を両手で鷲掴み、顔を前に突き出すとーー
「〜〜〜〜ッッ!!」
まるで自分の痛みを相手に訴えかけるかのように、その表情をハルキに見せつけるような格好になった。
普段の彼女の、生真面目そうな、毅然とした表情は、まるで別人かと見紛うくらいに苦悶に歪み、今しがたまでは大きく見開いていたパッチリとした目も、紙を鷲掴んだようにグシャッと固く瞑られている。
「なっ!?」
「き、きさま!」
左右から同時に声が飛ぶ。
彼女達からすると、一応威嚇のつもりで放った怒声だったであろうが、今のハルキからすれば逆に神経を逆撫でするような、そんな『煽り』にしか聞こえなかった。
「ッテメーもだ!!」
半ば当てずっぽうに左拳を右側に振るう。
すると唸りをつけた砲弾のような拳は、無表情をわずかに険しくさせたアンリの顔面に直撃。
「ぶっ……!!」
もはや頭が真っ白になっているハルキにとって、アンリの事などなんの気にも留めていなかったーー
「……ッ!?……ッ!?」
彼女は鼻血を撒き散らしながら、それでも両手で顔面を覆い尽くし、殴られた衝撃でタップダンスを踊りながら、最後には両膝を着いて、両手で覆い隠した顔面を天に見せつけるようにして天井を仰ぐ……
彼女の顔は今、拭き残したハルキの精液と夥しい鼻血で、もはや美少女台無しと言えるほど酷いものとなっているだろう。
ハルキは、大人しそうなアンリが自主的には絶対にしないであろうそんな、激しいアーティスティックな動きを見届ける間もなくーー
次の瞬間には……
「ボーッとすんなコラァッ!!」
またも当てずっぽうのように、真後ろーー
つまり、ハルキの左側にいたミナへ向けて、後ろ蹴りを放った……
「……ほうッ!?」
彼女の引き締まったお腹を、凄まじい脚力で蹴り抜く。
別にミナも呆けていたわけではなく、童顔なりの厳しい表情を向け、ちゃんと身構えていたのだ。
ただ、反応ができなかったのだ。
そして彼女の顔は、引き締まった厳しい表情から苦悶に満ちた可憐な表情へとーーまるでオーロラのようにゆっくりとその色を移り変えーー
ゆっくりと両腕でお腹を覆い尽くしーー
ゆっくりと膝から崩れ落ちーー
最後には
お腹を抱え込みながら、まるで土下座をするかのように、正座で平伏した……
瞬く間に三人を打ち倒したハルキ。
彼は、まるで覚悟を催促するかのように、例のあの『隊長』へと目を向ける……
誰もが思わずたじろいでしまうような獣のようなハルキの視線。
その視線に射止められたその人物は……
「……ッ!……ッ!
……ッ!……ッ!」
その視線を遮ったその人物は、いまだ股間を押さえながら、情けない体勢、情けない顔、情けない声を上げ続けるーー
ポニーテールのスク水戦闘員だった……
2020-07-10 10:52:15 +0000 UTC
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ついにコミカライズされました。
最初はとりあえず記念に、全体公開にします。
噗大郎さんマジありがとうございます。
感謝してもしきれません。
https://www.pixiv.net/users/205574
※コマは左から読んでいってください。
今気付いたのですが、台詞を右から読む様につけるか、左から読む様につけるかがバラバラになってしまいました。
すごく読みにくいかもしれませんが、今後はきっちり揃える様にしますので、大変申し訳ありませんでした。
2020-07-03 16:49:48 +0000 UTC
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原作:猎物
https://booth.pm/ja/items/1991225?utm_source=pixivtouch&utm_medium=promotion&utm_campaign=pixiv-promotion&utm_content=work-all_items
原作者:偷鱼的懒猫
user/33563569
今回チョット短めです。
ちょうどいい長さが分からないので、もしご要望あればご検討いたします。
2020-07-02 17:05:25 +0000 UTC
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初めて漫画を書きました。
〇〇には何が入るのかは、まだ秘密です。
この作品は、小説作品の「女スパイ養成学校シリーズ」とは別とさせていただいておりますが、世界観については一緒にしようか決めかねております。
これからもよろしくお願いいたします。
2020-06-14 20:15:03 +0000 UTC
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クイッ
サヤの細い指が、ハルキのアゴをつまみ上げる。
至近距離でサヤと見つめ合う事を強制されたハルキは、つい彼女の真っ黒な瞳に吸い込まれそうになる。
そして一瞬、彼女が不敵な笑みを浮かべたと思えば――
スッ――
と、流れる様にハルキの唇を奪った……
「――ッ⁉」
目を見開くハルキ。
目前にあるのは静かに目を閉じたサヤの顔だ。
先ほどまでの冷徹な印象などは微塵も感じられない、純朴な少女の顔だった。
しかし――
そんな無害な表情とは裏腹に、彼女の口はかなり攻撃的であった。
彼女のひんやりとした唇は、驚くハルキの口を無理矢理こじ開け、その口内へと侵入する。
そして、蹂躙する様にその中を掻き回し、彼の舌を見つけ出すと――
纏わりつく様に舐め回した……
「~~ッ‼」
ハルキは驚く。
最初彼女とディープキスを交わした時は、こんな慣れた様子は無かった。
身体を強張らせて、ぎこちない舌使いをしていたはずのサヤが、今では打って変わったかのように艶めかしい舌使いでハルキの口内を蹂躙、彼の性欲を刺激していく。
それに加え、スク水戦闘員二人係での贅沢な乳首攻め――
さらには不器用ながらも一生懸命肉棒をしごき続けるスク水戦闘員がまた一人。
口内――
乳首――
陰茎――
三つ――いや、四つの性感帯を、四人のスク水戦闘員に同時に愛撫され、各部位それぞれが同時に脳へと『快感』という信号を伝達する。
しかし――
その情報はハルキの脳を錯綜し、たちまち彼の頭は一種のパニックを引き起こしてしまったのだ。
それはいわば、快楽の津波。
――絶頂をガマンしなければならない。
――なんとか耐えなければならない。
そんな思いさえも全て押し流してしまう――
そんな、訳の分からないほどの暴力的な快楽。
もはや苦しみさえ伴う、そんな矛盾した最高級の快感により……
「んんッ⁉ウプッ……」
サヤによるダメ押しのディープキスを味わった事で、ハルキの陰茎は決壊したかのように悲鳴を上げ――
「…………ひぐっ‼」
彼の股間に溜まっていたものが一気にその場に放出された……
「きゃっ⁉」
途端、下半身の方から短くも、可愛らしい悲鳴が聞こえた。
果てたハルキの肉棒の先……
その先には、先ほどから肉棒を扱いていた大人しめのスク水戦闘員――
彼女の顔は白濁色の液体ですっかり汚れてしまっていたのだ。
「…………。」
急に飛び出してきたハルキの精液は彼女の目に命中したのか、彼女はギュッと目を閉じたまま固まっている。
さらには垂れてきた精液が口に入らないようにするためか、口まで真一文字にきつく結んでいた。
恐らく、射精というものについて、知識としては知ってはいたが、うっかり失念してしまっていたのだろう。
彼女はゆっくりと顔を伏せると、まるで女の子が涙を拭くときの様に、指で器用に精液を拭いだした。
「あまり私を舐めない事ね。
前アナタにやられたのは、不意を突かれたからつい混乱してしまっただけよ。」
サヤはそう吐き捨てると、つまみ上げていた彼のアゴを投げ捨てる様に解放した。
「ウウッ……アアッ……」
ハルキはだらしない声を漏らしながら、彼の身体は壁に沿って、力なくずり落ちていく。
――が。
「まだよ。」
一切の温もりも感じないような、そんな無慈悲な声がハルキを切り裂いた。
虚ろになっていたハルキの目は、わずかにその声の主へと向きあげられる。
「この者を休ませないで。そのまま立たせておくのよ。」
「「了解」」
サヤの一言により、先ほど乳首を愛撫していたスク水少女二人が応答した。
ガシ――
と両腕を抱え上げられるハルキ。
「アンリ。いつまでへばっているの?
早く準備しなさい。」
アンリと呼ばれた少女は、先ほどハルキの肉棒を激しく扱いていたせいで、しばらく下を向いたまま動けないでいる。
ハルキからは彼女の表情を窺う事は出来ないが、激しい息遣いに合わせて両肩が大きく上下している所を見ると、かなり体力を消耗しているようだ。
「ハア……ハア……
……り、了解ッ」
しかし、アンリは健気に上官の指示に応えようと、何とか声を絞り出した。
「ローテーションよ。次はミナ。貴女が股間部を担当しなさい。」
「了解!」
威勢良く応答したのは、さっきはハルキの左の乳首を舐めていたスク水戦闘員だ。
可愛らしく、ふんわりした雰囲気の女の子。
その童顔からは、純粋そうで子供っぽい雰囲気とは裏腹に、先ほどのアンリのような緊張した様子など微塵も感じられない。
しかし……
ミナの見た目からはとても経験豊富そうには見えないにもかかわらず、何故かハルキの胸の内では嫌な予感がしてならなかった……
なにせ先ほど彼の左乳首を舐めていた時――
彼女の舌使いはまさに神掛かっており、硬さ、形、動き、自らの舌を変幻自在に操っていたのだ。
正直ハルキにとって、サヤを覗いては、あの三人の中では彼女に弄ばれた左乳首が最も辛く感じた。
一方、先ほどハルキの右乳首を舐めていたスク水戦闘員はというと――
彼女はテキパキとした動きで彼の左側に移動している。
それに対するアンリは、相変わらずヘトヘトになりながらも何とかハルキの右側へとスタンバイした。
「大丈夫?」
左のポニーテールのスク水戦闘員が小さな声でアンリを気遣う。
それに対し、アンリは少しだけ彼女の方へと顔を向けて――
「――。」
ほとんど聞こえないぐらいの小さな声で返事をした。
たぶん素振り的に『ウン』とか『ハイ』とか言ったのだろう。
こうして――
スク水戦闘員三人が再び位置に着いた。
肉棒、左乳首、右乳首――
彼女たちは各々が担当する各部位をジッと――まるで虫眼鏡で火を起こすように、その対象を真剣な眼差しで見つめている。
それも、生暖かい鼻息が掛かるくらいの至近距離で……
「はあ……はあ……」
たったそれだけの事なのに……
その三点の性感帯はそのジリジリと焼け付く様な視線を浴びることで、彼は再び言いようも無い刺激に苛まれた。
つい――
ハルキはポニーテールの少女とアンリの、二人の後頭部に手を回してしまう。
アンリの髪の毛は重く、しっとりとしており、髪を滴る汗はいまだに熱を帯びていた。
ポニーテールの少女は、先ほどハルキが後頭部を鷲掴みにしたせいか、後ろにピチッと寄せ集められていたはずの彼女の髪の毛が少々乱れていた。
そして――
しな垂れていた彼の肉棒は、徐々に活力を取り戻し、目の前にいるミナの挑戦を受けて立とうと言わんばかりに、その頭を上げて行く……
そんなハルキの息子をサヤは蔑むように見下ろし、嘲笑し、毒づいた。
「ホンット……散々射精したばかりなのにね。
この男、やっぱりケダモノだわ。」
その言葉に、ハルキは何故か余計に欲情してしまった。
それもそのはず。
同い年くらいの女の子複数人に間近でマジマジとアソコを凝視され、さらには勃起していくところも無抵抗のまま見守られ、あげくに冷たい侮蔑の言葉をも吐かれたのである。
あまりの恥ずかしさを通り越して、快感へと変換されてしまったのだ。
「貴女たち――やってしまいなさい!」
ついに彼女の号令が掛かり――
再び三人はその顔をハルキの身体に押し当てた……
「フッ……ウっ!」
また――
さっきと同じ感覚が押し寄せる。
彼はまたさっきと同じように両乳首を舐める二人の頭を自分の胸に押し付けた。
今回は意図的にやったと言ってもいい。
こうすると幾分かはマシになるのだ。
「「アガッ……ウプッ……」」
するとまるでデジャヴのように――
二人は先ほどの様に、乙女らしさの欠片も無い様な声を出して、顔面をぐしゃりと歪ませた。
ポニーテールの少女は先ほどと特に変わらない。ミナほどではないが、その舌使いはそこそこ上手い。
一方、アンリの方はというと……
彼女の舌使いは先ほどの手コキと同じように、相変わらずぎこちなく、おそらくその技術は三人の中で比べると一番劣っているかの様に思われる。
「……ウエッ……ガ……ァ……」
しかも、今はハルキに顔面を押し付けられたせいで、愛撫するどころの話では無く――
只々、カエルのような鳴き声を上げながら、ギブアップをするかのように、左手でポコポコとハルキの肩を叩くばかりだった……
――これは大丈夫そうか?
彼は一瞬……
……そう確信した。
しかし、その淡い期待は、大きく裏切られることになる……
彼の下腹部――
肉棒を担当するミナが、いよいよ『仕事』に取り掛かったのだ。
最初彼女は――
ハルキの肉棒を下に押し付けて上から見下ろしてみたり、右に逸らして左から覗きこんでみたり、左に逸らして右から覗きこんでみたり、上に押し上げて下から覗きあげてみたり……
さながら骨董品を値踏みでもするかのようにあらゆる角度からブツの造形をチェックしていた。
やがて、何かが分かったのか、準備が出来たかのような表情を見せると――
ピロッ
と肉棒の裏側を舐めた。
「ウンっ……」
たったそれだけなのに――
いや、それだけだったからこそか――
彼女の細く尖らせた熱い舌先は、ハルキの性感帯を的確に刺激した。
ビクンッ
と彼の肉棒が跳ね上がったことを確認すると、まるで面白いおもちゃを見つけた子供の様に、小さく唇を緩ませる。
そして再び彼の裏筋を、今度は舌先でコチョコチョとくすぐってみる。
彼女の舌の動きは指先の様に自由自在で、それはあたかも柔らかく、それでいて熱く濡れた細い指のようだった。
「~~ッ⁉」
そんなミナの絶技に、ハルキは再び、睾丸から何かが流れ出す感覚を覚えてしまう。
そして――
それを見計らったかのように、ミナのアプローチは徐々に大胆さを増していった……
彼女は大きく口を開け、大きな舌をベロンと突きだし――
大きい円を描く様に肉棒のカリ首を舐め回した。
それは先ほどの様な、細く尖らせた舌で部分的に引っ掻くようなものでは無く――
広い面積で柔らかく、撫でる様に唾液を絡ませて……
「ああッ……うあっ!」
そうして肉棒が十分に濡れそぼったタイミングで――
チュポ
彼のアソコは熱く締った、小さな穴へと吸い込まれたのだった……
「ウがっ⁉」
挿入――
本気でそう錯覚してしまうくらい、彼女の口の中は女の子のアソコとよく似ていた。
キツく締った唇が、絶妙な熱加減、絶妙な力加減でハルキの肉棒を絞り上げていく……
いや、ある意味彼女のフェラはただの膣への挿入よりも刺激的なのかもしれない。
なぜなら膣内と見紛うほどの熱く弾力のある口内では、相変わらずあの変幻自在なミナの舌が縦横無尽にハルキの肉棒を蹂躙していくのだ。
「ウウッ……だ、ダメだ!」
テンポよく顔をピストン運動させながらも、舌の方はまるで別の生き物のように複雑にうねらせている。
彼女の神掛かったテクニックに――
「も、もうガマ――ハウッ⁉」
ハルキはたまらず射精してしまった……
それは――
一回目の時よりも早く訪れた絶頂だった。
2020-06-11 09:00:14 +0000 UTC
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原作:猎物
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原作者:偷鱼的懒猫
user/33563569
台詞つけるのが思っていた以上に大変だった…
2020-06-05 00:01:59 +0000 UTC
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皆様のおかげでpixiv内でのフォロワー数がついに100人を超えました。
これからも何卒よろしくお願いいたします。
今回のイラストは銃撃戦です。
女戦闘員が撃たれた時、白目を剥いたりするよりかは、どちらかというと「きゃっ」ってなっている表情の方が好きです。
後、女戦闘員が銃を斉射しているときの表情ですが、可愛い顔を引き締めながら、厳しい表情で連射するのも良いのですが、このイラストのように、感情を押し殺したように無表情で淡々と銃を連射するのも好きです。
それを見ていると、「彼女たちは銃弾が飛び交う中に身を晒していて怖くないのかな〜?」とかいろいろ心配してしまいます。
今回は、無表情で淡々と銃を連射→被弾して苦痛に顔を歪める所を意識して描きました。
これを見ると
恐怖をものともせず無機質に黙々と戦闘に従事する戦闘マシーンのイメージ→やられたらやはり苦痛の表情が滲み、短い悲鳴をあげ、しっかりと感情、痛覚の通った女の子であることが分かる。
これは多分一種のギャップ萌えだと思われます。
人形のような人間味のない女の子だと思っていたのが、やはり自分と同じ喜怒哀楽を持った普通の女の子だったと分かったら、その子に惚れるでしょ?
あれと一緒です。。
これを使って、ちょっと漫画っぽいやつも書くかもしれませんが、あくまで未定です。
可能性は1%から99%の間です。中居くんは素晴らしい言葉を広めてくれました。
2020-05-30 01:18:21 +0000 UTC
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スク水戦闘員 高等1年次スパイ リカ 享年16歳
(本編7話に台詞だけ登場)
ハルキがサイドテールのスク水戦闘員をジャイアントスイングで振り回しているところにわざわざ突っ込んでいって、案の定薙ぎ倒された少女達の中の一人。
以下、登場シーン
ーーー
彼女の身体を振り回すことで、接近してきた他のスク水戦闘員達をもなぎ倒していった。
「クッ!ヤツを止めるのよ!」
スク水戦闘員達は尚も突撃を繰り返すーーー
スク水少女を振り回すハルキに。
「うわぁーーーッ!」
「いやぁーーーッ!」←これ、リカ
彼女達は突撃してはやられていく。
ーーーー
ハイ、完全後付け設定でしたww
生まれて初めて絵描いたったwww(それは流石に言い過ぎ)
6時間ほどかかりました。結構面白いですね。下手すると小説書くよりも面白いかもしれないです。
どちらかというとお絵かきアプリを使いこなすのに時間が掛かりました。
2020-05-27 01:58:27 +0000 UTC
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彼女の合図と共にーー
左右に侍るスク水少女二人が、ハルキの乳首にそれぞれ吸い付いた。
「ウンッ……!」
思わず身体中に力が入った。
それはまさになんとも言い難い感触でーー
激しいくすぐったさが襲ってくるが、それが性的な興奮へと変換されて股間にどんどんと流れていく様な感覚を覚えた。
股間へと流れた性的興奮は肉棒を程よく刺激される事でさらに先へ先へと進んでいこうとする。
しかし、それらの事はすぐには分析出来なかった。
三人別々の女の子による、三点別々の部分への一斉攻撃は、脳が処理しきれず、今自分が何をされているのか、どの様なことをされているのかをにわかには理解出来なかったのだ。
くすぐったさ、気持ち良さがごちゃ混ぜの状態になって彼を襲う。
しかしハルキは混乱に満ちた頭の中を、それでも整理し、今の状況を確認していかなければならない。
彼女達の好きなように搾精されるのは、彼にとっても面白くない事だ。
まず、乳首にしゃぶりついているこの二人。
彼女達はハルキの乳首をチュパチュパといやらしい音を立てて吸い込んでは、舌を高速で振動させて彼の乳首をプルプルと弾いている。
左に陣取る可愛らしいセミロングのスク水戦闘員は、その童顔からは想像もつかないほどに器用な舌使いで、包み込むように大きく、蕩けるような柔らかな舌を縦横無尽に掻き回している。
右に位置するポニーテールの生真面目そうなスク水戦闘員は、やはりその顔と同じく小回りの効く比較的小さな舌を、身軽に跳ねさせて、リズミカルに乳首を弾いている。
二人の舌は大きさ、柔らかさ、速さはどれも微妙に違っており、左右に感じる感触のギャップに、ハルキは思わず、女の子のように身体を捩らせてしまっていた。
すると左のスク水少女が、いったん彼の乳首から口を離した。
見るとその部分は、彼女の唾液でテカテカに濡れそぼっており、彼の乳首は硬く隆起していた。
そして彼女の舌が鋭く前に伸びる。
その先端を硬く尖っていた。
すると、その先端が高速で上下し始めたかと思うとーー
硬くなった彼の乳首の先端を、たちまちプルプルと弾き出した。
「くぅッーーァ!」
彼は思わず甲高い声をあげてしまった。
左の可愛らしい童顔少女の舌使いにより、ハルキはつい体を捩らせてしまう。
しかし、そんな反応を見せてしまったのが運の尽きだった。
彼のその反応を見て、弱点を悟ったのか、一瞬動きを止めたセミロングの少女は、右乳首を担当する仲間に目配せをした。
するとその意図を察したのか、右に侍るポニーテールの女の子も、仲間の方を見た。
そして
二人は、情熱が滲み出る様な真剣な面持ちで頷き合うとーー
今度は息を合わせた様に、先ほど左の少女がやって見せた舌使いを、二人同時に行った。
「ウグゥわああ!!」
思わず全身に力が入る。
無意識に、ハルキは二人の頭を両腕で抱きかかえ、自分の胸へと押しつけていた。
「〜〜〜ッ!?」
二人の顔面がハルキの胸に圧迫された結果ーー
彼女達の小ぶりな口は、まさにハルキの胸にカッポリとかぶりつく様な形で、大口を開く事を強制されーー
さらにはハルキの胸で口を塞がれてもいる為、口呼吸は不可能となった。
「アガッ……ブボッ……!?」
左のセミロングのスク水少女が、可愛らしいその童顔に似合わない声を上げる。
「フシュー……フン……!」
右のポニーテールのスク水戦闘員が、彼女のしっかり者の顔には似つかわしくない荒れた鼻息を、その小さな鼻の穴から噴出させている。
鼻での呼吸は出来ない事はない。
しかし、かなり呼吸しづらい。
なぜなら、彼女達の可愛らしい鼻も、ハルキの胸に押し潰された様にひしゃげているからだった。
顔面がその様な状況である為、二人の顔は凄いことになっている。
端正で可愛らしい顔は、見る影もないくらいにシワくちゃでーー
まるで大欠伸をしたときの様な、もはや変顔とも言えるほどに強烈な形相を形作っていた。
彼女達は必死でハルキの体を押さえつけ、自らの顔を息苦しさから逃れさせようとしている。
しかし、腕力では当然ハルキの方が上だ。
彼はあまりの暴力的快感に、つい圧倒的な力で彼女達の顔面を自らの胸に埋め込んでしまったのだ。
いくら彼女達が、両の腕を使って顔を引き離そうとしたところで、所詮彼女達の細腕ではハルキの片腕一本にも敵いはしないのだ。
彼女達二人は焦りを覚えた様に、手でバンバンとハルキの胸を叩き出し、それでも無駄だと判断すると、今度は胸に押し付けたその手をギュッと鷲掴む様にして爪を立てる。
しかし、黒グローブ越しだからなのかーー
彼女達の爪が短く整えてあるからなのかーー
はたまた、ハルキ自身今はそれどころじゃ無いぐらいの快楽の波に襲われているからなのかーー
あまり痛みは感じなかった。
すると、やがて彼女達の動きが落ち着き始める。
その様は一見すると、二人は息苦しさのあまり、力尽きたかのように見えた…
しかし、聞こえる。
フシュー……フシュー……
と噴き出す、動物のような鼻息。
二人の鼻息はいまだ途切れていなかった。
限られた酸素の中で耐え抜く事を決意したのか、またーー
ハルキの乳首を舐めだした。
「ウゥッ……アアッ!」
彼女達はハルキの腕から逃れる道を捨て、ハルキを倒すという選択肢を選んだのだった。
「〜〜〜……」
二人は当然言葉を発する事など無く、その場にはハルキの喘ぎ声だけが只々鳴り響いていた。
とてつもなく舐めにくそうな体勢で、尚も乳首を舐め続ける二人。
もはやーー
女を捨てたかの様な面白い顔で、一生懸命、真面目に乳首を愛撫する彼女達。
彼女達にとっては、自らが持ち得る美貌などはただの副産物に過ぎず、彼女達にとって最も大切なのは任務を果たす事。
壊したくなるほどの可愛さなど、ただそのための手段に過ぎない。
そしてーー
そんな彼女達にとって、今最も大切な事。
それは、今自分達の目の前にいるこの男を昇天させる事だけだった。
だから彼女達は不細工な顔になりながらも、苦しみに耐えながらもーー
それでも愛撫する事をやめない。
二人はギュッと固く目を瞑り、一心不乱にハルキの乳首を刺激し続けていた。
一方ーー
次にハルキは、自らの股間に注意を傾けてみる……
見るからに大人しそうなそのスク水戦闘員は、相変わらずポーカーフェイスに見せかけた緊張の面持ちで、丁寧に、丁寧にハルキの肉棒を擦っている。
それはまるで、何かの手引書でも見ながら作業しているかのような、そんな辿々しさだった。
ぎこちない手つきで少し粗のある手コキだが、彼女自身は一生懸命に、真剣な表情でシゴいている。
手コキの初実戦ーーと言ったところだろうか……
ゾクゾクッーー
とハルキの全身が震えた。
彼女のこの反応から察するに、恐らく初めて見るであろう男子の陰茎。
こんなに大人しそうな女の子の顔面に、その自分自身のシンボルを突きつけているのだ。
しかも当の本人は真剣な眼差しでソレを見つめており、真剣な表情でソレを擦っている。
「……んっ……フッ……」
ハルキは背徳感と羞恥心に苛まれ、思わずギュッと目を瞑り顔を背けてしまう。
そんなハルキのみっともない姿を、サヤは例のポーズを取りながら、満足そうな表情で眺めていたのだった。
フワッ
と肉棒を、生暖かい風が包んだ。
片目だけ開けてみるとーー
「ーーッ……ーーッ……」
そこには、口を真一文字に結び、鼻息を荒くしながら、一心不乱に肉棒をシゴき続ける彼女の顔。
あまりに夢中な彼女の顔面は、いつの間にかその鼻息がかかる距離まで、肉棒に接近していた。
その光景にーー
より一層ゾクゾクと、くすぐったい感触が彼の肉棒を伝わる。
大人しめだがそこに上品さすらも感じさせられる、スク水少女の端正な顔面。
それが今まさに、彼の一番下品なモノの先っぽにあるのだ。
その事実とーー
激しい上下運動で息が切れてきたのか、いつの間にか開いた彼女の口から漏れ出る熱い吐息が、ハルキの肉棒をさらにビクつかせる。
しかし、明らかに経験不足である彼女の手コキは動作がワンパターンで、馬鹿の一つ覚えのようにハルキの竿を上下に擦る事しかしない。
実際、他のスク水戦闘員二人による強烈な乳首攻めのサポートがあるにも関わらず、いまだハルキはギリギリの所で持ち堪えているのだ。
次第に……
上下運動を繰り返す彼女の右腕は、体全体を利用しての動きーーと言えば聞こえはいいが、要するにダラけた動きとなっていき、その速さも最初の頃と比べて、比較的緩慢なものとなっている。
「ハァ……ハァ……んっ……」
気が付けば……
あれだけ表情の出ることのなかった彼女の顔は、今や顔中にシワを作り、眉をハの字に歪めーー
醜く開いた小さな口からは、小さく綺麗な歯が剥き出しになっている。
まとめて言えばーー
それは、普段のイメージぶち壊しの、鬼の形相。
ふとーー
ハルキは、そんな表情の彼女と目が合った。
常に動かし続ける右腕に鞭打ちながら、必死に何かを懇願するように、彼女はハルキの顔を見上げている。
その表情にどんな想いが込められているのかは分からない。
早くイッてくれーーという彼女の焦燥か……
早くイッてくれーーという彼女の不満か……
早くイッてくれーーという彼女の不安か……
早くイッてくれーーという彼女の哀願か……
いずれにせよ
少なくともハルキにとっては、そんな濡れた上目遣いで覗き込まれると……
何だかとても優越感に満たされた気分になってくる。
しかし、そうやって訴えかける事も諦めたかのように、彼女が再度顔を逸らすとーー
「……くぅッ……ふんッ……」
苦悶の声を上げながら、顔を隠すように俯いてしまった。
やがて、彼女は身体を前に傾ける……
そして、そのままーー
ハルキの肉棒の真横に、頭を埋めてしまった……
それはまるで、早くイッてくれーーと彼に祈る様な格好だった。
うな垂れるように、ハルキの右足付け根に額を置く彼女。
角度的に、その場にいる誰もが彼女の表情を窺い知ることはできない。
しかしそれでも、彼女は健気に手を上下に振っていたのだった……
何はともあれ、ハルキは確信するーー
この様子であれば大丈夫だと。
彼女はうな垂れる頭の真横ーーもはや肉棒が彼女の右サイドの髪の毛に隠れ、彼女の頬に当たるくらいの距離で、いまだに右手をシェイクしている。
しかし、その勢いもだいぶ弱まってきた。
彼女の動きはもはや余勢だけで動いているといった状況だ。
そこでハルキは顔を上げ、前に目を向けた。
その視線の先には、この状況を見守るサヤ。
ハルキは、そんな彼女に対し得意げな表情を見せる。
「よ、よう……隊長さん。」
とはいっても、やはりその表情は苦しみの色を隠し切れておらず、強がっている様に見える事も否めない。
「アンタの部下の攻めが下手すぎて話になんねえみてえだわ……」
そう挑発するハルキに、サヤはその涼しい顔に何の色も浮かべず、ただ黙っているのみ。
すると、突然ハルキの右太ももに、マッサージをされたかの様な、心地良い刺激を感じた。
「…………?」
気になった彼は、下に注意を向ける。
股間の前には相変わらず、彼に対して跪き、手コキを続けるスク水戦闘員。
彼女は身体の支えとして、ハルキの右太ももに空いた左手を当てている。
見るとその手は、ハルキの太ももを握り潰すように力強く鷲掴んでおり、その様はーー
まるで敵から受けた屈辱の言葉に、ギューっと堪え、耐え忍ぶように見えた。
屈辱、疲労、焦燥。
それらから目を背ける様に顔を伏せ、それでも彼女は肉棒をシゴき続ける。
その姿を一瞥するサヤ。
「…………。」
しかし、そんな部下には何も声をかけず、ただ黙ってハルキのもとへと歩みを寄せていく。
そしてハルキの眼前まで迫り来るとーー
厳しい目をハルキに向けたまま、言い放った。
「シズカ。体勢がなっていないわ。
どんなに疲れていても顔を上げなさい。」
すると三人の内の、手コキを続けていたスク水戦闘員が、うな垂れていた頭をのそっと持ち上げた。
切れ長の目から覗く彼女の瞳は朦朧としており、肌を色っぽく光らせる汗は、ともすれば涙が混じっている様にも見えた。
「いや、体勢っつーか……
右手が疲れたなら左手を使えばいいじゃん……」
ハルキは余裕が出てきたのか、ついボソッとそんな事をツッコんでしまう。
その言葉を受け、シズカと呼ばれたスク水戦闘員の右手にも、わずかに迷いが生じた。
すると、サヤはまるでそれを見通していたかの様に、シズカに対して釘を刺した。
「貴女はまだ右手での手コキ以外は習っていないはずよ。」
その言葉の瞬間、シズカは使おうとした左手をピタッと止めて、元の場所に戻す。
サヤは続けた。
「出来ない事をやる必要は無い。
訓練で会得した事、そして仲間のみを信じなさいーー」
そして最後にーー
「……最後まで諦めないで。」
サヤがそう、締めくくった瞬間ーー
シズカの表情が変わった。
彼女は疲労困憊の体に鞭打つ様に、姿勢を正すとーー
首を座らせ、傾いてた頭を真っ直ぐ立てた。
そしてーー
彼女はその目に光を取り戻し、小さくも、可愛く光る唇を真一文字に引き結ぶ……
蒸気を放ち、火照った頬は紅く発光し、しっとりと濡れて光沢感の出た黒髪からは汗が滴り落ちるもーー
黒光りを放つ長手袋の動きに、また力が戻ってきたのだ。
「フゥッ……!?」
シズカの突然の復活に、思わず片目をしかめるハルキ。
そして、そんな彼の目前にーー
とうとうサヤが迫ってきた。
「さて……
さっき貴方がしてくれたステキなキス……
そのお返しをしなくちゃね。」
そう言葉を吐き出すサヤの唇のもとへ、彼女は優雅な動作で右手を運んでくる。
妖しい光沢を放つ黒手袋ーー
その人差し指を、ピトッと彼女の唇に当てた時ーー
妖しい輝きを放つ唇が、キラリと光った。
2020-05-11 01:13:24 +0000 UTC
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こんにちは、最近女ザコ作品を制作し始めたぶんちゃんと申します。
このコーナーでは、私が生まれてから現在まで、毎日毎晩欠かす事なく女ザコ・やられ・リョナについて考えて続けてきた結果、辿り着いた考え方などを紹介したいと思います。
この歪んだ性癖についてを、大真面目に紹介するコーナーです。
まず第一段は、「私の考えるヤラレ」についてです。
皆さん、一言にヤラレと言っても、色々と宗派があるのはご存知でしょうか?
大きく分けて代表されるのが、シーネ派とスンナ派です。
シーネ派というのは、いわゆる敵女であれば容赦なく殺す派の人。
つまり、格闘技で気絶をさせたりとかそう言った事はしません。
容赦なく銃殺斬殺刺殺殴殺撲殺します。
これシーネ派。
まあ、主な作品で言うと、「マゾーン」とか、「コブラ」とかそうですね。
で、次は、スンナ派。
これは女ザコがいっぱい出てきてバタバタとやられて行くけど、死人は一人も出ない。というパターンです。
作品で言うと、「AIka」シリーズがそうですね。(厳密に言うと作中でデルモが一人犠牲になっているんですが……)
あと、前に投稿したエッセイでもありましたが、「デート・ア・ライブ」のAST部隊。
ソフトリョナと言ったりもしますかね?
恐らくこの宗派の人の考え方としては、まあ単純に「可哀想だから」という事でしょう。気持ちはわかりますし、比較的健全な思考だと思います。
そして一方のシーネ派の方としては、「気絶じゃ意味ねーだろww」ってな感じだと思います。
実際私もこっち派の人です。
死人の出ないヤラレーー例えば「AIka」とかを見ていると、ものすごく興奮するんですが、死人が出ていないと言うことだけであと一歩物足りない感じがします。
ちなみにこの一歩というのが曲者で、本当に生殺しにあっている様な感覚で、ものすごく心が辛く感じたりします。
思っている以上に辛いです。
「これで死人さえ出てくれれば……」なんて事を何度思った事でしょう。
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
さて、その私はどちらに当たるのでしょうか?
先程どちらかと言えばシーネ派。という風に言ったかもしれません。
しかしこれまで私がやられというものについて考え続けた結果、自分がシーネ派でも無いという事に気づきました。
実は私は、シーネ派とスンナ派のちょうど中間に位置しているのです。
つまり、基本的に敵女は殺すが、何人かは許す、もしくは気絶させる。
という形がベストなんです。
別にわざと気絶させなくても構いません。
「たまたま気絶した女ザコもいた」で良いんです。
例えば、ナイフで戦っていて、敵女をバッサバッサ殺していた所、たまたま死角から襲ってきた女戦闘員を、ナイフが間に合わないから蹴りで倒した。
そう言った形で、「運良く」死ななかった人もいたほうがいいと思うんです。
ここの「運良く」という部分はすごく大事です。
皆平等に味方キャラに殺されるはずだった運命のはずが、なんかの間違いで生き残ってしまう。
というのが良いんです。
その女ザコが生きるか死ぬかは、神の気まぐれ次第っていうのがそそります。
なぜそこにそそるかという理由については次回またお話ししようかと思います。
ではまた来週
2020-05-04 09:29:31 +0000 UTC
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「ーーッ」
うっすらと声が聞こえる。
「ーーたいちょーー!」
その声は、外の世界からわずかに漏れ聞こえている
ハルキは、微かに意識を取り戻すと、うっすらとその目を開けた。
すると目前にあったものは、女の子の顔ーー
そう、「彼女」の安らかな表情で眠る顔が、そこにあった。
ちょうど唇同士をくっつけ合う形で、ハルキは気を失っていたのだが、彼は「彼女」の鼻に注意を傾けるとーー
やはり息はしていない。
やはり……「彼女」はもう死んだのだ。
やがて、ドサドサと荷物を乱雑にどかすような音と共にーー
暗闇の向こう側から聞こえてくるその声も次第に鮮明なものとなってくる。
「この様子じゃあ、あの男もきっと生きてはいないわね……」
ハルキはふと右手に意識を向けた。
全く自由の効かない右手。
その中指に感じる、やけに生暖かかい温もり。
ーーそういえば……
ハルキはぼんやりと思い出す。
すっかり忘れていたが、暗闇の中、彼の右手は誰かの股間にあてがう形になっており、その時に顔も分からないスク水戦闘員に対して手マンをしたのだった。
そしてその後彼女の膣から指を抜き出す事も叶わなくなった為、すっかりそのままになっていたのだった。
「ヨイッしょとーー」
可愛らしい掛け声と共にーー
指が、彼女の膣内から解放された。
手マンをしたスク水戦闘員の身体がどけられたのであろう。
彼の中指はすでにシャバシャバにふやけており、しかしやっと外の空気を吸えた事に、中指だけでなく、右手全体がとてつもなく喜んでいる。
「ウンッ……しょと……」
また、可愛らしい掛け声と共にーー
暗闇の中に一筋の光が差し込んだ。
スク水戦闘員の亡骸がどけられる度に、吹き込む新鮮で冷涼な空気。
彼の身体は疲労困憊で動かなかったが、気分は限りなく爽快だった。
次第に暗闇だったこの空間は、ガラガラと崩壊するかのように光に溢れーー
あまりの眩しさに、ハルキは思わず固く目を瞑ってしまった。
周りのスク水戦闘員の肢体はあらかた取り払われ、残るは彼の上に乗っかっている「彼女」。
「隊長。この仲間の下に、恐らくターゲットがいます。」
「すぐにどかしなさい。
ヤツの間抜けツラを早く拝みたいわ。」
しかし、「彼女」の身体はユサユサ動かされるも、何故か彼の身体の上から取り払われることはなかった。
「何をモタモタしてるの!?」
「……あ、あれ?」
真上に乗っかる「彼女」の身体が動く度に……
ハルキは、顔をしかめるーー
彼の股間から痛みが走ったからだ。
「あれ?どうして動かないんだろう?」
不思議そうに呟く少女。
その時
そんな彼女とは別の方向からーー
一転して引き裂く様な声が響いた。
「見てッーー!」
それは、まるで信じられないものでも見たかのような、悲鳴に近い叫び。
「何これ!?信じられない!
早く抜いてあげて!」
何のことを言っているのかは分かる。
ハルキからしても、早く「彼女」から自分のモノを抜いて欲しいものだ。
そしてーー
「この男!こんな時にまで私達の事を……ッ!」
彼女達はひとしきり大騒ぎしたところで、やっと「彼女」の身体を取り払う方法を思いついた様である。
「身体を持ち上げてあげるのよ!
横に動かすんじゃなくて!」
「彼女」の身体が腰部分から先に持ち上がるとーー
それと同時に、やっとハルキと「彼女」の連結が解けた。
ぷちゃ
と音を立てーー
「彼女」の股間から粘っこい糸を引きながら、ハルキの肉棒が頭を出した。
そしてーー
大切な人を守るかの様に、優しく抱きかかえられていた彼女の頭が、ハルキの腕から取り上げられる。
ついにハルキを覆っていた「彼女」の身体が取り払われた時、代わりに天井に輝くライトの光が視界一面に広がる真っ白の剣雨となって彼の全身に眩く突き刺さる。
ハルキは目の前の状況を確認しようとするも、彼のまぶたはまるで硬直したように持ち上がらない。
「よくもこんなふざけた真似をしてくれたわね。」
顔を険しくしかめるハルキに、誰かの声が投げ付けられた。
「ーーッ?」
その声を頼りに、差し込む光を徐々に受け入れながら、ゆっくりとーー
ぼやける風景をこの目に映していくと……
そこには彼を見下ろす誰かが。
ーー女神か?
と、ついそんな感想が出てしまうほどに神々しい姿だった。
長い髪を華麗になびかせ、仰向けのハルキの正面に立ちはだかる人影。
まるで絵画などで描かれる女神のように後光が差しており、そのせいか彼女の姿は黒い影となって全く見えない。
一瞬
彼女自身が輝いているように見えた。
しかしなんて事はない。
ハルキがすぐに気づいたように、ハルキが見上げる彼女のその向こうの天井には、眩いライトが設置されており、それがたまたま彼女の後ろから逆光となって照らしているだけなのだ。
それにしてもーー
まるでその事すらも計算に入れているのではないかと思えてしまうほど、堂々とした立ち姿である。
ハルキが見た彼女のシルエット。
腰を左に突き出し、左手を腰に当て、斜めに伸びたその右足は、足元から彼女を見上げる事による遠近法も相まって、余計にスラーッと長く見えた。
ハルキは手をかざしてみる。
照らす光を遮ると、幾分かは逆光が薄れて、彼女の姿を塗りつぶす黒もその分薄れた。
「おはよう。
残念ながら……いや、幸いかしら?
まだしぶとく生きてたようね。」
いまだ影が掛かり、ハッキリ見えないその顔から覗く、氷のような二点の光。
冷酷に見下ろすその瞳は、まるで虫ケラを踏み潰さんとする様な、殺意を通り越した侮蔑の色であった。
「ア……アンタは……」
乾き切ったハルキの喉が空気を擦らせると、掠れ切った声となって浮かんで消えた。
「まさか、私を覚えてないとか言わないわよね?」
その声は怒りに満ち溢れている。
ふとハルキが下に視線を下げるとーー
自然と彼女のある部分に注目してしまう。
ハルキの視線の先にあった彼女のその股間部分。
そこには、まるで見てくださいとマークされたかの様に、スク水の黒よりもさらに一層黒いシミが、大きな丸となってくっきりと目立っていたのだった。
「隊長……ターゲットが息を吹き返さないうちに、早く始末しておいた方が……」
気付けば周りにも立っていたスク水戦闘員の一人が、心配そうな声で彼女を諫めている。
「まあ、待ちなさいよ。性欲に塗れたこの男に少しでも仕返しをしなきゃ気が済まないわ。」
彼女の執念じみた怒りも当然だった。
隊長と呼ばれた彼女ーーサヤはハルキによって性的攻撃を受け、部下の前で大醜態を晒したのだ。
サヤの震える声には怒りだけでなく、この戦闘不能の男をどうしてやろうかというドス黒い期待も込められていた。
「ホンット……こんな汚い物おっ勃てて。」
サヤが視線を下ろしたその先にあったモノ。
いまだ天に反り勃つハルキの肉棒。
「そんな目に毒なモノはーー」
サヤの細い右足が上がったかと思うとーー
「ーーっ隠さなきゃねぇ!」
「ウグァッ!?」
ハルキの陰茎が思いっきり踏みつけられたのだ。
思わず彼の身体はくの字に折り曲がる。
サヤは乗せた右足の膝に、右腕を寄り掛け、地面で悶えるハルキを覗き込むように上半身を傾けた。
その様はまるで、ロック歌手がモニタースピーカーに片足を乗せた時のようだった。
そんなはしたない行為でも、彼女がやると綺麗に格好がついておりーー
その様はさながら氷の女神ーーいや、氷の女王とでも言ったところか。
「ほら、私の足に踏まれて気持ち良いでしょ?」
そう吐きかける彼女の口調に感情は無く、顔に表情は無く、無機質な声は聞いた者を底冷えさせる程に冷え切っていた。
「ウッ……アアッ……クッ……ぐぁッ……」
ぐり グリ ぐり グリ
すり潰すようにーー
彼女の足が前後に動く度に、苦悶に歪めたハルキの口から絞り出したような掠れ声が、ぷかりぷかりーーと浮かび上がる。
サヤの白い細足を包む、黒いブーツ。
ヒールの無い厚底のブーツが、ハルキの肉棒を捏ね回している。
その靴底部分のゴムは弾力があってプニプニしており、陰茎が乱暴に、しかし柔らかく擦られる度にーー
ムラムラと、ハルキの身体の中の何かが、股間部へ集まっていく様な心地を感じた。
こんな、尊厳も何も無い様な性行為なのに、不本意にもハルキの身体は、なぜか喜びの気持ちを感じた。
しかも、当の相手であるサヤの表情は、心底侮蔑した表情を浮かべており、もし気持ち良くなっているなんて事が知られたら、どんな屈辱的な言葉を受けるか分からない。
しかしーー
そんな思いに反して、尿道へと続く部分がドクドクと音を立てて、何かが流動していくのが分かった。
「クッ……クソッ!」
その事実に、ハルキは思わず悔し涙を浮かべそうになる。
じわじわと近づく限界に、何度も呻き声を上げるハルキ。
そんな彼の様子には、もちろんサヤも気が付いているだろう。
そして
「グッ……もうダメだ!」
ハルキはとうとう我慢が出来なくなった。
彼が射精の瞬間を迎えようとしたーー
その時
彼女の端正な口元が、ニヤリと吊り上がった……
グシャーーッ
突如
ハルキの股間に衝撃が走る。
パンパンに膨れ上がった彼の肉棒が、サヤの黒光りしたブーツによって思いっきり踏み抜かれたのだ。
「ウッ……ぐぅわーッ!」
まさに今から飛び出そうとしていた精子が一気に逆流して、睾丸の中へと舞い戻っていく様なーー
そんな嫌な感触が、ハルキを襲った。
「バカね……簡単に終わらせはしないわよ。」
強烈な鈍痛にハルキが絶叫する中。
サヤの冷たい声はやけに鮮明に聞こえ……
「この男を立たせなさい!」
彼女は後ろに控える三人の部下たちに向き直ると、先ほどとは一転して声を張り上げ、彼女たちに下知したのだ。
「了解!!!」
三人はピシッと細い身体を一直線に敬礼すると、可愛らしいながらもハリのある声で返事をする。
そしてテキパキとした動きで、いまだ喘ぎ苦しむハルキの元へと駆け寄るとーー
「立てッ!」
「立ちなさいッ!」
「早く立つのよッ!」
思い思いの厳しい言葉で、ハルキの腕を乱暴に引っ掴んで起こしあげる。
彼女たちは非力ながらも、一生懸命ハルキの身体を引っ張り上げ、三人それぞれが力を合わせて、やっとハルキを立たせる事に成功した。
そして、サヤは彼女たちに、ハルキを壁際に連れていく様に促す。
「早く行けッ!」
「さっさと歩けッ!」
「早くしろッ!」
再び細い怒号が飛び交った。
フラフラで一人では立つ事もままならないハルキは、スク水少女三人に支えられながら、ヨロヨロと誘導されていく。
そしてーー
壁を背に、両腕、さらに胴体をそれぞれスク水戦闘員三人に、手分けして押さえつけられた形になったハルキは、虚な目で目の前のサヤを睨みつける。
しかし、むしろそんな彼の様子を見て、彼女は瑞々しい艶やかな唇を弛ませると、再度部下たちに厳しい声で命令した。
「この男の服を脱がせなさい。」
「了解!!!」
スク水戦闘員三人は顔だけをサヤに向けて返答すると、三人手分けしてキビキビと彼の制服を脱がせていく。
ハルキの制服は汗でびしょ濡れになっており、肌に張り付いて脱がせるのに手間取っていたが、たどたどしい手つきでそれでも一生懸命試行錯誤していた。
やがて、三人それぞれお互いを指示し合って協力した甲斐あり、彼を上半身裸にすることに成功した。
「それで良いわ。ズボンはそのままでペニスだけ出しておきなさい。」
サヤが三人を制止する。
ハルキは肌にベトベトに張り付いた衣服が脱げたことで、却ってより快適な心地になった。
上半身がスーッと冷たい空気が駆け抜け、火照りっぱなしだった体内を爽快にクールダウンしていく。
そして、いよいよ……と言った調子で、サヤが三人の部下に対して尋ねた。
「貴女達。三人とも手コキの心得はあるわね?」
三人は一瞬お互いの顔を見合わせると、それぞれがほぼ同時に彼女に向けて頷いた。
するとサヤは整ったその顔をキリッと引き締めるとーー
「よし。それでは一名はターゲットのペニスに性的アプローチ。残りの二名はターゲットの左右の乳頭一つずつに同じく性的アプローチをかけるのよ。」
規律めいた口調で手際良く指示を出していった。
そして当の彼女はというとーー
「私はこの男の口を攻めるわ。」
不適な笑みを浮かべてハルキの元へと近づいていった。
「了解ッ!!!」
とても、今から性行為を始めるとは思えない様な真剣な表情で、彼女達は引き締まった声を上げる。
そして彼女達は誰がどのポジションに付くかをお互いに軽く確認し合った後、それぞれ準備を整えた。
ハルキはいまだ朦朧とした頭で自らの股間を見下げると、そこにはーー
クール、というよりかは、ただ単に顔に表情が出にくいだけの、どちらかと言うと大人しそうな雰囲気のショートカットの少女が、膝立ちになってハルキの肉棒と睨めっこしていた。
彼女の少々尖ったアゴと、切れ長の目は、ともすればクールビューティーの部類に属するものの、無表情ながら内気な内面がその顔に現れており、全く正反対の雰囲気を醸し出している。
彼女はハルキの陰茎を、頼りなさげに両手で添えており、自らの目前にある「標的」をジッと見つめていた。
しかし、どうやらその様は、獲物に狙いを定めているーーとかそんな格好良いものではなく、ただ単に緊張のあまり固まっているーー
と、言った方がいいかもしれない。
表情こそ顔に出ないものの、それでも注意深くその表情を見れば、彼女の顔が緊張で強張っていることは一目でわかった。
その証拠にーー
相変わらず一見クールに見えるその顔からは、固唾を小さく呑み込む様子がわずかに感じ取れることが出来た。
恐らくハルキ以外の男だったとしても、彼女のそんな様子を見て、なんとも言えない庇護欲が駆り立てられることは間違い無いだろう。
と、ハルキがそんな彼女につい目を惹かれているとーー
「それじゃ、貴女達。
やってしまいなさいーー」
サヤがいつもの、左腰に手を当て、左腰を突き出すポーズでーー
パチンッ
と、黒手袋に包まれた指を響かせた。
2020-05-02 14:30:20 +0000 UTC
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皆さん。
今日は僕が彼から8年近く疑問に思っていた事を打ち明けます。
皆さんは、「デート・ア・ライブ」というアニメをご存知でしょうか?
軽く説明すると、人類を滅ぼす力を持っている美少女達と、主人公がデートしてデレさせてキスすれば大勝利。っていうストーリーです。
ただ、このあらすじについては今回の件とは全く関係ありません。
私が今回言いたいのは、この作品に出てくる、「AST部隊」というモブキャラ達です。
上記の、人類を滅ぼす力を持っている美少女達を殲滅するために組織された部隊なのですが、何故か全員女の子で構成されています。
そして、その戦闘服というのがーー
スクール水着を思わせるような、露出の高いスーツ。
背中に背負っているジェットで、空を飛んだりするのですが、そんな格好で寒く無いのか?とツッコミたくなります。
そして極めつけというのがーー
かなり弱い。
いつも咬ませ犬の如く現れては、やられてしまいます。
しかし残念ながら毎度戦死者は出ません。
世界を滅ぼすほどの力を持った存在と戦っているのだから一人くらいは死んでも良さそうな気もするのですが……
そしてーー
本題はここからです。
当時私は大学生。
まだ自分の性癖と真摯に向き合えていなかった私は、このアニメと出会います。
どこかのヤラレ掲示板でASTの画像が出てて、彼女達のヤラレ姿が見たいがために、このアニメを見始めました。
ちなみに私は今となってはアニメが大好きなのですが、アニメ見るきっかけになったのはこのアニメです。
だからよく人から、「何をきっかけにアニメ見始めたの?」って聞かれた時にすごく困ります。
閑話休題
私はもっと彼女達のヤラレが見たくて、ネットで調べまくりました。
誰かが「AST部隊」のヤラレ絵とか、画像とかを投稿してくれているかもしれない、と。
しかし、「AST」で検索しても、出てくるのは英語のよくわからない記事ばかり。
「デート・ア・ライブ やられ」で検索してもデート・ア・ライブの情報しか出てこない。
仮にヤラレ絵とかが出てきたとしても、それは本作のヒロイン達である、人類を滅ぼす力を持った美少女達しか出てきません。
誰もAST部隊の、あのエロスーツを着た弱っちいモブキャラ達の事を話題にもしていないのです。
私と同じ気持ちの人は居ないのでしょうか?
正直スポットライトを浴びているヒロイン達なんてどうでもいいんです。
あの、エロい格好の没個性な女の子達がどこからともなくやってきて、十把一絡げに蹴散らされるのが良いのです。
ファイナルファンタジーのアレクサンドリア兵とかは、ネットでも話題になっています。
いろんなヤラレ絵があります。
あれももちろん大好きです。
でも、それだったらデート・ア・ライブのAST部隊も、もっと評価されても良いと思うのですよ。
本当に…本当に僕と同じ気持ちの人は居ないのでしょうか…?
以上が、私がかれこれ8年近く疑問に思っていた事でした。
長々とお付き合いくださり、誠にありがとうございました。
2020-05-01 15:07:59 +0000 UTC
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「ハァ……ハァ……」
ハルキの顔の傍に顔を埋め、弱く、乱れた呼吸を続ける彼女。
ちょうど彼女の蒸れたうなじが、ハルキの口と鼻に当たっている。
「はぁ……はぁ……」
ハルキの呼吸も当然荒い。
その為、彼の吐息は、彼女のうなじを撫でる形になってしまう。
「ハァ…ハァ…んふっ……くすぐったいよ」
彼女は相変わらず辛そうに呼吸しながらも、顔を埋めたままピクリと笑う。
同時に迎えた絶頂に、二人は力の全てを使い果たしたのだ。
重なり合った二人は、今となっては身体を泥のように溶かせ、弛緩させている。
彼女の膣に挿入されたままの肉棒。
もはやそれを抜くことすらも億劫だった。
そして、彼女は再び言った。
相変わらず顔を埋めたままーー
その口調は、まるで家に帰るくらいの気軽なものでーー
「ハァ…….ハァ……じゃあ、私ーー
ーーそろそろ逝くね?」
唐突に、別れを告げたのだった。
こんな蒸し風呂のような空間の中、ましてや他のスク水少女達は皆ことごとく息絶えている中で、彼女はあんなに激しい運動をしたのだ。
いつ果ててもおかしくはないだろう。
分かっていたこととは言えーー
それでもハルキは切なくなる。
「……ちょっと待てよ。
アンタは……アンタは死なないでくれよ。」
駄々をこねるかのような彼の声。
すると彼女は心底おかしそうに、コロコロと可愛らしく笑った。
「フフッ、ホント……変な人だね、キミは。」
しかしそんな笑い声もどこか儚げで、却って切なさを感じさせるものであった。
「キミにとって、私は敵なんだよ?
私は……さっきまで、君の命を奪おうとしてた敵、なんだよ?」
もちろん、それは紛れもない事実だ。
恐らく、もしもこういう状況になっていなければーー
ハルキにとって彼女は、他の少女達と何ら変わりのない、ただの一人のスク水戦闘員。
彼はきっと、向かってきた彼女を、何の気もかける事なく打ち倒していただろう。
どうやって打ち倒すかも気に掛けなかったはずだ。
彼女の可愛らしい顔面を、容赦なくぶん殴っていたかもしれない。
そして彼女は鼻血を撒き散らしながら、それでも両手で顔面を覆い尽くし、殴られた衝撃でタップダンスを踊りながら最後には両膝を着いて、両手で覆い隠した顔面を天に見せつけるようにして天井を仰ぐのだ。
もしくはーー
彼女の引き締まったお腹を、凄まじい脚力で蹴り抜いていたかもしれない。
そして彼女の顔は、引き締まった厳しい表情から苦悶に満ちた可憐な表情へとーーまるでオーロラのようにゆっくりとその色を移り変えーー
ゆっくりと両腕でお腹を覆い尽くしーー
ゆっくりと膝から崩れ落ちーー
最後には
お腹を抱え込みながら、まるで土下座をするかのように、正座で平伏するのだ。
いずれにせよーー
もしもーー
もしも彼女の最期がそれらであったなら……
きっとハルキはーー
そんな彼女の姿に目もくれていなかったであろう。
顔面を覆う両手の隙間から鼻血を吹き上げ、天上の神を仰ぐように膝立ちになる彼女の背中など目もくれず、次に襲い掛かるスク水戦闘員を迎え撃っていた事だろう。
自らの体を抱きしめるようにお腹を抱え込み、両足をピッタリくっつけて折り畳み、まるで「ごめんなさい」と詫びるように、亀のように蹲る彼女を背に、ハルキは別のスク水戦闘員に襲い掛かっていた事だろう。
でも、今となっては違う。
当然今も、ハルキにとって、女スパイ養成学校の少女戦闘員達は父親の仇だ。
やられて当然の奴らだと今も思っている。
でもーー
「でも……アンタは他の奴らとは違う。
俺、どうしてもアンタが悪い奴だとは思えない。」
ハルキにとって、唯一彼女だけは、他の有象無象のスク水戦闘員達とは違って見えるのだ。
彼の訴えに、彼女は沈めていた頭を力無くもたげていく。
そして、再びハルキの目の前に、彼女の顔が現れた。
「どうだろうね……」
暗闇に目が慣れた今、ぼんやりとそこに浮かび上がったものはーー
「一緒だよ。
……私も、他の仲間達と……一緒。」
どこか残念そうに息を吐く、彼女の微笑みだった。
彼女のその言葉、彼女のその表情。
ハルキにはその意味が分からずーー
ただただ目の前に浮かぶ儚げな彼女の笑みを、間抜けた顔で見守ることしかできない。
「もう、そんな顔しないでよ……」
まるで寂しがり屋な彼氏を慰めるように、彼女が困り果てた顔で笑う。
「私、人生の最期に……キミと出会えて良かったよ。
私の事を……初めて可愛いって褒めてくれた人。」
まるで別れ際の言葉。
「ねえ……最期にさ。」
彼女が告げる、最期のお願い。
「キス……しようよ。」
ハルキは直感した。
彼女はもう……助からない、と。
「待て……もう少し待てよっ。
そろそろ他の奴らがコイツらをどかしてくれるはずだ。
それでアンタはここで死んだフリをしとくんだ。」
それでも彼はそんな現実、受け入れたくはなかった。
「んで俺は動けるようになったらその瞬間他の連中を速攻でぶちのめす。
アンタの仲間だけど、この際別に良いよな?
他の奴らが全滅したらアンタはすぐにどこかに隠れろーー」
早口でこの後の計画をまくし立てるハルキ。
それはまるで、彼女に諦めさせまいとしているようにも見えた。
「……もう、いいよ。」
ハルキが必死で言葉を続ける中、彼女はそうやって軽く笑みを浮かべる。
「ーーそしたら隙を見てこの場を離れるんだ。
いいか、誰にも見つからないようにだぞ?」
それでも彼の言葉は止まらない。
「その後はどこかで合流しよう。
アンタを見かけたら名前を呼ぶ……いや、まあ、俺の名前を言えば分かるだろ。
そしてその後は黒崎のオッサンに匿ってもらおう。
大丈夫。もし追手が来たとしても俺が追い払ってやる。」
彼女はそんなハルキをじっと見つめている。
「あとは……そ、そうだ!
ウチに紗羅って奴がいるんだが、そいつはコンピュータの扱いにも長けているんだ。
多分だけど……アイツの手にかかればアンタの戸籍を偽造する事くらい出来るんじゃないか?
偽名とか考えなくちゃな……
……どうしよ。下の名前はそのまま使っても良いかもな……アンタの、下の名前……」
だんだんと……ハルキは言葉を詰まらせていく。
「ああ!あとあれだ!
学校にも通おう!俺の学校に来いよ!
きっとアンタが来ればすぐに男子からモテモテになると思うぜ!
そんでもって体力もあるから部活動とかやれば……学校で表彰されたりとかもするかもな!
あのハゲた校長に堂々と名前を呼ばれるんだよ!
賞状をもらいながら……こう……何年何組の……えっと……あれ?」
そこで、彼は言葉を見失った。
そして
それを見計ったかのようにーー
「……ありがとね。」
彼女は優しく、微笑んだ。
そんな彼女の一言に、ハルキは何も言えずーー
ーーただ固まった。
彼女のその言葉は、穏やかで優しさがこもる反面、まるで変えられない運命を突きつけるかのような、有無を言わせぬ響きがあったのだ。
「待てよ……」
しかし、それでもハルキは呼び止める。
なぜなら、彼は肝心な事を聞きそびれていたからだ。
彼女は握りっぱなしだったハルキの手をギュッとさらに握り締める。
「俺、そういえばアンタのなまーー!」
そこで途切れた。
「……んッ!?」
言いかけた言葉を、彼女が遮ったのだ。
彼のその口を塞ぐ事で。
柔らかく、熱いーー
ーー彼女の唇で。
「ーーーーッ。」
ハルキの頭の中は真っ白になりーー
二人のもとに、長い、長い静寂が訪れる。
それは、さっき彼女としたような、身体中から欲情が迸るようなディープキスではない。
ただ唇と唇をくっつけただけの、たったそれだけのキスでありーー
しかしそれは彼の心身全てに安らぎを与えるような、そんなプラトニックな愛だった。
やがて
ハルキの手を握り締めていた彼女の手がーー
ーー力無く開いた。
気付けばキスというよりかはーー
ーー彼女は唇を、ただハルキの口の上に置いているだけになっており……
「…………?」
彼はもしや?といった様子で、握っていた彼女の手を離す。
ずっと特殊素材の黒手袋と密着していた彼の掌と指の付け根はすっかり熱を帯びていた。
蒸し暑いこの空間にも関わらず、彼女の手から解放された途端、爽快な涼しさを感じられた。
恐る恐るーー
彼女の顔に手を近づける……
ハルキはまだ信じられないーー
その事実を。
だって、いまだ触れあっている彼女の唇にはまだ熱がうっすらと感じられるから。
しかし
彼女の口から優しく吹き込まれていたあの熱い吐息は、今はすでに止んでいる。
その事がーー
彼女が力尽きたという可能性に、現実味を帯びさせていった。
ハルキは彼女の頬に、指先を近づける。
彼女の皮膚を覆う蒸気は、まるで実体を持っているかのように彼の指先を包み込んだ。
それでもその先に指を進めるとーー
ぬちゃり
と艶かしい彼女の肌に、触れた。
彼女の頬は、蒸し暑い汗に浸され、触れた彼のその指先をそぼ濡らす。
「おい……っ」
そこでハルキは一気に掌を、彼女の頬にあてがった。
べちゃり
と生々しい感触。
しかしそんな事など、今の彼にとってはどうでもいい。
「おいッ……返事をしろ!」
彼女の顔を持ち上げ、ゆさゆさと揺らすも……
…………。
しかし、何も返事はなく……
そこにあるのは、彼女の相変わらず美しい、安らかに眠る顔。
「う、嘘だろ……?」
ハルキが上擦った声で呟いた。
お互いの初めてを捧げあった相手。
「俺……よく考えたらアンタの名前すらまだ知らなかったのに……」
そんな相手の名前すら、彼は聞きそびれてしまったのだ。
たった今、彼の中でかけがえのない大切な存在となった彼女はーー
たった今、他の少女達と同様、名前も知らないスク水戦闘員の死体へと変わり果てたのだった……
彼の心はやるせない悔しさで満たされた。
そしてその後に彼の心に訪れたのはーー
魂が抜けていくような悲しいまでの喪失感。
そして、彼女を失ったその事実が、ハルキの脳を否が応でも理解させたその瞬間ーー
この灼熱の空間が、何の感情も持たない単純な地獄と化した。
ーー暑い
ーー蒸し暑い
ーー暑苦しい
ポカリと開いた心に残されたのは、単純な物理的苦しみ。
「はぁ……はぁ…………はぁ………………」
彼女は蜃気楼だったのかーー
この蒸し暑い空間の中に、今はハルキだけがポツンと一人取り残されており、そんなドライで冷たい現実は、彼の呼吸を次第に弱めていった。
ーー苦しい
ーー苦しい
ーー苦しい
そこに残った苦しみだけが、追い討ちをかけるように、一気に彼に押し寄せた。
「はぁ…………………はぁ………………………
は………………………は………」
やがて
徐々に虫の息になっていくハルキ。
そんな彼の瞳は徐々に虚になっていくとーー
彼女の頭を優しく抱きかかえながら……
「……………………。」
静かに意識を手放した。
2020-04-30 16:26:29 +0000 UTC
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「んっ……んんっ」
彼の耳元をーー
鈴の音のような、小さく、透き通った喘ぎ声が撫でる。
彼女の秘部が、メリメリとハルキのモノを呑み込んでいくとともに、彼女の声もだんだんと苦しみを帯びていく。
「んっ……あっ……いっ」
ーー痛い
彼女は明らかにそう言おうとしていた。
しかし必死で我慢しているのか、彼女はなぜかその言葉だけは口にしまいとしているようだった。
ハルキの頭の横では、彼の左手と彼女の右手が、まるで恋人のように指を絡ませている。
彼女の右手を覆う特殊素材の黒手袋は、すっかり熱を帯びており、それでいて独特な質感がハルキの左手を包んでいる。
彼はそんな彼女の小さな手に、弱々しいながらも、彼女なりに力が篭っていくのを感じた。
「……痛い?」
思わずハルキは心配になり、彼女にそう問いかける。
しかし彼女は苦痛を隠すように、フッと笑うと、強がるような口調で言った。
「バカ……。
一個下の子供に心配されちゃあ世話ないわよ。」
「一個下だったらそんなに歳変わんねえだろ」
たった一歳年上というだけで威張って見せる彼女に対し、ハルキは言いようもない愛おしさを隠しながら、苦笑する。
その言葉に対し、彼女からの返答は何も無いーーが、わずかにだが笑ったような気がした。
そして一拍の間を置き、彼女が再びほんの小さく息を吸い込むとーー
「じゃ……行くわよ。」
また、覚悟を決めたかのように真剣な口調でそう囁いた。
「ウッ……クッ……!」
押し殺すような声が漏れ出すにつれて、徐々にハルキのモノが深く深くへめり込んでいく。
ハルキはまた、自分の手を握る彼女の黒グローブに包まれた手が、ギチギチと音を立てて強まっていくのを感じた。
やがてーー
自らの亀頭が、壁のような部分にわずかに触れる。
ハルキがそのような感触を抱くと、次に感じたのは……
ーー暖かい。
そんな感想だった。
彼女も彼女で何かを感じているのだろうか。
「これが……男の人の、オチンポ?かぁ……。」
感慨深げにそう言うと、彼女はフフフと嬉しそうに笑った。
本当に、まるで夢が叶った幼い少女のようにーー
ーー嬉しそうだった。
「一緒に、卒業しちゃったね……」
彼女はーー
まるで、子供が友達と一緒に悪戯をした時のように、小さく、弾けるような声で囁いた。
ハルキは、今この時、今目の前にいるこの彼女と、互いの秘密を共有し、互いの身体の一部を共有し、互いの体を密着させ……
そしてーー
互いの手を重ね合わせる。
その相手である彼女が、とても他人とは思えず、とても今日出会った女子とも思えず、とても偶然出会った人とも思えず、とても現在命のやり取りをしている敵とも思えずーー
とても……
あの極悪非道のスク水戦闘員とは思えなかった。
「何で……」
彼は思わず呟いていた。
「何でアンタが敵なんだよ。」
彼のその声には、やるせない悔しさが込められている。
「そうだね。
もっと……違う形で出会ってればよかったね。」
彼女はまるで駄々をこねる子供を慰める様に、しょうがない気持ちを漂わせた声で言った。
しかしーー
「まあ……そんな事ありえないけどね。」
彼女はボソッとーー
さっきとは打って変わって虚しく、悲しい声で付け加える。
「どういう……」
ハルキがその意味を汲み取れず、もう一度聞き直そうとした時ーー
「私ねーー」
突如また、コロっと明るい声で、彼女がハルキの言葉を遮った。
「体力バカだったからさ。身体能力とかにかけては他の仲間よりも自信あったんだけどさーー」
自嘲気味に笑う彼女の言葉を、ハルキはイマイチその意図が分からないまま、ただ聞き入っていた。
「女としての魅力はお世辞にもあるとは言えなかったからさ……
だから今まで男を知らなかったんだ。」
悲しさを、誤魔化すように笑う彼女に、ハルキは思わず否定する。
「そんな事ねえよ。」
「え?」
素で驚いたような、そんな彼女の反応が帰ってきた。
ハルキは彼女の顔を一瞬しか見ていないが、記憶によると、確かに彼女はいわゆる体育会系のような雰囲気で、ボーイッシュなイメージがあった。
さらには他のスク水戦闘員達があり得ないくらい美少女揃いであるため、どうしても彼女の容姿は霞んで見えてしまう。
しかしーー
それはスク水戦闘員と比べるからだ。
彼女の顔立ちも十分に整って見えたし、快活な印象も、引き締まった身体も、一般的な女子で言えば平均よりも上ーーいや、はるかに上の方だ。
だから彼は言った。
「もしアンタが普通の学校にいたら……
アンタも学校中の男子から告白されると思うぜ。」
これは、嘘じゃない。
だって、彼はこの暗闇にも、目が慣れてきたから。
実際、目と鼻の先に、うっすらと見える彼女の顔はとても可愛らしく、そしてハルキが言った言葉に、嬉しさを隠しきれないようだった。
しかし、彼女はハルキにそれを悟られまいとしているのか、嬉しさを押し殺したような声で取り繕う。
「ま、まあ痛みにも慣れてきた事だし、そろそろ動かすわよ。」
おそらくその強がりは、一歳年上のお姉さんとしての威厳なのだろう。
それはそうと、彼はそこである問題を思い出した。
「つーか…この状況で腰動かせんのか?」
彼らは今、山積みになったスク水戦闘員達の下敷きになっている状態であり、全く身動きが取れない状況だ。
さっき挿入した時もだいぶ苦労した。
しかし、当の彼女はなんの問題もないようでーー
「私たち二人で力を合わせれば、全然平気だよ。」
と、明るい声でそう言い飛ばしたのだった。
そしてーー
彼らは試行錯誤しながら、お互い腰を振り合う。
状況も状況で、しかも、二人とも初めての経験だ。
彼らの動きは緩慢とした、ゆっくりなものでーー
こんな拙い動きでは、普通はイクどころか、感じることすらできないだろう。
しかし彼らの口からは激しい喘ぎ声が吐き出されていた。
「あ、いや……き、気持ちいいっ……」
「ん……クッ、俺も……
俺も……気持ちいい。」
かかる彼女の吐息は熱く。伝わる彼女の体温は熱く。
彼女が汗でベチャベチャの身体から噴き出すフェロモンは、ハルキの鼻腔を突く。
ただでさえ熱を帯びた彼の身体は、身体の芯から、まるで上書きするようにさらに高い温度で身体の外まで広がっていく。
股間はもちろんの事ーー
ハルキの体内は高熱に支配され、それは頭の中まで溶かしてしまいそうだ。
快感、興奮、悦び
と同時に押し寄せるーー
苦痛、疲労、辛さ
そしてそれは彼女も同じだろう。
さっきから溢れ出る彼女の喘ぎは、必ずしも快楽だけが込められたものではなかった。
「クッ……私……辛いけど、頑張るねっ……」
彼女は苦しみに喘ぐも、何とか気丈に振る舞おうとする。
「ハァ……やべえ、もうダメだ。
でもッ……お前となら、まだッ……」
ハルキはつい弱音を吐いてしまいそうになるが、それでもかつて見せた事の無いほどの根性でそれを乗り越えようとする。
なぜ自分がこれほど頑張れるのか、彼にも理由は分からない。
彼の言葉に、彼女は相変わらず苦しみに悶えながらも、明るく笑って見せた。
「ハァ……んっ……ハハッ……
そういえば、訓っ練でも、こんな……辛い事、やった事ない。
でもーー」
彼女は言う。
「キミと一緒なら、どんな事でも、ヘーキ……。」
その一言にーー
ーーハルキの股間はますます熱くなった。
「一緒に……一緒にイこう!
俺たち二人……同時にイクんだ!」
いや、ハルキの股間が熱いのか。
それとも彼女の股間が熱いのか。
「もっとッ……もっと速く、するわよっ……
付いてっ、来れるっ……?」
「どこまでもっ……付いていくっ……よッ!」
ハルキにとって、今握っている彼女の小さな右手すらも愛おしい。
「これがッ……私の、最期のっ、チカラ!」
二人はますます激しく求め合う。
「俺たちッ……相性……バッチリ、じゃね?」
「そうだねッ…….私たちならっ……ウクッ……どんな事でも、出来そう!」
ハルキの手を握る彼女の右手に、力が入る。
「ねえっ……はんッ……私、聞いた事っ……あるんだっ」
今度は彼女の方から、唐突に言い出した。
「好きなっ……人と、する……エッチはッ……すごいッ……気持ち、いいって……」
「それって……どういうっ……んっ、意味、だ……?」
「だからっ……キミのことっ……ヤンッ……だ、大好き……だよッ」
今度は、彼女の手を握るハルキの左手に、力が入った。
「な、何でっ……俺のこと……」
ハルキは股間が膨れ上がるような感覚を覚える。
そろそろ、か。
「だってっ……ウッ、人生でっ、初めて……わ、私の事……可愛いって、言ってくれたっ……アッ……人、だもんッ」
彼女の弾けるようなその声は、おそらく快楽によるものだけではないだろう。
「俺……そろそろ……イク!
可愛いッ!今のお前、最ッ高に……可愛いよッ!」
ハルキにとって、今の彼女は世界中の誰よりも愛おしく思え、その想いは口からだけでなく、股間からも溢れ出さんとしている。
「嬉しいッ!私もッ……イクよ!
一緒にッ……いこう!」
そんなハルキに応えるように、彼女もまた、スク水戦闘員である前に、一人の女として受け止めようと覚悟を決めた。
そしてーー
「ハァ……ハァ……ヤバイッ……イキそう!」
「ハァ……ハァ……私もッ……イク!」
「ああッ!可愛い!すっげえ可愛いよ!」
「私ッ……んっ……キミの事、好き!」
「俺もッ……ううっ……お前の事が好きだ!超好きだ!」
「愛してる!アンッ……!キミの事!大好き……!」
二人はまるで打ち合わせたかのようにーー
「大好きだーッ!」
互いの声が合わさると……
ありったけのハルキの想いが、彼女の膣内に注ぎ込まれた。
ハルキの全身に力が込められる。
「ウッ……ううっ……ぐぁっ!」
股間ではドクドクと何かを、彼女の体内を支配せんとばかりに放出していた。
絶頂
今までに味わった事の無い最高の快楽は、もはや苦しみに喘ぐ声となって彼の口から吐き出された。
それは彼女も同じだ。
「クッ……ああっ……アウッ……」
彼女の吐き出す嬌声は、スク水戦闘員が倒される際に出る悲鳴を思わせた。
射精の勢いが収まるにつれてーー
ハルキの股間と、頭の中は、次第に落ち着きを取り戻していく。
そんな中ーー
ハルキは、何とも不思議に思っていた。
もたらされたエクスタシーによって溢れ出る声は、悦びの声であるはず。
なのに、何故かそれは、人が苦しみ悶える時の声にもよく似ているように思えたのだ。
先程まで散々彼が聞いていたスク水戦闘員達の悲鳴、断末魔。
腕に唸りをつけて殴り飛ばした時の、スク水戦闘員の悲鳴。
顔を蹴り上げ、首があらぬ方向に曲がった時の、スク水戦闘員の断末魔。
身体を抱え上げ、軽々と投げ飛ばした時の、スク水戦闘員の悲鳴。
体重の全てを脚力に乗せ、薄い板のような腹を、貫くように蹴り抜いた時の、スク水戦闘員の断末魔。
スク水戦闘員、いや、女があげる嬌声というものは、苦しみ悶える際にあげる悲鳴や断末魔にひどく酷似している。
ハルキは、次第に冷えていく頭の中でーー
そんな事を考えていたのだった。
2020-04-30 16:24:41 +0000 UTC
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「……う、うぅ…。
もう…ダメ…。」
「ハァ…ハァ…あつい…苦しい…。
皆…ごめん……。」
もう何分くらい経ったろうか…
ハルキからすれば何時間もこの状態が続いていたように思える。
しかし実際には十五分も経っていないのだが、この地獄のような暑苦しさは永遠の業火にすら思えてくる。
最初は気丈な感じだったスク水戦闘員達の声も、その内容は次第に苦しみを訴えるものばかりとなり、そしてやがては徐々にこの暗闇の中は静かなものとなっていった。
しかしーーー
「おい、まだ口が聞けるか?」
彼の真上に乗っかっている少女だけはまだ生きている。
「ハァ…ハァ…ええ…。
何とか…。」
彼女の返事が返ってくるものの、その声はすでに虚な感じだ。
「あんた…他の連中とは違ってなかなかしぶといんだな。」
ハルキとこの少女は一番下で下敷きになっているわけであり、本来ならこの少女から力尽きてもおかしく無いくらいだ。
すると彼女はそんなハルキに対しーーー
「まあ…体力にはそれなりに自信があるからね。」
微かに微笑ったような気がした。
しかし。
「でもーーー」
と、彼女の声はすぐに苦しそうなものとなり…
「私ももう…ダメ…みたい…」
途端にその呼吸が弱々しいものとなった。
「おい…。しっかりしろよ。」
敵であるこの少女に対し、このような声をかけるなどはおかしい話ではあったが、それでも彼は彼女のことを心配せずにはいられなかった。
「君…どういうつもりよ?」
彼女は弱々しいながらも、呆れたような反応をして見せる。
敵である自分を心配している事についてを言っているのであろう。
しかしそんな彼女に対し、ハルキは全く大真面目な声音でこう言った。
「だって…こんな可愛い子に目の前で死なれたら、嫌だろう。」
ピク…
と、彼女の身体がわずかに反応したような気がする。
ハルキは言った瞬間、自分がとんでもなく訳の分からない事を言っている事に気がついた。
さっきまで散々、その『可愛い子』を蹴ったり殴ったり投げたり殺したりしていたくせに、自分は何故急にそんな事を言い出したのか?
全くもって分からない。
道理がなってない。
しかしーーー
ハルキの心の中には、確かにその感情はあった。
恐らくあまりの暑さに思考がぼんやりとしているせいもあるだろう。
しかし、今目の前にいる少女とは身体を密着させ合い、そして言葉を交わし、さらには今から苦しみながら力尽きようとしている。
要するにーーー
なんだか可哀想に思えてきたのだ。
しかし今の彼にはそこまでの頭は回らない。
ただボーッと自分自身の発言に不自然さを感じていると…
「ねえーーー」
彼女が唐突にーーー
「エッチしよ。」
そんな、訳の分からない事を言ってきた。
「………へ?」
ハルキがただただ唖然としていると、彼女は左の手でハルキの下半身を弄り出したのだ。
「え…いやいやいや!
おかしいでしょ!なんで!?どういう事!?」
ハルキは驚愕のあまり、思わずそんな声が出てしまうが、彼女はそれをやめようとはしない。
「うるさいな…。
良いから大人しくして。」
「き、急にどうしたんだよ…」
問答無用ーーーと言った様子の彼女に、ハルキが訳を尋ねる。
「何よ。あなただってさっきから私達にイヤらしい事してきたじゃない。」
「確かに…そうだけど。」
彼女はハルキのズボンのチャックを開け、その中に手を突っ込みながらそう言い放った。
しかしただでさえ二人とも暑苦しい中で悶えている状態である。
さらにはハルキと比べて、彼女は明らかに体力の消耗が激しい。
もしそんな中でセックスをしたとすれば、どう考えても彼女の方が先に力尽きてしまうだろう。
「おい…お前…本当に大丈夫なのか?」
ハルキはついついそんな心配をしてしまう。
が、彼女はそんなハルキに対し、クスッと笑い声を上げると…
「私もそろそろダメみたいだし、最期に一回くらいはーーー
ーーーこういう事してみたい。」
そんなーーー
悲壮な彼女の言葉に、ハルキは何だかとても悲しくなった。
そして…
そうこうしているうちに、彼女はハルキのイチモツを引っ張り出してきた。
「すっごい…なんでこんなにビンビンなのよ?」
彼女の呆れたような笑い声に、ハルキはついつい恥ずかしくなってしまう。
なぜならさっきから、この目の前の女の子とずっと体を密着させている状態だ。
健全な男子であればこうなるのも当然のことだろう。
「う、うるせえな…。
年頃の男子はこういうもんなんだよ。」
そんな二人のやりとりは、とても今戦闘中とは思えないもので、彼はどうしても目の前のこの少女が、敵として見れなかったのだった。
「ねえ…あんたって。
初めて?」
そんな彼女の真剣な声に、ハルキは言いにくい事なのか、小さな声で呟く。
「初めて…だよ。」
その返事に、彼女は少し嬉しそうな声音でまたクスッと微笑った。
「なんだよ…16で童貞は恥ずかしいかよ!」
そんな彼の恨み言に、彼女は優しい声で囁きかける。
「大丈夫だよ…私も、初めてだから。」
そんな彼女の声の後、一口息を吸い込む音が聞こえた。
そして
ハルキの口が、何かによって塞がれたーー
それは、熱を帯びた、弾力のある何かで。
「〜〜〜ッ!?」
突然のことに、彼はつい面食らってしまう。
そして今度は彼のその口にーーー
さらに柔らかい物が捻じ込まれてきた。
ハルキはサヤとのディープキスを思い出した。
その柔らかい物は、まるで意思を持っているかの如く、彼の口内を掻き回す。
サヤとキスを交わしたときのように、二人の舌が絡み合う。
彼はなんだか舌がくすぐられるような気分を感じる。
彼の口内にねじ込まれる熱を帯びた舌。
それと同時に、口内には熱い吐息まで吹き込んできた。
そしてやがて、ハルキは自分の口から彼女の唇と舌が離れていく感覚を覚えるとーー
「……んはっ」
やっと息を吸い込むことができた。
やっと息苦しさから解放されたのだ。
しかしーー
それにも関わらず……
その事を何故か名残惜しく感じてしまう。
彼にとって不思議な感覚だった。
そして再びーー
また耳元で彼女の囁く声が聞こえてくる。
「じゃ、入れるわね。」
ここからは、いよいよ初めての体験だ。
トクンーー
とハルキの心臓が昂った。
彼女の黒グローブに包まれた手は、ハルキの陰茎を掴み、ある部分へと導こうとする。
「ん……んっ……」
彼女は一生懸命試行錯誤しているようだが、体制の問題もあってか、なかなか上手くいかない。
そんな中、彼の陰茎は黒手袋の艶かしい感触に、ますますその身を固くしていったのだった。
そしてーー
「やっと……準備、できた。」
たどたどしくも、彼女は頑張って陰茎を操縦した結果、何とか彼のモノはお目当ての部分にこぎつける事ができた。
「……いくよ」
彼女の合図と共に、陰茎の先っぽが、その部分にあてがわれる。
ーー柔らかい。
陰茎の先っぽが、ふとそう感じた直後。
ヌルッ
と、それが彼のモノを呑み込んでいった。
2020-04-30 16:22:19 +0000 UTC
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「ハッ…アッ…ハウッ…」
生まれたての小鹿のように、足腰をガクガクと震わせながら、スローモーションのようにくずおれていくサヤ。
その際、彼女が両手で押さえ込んだ股間からは愛液が溢れ出ており、押さえた両手では塞ぎきれずに地面を濡らして行った。
内股に閉じた弱々しい膝はガクッと地につき、最後に儚げな恍惚の表情を残して地に伏した。
サヤはまるで芋虫のように、お尻をプクッと上に突き出した状態ーーー
その姿はちょうど、セックスなどで見られる女のバックの体位に似ている。
向こう側で遠巻きに身構えていた生き残りのスク水戦闘員達は、サヤのそんなカッコ悪い倒れ姿を見て、より一層顔を険しくさせた。
「クッ……貴様ッ!」
「よくも隊長を!」
彼女達は各自、怒りをあらわに怒号をハルキに浴びせかけた。
が、華奢な美少女達がそのように声を張り上げるも、声が可愛いせいか、ハルキは少しも恐怖を感じない。
むしろ、隊長がやられたにも関わらず敵の士気が上がったのを見て少し苛立ちを感じているくらいだ。
「おいー。
もう隊長がいろんな意味でイッちまったんだしさぁ…。
お前らもここいらで手ェ引きゃ良いんじゃねーの?」
ハルキは、天に突き上げたサヤの小さなお尻にドカッと片足を乗っけた。
そしてそのまま乗っけた足で、彼女のお尻をグゥラグゥラと前後に揺らすーーー
するとそれにともない、サヤの身体全体もユッサユッサと揺れ動いた。
サヤの顔面は地面に突っ伏しており、長く綺麗な黒髪も今はグシャグシャに乱れ切って、まるで押し付けた毛筆のようにまとまりなく散乱している。
彼女はハルキに好き放題に足を乗っけられ、さらにその足でお尻を前後に揺さぶられてもピクリとも動かなかった。
なので、皆てっきり彼女が悶絶しているものだと思っていたが……
ハルキが相も変わらずサヤのお尻を足蹴にしていると、彼女の頭の横に置かれた両の手が、まるで地面のコンクリートを鷲掴みにするかのように、さも悔しそうに握られていったのだ。
したがって彼女は気を失ったわけではなかったが、未だ動かないという事は、恐らく力尽きたせいで動けないのか、はたまた恥ずかしくて顔を上げられず、このまま死んだフリを続けておこうと思ったのか…
散乱した髪の毛のせいで彼女の顔は隠れており、どんな表情をしてるのかは分からない。
(ま、もしかしたら俺に不意打ちかます隙を窺ってるのかもな…)
ハルキはチラッとその瞬間を見たが、別に警戒すべき事では無いと判断し、すぐに顔を上げて前を見た。
しかしーーー
(見たところ…引く気はねぇってところか?)
ハルキは心底憂鬱な気分になった。
いくら正当防衛とは言え、自分と同い年くらいの、しかも飛びっきりの美少女を殴らなければならないわけである。
それにいくら一人一人は弱くとも、数が多いため油断は出来ない。
なので、相手を生かしたまま打ち倒せる保証も無い。
今時点でも、ほとんどは殺さずに気絶させたとは言え、恐らく数人は絶命させてしまっている。
なので向こうから引いてくれるのが一番良いのだ。
しかしハルキは思う。
(優先すべきは敵の命か?)
いや違うーーー
彼にはもっと優先すべき命がある。
(紗羅…。あいつ、無事なんだろうな?)
彼女の下に一刻も早く駆けつけなければならない。
正直戦闘に夢中になってたせいか、どのくらいの時間が経ってるかわからなくなったのだ。
しかし、やけに戻ってくるのが遅くないか?とハルキは思う。
今目の前にいる少女達は普通の少女ではない。
その証拠に、スクール水着に黒グローブ、黒のブーツというふざけた格好でハルキに襲いかかっている。
彼女達は、訓練されたれっきとした戦闘員達なのだ。
紗羅の方にも手を回さないとも限らない。
そう考えるとやはりーーー
(なるほど…やはりこいつらをぶっ殺してでもここを切り抜けなきゃダメか。)
するとちょうどその時ーーー
「皆!ヤツの周りを囲むのよ!」
誰かが号令を掛けた。
「皆!気を付けて!」
「敵は一人よ!皆で一斉に掛かればいけるわ!」
彼女達はテキパキとした動きでハルキの周りを取り囲んだ。
残りは十人ちょっとだ……
少女達は皆健気に声を掛け合い、奮い立たせ合っている。
ハルキは彼女達のそんな様子が、どこか試合中の女子運動部の様な感じに見えた。
ハルキはサヤのお尻から足をどけると、前に一歩踏み出す。
そしてーーー
「じゃあ、もう容赦はしねえからなーーー」
ドスの効いた声で低く呟くと、
先手必勝とばかりにーーー真正面に構えるスク水少女に突っ走って行った。
「………ッ!?」
ボブヘアーの少女は突如迫ってきたハルキに驚き、何も出来ず、
ただハルキがフルスイングした強烈な右パンチに、その整った顔を吹き飛ばされた。
しかし彼はなおも止まらない。
その勢いそのままに、倒れたその少女の上に馬乗りにーーー
意識朦朧としているその顔にマウントパンチの嵐を見舞ったのだ。
漫画・アニメなどでは決して鳴らない、ベチッバチッというリアルで人の顔を殴った時特有の生々しい音が地下駐車場の中に響き、とてつもない回転力で彼女の顔にパンチが振り下ろされていく。
最初は彼女も、意識朦朧としながらも黒グローブに包まれた両手を本能的に顔の前で突き出し、ハルキのパンチを防ぐ努力はしていたが、途中からはその両腕はダランと脱力したように顔の上に落ちた。
ハルキが構わず殴り続けると、その両腕は自然と勝手に顔の上からどけられ、そして力なく地面にずり落ちて行った。
そうして露わになった彼女のまるでうっとりとしたような、意識の飛んだ顔面を、ハルキはひたすら殴り続けた。
その間ハルキは、周りのスク水戦闘員達からずっと攻撃を受け続けていた。
しかし彼は全く怯む事なく、ただ一人の少女をひたすら殴り続けたのである。
もう彼女はピクリとも動かないのに。
「クッ!コイツ…止まらないわ!」
「ハアッ!ヤアッ!」
周りを取り囲む戦闘員達が、一生懸命ハルキに攻撃を仕掛けていた。
そんな中ーーー
「食らえッーーーセイッ!」
誰かがミドルキックを放った。
そのミドルキックの軌道には、ちょうど馬乗りになっているハルキの顔面がありーーー
ハルキは鼻っ面から蹴り飛ばされた。
いくら破壊力のないスク水少女の攻撃と言っても、さすがにこれにはハルキも真後ろにのけ反り倒された。
「今よ!全員でヤツを取り押さえろ!」
周りに控える少女達全員が、「ワアーー」とハルキに襲いかかる。
(まずい…)
その中でもハルキの真ん前にいた快活そうなショートヘアの少女が、我先にとハルキに突っ込んでいく。
そしてーーー
「やーーー!」
半ばヤケクソのような、歪ませた顔をそのままに、その身軽な身体がピョンと高く跳ねるとーーー
「え…ちょ、待て!」
そのままハルキの体の上に飛び込んだ。
「フグッ!?」
ハルキは思わず変な声が出た。
いくら彼女の体重が軽いとはいえ、一人の人間に勢いよく身体ごとのし掛かられるのは、さすがにすごい衝撃だ。
「……ッ痛。」
彼女は自分自身も受けた痛みに対し、少し眉をしかめたが、すぐに表情を戻して顔を上げるとハルキと間近に顔が合った。
今ハルキと彼女はお互い向かい合った状態で、ぴったりと真っ直ぐ身体を重ねた状態だ。
二人とも気づかぬうちにハルキの顔の横で、彼の左手と彼女の右手がまるで恋人繋ぎのように互いの指を絡ませている。
するとーーー
彼女はニッとハルキに笑いかけた。
まるでーーー
捕まえた。
と言わんばかりに。
途端ーーー
「ッ!?」
他のスク水少女がその上から覆いかぶさって来たので、彼女の顔とハルキの顔がゴツンとぶつかった。
そしてハルキの上には残りスク水少女達が続々と覆いかぶさっていき、彼は真っ暗な暗闇に閉じ込められたのである。
側から見るとそれはまるでスク水少女達が山積みになっている光景で、ひどく滑稽な様子に見えた。
こんな屋外でスクール水着を着た変わった格好の少女達が、何やら声を張り上げ、悲鳴を上げ、大勢で折り重なっているのである。
万が一第三者がこの絵面を見たら、思わず「何あれ?」と口走りそうなものだ。
しかしそれはそれとしてーーー
(……苦しい。)
華奢な少女とはいえ、十人もの人間に押さえ込まれれば流石に重いし、暑い。
まるで布団蒸しだ。
しかし、苦しいのは彼だけじゃなかった。
「……んっ。……いやッ。」
「アッ……ウッ……く、苦しい。」
暗闇の中、幾多もの少女達の苦しそうな吐息とくぐもった呻き声がその閉ざされた空間の中に籠もった。
ハルキの目の前の少女、一番最初に覆い被さった彼女も言葉には出さねど、苦しそうに吐息を荒くしている。
「ハァ……ハァ……んっ。」
彼女の艶かしい声がハルキの耳をくすぐった。
彼女ら息を吐くたび、それは熱を帯び、ハルキの肌にふわりと掛かり、彼の体を火照らせていく。
視界を失っている分、ハルキの聴覚と触覚は研ぎ澄まされ、彼女達の声と吐息がより際立って官能的に感じた。
だんだんと彼女達の体温と熱い吐息で蒸し暑さを感じるも、何故か不快感は一切感じず、むしろ熱くなっていく股間になんとも言えない快楽を感じた。
しかしーーー
大勢のスク水戦闘員に押さえ込まれ、身動き一つ取れないまま、ハルキは考える。
これは彼女達なりの捨て身の戦法だ。
自分達をも苦しめる代わりに相手を圧死させようということだろう。
それに……
彼女達が着ているのはスク水一枚。いくら汗でびしょびしょになったとしても水着である以上、彼女達にとっては全く問題はないだろう。
しかし今のハルキは制服姿なのだ。
服が肌に張り付いて気持ち悪いし、何より暑い。
このままでは脱水症状になってしまうだろう。
「………?」
ハルキの右腕も当然ぴくりとも動かない。
しかし右掌には何かブヨブヨした奇妙な触感を感じた。
ーーーこの感触は、憶えている。
サヤを愛撫した時と同じ感触。
誰のものかわからないーーー
女の子の、股間だ。
彼は試しにその右手の五本の指を動かし始めた。
右腕は動かなくても指なら動く。
ピクッーーー
その股間周りがわずかに弾けた。
気持ち良いのだろうかーーー?
彼女の顔も声も分からないーーーいや、そもそも誰のマンコかも分からないので、彼女の反応なんて見当もつかない。
しかし、最初に腰が動いたのは確かだ。
ハルキはそれを信じて指を動かし続けた。
そしてその後もーーー
ハルキがスク水戦闘員の股間と思われる部分を弄っているとーーー
「………んっ」
やっと声が聞こえた。
右手とは全く違う方向から。
ハルキはひどく面白く思えた。
なぜなら最初は右手で触る股間しか分からなかったが、そのまま指を動かし弄ると、別方向から声が聞こえてきたのだ。
小さい頃、学校の電気のスイッチを弄り、どこの電気がつくかで遊んだ時のことを思い出した。
彼はさらにスク水の股下をずらし、彼女の秘部を探った。
スク水の股下がびしょ濡れなのは、汗をかいたからなのか、はたまた別の理由でかは分からない。
(何か思ってたんと違うな…)
意外と柔らかいブヨブヨとした感触。
そして撫でるとざらつく…これは毛か。
(確か女の子の穴はここに…
……あれ?)
無い。見つからない。
彼は焦った。
そして頭の中のイメージをフル回転させ、指の触覚だけを頼りにマンコを弄っているとーーー
チュプーーー
と音がしそうなほどに濡れそぼったその小さな口に指先がハマった。
(あった!見つけた!)
彼は思わずテンションが上がり、そのまま中指をその穴に入れていく。
ズブズブ…と今まで体験したことのない初めての感触を味わいながら、指を中に進めていくとーーー
ビクッーーー
また彼女の腰が痙攣した。
(何か……ざらざらしてる。)
ハルキはなにが何だか分からない。文字通り手探りの状態だ。
その為彼女のわずかな反応を見逃さず、彼女が痙攣した時に触れてたスポットを再度指でなぞった。
ピクッーーーピクッーーー
とゆっくりとしたペースでだが、何度も何度も身体を震わす。
そしてついにはーーー
「………ん"っ」
どこからか、やっと声が聞こえてきた。
なにも見えないから分からないが、おそらく必死で我慢をしているのだろう。
「……んっ………んっ………んっ
………んあッ!」
だんだんとその喘ぎ声ははっきりとしたものになってくる。
ハルキの右手の指先からは、クチュクチュとした感覚が伝わってきてるので、顔も知らないその女の子が感じていることだけは確かだ。
「………アッ………嫌ッ……
うッ………」
そしてとうとう彼女の声が大胆に色を帯びてきた時ーーー
「大丈夫ーーー!?」
違う所から別の声が響いた。
「ハァ……ハァ……しっかりして!
……気を確かに持って!」
皆その声に気付いているのだろう。
しかし……
「皆……ハァ…つ、辛いけど頑張ろう!」
「ヤツはッ……もう少しでッ……力尽きるはずよ!」
「ハァ…毎日辛い訓練に…ハァ…耐えてきたのよ!
フゥッ……わ、私たちの訓練の成果、……み……見せてやろうよ!」
多分その少女が何をされているのかまでは分かっていないみたいだ。
ただ普通に誰かが苦しんでいると思い、またさっきみたいに女子運動部のような『声掛け』が始まったのだろう。
「訓練の成果見せてやろうよって………
どんな成果だよ。」
ハルキは女子運動部の試合中によく聞く、『練習の成果出そう』みたいなセリフと今のこのスク水を着た奇妙な格好の少女達が山積みに折り重なった様子を重ね合わせると、ひどく滑稽に思えて、つい言葉にして口に出してしまった。
するとーーー
「私達を馬鹿にしないでーーー」
一番最初にハルキにのし掛かった少女がそう答えた。
ハルキはつい口にした言葉を聞かれてしまったことに、しまったーーと思うが時すでに遅し。
彼女は辛そうな吐息混じりだが、毅然とした声でハルキに反論した。
「私達は貴方を葬る為なら自らの命をも厭わない。
これが壮絶な訓練を耐え抜き、仲間を犠牲にした私達の覚悟よ!」
彼女の声には怒気が篭っていた。
(いや、そんなこと言われても…
俺今日突然襲い掛かられただけじゃん。)
ハルキは彼女のそんな言葉に対し、不満を抱きながらも右手ではしっかりとクンニを継続させていた。
そうこうしている間にーーー
「あ……いやッ……ダメ…」
クンニをされている少女の声がいよいよと大きくなっていく。
それに対し、周りの戦闘員達も流石に違和感を感じてきた。
「どうッ、したの……?
大丈夫……?」
「ヤツに…何か…されてるのッ…?」
とうとう彼女達は自分達の仲間が何やら性的な攻撃を受けているということに感づいてきた。
さっきのサヤの件もある。
彼女達はハルキの事を、自分達を犯しかねない敵と認識しているのだろう。
周りの少女達がその喘ぎ声に対し声を掛けるが、その本人はただただ喘ぐばかりで答えようとしない。
快楽に耐えるのに必死で仲間達の声が聞こえないのか?
それとも仲間達に今の自分の痴態を知られるのが恥ずかしいのだろうか?
そしてーーー
「あっ…‥.いやッ……
き、気持ち…」
彼女の声が一際大きくなる。
「ダメよ!負けちゃダメ!」
「頑張って!耐えるのよ!」
仲間達は精一杯彼女を励ましている。
しかしーーー
「あ……も、もうッ……もうダメ!
い……イクッ……イクッ!!」
仲間達の気遣いも虚しくーーー
「ハゥーーーーーッ!!」
ハルキの右手に彼女の一際大きな痙攣が伝わってきた。
「ちょっと!大丈夫!?平気!?」
最後に彼女が放った一際大きな断末魔の声に、暗闇のその空間は一瞬静まり返った。
「何があったの!?
返事をして!お願い!
返事をしてーーー!!」
その呼び掛けに、応答した者は居なかったのだった。
2020-04-30 16:20:53 +0000 UTC
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まるで板こんにゃくを倒す様にビタンッと心地よい音を響かせて倒れたリンの向こう側には生き残りのスク水戦闘員達が構えていた。
彼女達は皆一様に焦りの表情を浮かべ、ハルキの様子を伺っている。
「さあて…。どうするよ。
君たちの大将は捕まっちまったぜぇ…。」
ニヤァと下卑た笑みを浮かべ、少女達を見回すハルキ。
「クッ……。お前たち!
私に構わずやれッ!」
しかしそんな状況になっても、サヤはリーダーとしての威厳を保つ為か、毅然とした態度を崩すまいと頑張っている。
「で、ですが隊長!」
しかしスク水少女たちはやはり自分達の隊長を見殺しにすることはできないのか、躊躇い戸惑うばかり。
そこでハルキはもう少し揺さぶりをかけてみる事にした。
「てめぇら…。さっさとこの場から引かねえと…隊長さんにーーー」
ハルキは右手をサヤの左胸に、左手を彼女の股間に手をかけーーー
「イタズラしちゃうぞ。」
強引に揉みしだいた。
「あんッーーー」
彼女は先ほどの凛々しい声音からは打って変わった様に、ついオンナの声を漏らしてしまった。
「キ、キサマッ!」
と吠えるも、スク水戦闘員たちはその顔を険しくさせるばかりで何もしようとしない。
その間にもハルキの両手はサヤの左胸と股間をわしゃわしゃと揉み解していく。
サヤは右手をハルキの右腕に掛け、左手で彼の左手を覆い、ほぼ無意味な抵抗を見せておりーーー
その綺麗な太腿を内股にキュッと締め、股間を引っ込めて身体をくの字に折っていた。
しかし抵抗が無意味でも、せめて誇り高き「戦う戦闘員」として、オンナの顔をしてしまったりだけはしないよう、必死で口を真一文字に結び、声を押し殺した。
「ッ…ッ…ッン…ッン…ッン!…ん!」
しかしギュッと固く瞑った目とシワの寄った眉間は彼女の余裕の無さを物語っている。
そして
わずかに濡らす汗により、光沢の出来た顔で作るその表情は、かなり官能的でありーーー
顔を蒸気させながら苦悶の色を浮かべ、必死に頑張って我慢をしている表情が、
それこそが逆にオンナの顔になっている事に彼女は気付いていない。
ただそれでも彼女は意地を張って健気に頑張っていた。
憎き敵の手で、よもや気持ちよくさせられているなんて事など、決してあってはならぬことなのだ。
「ッ…ッ…ッ…ッン…ッン
ッン…ッン…ッン…ッン!」
彼女はさっきまでハルキの右腕にかけていた手で、今度は自分の口を塞いだ。
「アッ…ヴッ…ヴッ…アッ…
………ァンッ!」
彼女は口を塞ぎながら、もはや泣きそうな顔をしており、
情けない顔を見せない為に、感じている表情を見せまいと努力をしていたはずが、これでは本末転倒になっている。
やがて彼女は口を塞いでいた手をまたハルキの右腕に戻す。
すると彼女の顔はもはや汗に塗れてグチョクチョになっており、それはもうなんとも酷いものだった。
部下たちに向けるその顔は、仮にも数十人の戦闘員たちを率いる隊長がする様な顔ではなくーーー
完全に男になすがままにヤラレているひ弱な女の子の顔だった。
彼女は身体をくの字に折っているも、依然顔は上げた状態だった。
別に意識して前を向いているわけではなく、今現在自分が受けている蹂躙に耐えるとなると、勝手にそういった体勢になるのだろう。
しかし偶然にもーーー
その体勢はまさに、
自分の部下たちに、自らの情けない表情を見せつける形となっていた。
ハルキの左手中指がサヤの股間の筋をなぞっていくと、
サヤは眉間にシワを寄せて口を固く結びーーー
ハルキの中指はそこにあったプクッと膨らむ豆粒にたどり着き、
サヤの表情筋から力が抜けーーー
ハルキの中指はスク水越しのクリトリスを擦った。
サヤは感じた表情を見せた。
ハルキは尚もスク水越しに浮き出る彼女の小さな乳首を、つまみ、転がしーーー
ハルキは尚もスク水越しに浮き出る彼女のクリトリスを、ハジキ、転がしーーー
「ッん……!……うッ。……クッ。……アンッ!」
彼女の見せる表情は、それは多彩なものだった。
彼女は顔を歪め、歯を食いしばり、と思えば口をギュッと結んで目を瞑り眉間にシワを寄せ、首を左右に振り乱しーーー
ハルキはあの時ーーー先程サヤを正面から拘束した時、何故ムラムラしたのか、その理由が分かった気がした。
あの時は何も性的な事などしていなかったはずだったが、あの時に彼女が見せた表情、漏れる声は、今の彼女のものと全く一緒だったのだ。
ついさっきまで涼しい顔で余裕の態度を取っていた彼女。
もしも二人がプライベートで、赤の他人として出会ったとすれば、恐らく彼女はハルキの事など相手にもしないだろう。
まるで夜空に輝く美しい月と、地面でくすむ醜いすっぽん。
それなのに今はどうだろうかーーー?
先程ハルキに身体を拘束された際は、それを引き剥がそうと必死になり。
しかし彼女の細い腕が有する力では彼の身体はピクリとも動かず。
腕に溜まっていく乳酸とは逆に、腕から抜けていく力。
必死の形相をしてみたりーーー
苦悶の色を見せてみたりーーー
やがて力を使い果たし、
眠り姫みたいな儚げな顔を見せてみたりーーー
恐らく彼女は今までの人生で、こんなあられも無い姿を人に見せた事などないだろう。
ハルキだけに見せる、彼女のいろんな表情。
これが欲情せずにいられようかーーー?
彼は彼女を独占した気分になった。
そして今ーーー
彼は今ーーー
自分の手の動き、指の動きだけで彼女にさっきと同じ様な顔を再現させている。
ハルキは今ーーー
もしも、ただの「同じ学校の生徒」だけであれば手も届かない様な高嶺の花を、
その両腕の中に収めている。
そして彼女の、そのお高く止まった顔はハルキの指先次第で様々な表情を見せ、その口からは様々な嬌声を出せるのだ。
これが興奮せずにいられようかーーー?
彼は彼女を支配した気分になった。
彼女は先程はハルキだけに見せたあられも無い表情を、今は自らの部下たちにーーー
惜しみもなく見せつけている。
彼女自身そんなつもりではなくとも、
はたから見ればそう見えるのだ。
スク水戦闘員達はそんな隊長の姿を、なんとも言えない複雑な表情で見守っていた。
そしてハルキはさらに、さっきまで胸を揉んでいた右手で、今度は彼女の両頬を挟む様に掴むとーーー
強引に右にーーーつまりは出来る限り自分を向く様に一気に引き向けた。
次は何をする気かと、彼女の怯えた目とハルキの目が一瞬合う。
しかし次の瞬間ーーー
「………ッ!?」
ハルキは彼女の唇に強引にキスをした。
「〜〜〜ッッ!!」
驚き、大きく目を見開いたサヤはジタバタともがくが、ハルキに身を封じられている為、傍目から見るとそんなに抵抗もなく受け入れている様に見える。
「…………。」
しかし彼女の抵抗は徐々に、本当に小さくなっていきーーー
「………ッ!?」
今度は、驚きのあまり目を見開いたのは、
ハルキの方だった。
「〜〜〜ッッ!!」
サヤが突如ーーー
ハルキの口の中に舌を入れてきたのだ。
ハルキにとって、ディープキスなんて初めてだった。
それはそうだ。
ディープキスはおろか、
彼は今日の紗羅とのキス自体がファーストキスだったのだから。
サヤの舌は柔らかく、そして暖かく。
しかし
そう思ったのも束の間ーーー
すぐに彼女の舌が硬くなると、今度はまるで棒でかき回す様に不器用に、
ハルキの口の中をくるくると周った。
「……………。」
彼女もこれが初めてのディープキスなのだろうか。
その舌使いはぎこちなく、その初々しさたるや、彼女のルックス、立ち振る舞いからは大きくかけ離れたものである。
ふと彼が目を開けると、文字通り目と鼻の先にサヤの顔があり、彼女の閉じた目は必要以上にギュッと瞑られていた。
ハルキは最初こそ、口内にねじ込まれる彼女の柔らかい舌に理性を失いそうになったが、彼女のそんな全く余裕のなさそうな顔を見て、なんだか冷静になってきた。
そこで彼はチュパッとその唇を彼女の唇から離すとーーー
再び彼女の胸と股間を揉みしだき始めた。
ハルキは何故か少し腹が立っている。
その理由は彼自身でさえも理不尽だと思う様などうしようもないものだった。
彼自身、サヤをまるで操り人形のようにやりたい放題していたわけだが、無理矢理唇を奪った際に舌を入れられ、何だがやり返されたような気分になったのだ。
彼は彼女のその行動が無性に気に入らなかった。
彼女の性感帯を揉む手に力が入る。
強引に、半ば力ずくで、一定のリズムを刻むように彼女の胸と股間を揉み込んだ。
つまりは先程と同じ体勢だ。
「アッ… アッ… アッ… アッ…
アッ… アッ… アッ… アッ…」
リズム良く、胸と股間を同時に一揉みするたびに、彼女の身体もリズミカルに弾む。
太腿は内股にギュッと締め、脇も締め、肩も狭めていてーーー
まるで身体から何かを搾り出しているかの様なその姿は、
もはや隊長、いや、一戦闘員としての面影すらなかった。
彼女の股間にはとっくに大きなシミができており、ハルキはラストスパートとばかりに彼女の秘部に指を突っ込む。
スク水越しなのであまり深くは突っ込めなかったが、それでもお構いなしにぐちゃぐちゃにかき混ぜた。
いや、冷静に考えれば股下から手を入れればいい話なのだが、なにぶんハルキにとっても女子の身体を愛撫するのは今回が初めてなので、そんな事にも気が回らなかったのだ。
しかし、ハルキのそんな拙い愛撫でもサヤは何ら不満な様子も無く、激しく感じていた。
「アッ…イッ…イヤッ…ダメ…」
彼女の喘ぎ声はいよいよ大きくなっていく。
「ちょっ…アッ…ヴッ…ダメ…
アッ…イッ…イッ…イクッ…」
そしてーーー
「ア"ッ、イグ…ッ!!」
そんなーーー
断末魔の様な鈍い声を最後に、
彼女は大きくビクンッビクンッと2、3度痙攣するとーーー
まるで眠り姫のような、そんな儚げな表情を残して、
膝から崩れ落ちていったのだった。
2020-04-30 16:19:33 +0000 UTC
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スク水少女達の後ろに、澄ました顔で控えるリーダー格の少女。
(あの大将を倒せば敵は逃げるんじゃねえか?)
ハルキはジッと彼女に狙いを定めた。
そしてーーー
彼は敵のリーダーに向けて一直線に駆けて行った。
ハルキの向かう途中にはーーー
たまたまそこに居合わせたスク水少女二人。
彼女達は急に猛スピードで接近してきたハルキに対し、一瞬驚きを見せる。
が、すぐに冷静な様子で身構えた。
彼女達は冷静ながらも、緊張感を持った厳しい表情で、迫りくるハルキを睨む。
いよいよ間近まで迫ってきたハルキに対し、自らのうっすらと膨らむ胸の前に両手を構え直し、鳥の様に細く長い脚を内股に、そして滑らかなラインを象る腰をグッと落として、再度構え直した。
そしてハルキを迎え撃つーーー
がーーー
「「きゃあぁーーッ!!!」」
別に何か攻撃を受けたわけでもなく、ただ怒涛の勢いで突っ切ってきたハルキにーーー
スク水少女二人はなす術なく吹き飛ばされた。
「オメェ等ザコどもには用はねぇんだよぅッ!!!」
ハルキは勢いそのままに、敵のリーダー一直線に突き進んでいく。
と、また一人のスク水少女が身軽な動きでハルキの行く手に飛び出してきた。
彼女もまた、必ず敵を止めてみせると言わんばかりの覚悟を持った表情でハルキの前に立ち塞がった。
ハルキは構わず疾走するーーー
スク水少女は足のバネを効率よく使うためか、その前傾姿勢の身体をリズミカルに小さく上下させながら身構えた。
ハルキは構わず疾走するーーー
スク水少女のその覚悟のこもった顔に一筋の汗がたらりと。
ハルキの顔に殺気が宿るーーー
前傾姿勢だった少女の身体は少し浮き上がり、その表情には怯えの色が見え始めた。
ハルキは気迫の叫びを上げたーーー
少女はもはや身体がのけ反り、構えていたその両手は、掌を完全にハルキへと向け、その様はまるでーーー
「少し待ってください」と言っているようなーーー
仮にも『戦う戦闘員』には全く似合わない姿だった。
おまけにそのスク水戦闘員の表情は完全に恐怖に支配されていたが、しかし一人の美少女としてはそんなか弱い表情がとてもよく似合っていた。
ハルキと彼女の身体が衝突するや否やの瞬間ーーー
彼女はギュッと目を瞑り、顔をしかめ。
そのままハルキの勢いに、押し倒される様な形でーーー
「ぃやああッ!!」
両手をバンザイさせながら、パタンと倒れていった。
ハルキはそのまま疾走するーーー
もう敵のリーダーまでは後少しの距離だ。
彼は勢いを緩める事なくそのまま突き進んだ。
しかしーーー
「サヤ!ここは私に任せて!!」
また突如、ハルキの前に立ち塞がる少女が出てきた。
(ったく!何人出てくんだよ!
ロクに足止めもできねぇくせによ!)
ハルキはいい加減腹が立ってきた。
しかし目の前に立ちはだかるスク水少女の面構えや佇まいなどを見ると、今までの戦闘員達とは一味違うらしい。
さっきリーダー格の少女の事を呼び捨てにしていた事からも、恐らくはほぼ対等な関係だと見える。
おまけに彼女のその顔立ちーーー
切れ長の目は頭が切れるだけではなく、こちらの出方を見透かしている様にも感じる。
そして引き締まった口元からは一切の油断は感じられず、先程やられていった少女達とは違い、敵の気迫に押されぬ覚悟を感じられる。
それでいて頬からアゴにかけては滑らかな曲線を描いた逆三角形を象っており、かなりの小顔である事がわかる。
さらには真っ黒のショートの髪は後ろでアップで束ねている為か、ポニー部分が纏まらずに大きな尻尾を象っており、そして全体的に髪は左に流している為、左目は長い前髪によって隠れている。
そして手足は細く長いが、それは貧弱さよりも俊敏さを感じさせられーーー
まさにくノ一の様な女の子であった。
さしずめナンバー2といったところか。
「私の名はリン!
他の仲間達の様に、そう簡単にヤラれはしないよ!」
彼女は芯の通った、張り上げる様な声で名乗りを上げた。
そしてハルキは強烈なアッパーを繰り出すため、右拳を大きく後ろに引いた。
「その可愛らしいアゴッ…弾き飛ばしてやるよ!!」
ハルキがそう叫びながら接近すると、リンと名乗った彼女は足幅を大きく広げ、他の少女達以上に腰を沈め、ぶらんと垂らした左手はもはや地面に着きそうなほど、上体を前に倒した。
いかにもーーー
くノ一らしいというか、
まるでケモノの様な構えである。
そしてハルキが激突のタイミングに合わせて繰り出した右アッパー。
狙いは低い位置にある彼女の顔ーーー
下から見上げる様に睨む彼女の顔ーーー
ハルキは今から何を繰り出すかなど隠しもしない。
フォームでバレバレだ。
彼女もハルキの繰り出す攻撃は読んでいることだろう。
そしていよいよハルキの拳は風車の様に大きな軌道を描く。
リンもそれに応じる様に。
さらに一層表情を厳しく。
さらに一層体勢を落とし。
ハルキの拳はまるで地面を抉るように地を這いーーー
ブウンーーー
唸りを上げたハルキの拳は、
リンの小さなアゴを弾き飛ばした。
格好良く名乗りを上げた割には……
あまりにあっけない幕切れだった。
カチッーーー
軽く響いた歯と歯を打ち付ける音とともに、
彼女の顔は跳ね上がりーーー
さっきの低い、低い体勢とは逆に、
今度はつま先から脳天までをピンと姿勢を伸ばし、まるで弓の様に身体を反らした。
広く開いた長い足と、頭を跳ね上げられた反動で大きく広げた長い腕。
それはまさにXの字そのままの形であった。
目は半開きで焦点が定まらず、魚の様に口をパクパクとさせ、さっきまでの、くノ一を彷彿とさせる鋭い表情は見る影もない。
ハルキはそれに構わず彼女の横をスルリとすり抜けーーー
その後ろに控える、先程サヤと呼ばれたリーダー格の少女に肉薄した。
彼女は未だに最初に取っていたポーズ、骨盤を左に突き出し、左手を腰に当てた余裕そうな態度のままだった。
恐らくは彼女の癖なのだろう。
しかし彼女がそんな態度を取っていたのも束の間ーーー
「ッ!?……キャッ!?」
たちまちハルキに身体の動きを封じられた。
それはまるで抱き寄せられるように。
「あんな大振りのパンチを躱せないとか…。
お前らちゃんと訓練してんのか…?」
「クッ……。離せッ!」
(こいつ…『クッ……。』好きだな。)
ハルキの左手は彼女の黒のグローブに包まれたほっそりとした右手首を、スク水の肩紐が通った肌剥き出しの肩の横でガッシリ掴み、そして彼の右手は彼女の、スク水のサラサラとした生地に包まれた細くくびれた腰を強く抱き寄せている。
彼女の左手はハルキの右肩を押し退けようと頑張っているが、ハルキからすればもはや抵抗とは呼べないほどささやかなものだった。
「ッん……!……うッ。……クッ。……アンッ!」
彼女は顔を歪め、歯を食いしばり、と思えば口をギュッと結んで目を瞑り眉間にシワを寄せ、首を左右に振り乱しーーー
さらには、突如『フッ……!』という声で呻いたかと思えば、力尽きた様に表情筋から力が抜け、まるで「感じている」様な表情も見せた。
ハルキの目と鼻の先で見せられる彼女の様々な苦悶の表情は、さっきまでのサバサバした感じとは正反対の、まさにか弱い女の子が苦しむ様だった。
「………。」
別に性的なことは一切していないはずなのに、何故か彼女の表情はとても官能的で、身体を密着させているせいもあって、ハルキは無性にムラムラしてきた。
しかしーーー
彼は冷静に考えた。
せっかく敵のリーダーを捉えたのだ。
彼女を人質に、この戦闘を終わらせてしまえるのではないか?
ハルキは瞬時に彼女の後ろに回り込み、彼女を後ろから捕捉した。
そしてハルキがさっき突っ切ってきた方向、つまり身体を反転させた彼の前方に残っているスク水戦闘員達に向け、声高らかに叫んだ。
「よく聞け!!てめーらのリーダーはたった今………」
と思ったら、目の前は一人のスク水少女の背中で遮られていた。
そこには、先程ハルキが倒したリンという戦闘員。
彼女はさっきと同じ弓形に身体を反らせ、X字に手足を広げた体勢でハルキに背を向けて立っている。
恐らくは絶妙なバランスで体勢が維持され、倒れられないのだろう。
身体は弓なり、足はおおっ広げている為に前後左右にも倒れられない。
さらには大きく広げた腕も力なく、ぶらんとはしているが上体が後ろに傾いているせいで下に落ちる事もないーーー
それはまさにーーー
奇跡の様な光景だった。
さらに奇跡がもう一つ。
立ったまま既に意識が途切れている彼女は、
その体勢のままーーー
失禁していた。
しかもその勢いはまあまあ強くーーー
スク水の生地を突き抜けて、まるで男の立ち小便の様に前方に噴出していた。
小便が噴き出す中で、彼女のやや内股に開いた太ももがビクッビクッと痙攣する。
あまりに滑稽な光景。
しかもその無様な姿を晒す少女というのは、先ほどまで凛々しい顔つきに睨む様な目つき、そしてくノ一を彷彿とさせる氷の様な雰囲気を纏ったクールビューティーである。
恐らくは他のスク水戦闘員達、いや、すべての女子の憧れであろう。
まるで『見てください』とばかりに両手両足をおおっ広げ、クールビューティーの立ち小便を披露するその滑稽な様に、他のスク水戦闘員達は吹き出してしまうものこそいないもののーーー
普段の彼女を知っているばかりに、余計にみっともなく思える姿を見ていられず、顔を背けたり…
あまりのショッキングな光景に戦慄したり…
完璧人間だと思っていた憧れの先輩戦闘員の無様な姿に、軽蔑の色を隠しきれなかったりと…
様々な表情を見せた。
しかしーーー
こんな中でも誰一人として笑うものがいないというのは、彼女達スク水戦闘員はやはり皆、真面目な性格なのであろうか。
必死に笑いを堪えていたのはハルキくらいである。
しかしそんなことよりもーーー
「っていつまでそこにいんだぁ!!
邪魔なんだよッ!!
見えねぇだろうがッッ!!!」
ハルキはリンのピクピクと震えているその小ぶりなお尻を、足蹴にして蹴飛ばした。
彼女はまるで、足元から順に手の指先までを地面に貼り付けていく様に、ビタンッと倒れた。
2020-04-30 16:16:53 +0000 UTC
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「怯むな!一斉にかかれッ!」
リーダーの少女が声を張り上げる。
一度は仲間の無様なヤラレ姿に怯んだものの、スク水戦闘員達はすぐにハルキに再び襲い掛かった。
左から迫ってきた少女に、ハルキは渾身のハイキックを放つーーー
「………ッッ!?」
それはセミロングの可愛らしい少女のアゴにまともに入り、少女は断末魔すら上げずにその首をあらぬ方向へ曲げた。
「やーーー!!」
反対側から叫び声が聞こえた。
ハルキがほぼ勘で左足で後ろ蹴りを放つと、ポニーテールのスク水戦闘員の腹にクリーンヒット。
「フッ!!」
少女は女子にしては身長は高めだが、木枝のように細いその身体をエビのように丸々と、
普段の大人しそうな表情からは想像もつかないくらいの激しい苦悶の表情をハルキに見せた。
しかし、彼女はすぐに蹲るように崩れ落ちると、あまりの鈍痛に身体をゴロンと転がし、お腹を抑え、膝を折り、身体を丸めた状態のまま仰向けになった。
そして先ほどと変わらぬ、彼女が人生で初めて他人に見せたかもしれないような苦悶に歯を剥き食いしばり、顔をシワくちゃにさせた表情を、周りに見せびらかすように仰向けの状態を右に左にとゴロゴロと身体を転がし、最終的には横向けになり、力なく頭を地面にもたげたままアヘ顔を晒した。
股間からはやはり尿がチョロチョロとこぼれ出している。
しかし、ハルキはおろか彼女の仲間ですらその姿を最後まで見届けていない。
苦痛に喘ぐ彼女など気にもかけずに皆戦闘に夢中だ。
その間も一人、また一人とスク水少女達が倒れていく。
しかし、いくらハルキが強くとも相手の数が数だ。
スク水戦闘員達の攻撃を全て交わし切ることはできなかった。
ツインテールの少女が綺麗なフォームでハイキックを繰り出す。
それはハルキの顔面に綺麗に入った。
一瞬彼は怯むもののーーー
(…軽い)
彼女達は身体能力こそ高いものの、体重が軽いせいか、パワーが無いせいか、たとえ顔面に蹴りを喰らってもスカスカの木の棒で殴られるくらいのダメージしか負わない。
一応痛いのは痛いものの、芯に響くようなダメージは負わないのだ。
「うおぉーーー!!!」
ハルキは反撃としてツインテールの少女に激しいタックルを喰らわせ、そのまま彼女の華奢な身体を軽々と両手で頭上に持ち上げた。
ハルキの掌で彼女は仰向けの状態。
左手で首根っこを掴み、右手で股間を掴んだ。
少女は仰向けの状態で頭上に持ち上げられている故にいくら手足をジタバタさせようにもどうすることもできない。
彼女の股間を掴んでいる右手を強く握ると、ちょうど中指が彼女のマンコに食い込んだーーー
「ッんーー!」
頭上でかすかに彼女の身体がピクつく。
しかしハルキはそれに構わず、彼女を放り投げたーーー
その先にいたのは二人のスク水戦闘員。
「いやぁーーッ」
彼女達は迫ってくる自分の仲間を躱しきれず、そのまま二人がかりで押し倒されるように仲間の身体をその身に受け、重なるように倒れるとそのまま3人とも動かなくなった。
スク水戦闘員達はなまじ身体能力が高いせいか、やたらとアクロバティックな動きを見せてくる。
側転、バク転、宙返り。
一人の少女は側転によって上げた足をそのままハルキにぶつけようとした。
ハルキは一瞬動揺したが、後ろに下がる事で難なくそれを躱した。
するとちょうどハルキの目の前に、側転し終えた少女が立った状態にーーー
ハルキとそのスク水少女は超至近距離で向かい合う位置に立った。
「………。」
スク水少女は今目の前に、互いの吐息が掛かりそうなくらいの距離で、自分と同い年くらいの男の子の顔がある事にほんの一瞬思考が止まった。
(やっぱ…
可愛い顔してやがんな。)
ハルキの目と鼻の先には、質素だが顔立ちの整ったおさげの少女の顔がある。
彼女はポカンと間抜けな顔をしていたが、それもまた愛おしく見える。
あまりにも顔が近かったのでーーー
ハルキはつい、彼女の唇にキスをした。
軽くーーーチュッと。触れるように。
すると彼女は驚いたのか、少し目を見開き、だがその顔は呆けている。
顔が赤らんでいるところを見ると…
(ファーストキス…奪っちまったか?)
しかしいつまでも彼女に構っている暇はない。
「おらッ…ポケっとすんな!」
ハルキはいまだ可愛らしくポカンと口を開く少女の顔面に裏拳を入れた。
軽くやったつもりだが彼女の鼻っ面にまともに入り、彼女はその間の抜けた表情から一気にシワくちゃに顰めた表情になった。
そしてそのまま両手を上に、まるで阿波踊りのようにクルクルと身体を踊らせながら数歩後退しながらーーー
おそらく倒れていったのだろうが、もちろん最後まで見届ける余裕などない。
ハルキは振り向きざまに右手を振り回すと、そこにはちょうど迫ってきていた別の少女の顔があった。
振り回した右手ーーー裏拳はタイミングよくその少女に横面に入り、彼女は高速スピンしながら倒れていった。
ふと右を向くと、腰を落とし、両拳を構えている少女がいたーーー
短い髪を後ろで纏めた彼女は小柄な体型だが、勝気な表情でこちらの隙を窺っている。
ハルキはとりあえず左ジャブを出して見るとーーー
「……ハグっ!」
バク転をしてそれを避けると同時にハルキのアゴをそのまま蹴り上げたーーー!
流石にこれは危なかった。
カウンターのみならず、見えていない方向から突如アゴを蹴り上げられたため、思わず膝をつきそうになった。
しかしーーー
彼女がより一層小柄な体型だった事が幸いした。
普通であれば余裕で失神するところだったが、彼女の羽のように軽い体重では、そこまでには至らない。
彼女はおそらくこれを狙っていたのだろうか…
つぶらな目に小さな口ーーーその口の片側をニッと吊り上げると、一気に距離を詰めてハルキの顔面に右ストレートを放った。
しかしーーー
ハルキはそれを華麗なスウェーでかわす。
そしてそのお返しとばかりに彼女の顔面に右ストレートを放ったーーー。
一気に距離を詰めようと、飛び込んできた勢いはそのままに、彼女の顔面に強烈な一撃が撃ち込まれた。
彼女の下半身は前進の勢いが残りつつ、彼女の小さな顔は後ろへ強く弾かれた。
その結果、下半身は立ったままで上半身は後ろに倒れ、まるでブリッヂをするかの如く体を弓なりに反らし、頭頂部から地に落ちた。
その際、身体を反らした瞬間。
スク水越しに乳首やマン筋などが際立って浮き立つのをハルキは見逃さなかった。
彼女は当然、細い四肢をXの字のように投げ出して動かなくなった。
ひと息つく間もなくーーー
「たあぁーーー!」
次は左の方から声が聞こえたと思うと、サイドテールの少女が背の高いワゴン車の上からクルクルと宙返りをしながらハルキの方へ飛んできた。
おそらくこのまま飛び蹴りでも繰り出すつもりなのだろう。
「ったく!
おめえらパフォーマンスでもしなきゃ気が済まねぇのかよ!」
やはり案の定飛び蹴りを繰り出してきた彼女の足を掴み、その勢いのまま、まるでジャイアントスイングの様に振り回した。
「きゃーーッ!!」
「あーーッ!!」
彼女の身体を振り回すことで、接近してきた他のスク水戦闘員達をもなぎ倒していった。
「クッ!ヤツを止めるのよ!」
スク水戦闘員達は尚も突撃を繰り返すーーー
スク水少女を振り回すハルキに。
「うわぁーーーッ!」
「いやぁーーーッ!」
彼女達は突撃してはやられていく。
ハルキが振り回すスク水少女の身体に薙ぎ倒されていくのだ。
(こいつら馬鹿かよーーー)
その様子はまるで、飛んで日に入る虫の様ーーー
ハルキはグルグルと回転し、グルグルと目を回しながらそう思った。
流石に限界が来たので、ハルキは少女をすっぽ抜く様に手放した。
すると彼女はその勢いのまま飛んでいき、その先には別のスク水戦闘員ーーー
彼女の顔面にハルキが振り回していた少女の頭がぶち当たった。
二人は重なる様に倒れ、下になった方ーーーつまりはぶつかられた方の少女はピクピクと痙攣していた。
当然、ハルキが振り回していた方の少女はとっくの前に動かぬ物となっていた。
(ゔーーッ、気持ちわりッ…)
さっきのジャイアントスイングで一気に目が回った。
(こいつらマジでなんなんだ…。
曲芸団かよ…。)
ハルキは心底イライラした。
スパイ養成学校の美少女達ーーー
スクール水着というフザケた格好ーーー
曲芸じみたアクロバティックな動きーーー
まるで漫画の様な展開に、馬鹿にされている様な感覚を覚えた。
「やーーーッ!!」
そうしてる間にも後ろから迫るスク水戦闘員。
ハルキは振り向きざまに彼女の顔面を正面から蹴り上げると、彼女は声も上げずにバク宙しながら地面に突っ伏した。
「へッ!ぶっ倒され方もアクロバティックだな!」
突っ伏した彼女の表情は見えない。
だがわずかに身体をモジモジと捩らせると、すぐに動かなくなった。
そしてーーー
ハルキはふととある場所に目を向けた。
そう、そこには…
あのリーダー格の少女が堂々たる態度でそこに立っていたのだった。
ハルキの周りには、スクール水着・黒のグローブ・黒のブーツを着用した可笑しな服装の美少女達が死屍累々と転がっている。
わずかに呻き声を上げている者。
血溜まりに沈み、ピクリとも動かない者。
そして…
首があらぬ方向に曲がり、どう見ても息絶えている者。
そんな惨状を前に、余裕の表情で構えている彼女に対し、ハルキはひどく憤った。
(ここは一つ…アイツの泣き顔でも拝んどきてぇもんだな。)
彼が次に狙う獲物はーーー
リーダー格の、あの彼女だ。
2020-04-30 16:14:19 +0000 UTC
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突如、ハルキの目の前に立ち塞がった同い年くらいの女子生徒。
と、同時に周りの物陰からも同じ学校の生徒と思われる女子達がゾロゾロと現れ、ハルキは気がつくと彼女達に取り囲まれていた。
「おいおい、驚いたぜ…。俺のファンがこんなに沢山居たなんてよ。」
彼はあくまで冗談っぽく目の前の少女に言い放った。
彼女達はハルキと同じ高校の制服を見に纏っている。
彼はてっきりどこかの組織の襲撃かと思ったが、どうやら同じ学校の女子生徒達らしい。
「あなたのファン?ふざけないでーーー」
しかし目の前の女子、いや、周りを取り囲む女子達は皆一様にただならぬ雰囲気を醸し出していた。
「私たちは如月さんのファンよ。」
彼女はより一層顔を険しくさせた。
彼女の身に付ける制服は黒の短いスカートに黒のブレザー。胸ポケットにはハルキの学校の校章があしらわれており、制服の襟には緑色のリボンが巻かれている。
彼らの高校では、学年別にカラーが定められており、
3年生は赤。
2年生は緑。
1年生は青。
という風に分けられている。
ということは今目の前にいる女子は、2年生ということだ。
「へぇ…それはご苦労なこったな。ただ生憎紗羅はさっき忘れ物を取りに行ってな。
ここにはいねぇんだわ。」
ハルキは右手だけでやれやれとジェスチャーした。
「大丈夫よ。私たちが用があるのは貴方だから。」
彼女はそう言うと不敵に片頬を吊り上げ、女子高生とは思えない妖艶な笑みを浮かべた。
彼女は艶のある長い黒髪を携え、その整った顔立ちからはツンとした印象、彼女の厳しい性格を表しているかのようであるが、しかし性悪な感じは一切無くただ生真面目な性格が表れているようだった。
紗羅は可愛らしさも多少はあるが、この目の前にいる少女は完全に美人の類に類するだろう。
「で、そんな紗羅の追っかけが俺を追っかけてて良いのかよ?」
周りを伺うが、他の女子達も紗羅に並ぶほどの美少女である事がすぐに分かった。
すると長い黒髪の女子がまた顔を険しくさせて。
「貴方…いつもいつも如月さんの隣に纏わりついてる悪い虫よね。
私たちは皆の如月さんを汚されないよう彼女を守るファンクラブのメンバーなのよ。
…貴方には少し痛い目に遭ってもらうわ。」
ハルキは今になって友人の花園が言っていた言葉を思い出した。
ーーーみんなお前の命狙ってるぜ〜。
彼は内心でなるほどなとゴチる。
確かにこれは面倒だ。しかし別に本当に殺し合いになる訳でもないみたいだし適当にあしらうことにするか。と呑気に考えていたが…
(しっかし…)
ハルキは思う。
「紗羅も確かにみてくれは良いがよう…
アンタも同じくれえ美人だぜ。」
ご機嫌を取る為では無く、本心からそう思う。
他の女子達もそうだ。
何でわざわざ紗羅の追っかけなんてやっているのだろう。
それほど紗羅には自分には見えていない魅力があるのか?
「それはどうも。」
彼女は全く表情を変えることなく、全く気持ちの入っていない感謝の言葉を口にした。
おそらく相当言われ慣れているのだろう。
「全く…何で今まで学校でも気がつかなかったんだか…」
彼が続けて独り言のように言うと、彼女の眉がぴくりと動いた。
しかし彼女は事もなげに自らの長い髪をファサッと左手で掻き流すと、黒光りする手袋に覆われた左手を腰に当てた。
腰骨を左に少し突き出し、そのまま視線を下に流すと短いスカートからスラリと斜めに伸びる脚線美。
綺麗な太もも、膝を包む黒のニーソ、膝下を包む黒のブーツは、妖しい光沢を放っていた。
(やっべ…めっちゃエロい…
…………ん?ブーツ?それに…手袋?)
ふとハルキがその違和感に気づいた時ーーー
「ッやあぁーーーッ!!」
右から突然可愛い声が聞こえたと思えば、一人の活発そうなショートヘアの女子が肉薄してきた。
「ヤッ!」
彼女はハルキの顔面にまるで正拳突きのように右拳を突き出した。
どう考えても素人の動きではない。
ハルキの目の前に彼女の黒の手袋に覆われた拳が迫る。
(素材はラバーかレザーか…)
とっさに彼は彼女の右腕を捉えると、そのまま凄まじい勢いで身体を回転させた。
「エッ!?」
一本背負いだ。
なまじ勢いよく突進した彼女の身体はそのまま勢いよくハルキの背中の上に被さり…
「キャッ!」
可愛らしい短い悲鳴と同時に足が浮いたーーー
「フッ!ッヴォあッ!」
勢いよく地面に叩きつけられた時、彼女の口から先ほどの可愛らしい悲鳴からは考えられないような低く醜い悲鳴が出た。
彼女は身体を打ち付けた反動により、その軽い身体を小さく一度跳ね返らせると、そのまま意識を失ってしまった。
(緑のリボン…2年生か。)
彼女は先ほどの睨み付けるような敵意の表情とは打って変わって、今はまるで悪夢に怯えながら眠る少女のような切なげな表情を晒している。
そして、彼女が履いているのはやはり黒のブーツ。
(何だか見覚えがあるな…)
彼の周りの女子生徒達は、先ほど自分達の仲間が一瞬にしてやられたのを目の当たりにし、より一層厳しい表情で身構えた。
動揺するでもなく…
怯えるでもなく…
(…こいつら、イマドキの女子高生って…
訳じゃあねぇな。
まさか…)
気絶させただけとはいえ、男が女である自分の仲間を容赦なく打ち倒したのである。
普通の女子高生であればこんな「慣れ」た様子でいられるはずもない。
(………。
ちょっと……ヤマ、張ってみるか。)
彼は、両足を内股に儚げに倒れている少女の腕を離し、目の前のおそらくリーダー格であろう少女に向き直った。
彼女もまた相変わらず左手を腰に当て、悠然と構えており、焦りなども見られないどころか、まるでこうなる事は分かっていたかのようだ。
ハルキはそんな彼女にまずはポツリと一言。
「あんた…スパイ養成学校の人間だろう?」
「ッ…!?」
少女達に初めて動揺が走った。
(その反応……多分アタリだ。)
彼は心の中でそっと胸を撫で下ろす。
それはそうだ。
もしも全くの見当違いであればただの頭のイタい奴になってしまう。と彼は黒崎の事を思い浮かべた。
「ッへ、へぇ…。な、何のことを言っているのかしら…?」
彼女はあくまでシラを切り倒すつもりらしいが、その笑みは完全に引きつっており、頬がピクピクと痙攣している。
「お前…嘘つくの下手かよ。
……まあ良い。めんどくせぇから根拠を言ってやる。」
彼はそう言うと一息付き、そして…
「まず第一に、今俺の足元で転がっているこの娘。
2年生なのにやけに制服が新しいじゃねえか。
シャツはともかく、ブレザーなんてあまり買い換えることなんてねえよな。
なのにこの娘の制服からはシワ一つねえどころか、新品の服特有の匂いまでしたぜ。」
「クッ……。」
「つまり…お前達は俺たちの学校の生徒ではない。」
ハルキは相手の反応に手応えを感じ、ほくそ笑む。
(ま、新品である保証はねえし、万が一にも買い換える可能性もあるけどな…。
…でも図星だろ。
『クッ……。』とか言ってるし。)
「第二!
お前達のその格好。
……制服姿でブーツに手袋付けてる女子高生なんていねぇぜ…。」
正直これにはハルキも呆れた。
いくら何でも怪しすぎるだろう。
「クッ……こ、これは。」
「そして最後!」
ハルキは相手の返答も待たずに三本指を目の前で立てた。
「俺はよ…。ちょっと諸事情があって、この学校の生徒全員の顔と名前覚えてんだ。
あんたら…どうりで見かけねえツラだと思ったよ。
紗羅と並ぶくらいの美少女がこんなにいんだったら一人くらい顔覚えてても良いはずなのによ!」
「……ッ!」
相手はもう言い返せなくなった。
(ま、誤魔化しようならいくらでもあるんだがな…。
相手が単細胞のバカで良かったよ。)
ハルキは心の中でそう思うと、最後に付け足すようにこう言った。
「そんで…この学校の生徒でもない人間がわざわざ成り済まして襲ってくると言う事はその正体を知られたくないと言うこと。
そこでつい最近俺に心当たりあるのはスパイ養成学校の事を調べてたって事。
だから俺を消しにきたってわけ。
…どう?名推理だろ?」
ハルキがピッとリーダー格の少女に指を差す。
「………ッ。」
すると彼女は最初こそ苦虫を噛み潰したような顔をしていたものの、
諦めたのか、吹っ切れたのか、フンッと鼻で笑うと…
「……。
そうね…バレてしまっては仕方がないわ。」
自分の制服に手をかけたーーー
そしてバサッとその手を華麗な動作で払うと、着ていた制服が全て脱ぎ去られた。
それに倣い、周りの少女達も一斉に制服を脱ぎ去る。
まるで何かのお祝いかのように数えきれない黒の衣服が舞い上がると、その下に立ち並ぶのは、
制服を脱ぎ払い、右手を天高くあげたーーー
スクール水着の少女達だった。
メラッーーー
ハルキの心の中にこみ上げる何か…
それはまるで揺らめく小さな火のように。
それも、黒くーーー
黒くーーー心の中で燃える黒炎。
彼女達のいでたちは、あの日父親を殺した女スパイと同じものだった。
白の肩紐、それは胸から続き、背中でV字になっている…
黒のスクール水着
腕は肘下まである黒の光沢を放ったグローブ。素材はレザーかラバーか、それとも特殊素材か。
グローブが肘下まで覆っているのに対し、その下にもう1着手袋のようなものを着用しているのか、グローブの下からは伸縮性のありそうなスパッツの生地のような物が同じく黒の光沢を帯びながら肘上まで覆っている。
足も同様、黒光りしたなんの装飾もないブーツが膝下まで覆っており、その下に腕と同じ素材のニーソが膝上まで伸びていた。
「………。」
ーーーまるであの時と同じだ。
今目の前にいるリーダー格の彼女は、腰を左に突き出し、左手を腰に当て、右手は制服を脱ぎ払ったまま斜め上に掲げている。
その艶のある長い黒髪は風に靡き、整った顔立ちは自信に満ち溢れていてーーー
ほどよく膨らんだ胸ーーー
ほどよく締まったくびれーーー
ほどよく膨らんだお尻ーーー
そしてそれらをピッタリと包む、スクール水着。
そして股下から伸びる綺麗な足は先ほどと変わらず、左に突き出した腰骨から斜めに伸びていた。
スクール水着とはこんなにも魅力的なものだったのか?
彼女の美しさがあるが故なのか?
とにもかくにも、ハルキには彼女ーーーいや、彼女だけでは無い周りを取り囲む少女達全員に、まさに目のやり場もなくなるような眩しさを感じたのだった。
しかしハルキは……
「残念ながら、私達の正体を知られたからにはーーー
ただでは帰せないわ。」
リーダー格の少女がキリッとした表情で言い放つ。
いや、だからこそハルキは………
とてつもない怒りを覚えた。
父親の仇である彼女達に対して、劣情を抱いてしまった事に。
「全員!やってしまいなさいッ!」
彼女が右手でピッとハルキを指差し、凛と張る声で下知。
途端ーーー
周りの少女達が一斉にハルキに襲い掛かった。
「ッたあぁーーー!!!」
黄色い掛け声も幾重にも重なればそれなりに迫力が出るものだ。
「………。」
ハルキは未だ無言のまま立ち尽くしている。
そして…
「やーーー!」
一人のショートの髪を後ろで束ねた小柄なスク水少女が突出してきた。
その刹那ーーー
「ッ………!!!」
ハルキの渾身の右拳が彼女の顔面に叩き込まれたーーー
小柄な彼女の小さな顔はハルキの拳のサイズにちょうどよくめり込み、突進してきた勢いそのままにもんどりを打った。
ひっくり返った足は彼女の、湧水のように鼻血を溢れさせる顔面を挟むようにし、天に見せつけるかのように露わになった股間は、スク水越しにも恥部の筋が浮き出ているーーー
いわゆる、マンぐり返しの態勢で倒れた。
さっきまで小顔で可愛らしかった彼女の顔など想像もつかぬ程、彼女の顔は歪み血塗れの状態でーーー
その表情は先ほどハルキに投げ飛ばされた少女のような儚げなものとは違い、目は半開きでその目に光はなく、虚ろで可愛らしさとは正反対の表情を晒していた。
一言で言うと…
かなり滑稽な姿だった。
彼女の身体はピクピクと痙攣をしていたが、やがてその痙攣が収まるとーーー
今度は股間から噴水のように液体が噴き出した。
その尿はまるで計算されたかのような放物線を描くと、その先にあったのは彼女の顔。
血塗れになった可憐な顔を洗い流すと、その無様な表情が露わになった。
「クッ!」
「なっ……!?」
その姿を見て同じく迫ってきていたスク水少女達も怯み、突進を躊躇する。
しかしーーー
そんな彼女達にハルキはあくまで無表情に、飄々とした態度で…
「アンタらのせいで今の俺はちぃーっと機嫌が悪りーんだ…
ぶち殺される覚悟があるならーーー
かかってきやがれッ…。」
ただ、その目には確かな殺意があった。
2020-04-30 07:57:59 +0000 UTC
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ハルキはあの後たっぷりと数学教師に叱られて、やっとの思いで帰された。
「はあ……今日は帰ったらすぐ寝よ。」
今日はいろいろありすぎた…と重い足取りで
昇降口に辿り着くと。
そこには…
「…やっぱりいた。」
案の定紗羅が待っていた。
「…お疲れ様」
彼女は優しくハルキに微笑むと、肩を並べて同じ方向に歩き出したーーー
外に出ると、辺りはもう薄暗くなっており、空を見上げると薄らとした満月が浮かび上がっていた。
「………。」
「………。」
紗羅はともかく、ハルキはさっきのことがあったため、気まずくて何も話しかけれない。
二人の様子、仕草もどこかぎこちない。
しばらくの沈黙…。
その沈黙を破るように紗羅が口を開いた。
「ねえ!…今からデートしない?」
「…はぁ?」
ハルキは思わず変な声が出た。
「え?…って今からって?」
あまりの唐突な提案に、ハルキはついていけなかったが、それでも紗羅は構わずに続けた。
「今日くらいは遅くなっても大丈夫でしょ!
お互い両想いってことが分かった記念にどこかパーっと遊びに行きましょう!」
さらに強引に手を引かれ、ハルキはそれに任せるしか無かった。
結局ーーー
まずはどこかで食事をしようと言うことになり、駅前の栄えた場所に出ることにした。
その道中。
「ねえ、ハル。結局…黒崎さんの言ってたスパイ養成学校ってなんだったんだろうねー。」
紗羅がまた唐突に尋ねてきた。
「え。あ、ああ…どうせおっさんの妄想話だろ?」
「そうだよね…あの人からその話聞いたときは…
なんか…こう言っちゃ申し訳ないけど…
ちょっとこの人ヤバいなって思っちゃった…。」
彼女はちょっと引きつったような顔で笑っていた。
うわー…彼女ドン引きだわ…
ハルキは黒崎を少し哀れに感じ、ご愁傷様と心の中で呟いた。
しかし…
今ハルキが彼女に言った事。
これは嘘だーーー
実はハルキの中で、スパイ養成学校の存在はかすかに現実味を帯びてきている。
これは黒崎から聞いた話から繋がった事だ。
そもそもなぜ黒崎がスパイ養成学校の存在を探っているかというと、以前とある企業の社長と面談した際、隣に一人の年若い女性が居たという。その女性は名を「ナナ」と言うフリーの女スパイであるという。
噂によると、女スパイを養成する学校があり、その学校を卒業すると、その卒業生はその後フリーで活動を始めるという。
そして彼女こそがその学校の卒業生であるという。
ハルキはその話を聞いたとき、かすかな記憶が蘇った。
父親を殺した女スパイ。
名は確かに「ナナ」と言った。
情報はそれだけだ。
ただの思い違いかもしれない。
同名の人物かもしれないし、なんと言ってもスパイである。
あの時の名前はただのコードネームかもしれないし、改名してるかもしれない。
しかし、年格好を聞くとあの時から遡れば辻褄が合う。
年齢は20歳前後だったそうだ。
もしかしたらーーー
そんな思いがハルキの中でその話の信憑性を高めた。
勘違いでも良い…
思い違いでも良い…
ただーーー
父親を殺した犯人を突き止める。
ただ……
ふと、紗羅のあの時の涙が思い浮かんだ。
「……ハル?」
「………ッ!」
紗羅の声でハルキは我に帰った。
見ると彼女が心配そうに顔を覗き込んでいる。
彼女の顔は月明かりに照らされており、そんな顔でさえも儚げに思えてくる。
「ハル…大丈夫?何かすごく怖い顔してたよ?」
紗羅が尚も心配そうに尋ねてきた。
「あ、ああ。…大丈夫だ。何でもないよ…」
彼は頭の中を振り払うと、ーーーこのままじゃダメだ。と心の中を落ち着かせる。
彼女はハルキのことを何でも知っている。
嘘をついてもすぐにバレてしまう。
父親を殺した犯人とスパイ養成学校が結びついた今、この件だけは紗羅に知られるわけには行かない。
スパイ養成学校のことを探っている事を知られると、彼女は絶対にこの件に首を突っ込むだろう。
いつものようにーーー
ーーーハルが心配だから。と言って。
黒崎がハルキに、全校生徒の調査を依頼したのも、ハルキ達が入学して以降、そのスパイ養成学校の構成員が侵入したかもしれないという情報からだった。
ただの思い違いかもしれない…
思い違いかもしれないが…
ーーー紗羅のやつを、危険に晒すわけにはいかねぇんだ。
だから彼は嘘をつく。
「ああ…何かあのおっさんも意外と子供っぽいところがあんだな〜って思ってよ。
あんな漫画みたいな噂信じるなんてよ!」
彼は黒崎のことを思い出すように空を見上げる。
もうすっかり暗くなった空に光る満月には、今まさに雲が掛かろうとしているのが見えた。
ーーー少し演技臭くなったか?
「な?お前もそう思わね?」
と、少し心配になって彼女の顔色を伺った時。
「…………うん。
私もそう思うよ。」
月明かりが消え、
彼女の表情はよく見えなかった。
ーーー
あの後、ハルキ達は夜遅くまで出歩いた。
ファミリーレストランで食事をした後は、
ゲームセンター
買い物
公園
と言っても、ハルキはほとんど振り回されたと言っていい。
その日の紗羅はいつも以上にはしゃいだ様子で、こんな夜遊びをしていることも普段の真面目な彼女からは想像もつかない。
静かな公園のベンチで二人肩を並べて座っていると、また紗羅が唐突にこんな事を尋ねた。
「ねえ…ハル。
あたしの事、いつから好きだった?」
「覚えてねぇよ。んな事。」
「ふーん…。」
彼女は不満そうな顔で頬を膨らます。
「逆にお前はいつから好きだったんだよ。」
半ば誤魔化すようにハルキが尋ね返す?
「覚えてないよ。そんな事。」
こいつ!っと紗羅の方を見遣ると、彼女は意地悪そうにニッと横目で笑った。
ただハルキには分からなかった。
紗羅はハルキと出会って、何かきっかけがあったわけでもなく、最初からハルキに世話を焼いた。
理由を聞くとおそらく、アンタがほっとけないから、とかそんな事を言うのだろうが、本当にそれだけか?
そんな事を考えていると、紗羅は急に真剣な口ぶりで小さくこう言った。
「ねえ…こんなに恋人らしいことしてるのに…
やっぱり恋人にはならないの?」
ハルキはまたか、と思いながらも自分の決意を改めて見せる。
「…紗羅。全て終わってからだ。
全て終わったらまた改めて俺の気持ちを伝える…。
だから…それまでは待ってくれ。」
しかし紗羅はそれを聞くと、身体ごとハルキの方に向き直った。
「でも…その時にはもう、戻れないかもしれないよ?
この関係は、終わってるかもしれないんだよ?
ハル………どうしても気持ちは変わらないの?
仇討ちなんて絶対に間違ってる。
組織を追う事なんて……お願い。
……もうやめて。」
月明かりのせいか。
今は彼女の表情が鮮明に、よく見える。
切なく、悲痛に、懇願するように、訴えかけるように。
ハルキの心はわずかにだが、
確かに揺れた。
それでも、決意は揺るがない。
その代わり新たな決意を胸に抱く。
「紗羅。……約束する。
俺は絶対に死なない。
だから俺を信じて待っててくれ。」
ハルキは紗羅の目から目を逸らさず、
力強く言葉を発した。
紗羅はそれを聞いてしばらく俯くと、
一言ポツリと。
「………じゃあ、最後に。
キスして。」
ーーーああ、そういえばまだしてなかったな。
ハルキは今度こそはと、目を瞑る紗羅に顔を近づけた。
高鳴る胸の鼓動。
触れ合う吐息。
そしてーーー
触れ合う唇。
紗羅の唇は本当に柔らかく。
まだ肌寒いこの季節に、紗羅の唇は本当に熱く。
ハルキが、この人生の中で感じた。
一番の幸せだった。
ゆっくりと唇を離すと、ハルキは紗羅に微笑んだ。
でも彼女の表情は何故か切ない。
ーーーやっぱり…心配だよな。
ハルキは心の中で紗羅に謝ると、
「そろそろ帰るか…」
彼女にそう告げた。
「………うん。」
ーーー
帰り道、まるで何事もなかったかのように歩く二人。
辺りに人通りは少ない。
「え〜っと。てか帰り道どっちだっけ…」
ハルキは帰り道が分かってないのか、困り顔で辺りを見回すと。
「何やってんのよハル。こっちよ。」
紗羅はハルキが向いてる方向と全く違う方向を指していた。
「………ごめん。」
「ハル……アンタそんなに方向音痴だっけ?」
紗羅は心底彼に呆れたようだった。
ハルは心の中で自分の情けなさを悔やむ。
…もう夜も遅い。
帰り道を急ぐ二人は、辺りがさらに人気が無くなっていくのを感じた。
「ねえ、ハル。こっちが近道よ。」
紗羅が指さしたのは地下に入るガレージだ。
「本当にここで良いの?」
ハルキがやや怪訝そうな色を浮かべると。
「反対側から向こうに抜けられるのよ。」
紗羅が手を引っ張った。
紗羅の手がひんやりと冷たい。
ハルキは密かに心臓を昂らせた。
まあでも、紗羅の言うことに間違いはないだろう。
そして、ガレージの中まで入った時…
「アッ!!」
「ビックリした!!
ッ急に大きな声出すんじゃねーよ!」
急に立ち止まった紗羅に、ハルキは心臓が止まりそうになった。
すると彼女は引きつった顔で
「ハル……ごめん。
さっきの公園にカバン……
置いてきちゃった。」
「………。」
逆に良いものを見れた気がする。
自分はともかく、紗羅がこんな天然を発揮させる日が来るとは…
ハルキは怒るどころか、彼女がすこし可愛く見えた。
しかし照れ臭いのか、面倒臭そうな態度で。
「ちぃ…。めんどくせーな。おら、戻るぞ」
ハルキが踵を返そうとすると。
「ご、ごめん!大丈夫だから!すぐに戻ってくる!」
よっぽど慌てたのか、彼女はハルキの制止も聞かずに一人で駆け出していった。
「ちっ、何慌ててんだか…。」
ガレージに一人ポツンと残されたハルキはやれやれと言った表情で頭をボリボリ掻くと、改めて周りを見回す。
照明は付いてはいるが、車自体もそんなに止まっていない、人の気配も全く感じない。
そんな空間ーーー
物音一つせず、こんな所に人なんて来る気配はこれっぽっちも感じなかった。
………。
…………いや。
ーーーハルキ。よく覚えておけ。俺たちのやってる仕事、俺たちトレジャーハンターというのは常に危険が付きまとう。
黒崎の言葉を思い出した。
ーーーもしもこんな所で襲撃されたら…?
いや、ハルキにとってはそれよりも恐るべきことがあるーーー
「ーーー紗羅ッ!?」
夜道に紗羅を一人にさせた事を悔やみつつ、ハルキが今来た道を駆け出そうとした時…
「悪いけど通さないわよ」
一人の少女が立ち塞がった。いやーーー
物陰、車の陰からゾロゾロと、
数十人の少女が現れたのだった。
2020-04-30 07:56:01 +0000 UTC
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途切れそうなほどか細いその声はーーー
それなのにハルキの耳にちゃんと届いた。
「………。」
ハルキは悲痛な表情で、俯くーーー
その表情はナンパな彼が普段滅多にすることの無いものだった。
「…私ね。中学2年の時に転校してきて、ハルと同じになってからずっとハルの事見てきた。
学校も一緒。登下校も一緒。仕事も一緒。ピンチな事も一緒に乗り越えてきた。
そりゃあーーー」
彼女は言いながら隣に椅子を引いてきて、
「ハルが何考えてるかくらいすぐに分かるよ。」
彼女の言葉にはわずかな笑みがあった。
ハルキはそれを聞いて少し呆れられてるような気持ちになり…
「じゃあ…
俺はお前の事をどう思ってるかも、分かってんのか?」
…言った自分に呆れた。
ーーー女の子が告白してくれてんのにこの返事はなんだよ。
彼は自分がひどく情けない男に思えたのだ。
「ハルはあたしの事ーーー
好き?」
普通、意中の相手にこんなこと言えない。
とんだ自意識過剰だと思われかねないだろう。
第一好きじゃないなんて言われたら、大抵の人間は大恥をかくことになる。
そう。だから普通はこんな言葉をさも簡単に言えないーーー
しかし、
彼女はそれほどに確信があったんだろう。
それは自分の容姿への自信だとか、そうではなく。
彼の事をどこまでも理解しているからこそ、言える事なのだろう。
そして肝心のハルキはその言葉を受け…
ーーーやっぱり女の子に告白させるってのは、男としてあっちゃならねえよな。
少し顔を情けなく綻ばせた後何かを決意したように言い放った。
「俺もーーー
お前の事が好きだ……」
「ちゃんとあたしの名前を言って。」
間髪入れずに挟んできた言葉に、ハルキは一瞬呆気に取られながらも、やれやれと言った風に微笑った。
「俺も、紗羅の事が好きだ。」
「良く出来ました。」
そう言った紗羅は、言葉だけ取ると少し傲慢に感じるかもしれないが、ただ彼女の声音、表情を見るととてもそうは思えないーーー
心から嬉しそうだった。
彼女の嬉しさを噛み殺したような顔に、ハルキは今すぐ抱き付きたい衝動に駆られるが、
それをなんとか抑えなくてはいけない。
何故かというと…
「でもーーー」
その声を発したのは…
紗羅の方だった。
ハルキの開きかけた口は発する言葉を奪わられ、そのまま閉じた。
「無理ーーー
なんだよね?」
彼女は優しく微笑むも、その笑みには諦めの色が滲み出てる。
ハルキの顔に表情は無い。
ああーーーと一言呟いた彼の目からは堅い決意が感じ取れた。
彼女はとても言いにくそうに言葉を紡ぎ…
「もしかして…
それって昔……
……お父さんが殺された事が原因?」
「………。」
彼は黙りこくる事で、肯定の意を示した。
「ねえ…まだその組織の事を探してるの?」
「…ああ、トレジャーハンターっつう仕事は仕事柄裏組織の情報も手に入れられるからな。
これが俺がこの仕事を今も続けている理由だよ。」
そして彼は真剣な表情もそのままに続けた。
「俺は生まれてから母親がいなくて、親父が男手一つで俺を育ててくれた。
親父を失った後は黒崎のおっさんに引き取られ一応こうして変わらず生活は出来ているが…
俺の心の中には何もかもがなくなっちまったーーー」
ーーーま、紗羅と出会うまではな。
彼は続く言葉を心の中にしまった。
ーーー
少年は幼き日のことを思い出した。
幼くて覚えていないが、父親は政府の官僚だった。
ある日彼の自宅にスパイが侵入し、たちどころに彼の父親を射殺したのである。
彼は机の下に隠れながらただ震えることしかできなかった。
そしてこの目で見たのだ。
そのスパイの姿を。
彼女はなんとも奇妙な格好をしていた。
そう。女スパイだったのだ。
まず目に入ったのは、学校でプールの時間に女の子が来ていた水着。
肩紐が白の紐で、それは胸から続き、背中でV字になっている。他の部位は全て黒だった。
その時は名称もよく知らなかったが、パイピングスクール水着というやつか。
さらに腕は肘下まである黒の光沢を放ったグローブ。素材はレザーかラバーか、それとも特殊素材か。
グローブが肘下まで覆っているのに対し、その下にもう1着手袋のようなものを着用しているのか、グローブの下からは伸縮性のありそうなスパッツの生地のような物が同じく黒の光沢を帯びながら肘上まで覆っている。
足も同様、黒光りしたなんの装飾もないブーツが膝下まで覆っており、その下に腕と同じ素材のニーソが膝上まで伸びていた。
歳は相当若かった。
当時は自分自身が小さかったので、「お姉さん」という印象を受けたが、今考えると今の自分よりも年下。つまりは中学生くらいだったのでは無いだろうか?
髪は長い黒髪を後ろで纏めており、
顔は…
見えなかった。
黒の水中眼鏡をしていたからだ。
ハルキは歯をガチガチと震わせながらも、息を殺し、その光景を目に焼き付けていた。
その女スパイは父親の死体の前まで行くと、サイズの小さいマシンガンを置いて、しゃがみ込んだ。
そして耳につけたインカムで誰かと連絡を取っている。
「こちらナナ。目標を殺害。機関のデータもこれより回収します。」
彼女は声に幼さを残しながらも、しかし少女とは思えないような口調で冷静に、淡々と状況を説明していく。
「ええ…ええ。正直私もこんなに完璧に任務を成功させられるとは思ってなかったわ。
……え、子供?データ上にはそんなの無かったわよ。」
彼女は周りをキョロキョロと見渡した。
そして…
ゴーグルで彼女の視線までは分からなかったが
確かに彼女はこっちを見たような気がしたーーー
ーーー見つかった!?
ハルキが生きた心地を感じないまま、ただただ目を瞑っていると。
「何かの間違いでしょ…。彼はまだ独身で子供はいなかったはずよ。
………ええ、最後まで気を抜かないわ。
はい。これより帰投します。」
そう言って彼女は通信を終了すると、再び銃を持ち、音も立てずに消えていった。
ーーー
そしてその後、ハルキは父親の友人であった黒崎に引き取られた。
黒崎はまるで抜け殻のようになったハルキを更生させようと、自らのトレジャーハンターの仕事を手伝わせた。
ハルキはみるみるとその実力を伸ばしていったが、どこか彼の目には輝きが無く、落ち着きを取り戻した後も、だんだんと捻くれたような性格になっていった。
そして中学2年の時、紗羅と出会う。
最初、彼は彼女に対して特別な気は無かった。
しかし、真面目な紗羅は生活態度のだらしないハルキを口煩く注意し、何かと世話を焼いた。
ハルキからしてみれば、容姿は良いが何かと付きまとってくる面倒臭い女。という認識であったが、いつのまにか一緒にいる時間も長くなった。
心の中にポッカリと開いた穴を、まるで埋めてくれるように…
そしてある日、ハルキがトレジャーハンターという危険な仕事をしていることを知り、彼女は今すぐ辞めるようにと、それはそれはとてつもない勢いでハルキに迫った。
さらには黒崎の事務所の場所まで特定し、直談判するほどである。
そして、どうしてもトレジャーハンターを辞めようとしないハルキに、彼女が取った行動が…
「じゃあ、私もその…トレジャーハンター?…になる!」
それが条件よ!と二人に迫る紗羅はもはや、誰にも止めることはできなかった。
その後、彼女は持ち前のスペックで、ハルキに並ぶほどの実力を付け、今ではハルキの相棒になっている。
一緒に危機をくぐり抜け、真っ直ぐさとひたむきさを間近で見ていたハルキが、彼女に引かれるのも時間の問題では無かった。
以前から彼女も自分の事を意識していることは、なんとなく感づいていた。
しかし、ハルキは紗羅との関係を進めることは出来ない。
なぜならまずは父親の仇を討たなければならない。
相手はどんな組織かもわからないし、その組織を追うことで今後どんな危険があるかもわからない。
こればっかりは一人で解決しなければならない。
紗羅を危険に晒すわけには行かないのだ。
ーーー
ハルキはそこまでの理由を紗羅に話した。
「………。」
紗羅は泣きそうになりながら俯いている。
しかし、決心し直したようにその小さな顔を上げると。
「ハル!
もう仇を討つことなんて止めよう!
この仕事もやめよう!?」
彼女は悲痛に訴えかけた。
「今まで無事でいられたのも運が良かっただけなんだよ!
あたしッ!あたしッ…ハルの身に何かあったたら…ッ!」
彼女はとうとう泣き出してしまった。
正直、そんな彼女を見ているのは悲しい。
ハルキはそう思うが、やはり決意は変わらない。
「すまない…。」
彼はそう一言だけ呟いた。
彼女はひとしきり泣いた後、ようやく諦めたのか、
「これからもこの仕事を続けるってこと?」
少し赤くなった目でハルキに向き直った。
彼は黙って頷くと、彼女は「じゃあ分かった!」と言ってまたいつもの元気な顔に戻った。
「それじゃああたしはこれからもアンタの相棒よ!」
彼女は勝気な笑顔でニカッと笑う。
「ああ、これからもよろしくな。」
ハルキもそれに応じようとすると…
「……?
おい、紗羅。何やってんだ?」
見ると紗羅は顔を前に突き出し、目を瞑っている。
それはまるで…
キスを求めているようだった。
ハルキが困惑していると、紗羅がその顔のまま、
「あたしたち、確かに恋人同士じゃないけど…
両想いなんでしょ?」
だからキスくらいは良いでしょ?とばかりにそこで言葉を止めた。
ハルキは内心ドキドキしながらも、覚悟を決めた。
彼も健全な男の子である。
そして二人の唇が近づき…
二人の吐息が触れ合うまでの距離になり…
そして……
「コラァ!!お前ら何やっとるんじゃあッ!!」
バァンと勢いよく開いた横引きの扉から、数学の教師の怒鳴り声が響いた。
2020-04-30 07:54:17 +0000 UTC
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「…結局お前らって付き合ってないの?」
「あぁッ?」
ボールをバスンバスンとつく音は幾重にも重なり、体育館中に響いている。
確かにうるさい。
だが別に聞こえなかった訳ではなかった。
「いや、だからよハル。お前毎日如月さんと一緒に登校してんじゃん。これで付き合ってねえっておかしくね?」
「…お前の発想がおかしい。なんで一緒に登校したら付き合うことになんだよ。」
「ったりめーじゃねーか!あの如月さんと一緒に登校できてんだぞ!」
…ハルキは頭にタオルをかけた。
「てかオメー、登校で思い出したけどよぉ。
あんな事して大丈夫なんか?」
「何が?」
「如月さんのラブレター音読事件だよ!みんなお前の命狙ってるぜ〜。」
「マジかよーやべー」
ハルキは棒読みで答えた。
ーーーまあ、命の危険なんてしょっちゅうだしな。
これくらいなんて事はないーーー
普段の仕事柄、ハルキからすれば同級生に絡まれるなんてただのお遊びに等しい。
「てかあの時よ。お前何でラブレターの差出人なんて分かったんだよ。」
「手紙に学年とクラスと名前が書いてあったから。」
「いや、そーじゃなくて!
お前何というかその…名前を見ただけで、そいつの顔を知ってる風な感じだったじゃねーか。
オレまだ入学してから自分のクラスメートの顔しか覚えられてねーぞ?」
「それはゾノの記憶力の問題じゃね?」
「オメー言わせておけば…!」
ぐぬぬ、と握り拳を作る花園の隣でうんざりとした様子のハルキ。
正直これについては説明するわけにはいかなかった。
確かにハルキ自身もたった2週間程度で全校生徒の顔と名前を覚えられようはずもない。
しかし、以前黒崎からある依頼を受けていたのだ。
その内容とは、全校生徒の身辺調査。
彼がそれを聞いたときは、馬鹿馬鹿しすぎて思わず数秒間固まってしまったが、報酬を弾むからやってくれとの事らしい。
その結果、まずは顔と名前を覚えることから始めていったのだ。
ーーーおかげで寝不足で紗羅のやつに叩き起こされる毎日だが…
しかしいくら報酬を弾むとは言え、黒崎に対しての不満は沢山ある。
どうして自分なんだと。
こういう暗記や、細かい調べ事は紗羅にさせた方が上手くやりそうなものだが…
紗羅の方がこういうのはよっぽど得意だろう。
しかしたとえそんなことを言ったとしても、「何でもかんでも紗羅に頼るな」と一蹴されてしまうだろう。
僅かな眠気を感じつつ、体育館の壁にもたれ、だらしなく座るハルキはクラスメート達が交差するように走っていく風景を、ただボーッと見ていた。
バスケットボールを投げ、キャッチし、つき、走る男子達。
その向こうには同じように走り回る女子達。
しかし、男子達の動きに比べて、迫力、なんてものは全くもって無く、まるでスローモーションのようだった。
無論、そんなことは当たり前の話だ。
仕方がないだろう。
だが。
そんな中で明らかに桁違いの動きをする人影が現れた。
その人影はまるでバスケ部顔負けの、思わず見惚れてしまうようなドリブルで相手チームの女子達をたちどころに抜き去ってしまう。
またも、一人の女子がその人影の前に立ち塞がろうとするも、人影は急スピードでその女子の前に肉薄したかと思えば、手前でピタッと止まった。
人間は急スピードで疾走してるところを急に止まれるものなのだろうか。
相手は思わず出し抜かれ、目をパチクリとさせた。
と思ったのも束の間ーーー
そのドリブラーは、そのディフェンダーの横をクルッと一回転。まるでペロッと舐めるようにスピンしながらすり抜けた。
あまりのその迫力に、抜かれた女子は「キャー」と声を上げるだけで何もできない。
最後はゴール前まで近づくことを待たず、まだまだ距離がある段階でシュートの態勢に入った。
そう。スリーポイントシュートだ。
まるでオーバーアクションのように、
不必要と言えるほど身体を大きく動かして、腰を低く、低く沈めた。
そしてストンッとーーー
不必要に音も立てずに高く、高く跳躍した。
ボールを持った両手を高く掲げ。
一本の線になったその肢体は。
まるで彼女の性格を表すかのように、真っ直ぐで、強く、美しかった。
手から軽く放たれたボールは滑らかな放物線を描き、まるで吸い込まれるようにゴールネットに吸い込まれていった。
「キャーッ!如月さーん!」
「如月さんすごーい!カッコいー!!」
女子達の黄色い声援がどっと沸き起こると、紗羅はそれに対して、既に次のプレイに戻るために走りながらも、グッと親指を立てて笑って見せた。
それは普段見せる優しい笑顔では無く、勝気でカッコいい笑顔。
「ああ…やっぱたまんねぇなあ…如月さん。
身体も何かちょーエロいし…。」
ハルキは今にもよだれを垂らしそうな友人を軽蔑した目で見つつ、しかし確かに共感する所はあるかと自分でも思えた。
汗で濡れる綺麗な黒髪。
そのポニーテールの下には、
うっすら蒸気を発する火照ったうなじ。
俗に言うダイナマイトバディというものでは決してないが、細い首筋と細長い手足、抱き締めると壊れてしまいそうな肩幅。
大きくはないが体操服のTシャツ越しにもうっすら膨らむ形の良い胸。
大きくはないがプクッと小ぶりに膨らんでいるお尻。
丈の短い黒光りするスパッツからスラーっと伸びる白い脚は黒のニーソに包まれており、見事なコントラストを演出している。
そんな、思わず守ってやりたくなるようなそんな華奢な身体つき。
しかし、彼女は華奢であるが故の非力さを補うためか、スポーツをするときは打って変わったかのような大胆なパフォーマンスを見せる。
どんなに力に差があっても彼女の手にかかれば、技とスピードと力の使い方で全て覆してしまうのだ。
ハルキはそんな彼女をボーッと眺めていると、やはり自分も少なからず劣情を抱いてしまっていることを自覚した。
隣でスケベ顔をしている奴のことを笑えない。
というよりこれは劣情というよりも…
ほんのチクリ胸を刺す…
「ハルはさぁ、如月さんのこと何とも思ってねーの?」
「………。別に。」
多分これは嘘だ。
「何だよ今の間は。ぜってぇ嘘じゃねえか。」
すぐにバレた。
「…嘘じゃねえよ。」
いや、ハルキ自身も分からない。
すると遠くの方でこの話の張本人、紗羅とふと目があった…
彼女はフッとすぐに目を逸らすも、何故かその顔は嬉しそうだ。
その様子を見てか見ずしてか、隣に座る友人の花園が真面目な声音で、
「てかさぁ、正直に思ってること言うけど…
如月さんってお前のこと好きなんじゃね?」
ーーー知っている。
ハルキは心の中で返事をした。
実際に告白を受けた訳じゃない。でも流石に彼女の態度を見ていたら分かる。
だが、ハルキは自分の気持ちが分からなかった。
いや、本当はそれも既に知っているのかもしれない。
でも…
「………んな訳ねぇだろッ。とにかく俺とあいつはそんなんじゃねぇんだ!」
ハルキは半ばヤケクソでこの話を終わらせようとした。
「ふーん……。」
ムキになってる時点で嘘はバレてるだろう。
でもこの空気の読めない友人は何故かそれ以上は聞いてはこなかった。
ーーーー
放課後…
誰もいなくなった教室。
静かな教室。
夕陽の差し込む教室。
そんな赤茶色に染まった心落ち着く空間の中。
一人の少年が机にポツンと、
窓の向こうの綺麗な夕陽を眺め、黄昏ていた。
しかし、その少年の顔には「黄昏」などと言う言葉など微塵も感じさせない、苛立ちと憂鬱の色を浮かべていた。
「オレは一体こんなとこで何してんだよ…」
机の上には数学のプリント。
黒板には乱雑な字で、「終わるまで帰さん!」と書き置きされていた。
…今朝遅刻した数学の補習である。
「ったく。数学のセンコー厳しすぎんだろ…。ぜってぇオレのこと目ぇ付けてやがるぜ。」
見た目からして不真面目なハルキのことである。
この補習には少なからず私怨というものもあるであろう。
彼は貧乏ゆすりもそのままに、小さく舌打ちをした。
彼がもうこのまま帰ってやろうかと思い始めたその時。
「ほーら…。やっぱり真面目にやってない。」
ガラガラとドアが開くと同時に投げ掛けられた言葉に、彼はさらにため息が出た。
振り返らずとも分かる。
彼の前までやってきたのは、いつものように腰に手を当て、呆れた顔をしている紗羅だった。
「…何でまだ帰ってねーんだよ」
ハルキは紗羅の事など一瞥もせず、窓の外を眺めたままぶっきらぼうに言い放った。
「どうせハルの事だし、こんな事だろうなと思ったよ。」
彼女は構わず前の席の椅子に腰掛けた。
彼女は机の上のプリントをまじまじとみると…
「ねえ、教えてあげようか?」
「…帰れよ。」
ハルキの顔を見ながらニマッと微笑んだ。
ハルキは窓の外を向きながらも、横目でチラッと紗羅を見るも、
夕陽に照らされた紗羅の笑顔は綺麗、どころか神々しくすらあり、
すぐに目を逸らしてしまった。
「ねえ。」
「………。」
彼女が問いかける。
「どうして、この仕事を続けるの?」
「じゃあお前は何でこんな仕事をやってんだよ。」
ハルキは質問に質問で返した。
「そりゃああんたが心配だからよ。
だってそうじゃない。トレジャーハンターなんて仕事、常に危険が付き纏うし、いくら一獲千金が狙える仕事だからって命を落とせば意味がないじゃない。」
ーーーじゃあお前はオレが心配だからって理由だけでそんな命の危険もあるような仕事をやってんのかよ…。
ハルキは紗羅のそんな言葉に心の中でツッコミを入れた。
「別にいいだろ…。」
ハルキはぶっきらぼうに紗羅をあしらおうとする。
「………。」
紗羅はしばらく黙り込んだ後、何かを決心したかのように再び口を開いた。
「ハル…。今朝のことだけど…。」
「………。」
紗羅は目線を下に落とし、ポツポツと言葉を紡ぐ。
「あれって…。あたしのためにやってくれた?」
紗羅の顔が赤く染まっているのは夕陽に照らされてか。
「…いや、別に。何でお前のためにあんなことすんだよ。」
ハルキは尚窓の外を向きながら突き放すようにそう言い放つ。
でもこれはーーー
本当だ。
「前から一度よぅ。学校一のマドンナに送られるラブレターを読んでみたかったんだ。
どんな寒いこと書いてあんだろうなーってな。」
ハルキは性悪な笑みを浮かべ、ヘラヘラと言い放った。
「でもそれってーーー
嘘でしょ?」
「……ッ!」
ハルキの息が詰まる。
何でこいつはオレの心を…
「あの時、嫉妬してくれた?」
「……は?何言って…何でオレが嫉妬なんて…」
「そうであって欲しいな…。」
そう言って彼女は立ち上がり、窓の夕陽を眺めた。
そんな彼女の黄色に輝く横顔に。
「は、ははッ…。お前何言って…。」
ハルキは自らの心臓がバクバクと高まるのを感じていると、彼女はまたハルキに向き直った。
彼女は垂れた横髪をかき上げ、耳に掛けた。
その仕草は色っぽくもあるが、それ以上に何故か切なさを感じさせ…
「あたし………
ハルの事、好きだよ。」
後ろから射す夕陽の逆光のせいで、
彼女の表情は見えなかった。
2020-04-30 07:53:12 +0000 UTC
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「ヘブォッッ!!!」
ーーー突如、何かを顔面に叩き込まれた。
「起きろっ〜〜〜!!!」
ーーー突如、誰かが布団を引っ剥がした。
「って何すんだテメーッ!!!」
「あんたいつまで寝てんのよ!?
また遅刻する気!?」
「"また"とは何だ…。俺は高校入学して2週間、まだ一度も遅刻してねーぞ。」
「それはあたしが毎日起こしに来てあげてるからでしょ!?」
「ああ、確かにそうだな…。毎日こんなバイオレンスな起こされ方をしちゃあ、遅刻なんてできねーよ。」
ハルキはまだ微かにぼやける視界を左上に向けると、そこには両手を腰に当て、仁王立ちのように立つ制服姿の少女がいた。
彼女は如月 紗羅(きさらぎ さら)
ハルキの高校の同級生、というよりかは中学2年からの付き合いだ。
そしてハルキと同じ、トレジャーハンターでもある。
漆黒の黒髪はミステリアスでおしとやかな雰囲気を醸し出すも、ポニーテールにしてるためか、その少女の活発な性格が感じ取れる。
今は表情をキリリと締めてはいるが、決して眉間にシワがよる事は無く、普段は明るく優しい表情である事が見て取れる。
今は怒っているが、いや、その声すらも聴いていて全く不快になる事はなく、しかし、その凛とした声は責任感の強い彼女の性格が聴いて取れた。
あまりの美少女っぷりに、仁王立ちのその立ち姿すらも愛おしく思え、仁王立ちという言葉が全く似合わないほどに思える。
「………。」
「何ボーッとしてんのよ!早く支度する!」
ハルキは諦めたように鼻をフンッと鳴らすと。モソモソとベッドから立ち上がったーーー
「なあーーーお前、なんで毎日俺を起こしにくんだ?
同中(おなちゅう)だからって俺が遅刻してもお前には迷惑かかんねぇだろ?」
朝、ハルキと紗羅はいつも通り、もうだんだんと通い慣れ始めてきたこの通学路を歩いている。
まだ出発したばかりなので同じ高校の生徒などは見かけない。
「そういう問題じゃ無いでしょッ…。
ッ…クラスメートが遅刻するのを放っておくわけにはいかないじゃないッ。」
紗羅はまたちょっと不機嫌になった。
いや、不機嫌というか…
「……なんで拗ねてんの?」
「……ッ。す、拗ねてないッ!」
ハルキの方を向き直って怒鳴った。
怒っているためか、彼女の顔がほのかに赤くなってる。
「ああ…分かったよ。悪かったって。」
ハルキは降参とばかりに、手をひらひらさせて構わず歩き続けた。
紗羅も「もうッ!」と前を向き直り、また二人は朝の通学路を歩いて行く……。
「………。」
「………。」
「なあーーーお前ってさ、なんでウチの高校来たの?」
「………。」
手提げカバンをだらしなく肩に引っ提げて歩くハルキの隣で、紗羅はどこか悲しそうな表情を浮かべた。
「…いや、別に言いたくねーならいいけど。
ただお前のレベルだったらもっと頭イイとこ行けたんじゃねーかって思っただけ…。」
すると紗羅は、今度はハルキから表情を隠すように顔を背けた。
「ッ別に…ただ、ハルはズボラでだらしなくてどうしようもないし…だから一人じゃ何もできないから、あたしが面倒を見なきゃ行けないから、だから同じ高校にしてあげたのよ!」
「………そうかいそうかい。
ひどい言われようだな。」
ハルキはまた降参とばかりに手をひらひらさせて構わず歩き始めた。
「………。」
紗羅の様子を見た彼はその相変わらず締まらない顔で、空を仰ぎ、何事かを考えた結果…
ーーー小さくため息をついた。
いつもの彼にしては珍しく、その表情には
後ろめたさがあった。
紗羅は彼のそんな表情を横目でチラリと見た、
後ろめたさを残したままーーー
ーーーー
だんだん学校が近くなるにつれ、2人の通う高校の制服を着た生徒がパラパラと見かけるようになった。
入学したばかりだが、ハルキはもう既にほとんどの生徒の顔を覚えていた。
ただその中で友人と言えるのはまだごく数人だけだ。
「よう!お二人さん!今日も一緒に登校かい!?」
彼もその中の一人だ。
「ウィーっす。ゾノ。君は今日も朝から騒がしいねー。朝一でお前の相手すんのダリィからまた後でな。」
ハルキは彼をそのままスルー。
「おいなんだよー!おめえだけずりぃぞーッ!」
尚もついてこようとするクラスメート。
「ずりぃってなんだよ…。」
何がずるいのか全く訳がわからない。と言った風だが、もちろん知っている。
周りの生徒たちから凄まじい妬みの視線を受けていることも知っている。
でもだからといってどうしろというんだ。
ハルキは頭が痛くなってきた。
「ね、ねえ、如月さん。僕、この前駅前ですげぇオシャレな喫茶店見つけたんですよ。もしよかったら今度一緒にどうすか?」
「ごめんね花園くん。あたし最近ちょっと忙しくて時間がないの…。
また今度誘ってくれるかな…。」
紗羅は笑顔を崩さずに申し訳なさそうな器用な表情で、やんわりと断っていた。
「………。」
ハルキはさっさとその場を立ち去ろうと…
「テメーッッ、ハルッッーー!!」
は、させてくれなかった。
ハルキは朝からこんなに騒げるこのクラスメートに感心しながらも、どうすればあしらう事が出来るのかに頭を悩ませるのだった。
ーーー
下駄箱にて、ハルキがふと紗羅の方を見ると、いつもの通り紗羅の下駄箱からは大量の紙が、雪崩のようにこぼれ出している。
紗羅は困った様子で、それらを自分の鞄に押し込んでいった。
ハルキはその様子を見ると、呆れたようにため息をついて、紗羅のもとへ歩み寄り、
「こんなん全部その場で捨てちまえばいいのに…」
ラブレターを一つ手に取った。
「……でも、書いた人は、きっと…勇気を出してここに入れたと思うから。」
ーーーまさかこれ毎日いちいち全部読んでんじゃねえだろうな?
ハルキはゾッとするような疑問を投げかけたくなったが、やめといた。
ーーー全く。責任感が強すぎんぜ…。
ハルキはそう一人ごちると、手に取ったラブレターを躊躇いもせずに開けた。
「え…ちょ、ハル!?何やってんのよ!」
「いいじゃんいいじゃん。ここで読もーぜ。」
慌ててラブレターを奪い取ろうとする紗羅をあしらいながら、ハルキはその内容を声に出して読み始めた。
「えーと何何?
初めて見た時からあなたの事が好きでした。付き合ってください。1-B橋本 健人……。
それだけかよッ!まあ大人しそうなやつだしな…。こんなもんか。」
周りの注目が一気に集まる。
それはそうだ。今のこの状況というもの、学校一の美少女の周りにラブレターが散乱しており、いつも何故か一緒にいる決して彼女と釣り合うことのない不誠実そうな男が、そのラブレターを読み上げているという絵面なのだから。
「ちょっとッ…もうやめて!」
紗羅が制止をを求めるも、ハルキは構わず続けて行く。
「え〜次は…?
次の試合、あなたのために絶対に勝ちます。2ーF 剛田 康太…。
なんだよそれ!告白じゃねーじゃん!野球に告白しちゃったよ!第一お前先発投手じゃねーし!」
周りにだんだん人だかりが出来ていく…。
「んでからんでから…。
僕は聡明で美しく優しい貴女に一目惚れしました。是非僕とお付き合いしてください。2ーA 明智 智也…。
こいつさすが次期生徒会長候補ともあってギザなこと言いやがるな〜。
まあでもこいつ神経質そうな顔してやがるから付き合ったらめっちゃめんどくさそう…」
ハルキがまた次のラブレターを手に取ったその時だった。
「………。」
彼の前に数人の生徒が立ち塞がっていた。
彼らは凄まじい形相でしゃがんだ体勢のハルキを見下ろしている。
ハルキはバツの悪そうな、乾いた笑いを発すると…
「は…ははッ…えー、橋本くんに剛田くんに、あと明智くんだよね…」
そろーりと立ち上がり…
「ごっめんなっさーーーいいいッッッ!!!」
予鈴のチャイムが鳴ると同時に一目散に逃げていった。
ハルキは今日、初めて遅刻した。
2020-04-30 07:51:50 +0000 UTC
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